9    100句

貌が棲む芒の中の捨て鏡   中村苑子

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
芒原てふ月光の置きどころ 千田百里 200101
父なくて旧姓のこる芒原 辻美奈子 200101
もの潜む気配月下の芒原 堀口希望 200101
孤高とは風もまとはぬ芒かな 稲畑汀子 ホトトギス 200911
一劃は冬寄せつけぬ芒叢 稲畑汀子 ホトトギス 200911
由布岳の風に磨かれ花芒 木村公子 花貝母 200911
夕日いま祈るかたちの芒かな 本多俊子 200911
夕映えの真赭の芒ありにけり 前原早智子 春燈 200911
遠き日に続きてをりぬ芒道 平野千江 200911
弱吟にしをる面や花芒 太田實 ぐろっけ 200911
穂芒の淡さまとへり霧ヶ峰 阿部ひろし 酸漿 200911
月祀る芒一升瓶に挿し 山田京子 200912
蒼海に沿へる芒野長万部 坂上香菜 200912
芒呆け大志はあれど宝くじ 石原みどり 炎環 200912
芒原来し人父の国訛 稲見寛子 炎環 200912
目の前の芒にふれて山を見し 谷村幸子 200912
この芒野越ゆれば父祖の墓ある在 松本峰春 春燈 200912
越後三山朝日に映ゆる芒かな 鈴木靜静恵 春燈 200912
山裾の風湧くところ花芒 今井弘雄 春燈 200912
芒野にすすき存分ありにけり 竹下昌子 200912
芒穂の風まかせとはいとほしき 辰巳あした 雨月 200912
晩年の迷ひ穂芒揺れ通し 井田実代子 雨月 200912
しなやかに日照雨を払ふ芒かな 穂苅照子 万象 200912
草々を活けてかなめの花芒 渡辺よし枝 末黒野 200912
河原芒共に歩みてゐるよすが 西山美枝子 酸漿 200912
足止めて芒野に聞く風の声 海老名ムツヱ 酸漿 200912
ゲレンデのすみからすみと花芒 山田和夫 200912
丈長き芒おおひて杣の道 山田和夫 200912
穂芒に日のあつまりて静かなり 鎌倉喜久恵 あを 200912
投げ入れて向き様様の花芒 木村茂登子 あを 200912
野兎と聞きて芒野分け入りぬ 早崎泰江 あを 200912
夕茜芒ヶ原に身を染めて 中川すみ子 201001
乾坤に芒の声の満ち来たり 長山あや ホトトギス 201001
庭芒初日とどめてをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201001
穂芒や風向き変る関ヶ原 水上れんげ 201001
手廂に人を探せり芒原 有田蟻太 201001
人を呑み人を吐き出し芒原 小川玉泉 末黒野 201001
手の届く所にあらず花芒 小野口正江 末黒野 201001
一本の芒や団子やはらかく 小野口正江 末黒野 201001
空き家の庭の芒の穂のゆたか 小野口正江 末黒野 201001
芒原ゆれて佗しや夕散歩 佐藤健伍 201001
素性よき芒は花舗に売られけり 佐橋敏子 春燈 201001
唇を押しつけられし芒傷 天谷翔子 火星 201001
芒野の天衣無縫のオーケストラ 日下部亜こ ろんど 201001
芒野は大地のたて髪月つつむ 石崎浄 風土 201001
芒野は大地のたて髪月うつむ 石崎浄 風土 201001
一叢の芒穂に日の光かな 鈴木幾子 酸漿 201001
花芒風に靡かぬ意志もあり 遠藤実 あを 201001
風誘ふ金一色の芒原 鈴木多枝子 あを 201001
穂の芒石工地蔵の背を刻み 山本無蓋 201001
石の香や芒の中の沢の音 山本無蓋 201001
丈長き芒おほひて杣の道 山田和夫 201001
信号待ち前の車は芒積み 佐方敏明 ぐろっけ 201001
芒の穂一本どりで刺繍とす 鈴木てるみ ぐろっけ 201001
芒原川筋曲がるあたりかな 瀬島洒望 やぶれ傘 201001
しなやかな歓喜のうねり銀芒 前川ユキ子 201002
「震洋」の格納跡や芒の穂 難波篤直 201002
花芒箱根千石原揺らす 嶋田一歩 ホトトギス 201002
穂を解きし芒のまつさらな言葉 山田弘子 ホトトギス 201002
亡き御霊遺し賜ひし芒かな 長山あや ホトトギス 201002
大いなる月を放ちし芒原 山田弘子 ホトトギス 201002
折り返す蓬莱橋や花芒 岡田史女 末黒野 201002
穂芒や流れの細る大井川 菅野日出子 末黒野 201002
穂を解きて夕日の色の花芒 木下和代 末黒野 201002
光また風のままなり芒原 成田美代 201002
芒原鬼女に逢ひたくなればくる 大山里 201002
身ほとりに何もなき日の芒かな 中島知恵子 雨月 201002
箱根来て芒が原に風の波 佐竹千代 やぶれ傘 201002
富士と八ヶ岳並べて置けり芒原 矢崎暉文 酸奬 201002
芒分け単線列車まつしぐら 工藤美和子 酸奬 201002
花芒風になびかぬ意志秘めて 遠藤実 あを 201002
先頭をはや見失ひ芒原 杉村礼子 201003
頂へ風を押し上ぐ芒波 石黒興平 末黒野 201003
手庇の眼下夕日の芒原 森清尭 末黒野 201004
芒挿すはやぶさの飛ぶ宙に向け 鎌倉喜久恵 あを 201008
名月や瓶の芒も影つくり 鷹羽狩行 201009
和三盆ヤクルト芒もて偲び 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
芒原忌日の色でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
一叢の芒に流れゆく月日 稲畑汀子 ホトトギス 201009
先づ風の所在となりぬ芒叢 稲畑汀子 ホトトギス 201009
訪ふことのなき曽爾芒いかばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201009
広間より見える芒といふ配慮 稲畑汀子 ホトトギス 201009
六甲の風置いて来し芒かな 稲畑汀子 ホトトギス 201009
かき分けて芒原より測量士 能村研三 201010
漕ぐ度に芒寄りくる水路かな 山田六甲 六花 201010
餅撒きに芒握れる手をふりぬ 山田六甲 六花 201010
砂山の砂に芒の傾ける 山田六甲 六花 201010
日没の余光に暮るる芒かな 山田六甲 六花 201010
遠くまで渦を生みゆく芒原 山田六甲 六花 201010
ふつくらと生けられてある芒かな ことり 六花 201010
折りとりし芒にけふの旅をはる 安立公彦 春燈 201011
客人に一叢残す芒かな 石田康明 春燈 201011
花道も末路もありぬ芒原 高橋将夫 201011
電車過ぐ芒と共に吹かれをり 卯辰美苗 万象 201011
我が庭の真中にのび芒かな 家塚洋子 酸漿 201011
宮仕へ長きを終へて銀芒 遠藤実 あを 201011
白き風丘を揺らしぬ芒原 美濃部くみ子 201012
風澄めり車窓にとほき芒原 大松一枝 201012
さはさはと芒ヶ原を峠ごえ 太田昌子 馬醉木 201012
晴るる日の皆溺れをり芒原 中村風信子 馬醉木 201012
芒 →10      

2021年10月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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