料 峭 1     200句

料峭の鯉の頭が俎に   金子蛙次郎

料峭 春寒 凍返る・凍戻る 寒戻る 冴返る 余寒 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
極楽橋料峭自刃の地に続く 大橋敦子 雨月 199805
春寒料峭岩を姫としまつりける 井田実代子 雨月 199805
料峭や耶蘇の伏墓敷石めき 河原一夫 199806
料峭や裏街道の遊女宿 保坂加津夫 いろり 199904
料峭の糸きりきりと絞り染 長谷川千枝子 200001
料峭やお竜の入りし水の湯船 朝妻力 雲の峰 200003
料峭の朝の厨の玻璃くもる 柴山つぐ子 春耕 200005
料峭やお夏の狂ふ芝居見て 春田淳子 俳句通信 200005
料峭や子等の目光り紙を漉く 梅田秀子 酸漿 200006
料峭や逆さに曳かれ事故車両 福場朋子 200006

 ベートーヴエン・ハウス

料峭や木目あらはなピアノの蓋

福場朋子 200006
春寒料峭地層を見する切通し 樺山翠 雨月 200006
春料峭水音森を覚ましゆく 丹羽啓子 馬醉木 200104
料峭や寺守として大蘇鉄 鷹羽狩行 200104
料峭やガラシヤ肌身のマリア像 水原春郎 馬醉木 200105
料峭や篝の火屑芝に跳ね 大竹淑子 風土 200105
料峭や鉦に木魚に小座布団 石川のぶよし 200106
料峭や弓勢きりと的狙ふ 旦昭三 雲の峰 200204
料峭や音つかひきる日本海 森田旅舟 200204
料峭や海の香知らぬ飾り舟 湯橋喜美 200204
料峭の波音風と惹かれ合ふ 水見壽男 円虹 200204
料峭や阿波人形の息づかひ 中村風信子 馬醉木 200205
料峭や日矢も届かず海暮るる 松村富子 200206
料峭や術後の耳の脈を打つ 石井邦子 酸漿 200206
料峭の幹や波音蔵したり 木内憲子 200302
料峭や梁に吊せし網代駕籠 山口たけし 雲の峰 200304
料峭やせせらぎ捨つる水の音 村上瑪論 銀化 200304
料峭の尾根魂の戻り来る 山本涼 銀化 200304
料峭の風に峙つ犬の耳 川崎光一郎 京鹿子 200304
料峭の殺生石を見にゆかむ 岩上とし子 200305
料峭や杖にすがれる日々となり 高橋照子 雨月 200305
料峭の黄の花ぽつりぽつりかな 岩月優美子 200305
料峭の夜目にも白き波頭 長岡新一 200305
料峭や初音小路を僧一人 佐藤佐代子 200305
料峭や箸にからまる椀のもの 佐藤博美 200306
料峭や少女この頃激情期 白髭美佐子 200306
料峭や海にせり出す六角堂 中村洋子 風土 200306
料峭や力士がまはす洗濯機 広瀬公子 百鳥 200306
料峭や瀬音磨きに峡の星 岡本眸 200403
料峭の折鶴一羽反戦歌 丹羽啓子 馬醉木 200404
料峭や竹林よりの水の音 大畠政子 雨月 200404
料峭や山へつづける稲荷旗 後藤萩 草の花 200405
料峭や糸を切らざる糸切歯 佐々木咲 草の花 200405
料峭や宗右衛門町の昔今 三島富久恵 草の花 200405
料峭や光合成に取りかかる 篠田純子 あを 200405
春寒料峭嘴刺して水にごらざる 坂ようこ 200405
料峭やろくろに壺の立ち上がり 中村龍徳 200405
料峭や鰐口の緒を抱いて振る 西屋敷峰水 河鹿 200406
料峭やホテルの廊の七曲り 松井倫子 火星 200406
料峭や性善説のあやしき世 山口速 200406
