鬼やらい     214句

まだ死なぬかと客のくる鬼やらひ    高島茂

節分 追儺 豆撒 豆打 年の豆 鬼やらい

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
神木の二の腕あらは鬼やらひ 鷹羽狩行 199903  
胸中の荒れ鬼やらふ聲に出づ 中原道夫 銀化 199903  
艮を物のふたぎぬ鬼やらひ 亀丸公俊 銀化 199904  
鬼やらふ孫たのもしき声変り 樋口英子 朝桜 199904  
天領の雪あをあをと鬼やらふ ほんだゆき 馬醉木 199905  
白菜が畑に傾ぎぬ鬼やらひ 浜口高子 火星 199905  
鮪食ふや隣家の子等の鬼やらひ 皆吉司 船団 199909  
床の間の埴輪おどろく鬼やらひ 鷹羽狩行 200002  
身につきし婦唱夫随や鬼やらひ 水原春郎 馬醉木 200004  
父赤鬼祖父青鬼の鬼やらひ 小林清之介 風土 200004  
鬼やらふ鬼繞の字には魅さるるも 亀丸公俊 銀化 200004  
鬼やらい娘に声を笑はれて 熊谷みどり いろり 200004  
山伏が天に矢を射て鬼やらふ 永野秀峰 ぐろっけ 200006  
鬼やらふ豆を遺影が跳ね返す 野澤あき 火星 200011  
わが声のほとほと貧し鬼やらひ 永岡セツ 酸漿 200104  
大比叡に荒星そろふ鬼やらひ 益本三知子 馬醉木 200105  
六階に更けて独りの鬼やらひ 斉木永久 馬醉木 200105  
逃げ道の手筈ととのひ鬼やらひ 今西ひろえ 200105  
神の木の雪吹きおろす鬼やらひ 岡本眸 200106  
病院の霊安室の鬼やらふ 永野秀峰 ぐろっけ 200106  
をかしさは声張り上げて鬼やらひ 鷹羽狩行 200202  
鬼やらひ終へたる後の空の張り 鷹羽狩行 200202  
鬼やらふ我に足らざる鬼の性 能村研三 200203  
ベランダより街の灯を見る鬼やらひ 山田暢子 風土 200204  
真白なる高千穂はるか鬼やらふ 渕脇登女 200205  
福顔に面を被せて鬼やらひ 吉村玲子 円虹 200205  
海鳴りの玻瑠戸に響く鬼やらひ 森重夫 春耕 200205  
尼寺の直ぐ終りたる鬼やらひ 森重夫 春耕 200205  
鬼やらい小鬼は専ら豆拾ふ 岡本幸枝 ぐろっけ 200205  
鬼やらひ眼ン玉潰せの声かかる 松本文一郎 六花 200206  
鬼やらひ無口な父の声高く 塩出眞一 ぐろっけ 200207  
爺婆のそれぞれの声鬼やらふ 波田美智子 をりをりに 200208  
くよくよもめそめそも鬼やらふべし 伊藤白潮 200303  
北ことに壁なす星や鬼やらひ 鷹羽狩行 200303  
鬼やらひ早朝の庭に鳩の来し 長崎桂子 あを 200303  
鬼やらふ神官の背の桃の紋 川野喜代子 雲の峰 200304  
年男わが家に二人鬼やらひ 河野政恵 酸漿 200304  
もの言はぬ一日の声の鬼やらふ 鉄山幸子 銀化 200304  
鈍くさき鬼も登場鬼やらひ 塩川雄三 築港 200304  
鬼やらひ人の動いて闇動く 塩川雄三 築港 200304  
シャム猫の物見顔して鬼やらひ 阿部一彦 築港 200304  
鬼やらふミス世田谷の声弾み 飯田政子 築港 200304  
羽黒山坊つららの隙に鬼やらふ 岸のふ 馬醉木 200305  
鬼やらひ片身に塩を振つてをる 栗栖恵通子 200305  
鬼やらひ影を大きく打たれをり 今瀬一博 200305  
何気なき小さき倖せ鬼やらい 竹下昭子 ぐろっけ 200305  
戦争の噂しきりに鬼やらい 竹下昭子 ぐろっけ 200305  
鬼やらい誰にも怖き人のいて 陶山泰子 ぐろっけ 200306  
鬼やらひ風は大樹を怒らしむ 宇都宮滴水 京鹿子 200403  
鬼やらふ夫この頃の気の短か 柴崎英子 200404  
福ばかりなるたらちねの鬼やらひ 浅川悦子 雲の峰 200404  
