11    189句

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
投入れてみても淋しき芒かな 芝田幸惠 末黒野 201201
竹筒の芒の傾き風生まる 荒木甫 201201
花芒ローカル線を見送りぬ 池田光子 201201
芒原風の行方を見つけたり 松尾芳子 万象 201201
穂芒の光の波や石仏 秋場貞枝 春燈 201201
ゆつくりと振り向く牛や花芒 高倉和子 201201
穂芒に撫でられながら下山する 秋千晴 201201
緑おびひかりて揺るる花芒 本郷宗祥 かさね 201201
芒原引き返さねば出口なし 田村すゝむ 風土 201201
二千戸の仙石原や花芒 下山田美江 風土 201201
芒原しづかに刻のほどけゆく 池田光子 風土 201201
高原の風の切れ味白芒 高村令子 風土 201201
青空のままに冷えゆく花芒 浅田光代 風土 201201
花芒誓子の迎へ受くるさま 野口喜久子 ぐろっけ 201201
芒原うねるは風の大蛇(おろち)かな 久染康子 201201
風芒日ざしを磨きゐるやうな 田所節子 201201
彼の世にもつぎの風くるまで芒 吉弘恭子 あを 201201
風の尾根風の谷なる芒原 今橋眞理子 ホトトギス 201202
芒野に影もきらめくものとなる 今橋眞理子 ホトトギス 201202
それよりは獣道なる芒原 今橋眞理子 ホトトギス 201202
吾を呼ぶや銀の風湧く芒原 近藤きくえ 201202
たよるとはたよらるゝとは芒かな 久保田万太郎 春燈 201202
曽爾の芒百万本の極みなり 水野範子 ぐろっけ 201202
函嶺の日はあまねくも芒原 松本三千夫 末黒野 201202
濡れ色の残る穂芒子規の庭 岡井マスミ 末黒野 201202
峰かけて光流るる花芒 水田むつみ ホトトギス 201203
帰化花の芒と共存地を照らす 池田光子 201203
仙石原吾も芒の波となる 松木清川 ぐろっけ 201203
穂芒や風の磨ける露坐地蔵 岡野里子 末黒野 201204
隠れたきものに優しき芒かな 入江節子 万華鏡 201206
花芒雀群れゐし炭子村 山形悦子 万象 201207
どこまでも靡く芒の阿蘇の景 稲畑汀子 ホトトギス 201209
見し景の阿蘇の芒に或る回顧 稲畑汀子 ホトトギス 201209
萩芒風雨の中に吹き荒るる 稲畑汀子 ホトトギス 201209
六甲の萩芒とて供華に剪る 稲畑汀子 ホトトギス 201209
芒穂をほどきたるより風のもの 稲畑汀子 ホトトギス 201210
眼中に青き芒を飼ふてをる 栗栖恵通子 201210
花芒挿せしに紫となる速し 大橋敦子 雨月 201210
大富士の裾野ひと色芒の穂 水原春郎 馬醉木 201211
芒野に深く入りて浮遊せり 水野恒彦 201211
芒が原思い思いの風捕う 久保東海司 201211
穂芒が触れて太平洋眩し 遠藤真砂明 201211
抜け道も近道も無し芒原 東良子 201211
薄情な風につかまりたる芒 山田六甲 六花 201211
陵の芒にまぶた切られけり 山田六甲 六花 201211
たをやかなな風も手折りて初芒 大内幸子 六花 201211
穂芒に招かれ穂芒に見送られ 木村茂登子 あを 201211
花芒撥ねあげてゆく小海線 城戸緑 末黒野 201211
芒野を恋へばわが息風となり 長山あや ホトトギス 201212
しろがねの波立つてきし芒原 五領田幸子 馬醉木 201212
分け入りし我も乱るる芒原 久布白文子 馬醉木 201212
二歩で越す社家の土橋の芒かな 南うみを 風土 201212
花芒とて馬車の馬高原去る 折橋綾子 201212
一斉にひかりの騒ぐ芒原 笠井敦子 201212
何もかも隠す芒の中の路 宮崎きみ枝 201212
穂芒やむしろ遠さに馴染みけり 豊田都峰 京鹿子 201212
そのなかにひつそりとある芒の穂 野澤あき 火星 201212
燦としてホテルの花舗の花芒 西村裕子 火星 201212
来いといひ来るなともいふ芒かな 山田六甲 六花 201212
賑やかや芒の叩く風の音 市川伊團次 六花 201212
たおやかな風も手折りて初芒 大内幸子 六花 201212
一面る芒野阿蘇は動かざる あさなが捷 201212
穂芒や野にひとすぢの風の道 佐用圭子 201301
