凍返る・凍戻る    50句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
暁闇の工事の火花凍返る 小山徳夫 遠嶺 199805

 デユッセルドルフ

凍返る大道芸も生くるため

福場朋子 200006
頼りなき三半規管凍戻る 笹家栄子 200104
武士道に散りし塾生凍返る 今西ひろえ 200105
凍返る日輪の影見あたらず 坊城俊樹 ホトトギス 200106
凍返る星座明りの荒磯径 小山徳夫 遠嶺 200106
凍返る幹借りて文字走り書き 鹿野佳子 200305
凍返る川に背骨のありにけり 菅原健一 200307
鶏卵をかきまぜてをり凍返る 竹内弘子 あを 200404
凍戻る開かれぬ戸のむかう側 細川知子 ぐろっけ 200502
凍戻る夜をぐつぐつと集め汁 朝妻力 雲の峰 200503
凍返る十二神将邪気祓ふ 柴田毅 築港 200504
あなた誰と姉の一言凍返る 山本とく江 万象 200505
凍返る市民農園萎えにけり 坂野辰 築港 200506
凍返る龍角散の銀の缶 服部早苗 200604
出直しのきかぬ齢や凍返る 小城綾子 200804
冱てかへる列車遅るるアナウンス 中原吟子 雨月 200804
罅走る露座の大仏凍戻る 岡佳代子 200805
凍返る狐鳴く夜のことさらに 谷村祐治 雨月 200805
冱返り地の箒目も立たぬ朝 溝内健乃 雨月 200805
朝風呂の厳かなこと凍返る 常田創 200904
さよならの一意を抒めば凍返る 鈴鹿仁 京鹿子 201003
家々に容赦なき風凍返る 坂本依誌子 春燈 201004
凍返る重き返書となりにけり 数長藤代 201005
凍返る実験プランは二度三度 伊吹之博 京鹿子 201006
凍返る一夜の旅となりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
煉瓦積アーチ連なり冱返る 中島節子 ぐろっけ 201102
山がひのこだまとなりて凍返る 鈴鹿仁 京鹿子 201103
大津波跡の地獄絵凍返る 山崎里美 201105
野送りの妻のそびらや凍返る 村高卯 201105
枕辺の地震速報凍返る 粟倉昌子 201106
藻のごとく漂ふ町や凍返る 山田暢子 風土 201106
凍返る夜の耳感じ易きかな 岩月優美子 201205
凍返る空の骨箱燃やしけり 福島せいぎ 万象 201205
凍戻る押問答のやうにかな 高橋道子 201205
魚捌く出刃の先まで凍返る 宮井知英 201304
凍返る地軸をトンと押してみむ 柳川晋 201405
凍返る湖心動かぬ大鷲よ 安部康子 万象 201406
凍返るお不動さまを御ン前に 谷村祐治 雨月 201505
しろがねに三日の月の凍返る 谷村祐治 雨月 201505
凍返る夜にしかとあり耳ふたつ 岩月優美子 201705
代筆の書斎の机凍返る 今井充子 201705
銅鐸の溝の鈍色凍返る 平松うさぎ 202006
凍返る女性蔑視の根の深き 森なほ子 あを 202104
凍返る来てすぐ戻る救急車 鈴木石花 風土 202105
凍返る有精卵の黄身の張り 川崎真樹子 春燈 202205
理不尽のいくさ心頭凍返る 宇田篤子 京鹿子 202207
凍返る言葉入つてこぬ訃音 湯川雅 ホトトギス 202207
条幅の書線の震へ凍返る 滋野暁 やぶれ傘 202207
白鍵に黒鍵の影凍返る 新井千佐代 202208

 

2023年3月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。