からつぽの池にひよどり鬼やらひ 城孝子 火星 200404  
大いなる城の闇なり鬼やらひ 岡和絵 火星 200404  
鬼やらひ早くから鬼来てゐたり 高橋将夫 200404  
夫の声ばかりが響く鬼やらひ 青木政江 酸漿 200404  
豆握り失語の母の鬼やらひ 北島上已 酸漿 200404  
ぬばたまの闇にぎはへり鬼やらひ 平野貴 対岸 200404  
鬼やらひ追はれて鬼の逃げ場なし 加納花子 築港 200404  
鬼やらひなかなか豆の飛んで来ず 加納花子 築港 200404  
夜もしるき多摩の横山鬼やらひ 佐々木咲 草の花 200405  
鬼やらひ児に見せむとて肩車 橋本靖子 200405  
わがこゑは骨を伝はり鬼やらふ 戸田和子 200405  
鬼やらひ鬼ともならず吾子育つ 鈴木實 百鳥 200405  
壬生寺のがんでんでんと鬼やらひ 安達風越 雨月 200406  
鬼やらひ待つ人影を重ね合ひ 五十嵐暢子 対岸 200406  
三鈷もて赤青黒の鬼やらふ 藤田かもめ ぐろっけ 200406  
紅拭ひ声を荒げて鬼やらふ 品川鈴子 六香 200501  
白紙の山越えてゆく鬼やらひ 鈴木勢津子 200503  
そのうちにしみじみ唱ふ鬼やらひ 田中晃 帆船 200504  
蘆の矢のまあるく飛びて鬼やらひ 萩原みどり 雲の峰 200504  
夕星を仰ぎこころの鬼やらふ 遠藤真砂明 200504  
マンションの女一と間の鬼やらひ 大内佐奈枝 万象 200505  
声高にくらす坐職の鬼やらひ 高橋邦夫 風土 200505  
大津絵の鬼なら飼ふよ鬼やらひ 内藤静 風土 200505  
裃のすこし着くづれ鬼やらひ 田口たつお ぐろっけ 200505  
末弟の声張り上げて鬼やらふ 松井洋子 ぐろっけ 200506  
億光年彼方の星へ鬼やらふ 植村よし子 雨月 200506  
残業やケータイ越しの鬼やらい 佐藤仁 200508  
柊を鉢ごと置かれ鬼やらい 藤原りくを 八千草 200508  
夕焼けは奥行深く鬼やらひ 浅田光喜 対岸 200605  
鬼やらひ泣かれて鬼がなだめをり 山口素基 万象 200606  
鬼やらふ夜空紫紺を張りにけり 伊藤白潮 200704  
鬼やらひ使はぬ部屋は念を入れ 鈴木多枝子 あを 200704  
鬼やらふ声の聞へず更けにけり 荒井和昭 200705  
薄氷の水に戻りし鬼やらひ 百瀬七生子 海光 200705  
鬼やらひ迷子かかへて巡査来る 広瀬俊雄 万象 200705  
吾れ小声妻は大声鬼やらひ 松嶋一洋 200804  
ねのとしのやらずに過ぎし鬼やらひ 木下もと子 200805  
本当の鬼もきてゐる鬼やらひ 高橋将夫 200805  
近隣に声なくなりぬ鬼やらひ 鈴木幾子 酸漿 200805  
恙なきことが福なり鬼やらひ 西出俊子 酸漿 200805  
隣保みな留守してをりぬ鬼やらひ 垣岡暎子 火星 200806  
雪積めるあかるき庭や鬼やらひ 永岡セッ 酸漿 200806  
遠き子の部屋丹念に鬼やらふ 和田和子 馬醉木 200904  
星空のおぼろ温みや鬼やらひ 四條進 200904  
みそつ歯の鬼逃げ回る鬼やらひ 赤木亜華里 200905  
念力を少しゆるめし鬼やらひ 小原徳男 遠嶺 200905  
生業の冥土の飛脚鬼やらひ 瀬川公馨 200905  
闇に向き女一人の鬼やらひ 前川明子 200905  
産土の宮ちまちまと鬼やらひ 折橋綾子 200905  
鬼やらふ声を窘められにけり 山内四郎 春燈 200905  
鶏の小屋に来し鬼やらひけり 杉浦典子 火星 200905  
目に見えぬ姿なき鬼やらひけり 中緒和子 酸漿 200905  
鬼やらひ八十路と思へぬ夫の声 棗怜子 春燈 201004  
若き客なだれ込むなり鬼やらひ 坂本依誌子 春燈 201004  
残業の果てて小声に鬼やらふ 市村健夫 馬醉木 201005  
鬼やらふ手術日近き眼を瞠り 辰巳比呂史 201005  