料峭や二月堂より鳥礫 河合佳代子 栴檀 200406
料峭や病妻の嘘多くなる 三橋泥太 遠嶺 200406
業平の宝筐印塔春料峭 小野寺節子 風土 200409
業平の墓の料峭くるぶしに 小野寺節子 風土 200409
料峭や東シナ海星を撒く 有働亨 馬醉木 200503
料峭や戸袋にまだ潜むもの 猪俣洋子 200505
料峭の河岸に積み上ぐ荼毘の薪 須賀允子 万象 200505
料峭や亜麻いろの葦屹立す 加藤みき 200505
料峭の結ひ直すひも解く紐 村園子 200505
料峭の婚儀笙の音ひびきけり 左々法子 百鳥 200505
料峭や鴉の群の一斉に 中上照代 火星 200505
料峭や家籠りして人遠き 大橋敦子 雨月 200505
料峭や薬減らしに堪へぬきて 青垣和子 雨月 200505
料峭や青鷺うごかぬ魚市場 木内徴子 万象 200505
料峭や堰を動かぬ赤き鞠 横松しげる 遠嶺 200506
料峭の水こぼすなよ水瓶座 山元志津香 八千草 200506
料峭や耳に歯科医の金属音 竹内太郎 200507
料峭や黄泉へ導く鳥と船 青山悠 200507
料峭の舟にペンキを塗る匂ひ 藤田佑美子 栴檀 200508
料峭や大スクランブル行くひとり 山元志津香 八千草 200508
料峭の鳥の一翳鋭かりけり 田中美智代 200508
料峭や脚立抱へて小走りに 能村研三 200603
料峭の褄ひるがへる舞子浜 品川鈴子 ぐろっけ 200603
料峭や老酒甕の底掬ひ 徳田千鶴子 馬醉木 200604
料峭や行平に粥のこりをり 里中章子 200604
料峭の雲充ちてをり烏帽子岩 内山花葉 200605
料峭や豊漁にぎはふ万祝着 松波とよ子 春燈 200605
料峭の遊具はどれも動かざり 柴田朱美 京鹿子 200605
料峭や物言ひたげな犬の顔 柴田朱美 京鹿子 200605
料峭を耳の穴から拾ふかな 柴田朱美 京鹿子 200605
料峭や見知らぬ街をさまよひぬ 柴田朱美 京鹿子 200605
料峭や生きる証しに病んでをり 柴田朱美 京鹿子 200605
料峭や暗き八雲の遠し土間 梅村五月 栴檀 200605
料峭の雲ちぎれ飛び人逝かす 四宮一子 200605
膝頭抱き料峭の思案ごと 佐藤淑子 雨月 200606
料峭や悲運のエース名を残し 伊藤康子 ぐろっけ 200607
料峭や樫に鳴くは四十雀 兼子栄子 酸漿 200608
料峭や頂上で聞く鳶の笛 林紀夫 春燈 200703
料峭の界隈寂れ鉄砲洲 宮津昭彦 200704
料峭の街に踏み出す松葉杖 竹内水穂 火星 200704
料峭の深慮の十指開きけり 能村研三 200704
料峭や色美しき杖選び 青山悠 200704
目礼に過ぐ料峭の大社 青山悠 200704
料峭や魔法の如き吹きガラス 森山のりこ あを 200704
料峭や拳ひらきてまた閉ぢて 竹下昌子 200705
蹲踞に料峭の水溢れをり 林日圓 京鹿子 200705
料峭や空へ野火止雑木林 布施まさ子 風土 200705
吾に賞賜ばりたる大人亡く料峭 大橋敦子 雨月 200705
料峭や俎上の魚の目の清し 佐々木はな子 遠嶺 200706
春寒料峭遺されしことうべなへず 樺山翠 雨月 200706
料峭や夫婦で廻す数珠車 山本とく江 万象 200707
料峭や枯山水をたたく雨 菊地惠子 酸漿 200710
料峭や法螺貝合はす別火坊 谿昭哉 200803
料峭や留標のかしぐ十字架山 築城京 馬醉木 200804