宮跡は芒の覆ふ原となり 笠井清佑 201301
谷津に立ち谷津のにほひの花芒 齋藤厚子 201301
富士へ靡く芒は白き風とMなり 岡田貞峰 馬醉木 201301
穂芒の風波爆ずる幾起伏 コ田千鶴子 馬醉木 201301
力抜く術覚えたり芒原 川村清子 馬醉木 201301
ひとり帰りひとりは残る芒原 水野恒彦 201301
曇り日の芒の中の道標 竹内悦子 201301
波打つて蒼天に入る芒原 岩下芳子 201301
てのひらに一筋の血芒折る 有松洋子 201301
芒野は風の迷路といふ処 熊川暁子 201301
穂芒や風に重たき福音書 犬塚李里子 201301
芒原修羅道をゆく漢かな 中田禎子 201301
トンネルを抜けても芒ばかりなり 仁平則子 201301
芒原明日になれば消えさうな 安居正浩 201301
あらがはず流れず風の花芒 樋口英子 201301
穂芒の風となりたる大観峰 永岡享子 京鹿子 201301
胸うちに修羅のありけり芒原 日下部亞こ ろんど 201301
風の声聞かむと風の芒原 村田岳洋 ろんど 201301
芒穂へ分け入る意識してのこと 柳本渓光 ろんど 201301
河馬の池干上がつてをり花芒 杉浦典子 火星 201301
奈良町に仏芒の色いろいろ 堀志皋 火星 201301
かはたれの鉄路にそよぐ芒あり 向江醇子 ぐろっけ 201301
穂芒やひと駅続く基地の塀 内田梢 末黒野 201301
寝転べば空の垂れ来る芒かな 藤生不二男 六花 201301
芒原白き一本目立ちけり 出口誠 六花 201301
穂芒や歴代総長侠客碑 古川夏子 201301
抜きん出て末黒の芒なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201302
ゆきゆきて芒と富士の大井川 間島あきら 風土 201302
芒長け山家暮しの昼下り 柴田朱美 京鹿子 201302
芒原こんど曲れば海消ゆる 柴田朱美 京鹿子 201302
あるやうでない一線や芒原 柴田朱美 京鹿子 201302
花芒母音の甘き国訛り 柴田朱美 京鹿子 201302
風の芒ゆれてゐるものみな不安 柴田朱美 京鹿子 201302
暮れてなほうねりゆたかや芒原 熊切光子 末黒野 201302
残照に影深まりぬ芒の秀 佐藤喜仙 かさね 201302
芒原風の行方の定まらず 古川千鶴 かさね 201302
すつぽりと伴侶を隠す芒原 谷岡尚美 201302
芒野の茫々風の意のままに 中島知恵子 雨月 201302
芒野に金波銀波を生む没日 中島知恵子 雨月 201302
芒野の風に心を解き放ち 中島知恵子 雨月 201302
落ちる陽と短き逢瀬芒原 平居澪子 六花 201303
逆光に狐出て来よ芒原 古川夏子 201303
穂芒や人には見えぬ風に揺れ 長山あや ホトトギス 201304
あの人も逝きし故郷花芒 小菅美代子 ぐろっけ 201304
暮れてなほ芒明りや多摩河原 塚越弥栄子 末黒野 201304
あの人も逝きし故郷花芒 小菅美代子 ぐろっけ 201304
折りたての月の芒をたてまつる 山田六甲 六花 201310
小さな駅降りて芒に突き当る 柴田朱美 京鹿子 201311
穂芒に逢ひたく今日も同じ道 福本すみ子 201311
遠き日の子らの声聞く芒原 小柳千美子 かさね 201311
山雲の動けば動く芒原 水野恒彦 201311
山里の芒の若穂揺れにけり 和田勝信 かさね 201311
穂芒のハラリと解けて風まかせ 木村茂登子 あを 201311
穂芒の紅や寒河江の人偲ぶ 成宮紀代子 201311
命日の仏花に芒の一本を 柴田朱美 京鹿子 201311
夕風に芒房解く試歩の道 村上光子 馬醉木 201311
芒一本手折りて帰路を急ぎけり 柴田朱美 京鹿子 201311
芒原切絵のごとき月上げて 松本三千夫 末黒野 201311
芒数本遊ばせてをりひとりの夕 柴田朱美 京鹿子 201311
兄追ひて妹芒に溺れけり 吉田美智子 末黒野 201311
ひとしきり光りて凪ぐや芒原 中根美保 風土 201312
一叢の芒庭師の刈り残す 塩見英子 雨月 201312
ハイカーの見え隠れする芒原 田中清秀 かさね 201312
合戦の幟のごとく芒揺る 後藤克彦 かさね 201312