向き合へる隣家の部屋も鬼やらふ 村上沙央 201005  
鬼やらひ星出揃ひし空に向け 西宮舞 201005  
甲高き乙女の声の鬼やらひ 大山妙子 酸漿 201005  
だんだんに声をひそめる鬼やらひ 平居澪子 六花 201005  
松明をぶんと回して鬼やらひ 涌羅由美 ホトトギス 201006  
計略と言ふおぞましき鬼やらふ 長崎桂子 あを 201102  
鬼やらふ功徳少しは信じつつ 刈米育子 201103  
鬼やらふこころに鬼を遊ばせつ 安立公彦 春燈 201104  
胸中に打つものひとつ鬼やらひ 東亜未 あを 201104  
予後の妻気合を込めて鬼やらふ 楯野正雄 201105  
装ひしものみなはづす鬼やらひ 中村恭子 201105  
子の声の夫似と覚ゆ鬼やらひ 城戸緑 末黒野 201105  
鬼やらひ声をあげても妻一人 藤波松山 京鹿子 201106  
還暦のヅカジェンヌ来て鬼やらひ 山田佳乃 ホトトギス 201107  
拝殿に「落雪注意」鬼やらひ 野沢しの武 風土 201107  
人減りてなにやら寂し鬼やらひ 松本周二 かさね 201204  
声高らかに大灘の鬼やらふ 遠藤真砂明 201204  
鬼やらひ息切れしたる鬼であり 安居正浩 201204  
四隅てふ小暗がりあり鬼やらひ 小嶋洋子 201204  
何の彼のと言ふても夫婦鬼やらひ 矢口笑子 春燈 201204  
したたかに生きて米寿の鬼やらふ 穐好樹菟男 馬醉木 201204  
大声の亡夫に重なる鬼やらひ 青野安佐子 201204  
西の空薄く染まりて鬼やらひ 中山純子 万象 201204  
八十を越えし二人の鬼やらひ 向江醇子 ぐろっけ 201204  
鬼やらひ終はり夜風の湿り帯ぶ 井上春子 春燈 201205  
神木の動かざる息鬼やらい 鈴鹿呂仁 京鹿子 201205  
鬼やらひ泣く児に飴のねりじ棒 坊野貴代美 ぐろっけ 201205  
鬼やらひ赤子のしやぶる鬼の面 赤瀬川恵美 万象選集 201205  
金網の基地の窓開く鬼やらひ 田崎@弘一 万象選集 201205  
家業継ぐ長子に譲る鬼やらひ 石川笙児 馬込百坂 201206  
鬼やらひ異国にありて豆三粒 須賀充子 パミール越え 201206  
松明が闇を揺さぶる鬼やらひ 原友子 201206  
山じゆうの闇の劈き鬼やらひ 鈴鹿仁 京鹿子 201303  
鬼やらひ世界遺産といふ社 和田郁子 201304  
鬼やらひ闇に濃淡ありにけり 近藤喜子 201304  
浮灯台次ぎつぎ灯り鬼やらふ 鈴木千恵子 万象 201304  
鬼やらひ海峡の灯の一つ減り 和田照海 京鹿子 201305  
わし掴み鬼やらふ児は飢知らず 古井公代 ぐろっけ 201305  
鬼やらい鬼より怖い無別法 鎌田慶子 ろんど 201305  
放射能汚染とふ鬼やらふべし 堀井英子 雨月 201305  
止めの矢は鬼門結界鬼やらひ 足立典子 雨月 201305  
使はれぬ部屋を開け閉て鬼やらひ 塩見英子 雨月 201305  
人波の前へ前へと鬼やらひ 栗原京子 201305  
逃げ道を用意してやる鬼やらひ 吉田葎 201403  
心中に見えぬささくれ鬼やらひ 森理和 あを 201404  
やはらかきナースの声や鬼やらひ 阪本哲弘 201404  
鬼やらひ福紙の付く五円受く 中村洋子 風土 201405  
鬼やらひ終へし星空美しき 大橋伊佐子 末黒野 201405  
鬼やらひ境内つつむ声揺らぐ 赤羽陽子 春燈 201405  
鬼やらひ一人居の爺豆を撒く 市川伊團次 六花 201405  
鬼やらひ枡を落としてしまひけり 鎌田光恵 201405  
新藁の熾に風立つ鬼やらひ 深澤鱶 火星 201405  
逸りたるキューバの太鼓鬼やらひ 森清堯 末黒野 201405  
鬼も友たつた一人の鬼やらひ 岡山敦子 京鹿子 201406  
産土の法螺を合図の鬼やらひ 落合由季女 雨月 201409  