料峭やオルガン置かる通し土間 能村研三 200803
料峭や青年弓を捧げ持つ 湯橋喜美 200804
料峭や父の忌父を知るはなき 北川英子 200804
磨かれしまま料峭の車椅子 成宮紀代子 200804
料峭の造酒屋に柄杓酒 安藤久美子 やぶれ傘 200804
料峭や瀬ごとに変はる水の音 加藤克 200805
料峭の深爪父似なりしかな 竹下昌子 200805
料峭や腹中の壁ちぎらるる 吉岡一三 200805
料峭や媽祖行列の墨の絵図 工藤はるみ 風土 200805
代筆の終の句稿や春料峭 水原春郎 馬醉木 200805
料峭や湖に影置く比良山ひら白し 野上智恵子 万象 200805
料峭や糊付け干す手ももいろに 近藤きくえ 200805
料峭やすぐ曲る径また選ぶ 豊田都峰 京鹿子 200805
料峭や数珠とおやきを持ち歩き 奥田順子 火星 200806
料峭やぐすぐす沈む角砂糖 畑佳与 京鹿子 200807
料峭の肌に吸ひつ聴診器 遠藤和彦 彩雲 200901
料峭や声洩れさうな懺悔室 能村研三 200903
料峭や八幡堀にロケの武士 藤見佳楠子 200904
春料峭樹齢千年の楠大樹 水原春郎 馬醉木 200904
料峭の別れの言葉軽からず 岡本まち子 馬醉木 200904
料峭やアイルランドの魔除け面 辻直美 200904
料峭やリンゴクレープ燒きあがる 森山のりこ あを 200904
料峭の粟田口より一騎落ち 西村純太 200905
料峭の喉の奥まで診られけり 竹下昌子 200905
料峭の鐘の中なる師弟句碑 林いづみ 風土 200905
料峭や戸棚に往古の鉤やメス 小林共代 風土 200905
料峭のばねが電池をはね返す 小嶋洋子 200905
料峭の茶房にフルーツポンチなど 竹内喜代子 雨月 200905
料峭の子規庵隅に万年青鉢 瀬島洒望 やぶれ傘 200905
料峭や城石垣の牛蒡積 小澤菜美 200906
料峭や練行衆の別火入り 小林成子 200906
料峭や紅花染めの色褪せず 中山純子 万象 200906
料峭や電車遅るるアナウンス 岡田房子 酸漿 200906
料峭のうすむらさきに日暮くる 外川怜子 風土 200907
料峭やくれなゐ秘むる糶の蟹 橋本榮治 馬醉木 201004
料峭や血を濃くすると薬飲む 神蔵器 風土 201004
料峭や人けはひなき籠り堂 笠井清佑 201005
料峭や墨痕しるき書道展 山口キミコ 201005
料峭やバツグに荷物詰め過ぎし 高田令子 201005
料峭や油塗り込む花鋏 山口ひろよ 201005
料峭や音に遅れて鯉の波 大山文子 火星 201005
料峭や潮の引きゆく船溜 清水美子 春燈 201005
料峭や少し濃いめの死に化粧 中島ひろし 末黒野 201005
料峭や干潟に鳥の点々と 深川峰子 200605
春寒料峭行き先を決めかねて 川上久美 ろんど 201005
料峭や狸燈横目に女坂 佐田昭子 ぐろっけ 201005
料峭や大きが悲し阿漕塚 上田明子 雨月 201005
料峭や百引く七の計算す 横田畠子 風土 201005
料峭や壺伸び上がる轆轤台 小澤淳子 201005
料峭の丹波山並み雨煙り 塩路隆子 201006
料峭やJALの株式一円に 北村香朗 京鹿子 201006
料峭やまだあの山がみえませぬ 後藤那生 ろんど 201006
料峭や脛をあらはに仕丁雛 佐藤美紀 ろんど 201006
料峭やイリュージョンめきビル消ゆる 篠田純子 あを 201006
料峭の山のひとつが歩きだす 梶浦玲良子 六花 201007
