10    96句

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
芒原ここでしやがめば忘れらる 北川英子 201012
背伸びして方位確かむ芒原 泉田秋硯 201012
穂芒に北国の雲くづれぐせ 豊田都峰 京鹿子 201012
花芒戦の日々をよく喋る 鴨下昭 201012
芒活けじゃれつく猫のくしゃみして 安部里子 あを 201012
御用邸芒の原に囲まれて 鎌倉喜久恵 あを 201012
見え隠れ雉子が塒の芒原 中本吉信 201101
芒持つ父の背を追ふ夕小径 宮田香 201101
夕芒八ケ岳(やつ)燃えのこる雲の涯 岡田貞峰 馬醉木 201101
芒の穂銘菓に添へて出羽土産 村上光子 馬醉木 201101
旅果ての落日支へ花芒 木山白洋 馬醉木 201101
日が来ればすなはち金の芒原 小形さとる 201101
佇めばここが真ん中芒原 吉田順子 201101
一人一人はぐれず戻る芒かな 井上信子 201101
よるべなき風を引き込む芒原 三木千代 201101
しなやかな殺気や芒騒ぐとき 前川明子 201101
芒原歩むや沈みゆくごとく 福田房子 末黒野 201101
寂光院の鐘の余韻や夕芒 重田修 末黒野 201101
佇めば吾も山姥芒原 亀卦川菊枝 末黒野 201101
穂芒の峠を越えて逝かれしか 吉原田鶴子 万象 201101
芒原芒の中ですれちがふ 宮内とし子 201101
乾びゆく匂ひの中の芒原 宮内とし子 201101
ざぶざぶと入つてゆきぬ芒原 大川ゆかり 201101
阿蘇谷の芒の道は風の道 松田明子 201101
穂芒の山肌すべるハングライダー 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201101
芒野の果てより乗りしリフトかな 中村碧泉 ぐろっけ 201101
糸芒初七日故山に掌を合せ 木曽鈴子 ぐろっけ 201101
芒原分け入る山頭火の世界 佐藤みらい ろんど 201101
穂芒の嫋やかなれど踏み込めず 佐藤弘香 ろんど 201101
芒原探しあぐねし出口かな 吉弘恭子 あを 201101
叡山の風となりきり花芒 古賀しぐれ ホトトギス 201102
風力は目に見えるもの花芒 橋本くに彦 ホトトギス 201102
吐息にもさゆれて卓の花芒 千原叡子 ホトトギス 201102
行くほどに隠るるほどに吾も芒 三村純也 ホトトギス 201102
芒の穂節の歌碑を囲みけり 鳴下昭 201102
芒野は風の貯蔵庫かもしれぬ 箕輪カオル 201102
風遊ぶ芒野にゐて酔ひごこち 宮内とし子 201102
芒野の風の道行く修行僧 中石士亮 万象 201102
血の臭ひどこにも無くて芒原 丸井巴水 京鹿子 201102
手折りてや光ちらばる夕芒 西田美ち ろんど 201102
芒原千の風みち自在なり 滝川あい子 雨月 201102
夕芒力こめ試歩速めつつ 仙石君子 雨月 201102
疲れたる眼に揺るる花芒 涼野海音 火星 201102
ただ広く朱雀門まで芒原 高橋大三 ぐろっけ 201102
分け入れば人の背沈む芒原 東芳子 酸漿 201102
分けてゆく芒のぬくし夫に蹤く 田中藤穂 あを 201102
宇宙(そら)のうた風の奏でし芒原 木村幸 201103
枯葎混じる白穂の芒あり 掛江淳司 酸漿 201103
小鳥来てしなる芒を秤とも 鳳蛮華 201104
絢爛と阿蘇の暮れゆく芒かな 長憲一 201104
水代の芒と握手する帰郷 白石不舎 201105
断崖になびく芒や日本海 高谷栄一 嵯峨野 201107
活け方は芒にまかせをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201109
あやさんを侍らしてより芒艶 稲畑汀子 ホトトギス 201109
芒にも偲ぶ心を置く山路 稲畑汀子 ホトトギス 201109
沈む陽に燃ゆる古戦址花芒 藤見佳楠子 201110
芒活けほほけるほかはなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201110
芒穂を解きぬ今宵は十三夜 稲畑汀子 ホトトギス 201110
芒穂を分けて飛び込む野天風呂 中島玉五郎 201110
風聴きに来て芒原風ばかり コ田千鶴子 花の翼 201111
山の辺の入日を撫でる花芒 笠井清佑 201111
芒原へ月が近づき茨城弁 鴨下昭 201111
分け入りて爪先濡るる芒原 米山喜久子 201111
釣り師ゆく芒よけるに攩網つかひ きくちきみえ やぶれ傘 201111
秋七草机辺に芒吾亦紅 大橋敦子 雨月 201111
筆談の影を芒に掃かれをり 海老根武夫 201111
李太白ここちの酔歩芒原 塩路隆子 201112
花芒風に靡くが似合ひけり 坂上香菜 201112
安曇川を二分の中州花芒 坂根宏子 201112
夕陽照る芒が原や黄金色 松田和子 201112
二上山をあふぐ古歌の碑花芒 田下宮子 201112
佇めば風の戸惑ふ芒かな 矢口笑子 春燈 201112
依代の縞芒かも暑を留めし 伊丹さち子 馬醉木 201112
風の香とともに活けられ花芒 市村健夫 馬醉木 201112
山国にほうほうほうと芒揺れ 飯田ひでを 201112
一叢の芒夕日に穂を揃へ 藤岡紫水 京鹿子 201112
穂芒や錆浮き出づる待避線 小川玉泉 末黒野 201112
少しづつ夕映こぼす芒原 上谷昌憲 201112
島に来て八丈芒ときく哀れ 菅谷たけし 201112
ジオラマも芒の原にかはりゐし 石川笙児 201112
芒原出でて一気に老けにけり 石川笙児 201112
行き行きて芒に消ゆるところまで 神蔵器 風土 201112
己が声雲に乗りたる芒原 天野梅花 ろんど 201112
川幅の片側に群れ花芒 竹内悦子 201112
夕映えの艶もつ芒供華とせり 久保東海司 201112
喪ごころに芒の風の鎮魂歌 水谷芳子 雨月 201112
庭芒手折りてしばし月を待つ 服部珠子 雨月 201112
カルデラの芒野に立つ遭難碑 塩見治郎 雨月 201112
芒の穂真先の離れ難きかな 大村峰子 万象 201112
山家の灯見えての安堵芒径 北尾章郎 201201
芒原点となりたる人の影 中川すみ子 201201
客死せし日の茫々と白芒 水野恒彦 201201
ことさらに月の芒を高く挿す 今井千鶴子 ホトトギス 201201
丈低き芒も風の大観峰 稲岡長 ホトトギス 201201
風よりも雲のうつろふ芒原 浅川幸代 末黒野 201201
見失ふ風の行方や芒原 浅川幸代 末黒野 201201
芒→ 11      

2021年10月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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