冴返る 2     100句

人に死し鶴に生れて冴え返る    夏目漱石

料峭 春寒 凍返る・凍戻る 寒戻る 冴返る 余寒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冴え返る鼠襲の詰時つめじ
神蔵器
風土
200201
腰痛といふ言訳も冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200202
トルソーの首の鑿跡冴返る
阪本哲弘
200202
吾が息と覚えしに冴返りたる
山尾玉藻
火星
200202
冴返り深夜放送つけ眠る
山田六甲
六花
200203
冴返る月磨きては雲のゆく
横山迪子
六花
200203
笛・琴は袋の中に冴返る
鷹羽狩行
200203
長々と犬の鎖や冴返る
宇利和代
雲の峰
200204
冴返る籬せめあふ風の音
高橋あゆみ
200204
冴返る風ふところの結願寺
小西石蕗
円虹
200204
冴返る空より羽を賜りぬ
篁李月
銀化
200204
月に人立ちしは夢か冴返る
沢聰
馬醉木
200205
台本に増やす書込み冴返る
丹羽啓子
馬醉木
200205
とほつ世を閉ざす秘仏や冴返る
高橋たか子
馬醉木
200205
冴返るメモ一つ置く事務机
田中清司
200205
テノールの若きを左手に冴返る
鈴木石花
風土
200205
能管の修羅場に入りて冴返る
柴田久子
風土
200205
冴返るねぎに食ひ込むゴムの跡
遊橋恵美子
風土
200205
母諭したるさびしさよ冴返る
甲斐遊糸
百鳥
200205
温泉宿閉ぢ捨湯の煙冴返る
麻生當子
200205
晴るるかに見えて奈良町冴返る
綿谷美那
雨月
200205
冴返るものの一つに顎かな
北嶋美都里
200205
独り居の米研ぎをれば冴え返る
栗田重二
ぐろっけ
200205
冴返る庭の手入れは早仕舞
高沢昌江
ぐろっけ
200205
冴返る空の果行く翼の灯
水上陽三
200205
駅頭の津軽三味線冴返る
廣島泰三
200205
青年に恋の障害物冴返る
白髭美佐子
200206
殉教の血染の遺品冴返る
桑田青虎
ホトトギス
200206
空覆ふ枝の力や冴返る
岩村恵子
ホトトギス
200206

 矢羽さんを悼み

励ましの言葉通ぜず冴返る

朝井きよ子
200206
冴えかへる西に霊峰富士をみて
阿部正枝
遠嶺
200206
冴返る鏡に心晒しけり
清水晃子
遠嶺
200206
冴返る一〇〇字書評を投函す
遊橋惠美子
風土
200206
買物に財布忘れて冴返る
池田光
200206
将軍碑の傷の袈裟懸け冴返る
椙山正彦
200206
北へ向く城の砲身冴返る
下田水心子
円虹
200206
藁葺きの家の灯冴返る
竹中一花
200206
円柱に亀裂の走り冴返る
西村しげ子
雨月
200206
鏡中の媼見つめて冴返る
かとうゆき
銀化
200206
ひとつ又ふえししがらみ冴返る
藤井昌治
200206
冴返る夜や鶏の声はるか
岡田章子
ぐろっけ
200206
城郭の正門厳と冴返る
鵜飼紫生
雨月
200207
悲しみを抱く沈黙冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200302
卓の花なきは淋しや冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200302
冴返る心引締めをりしかな
稲畑汀子
ホトトギス
200302
冴返る路面と聞きて運転す
稲畑汀子
ホトトギス
200302
冴返る日の葬送となりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200302
雨上りをりし朝の冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200302
明るさに頼りをりしも冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200302
惜しまるる若き命や冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200302
旅疲れ癒す家居や冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200302
怠けたき家居心は冴返る
稲畑汀子
ホトトギス
200302
子規庵の書斎三畳冴返る
齋藤宣子
帆船
200303
冴返る死ぬほどに人愛せしか
中村房枝
六花
200303
アパートの鍵穴さぐる冴返る
竹内弘子
あを
200304
塀舐める探照灯サーチライトの冴え返る
篠田純子
あを
200304
間遠なる夜の車道や冴返る
長崎桂子
あを
200304
人まばら高架ホームの冴え返る
山荘慶子
あを
200304
冴返る日本は地図の赤き国
須佐薫子
帆船
200304
間をおいて言出す医師や冴返る
坂本フジ
帆船
200304
百八段此教難持坂冴返る
神蔵器
風土
200304
冴返る堂に青衣女人待つ
朝妻力
雲の峰
200304
冴返る目を刺しさうな夜の枝
山田六甲
六花
200304
一滴も漏らさず星の冴返る
山田六甲
六花
200304
冴返る力を入れてねむりをり
佐藤喜孝
青寫眞
200304
豪商の壁の家訓や冴返る
古川利子
200305
サンテグジュペリ何処の星に冴返る
白髭美佐子
200305
冴返る東京新宿副都心
木村みかん
200305
鳥寄せのあの手この手や冴返る
吉田明子
200305
奥付の篆刻の朱冴返る
山田禮子
遠嶺
200305
冴返る大江戸絵巻拡大図
花島陽子
遠嶺
200305
大仏の背の窓あかり冴返る
鈴木輝子
遠嶺
200305
篳篥に袍の錦地冴返る
禅京子
風土
200305
貝塚の貝の白さや冴返る
小林共代
風土
200305
丹沢の稜線強く冴返る
大山妙子
酸漿
200305
木曽御岳裾野ひろげて冴返る
内藤順子
酸漿
200305
冴返る八橋やばせの櫓君と見し
松崎鉄之介
200305
冴え返る空明けてよりひと色に
宮津昭彦
200305
冴返る顔の失せたる辻地蔵
井手由紀江
築港
200305
冴返る子の転勤を思ひをり
八木玲子
百鳥
200305
冴返るトルコブルーのイヤリング
谷上佳那
百鳥
200305
冴返る小学校の長廊下
須佐薫子
帆船
200305
冴返る堂のとばりに僧の影
中御門あや
雲の峰
200305
錺師の父子の黙や冴返る
出口賀律子
雨月
200305
一舟に一人一湾冴返り
遠藤真砂明
200305
頭骨に裏おもてあり冴返る
長岡新一
200305
冴返る百八十丁の町石道
平居澪子
六花
200305
瑠璃色の空どこまでも冴返る
山田閏子
ホトトギス
200306
月光に雲の剥落冴返る
白髭美佐子
200306
ニュートリノなんじゃもんじゃと冴返る
白髭美佐子
200306
冴返る阿毘蘿吽欠鳰のこゑ
西村純
200306
冴返るイコンの下の木椅子かな
浜口恵以子
風土
200306
中東は戦の火種冴返る
川崎光一郎
京鹿子
200306
歎異抄まだ繙けず冴え返る
柴田朱美
京鹿子
200306
京極家の累代の墓冴返る
谷泰子
ぐろっけ
200306
引導を渡す一喝冴返る
筒井圭子朗
ぐろっけ
200306
喜美子師を悼み病床冴返る
鈴木とみ子
ホトトギス
200307
冴返る夜に登りけり古墳山
射場智也
六花
200307
こぶ三つの古墳山なり冴返る
射場智也
六花
200307
冴返る夜景一望古墳山
射場智也
六花
200307
冴返る3→      

 

2021年3月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。