鬼やらふ宵の船笛定劾に 荒井千佐代 201504  
裃を脱いで寛ぐ鬼やらひ 岩下芳子 201504  
恵方巻食べて終はりぬ鬼やらひ 塩千恵子 201504  
殺戮より眼をそむけたり鬼やらひ 坂上香菜 201504 後藤健二氏の件
長老のひと声で足る鬼やらひ 藤野力 馬醉木 201504  
鬼やらい雲の厚みのぼっと割れ 北上政枝 201505  
鬼やらふ幼き声の闇ふかし 小野喬樹 馬醉木 201505  
鬼やらふ声を限りに介護妻 山口誠 馬醉木 201505  
鳴弦の儀に鎮もりぬ鬼やらひ 石黒興平 末黒野 201505  
三光門あけ放ちたる鬼やらひ 瀬川公馨 201505  
思ふこと途切れ途切れて鬼やらひ 飯岡敬子 201505  
ふだん着の小野照さまの鬼やらひ 内海良太 万象 201505  
鬼やらふ声に満月上りたり 沢辺たけし 万象 201505  
声高な祝詞聞こゆる鬼やらひ 廣瀬推男 やぶれ傘 201505  
薬師仏の御前に修す鬼やらひ 横山昭子 雨月 201505  
大黒天出でて果つるや鬼やらひ 横山昭子 雨月 201505  
半分は母に隠れて鬼やらひ 吉田葎 201506  
鬼やらひべそかく幼に鬼が泣く 岸本順子 京鹿子 201601  
面取ればやさしき童鬼やらひ 上辻蒼人 風土 201605  
鬼やらひ子を待つほどのこともなし 岸洋子 201605  
大声も小声も可笑し鬼やらひ 高橋道子 201605  
鬼やらひ神杉の秀ゆ鴉発ち 森清堯 末黒野 201605  
鬼やらひピーナツ混る今朝の庭 長尾良子 末黒野 201605  
鬼やらふ天王山の照り翳り 吉村幸子 雨月 201605  
豆鉄砲食らひし鳩や鬼やらひ 佐藤喬風 末黒野 201606  
サッシ屋に猫の入り口鬼やらい 後藤雅文 船団 201612  
鬼やらひべそかく幼に鬼が泣く 岸本順子 京鹿子 201601  
面取ればやさしき童鬼やらひ 上辻蒼人 風土 201605  
鬼やらひ子を待つほどのこともなし 岸洋子 201605  
大声も小声も可笑し鬼やらひ 高橋道子 201605  
鬼やらひ神杉の秀ゆ鴉発ち 森清堯 末黒野 201605  
鬼やらひピーナツ混る今朝の庭 長尾良子 末黒野 201605  
鬼やらふ天王山の照り翳り 吉村幸子 雨月 201605  
豆鉄砲食らひし鳩や鬼やらひ 佐藤喬風 末黒野 201606  
サッシ屋に猫の入り口鬼やらい 後藤雅文 船団 201612  
うすらひや隣家の夫と長話 亀井紀子 201604  
うすらひをつつけば指のいろに溶け 荒木甫 201605  
うすらひの抱きたるものみな透けて 雨村敏子 201605  
うすらひや遠き日のごと玻璃のごと 芦田しずく 京鹿子 201701  
鬼やらふたいまつ官幣大社かな 山田六甲 六花 201702  
鬼やらひ老いたる鬼を追ふも老い 鈴木一広 201704  
伽羅擋きて病室浄め鬼やらひ 落合由季女 雨月 201704  
山伏の法螺貝ひびく鬼やらひ 中村洋子 風土 201705  
鬼を飼ひ福を笑うて鬼やらひ 江島照美 201705  
待つ子等のちやんばら始む鬼やらひ 鎌田光恵 201705  
一発の葦の矢をもて鬼やらふ 山田春生 万象 201705  
仏壇の水とり替へて鬼やらひ 桔梗純 万象 201705  
ひりひりと火照り残るや鬼やらひ 谷口一献 六花 201705  
一人居の細めに開けて鬼やらひ 野村鞆枝 京鹿子 201706  
声張れば星がまたたく鬼やらひ 手島靖一 馬醉木 201804  
人選を迷つてゐたる鬼やらひ 雨宮桂子 風土 201805  
産土の闇を動かし鬼やらひ 森清堯 末黒野 201805  
身上は打たれ上手や鬼やらひ 山中志津子 京鹿子 201806  

 

2019年2月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。