料峭や茅葺屋根を煙の出で 石田定子 201008
料峭やだまし絵に水流れゐる 山尾玉藻 火星 201102
料峭の奥嵯峨巡り羅漢群 藤見佳楠子 201104
大地震の報にあたふた春料峭 大橋敦子 雨月 201104
料峭の日比谷公園人疎ら 赤座典子 あを 201104
春寒料峭箱の中から美しき箱 加藤みき 201105
料峭や罹災といふは人智超え 大畑善昭 201105
料峭や裸木にあるつつかひ棒 城孝子 火星 201105
料峭の激震後の大夕日 鈴木良戈 201106
料峭や旧薬舗守る人穏し 金森信子 雨月 201106
料峭の擬宝珠に倚りて女かな 西田美ち ろんど 201106
料峭の靴紐かたく結びけり 松橋利雄 光陰 201203
料峭や別れを惜しむ手の温み 中山骼m 末黒野句集 201203
料峭や石の棺より石の声 平澤 侃 末黒野句集 201203
料峭や靴下白き女学生 坂上じゅん かさね 201204
ほたる坂来て料峭の築地塀 栗原公子 201204
料峭の池を縁取る蛇籠かな 赤座典子 あを 201204
料峭や草木いまだ醒めやらず 小池清司 かさね 201205
料峭や浅紅色の水ぐすり コ田千鶴子 馬醉木 201205
料峭や薬で眠る夜もあり 亀井紀子 201205
料峭や杖をたのみの万歩計 松橋利雄 春燈 201205
料峭や結滞に歩を新たにす 原田達夫 201205
料峭の裸婦のデッサン捗らず 藤田かもめ ぐろっけ 201205
料峭の鍬を休めて野辺送る 水谷文謝子 雨月 201205
地震後の料峭スカイツリーの灯 鈴木良戈 201205
料峭や姉を見舞いて夜の道 水野弘 ぐろっけ 201206
春寒料峭放置自転車積まれゆく 河村啓花 ろんど 201206
料峭やしぶききらめく造り滝 石黒興平 末黒野 201206
料峭や玻璃戸のくもる産児室 佐津のぼる 六花 201212
料峭の祠に揺れて千羽鶴 湯橋喜美 201304
料峭や美男におはす阿修羅神 西郷慶子 201305
料峭や堤を歩む影細き 山本孝夫 201305
料峭の音羽の滝場混みあへり 深澤鱶 火星 201305
料峭やみあかし消えし式内社 川崎良平 雨月 201305
料峭や奥へ奥へと朱の鳥居 山内碧 201305
料峭や神宿る岩そそり立つ 尾木原トシ子 万象 201306
料峭のばさと飛び立つ鴉かな 紅谷芙美江 万象 201306
料峭や大釜据ゑし通し土間 上田亮 末黒野 201306
料峭やきのふよりけふあたらしく 竹貫示虹 京鹿子 201402
料峭や旅の日程組み直し 山本漾子 雨月 201405
料峭や杉も鳥居も山がかり 深澤鱶 火星 201405
料峭の渚や若き松林 藤原若菜 春燈 201405
料峭や小鷺の冠羽吹かれ佇ち 菅野日出子 末黒野 201406
料峭や腕組み解きて口開く 半田稜 ろんど 201407
料峭や愁眉くづさぬ兵馬俑 秋葉雅治 201504
料峭の紙鍋の炎の揃ひけり 成宮紀代子 201504
料峭や真珠は内部より光り 辻美奈子 201504
三面鏡閉ぢ料哨料峭の顔消ゆる 佐藤淑子 雨月 201504
料峭や雨の昨日に濡れる今日 鈴木初音 201506
料峭や人の流れに乗り独り 森清信子 末黒野 201506
料峭の浜や蛸壺二つ三つ 渡部恭子 馬醉木 201510
料峭 →2      

 

2021年2月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。