道すがら芒購ひ退院す 小池清司 かさね 201312
風さはぐ大地を闊歩芒原 松田和子 201312
穂芒の揺れ始めたる峠茶屋 田村すゝむ 風土 201312
手に触るる幽き湿り芒の穂 岡野里子 末黒野 201312
名月の兎の餅と芒かな 寺田すず江 201312
花芒わづかにありぬ恐山 大橋弘子 末黒野 201312
花芒山の子礼儀正しかる 原田しずえ 万象 201312
花芒叩く雨足詩貧し 山本町子 風土 201312
花芒富士を見てゐる「太宰の間」 田村すゝむ 風土 201312
野に抓みし芒を供へ月祀る 安田とし子 ぐろっけ 201312
落日に芒燃ゆるや富士裾野 土屋光男 春燈 201312
芒野や鬼の泣き出すかくれんぼ 木村梨花 春燈 201312
銀色の芒の穂揺る城の跡 後藤克彦 かさね 201312
銀狼の群走るかに芒原 黒住康晴 201312
創世のごとき雲置き芒原 小野恵美子 馬醉木 201312
千石原みんな芒に消えにけり 松木清川 ぐろっけ 201401
西方へ雲も芒も流れけり 青木朋子 201401
芒穂にたちまち纏ふ日の光 西千代恵 雨月 201401
芒原いくつも過ぎて郷の駅 笠井敦子 201401
渺々と銀波輝く芒原 国包澄子 201401
流れゆく雲の早さや芒原 宮原悦子 雨月 201401
穂芒の夜毎艶ます明けの空 金田けいし ろんど 201401
日の暮の川風匂ふ花芒 岡田史女 末黒野 201401
風を揉みひかりもみあふ芒原 箕輪カオル 201401
風狂の俳人の群れ芒原 山本無蓋 201401
風行かせ芒ひとつに戻りけり 太田佳代子 春燈 201401
穂に出でし芒に風の吹く日かな 柴田志津子 201401
穂芒の女を包む揺れとなり 福永尚子 ろんど 201401
穂芒の夕映に染む川の面 石原節子 春燈 201401
穂芒や煙の香して山の畑 武政礼子 雨月 201401
夕さりや風の棲みつく芒原 稲垣佳子 末黒野 201401
落暉待ち芒野にわくシャッター音 橋本靖子 201401
獣道やも自在に続く芒原 橋本靖子 201401
芒の実有終の美のさんごいろ 杉山瑞恵 雨月 201401
芒原はづれの芒よく揺るる 安居正浩 201401
芒原風と山姥駈け抜ける 有松洋子 201401
芒真そほ冤罪に誅されし跡 杉山瑞恵 雨月 201401
芒野やむかしは標野紫野 水野恒彦 201401
観音の胎内を見て花芒 中山静枝 201401
人をみな呑み込むほどの芒原 大木清美子 201401
朝露に光る穂芒銀の鈴 橋本靖子 201401
溺れじと休まず歩く芒原 石黒興平 末黒野 201401
砥峰とのみねの芒の波に迷い込み 植田雅代 ぐろっけ 201401
生命の神秘末黒の芒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
芒の穂車両に触れて五能線 神田惣介 京鹿子 201402
ひと駅を歩きし昼の花芒 岡田香緒里 やぶれ傘 201402
ハイカーの分け入り消ゆる芒原 蒲田豊彦 雨月 201402
風吹けばドミノ倒しや芒の穂 神田惣介 京鹿子 201402
手の甲におぼえなき傷芒原 師岡洋子 ぐろっけ 201402
芒野に風の倒るるまでを見る 松田泰子 末黒野 201402
人住まぬ庭の芒が手招けり 本木下清美 ぐろっけ 201402
血のつきし葉も混じりたる芒原 天谷翔子 201402
測量の邪魔な芒の手折らるる 佐津のぼる 六花 201402
喧噪の巷をよそに花芒 増田甚平 ろんど 201402
光るものしきりに放ち芒原 望月晴美 201402
天日を散りばめてゐる芒原 駒形祐右子 万象 201402
師弟句碑一基末黒の芒中 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
穂を解きて風の虜となる芒 今村征一 ホトトギス 201403
薄紅の穂を解く芒夕づきぬ 稲垣佳子 末黒野 201404
芒野を出てシベリアヘ向ふ風 木村享史 ホトトギス 201404
一陣の風金芒銀芒 故竹貫示虹 京鹿子 201409
花芒八十路の坂へ足を掛け 吉村摂護 201410
芒→ 12      

2021年10月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。