夏終る 1    100句

夏終る見知らぬノッポ町歩き    阿部完市

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ダイエット三日坊主で夏終わる 尾上有紀子 わがまま 200002
山小屋の声筒抜けに夏終る 中原幸子 遠くの山 200010
娘に借りし登山靴干し夏終る 大津留いほり 200011
夏終る見えぬ海より風の来て 戸田春月 光陰 200012
駅弁に塩ふりかけて夏終る 中原梓 海程 200106
荒鋤きのままの捨て田や夏終る 金子きくえ 春耕 200109
生きがいを仕事にたくし夏終る 林田加杜子 いろり 200109
Tシャツを洗ひ晒して夏終る 志水千代子 俳句通信 200110
流れ藻の網に絡まり夏終る 棚山波朗 春耕 200110
夏終る奈良町に買ふ疵の墨 吉岡久江 火星 200111
雷鳥の木彫机上に夏をはる 山口トシ 酸漿 200111
自画像に空き瓶たして夏終る 佐々木峻 船団 200202
交番の街の大地図夏終はる 田彰子 船団 200202
20対0で九人の夏終る 山口和生 帆船 200210
色淡き口紅引けり夏終る 西澤ひで子 遠嶺 200211
狐花すっくと伸び来夏おわる 達山丁字 200212
地球公転して自転して夏終る 村松紅花 ホトトギス 200212
夏終る燭台長き影曳きて 荒井千佐代 200310
序破急の急の一管夏終る 宮脇ちづる 200311
紅白に船塗り直し夏終る 鈴木綾子 百鳥 200311
サンダルに足形残し夏終る 早崎泰江 あを 200311
ポスターの文字に朱を入れ夏終ふ 福永光子 京鹿子 200312
テトラポッド浪柱たて夏終る 福田かよ子 ぐろっけ 200312
蜩の翅の薄さよ夏終る 栢森定男 風よ 200407
死ぬ迄の何時か読む本夏をはる 泉田秋硯 200411
時刻表どさりと捨てて夏終る 宇野九 200411
波めくれ空めくれ夏終るかな 宮崎すみ 対岸 200411
レンタカー三百キロの夏終る 冨永道子 百鳥 200411
夏終わる青春切符の旅三日 松浦光子 200412
生きたいとリハビリの跡夏終る 松澤茂 200503
兜虫放ちて兄の夏終る 小林朱夏 200511
朗読の奉仕活動夏終る 鵜戸千惠 河鹿 200512
蜂の巣を叩き落して夏終る 角南英二 栴檀 200512
大小の壜用ブラシ夏終る 山田三江子 200610
この雲はむかし見た雲夏終る 戸田和子 200611
オーボエをひびかせて夏終りけり 遠山みち子 200611
阿吽とはいかぬ夫婦や夏をはる 畑絹枝 馬醉木 200611
良き事も悪しきも無くて夏終る 横山迪子 六花 200706
一ト皿の鯉こくを食べ夏終る 滝沢伊代次 万象 200708
優勝旗準優勝旗夏終る 木村茂登子 あを 200710
ゆるやかに汐引くに似て夏終る 藤井昌治 200710
米びつの中に虫除け夏終る 米山喜久子 200711
卒論に取り組み吾子の夏終る 田中まよみ 酸漿 200712
歩くことが即リハビリの夏終る 伊藤白潮 200809
夏終る黒き手帖のペンのあと 宇都宮滴水 京鹿子 200810
岸壁に並ぶ纜杭ピツトや夏をはる 根橋宏次 やぶれ傘 200810
浜茶屋の取り払はれて夏終る 泉田秋硯 200811
日焼子の背丈も伸ばし夏終る 大澤洋子 酸漿 200811
夏をはる人形燒に餡すこし 佐藤喜孝 あを 200811
鎌倉に虚子あらず海に夏終る 村松紅花 ホトトギス 200812
夏終る人差指の爪割れて 小林正史 200812
早稲は穂に芝居の村の夏終る 服部菰舟 雨月 200812
ビニールプールひとつたたんで夏終る 服部早苗 200901
白衣の天使と言葉をなぞり夏終る 藤野寿子 あを 200909
それぞれの時に追はれて夏終る 伊藤敬子 200910
描きかけの絵のごと海の夏終る 松井志津子 200911
コバルトの沼見えて来て夏終る 遠山みち子 200911
夏終る長虫を見ず嬰泣かず 井上信子 201009
夏終る気配さらさらばつたんこ 山田六甲 六花 201009
グラウンドに影深く折り夏終る 菅谷たけし 201010
夏終る宮の土俵に罅走り 佐々木よし子 201010
グランドの土を袋に夏終る 西垣順子 201011
長いトンネル抜け出し思ひ夏終る 木村茂登子 あを 201011
キャプテンと呼ばれ少女の夏終る 大森春子 201011
壁の絵の曲り正して夏終る 館容子 201012
突堤に恋のらくがき夏終る 松田泰子 末黒野 201012
夏終はる約束の文書かぬまま 上原重一 201110
波の穂は死者のてのひら夏終る 遠藤真砂明 201110
仮名書の金魚の墓標夏終はる 矢口笑子 春燈 201110
夏終る惜しむにあらず終るなり 木村茂登子 あを 201110
風評やどこにも行かず夏終る 相良牧人 201111
「拝顔のをりに」と結び夏をはる 根橋宏次 やぶれ傘 201111
曹長も軍曹もなく夏終る 神谷耕輔 201112
サルビアの燃え尽きるごと夏終はる 塚原洋子 201208
七十代の夏終ふ手術歴増えて 品川鈴子 ぐろっけ 201208
水かけ地蔵水かけ損じ夏終る 宮内とし子 201210
売り出しの旗の色褪せ夏終はる 松嶋一洋 201210
夏終る夏ゆえ残る悔いのあり 木村茂登子 あを 201210
下駄の緒の馴染みし頃に夏終る 秋千晴 201210
正眼に構へ面打ち夏終はる 三橋早苗 ぐろっけ 201212
一枚の魚拓が壁に夏をはる 根橋宏次 やぶれ傘 201212
胸のマーク泥に塗れて夏終る 小池清司 かさね 201310
孟宗の幹の落書き夏終はる 田中清秀 かさね 201310
夫婦して溜息をつき夏終る 大島寛治 雨月 201310
喉黒や語り残して夏終る 川井素山 かさね 201311
準決勝躍動の夏終りけり 谷岡尚美 201311
夏終る重き荷おろしたるおもひ 木村茂登子 あを 201311
続編を匂はす映画夏終る 安居正浩 201410
思ひ出を塗れる絵日記夏終る 国包澄子 201411
夏終る手にこびりつく接着剤 小林愛子 万象 201411
果たさざる約束一つ夏終はる 竪山道助 風土 201411
今年また一回戦で夏終る 時田義勝 やぶれ傘 201509
ヘアピンがプールの底に夏終る 林昭太郎 201510
色分けの予定表の夏終りけり 佐津のぼる 六花 201512
父の杖母の下駄夏終りけり 伊藤通明 201603
夏終る一筆箋の便りして 井上信子 201609
浅葱幕落せしごとく夏終る 渡邊千枝子 馬酔木 201611
窓越しに手を振り合うて夏終る 金子正道 京鹿子 201612
佳き先輩頼もしき弟子夏終る 唐澤春城 ホトトギス 201612
交差点真っ直ぐ真っ直ぐ夏終る たかはしすなお 201612
夏終る →2      

 

2023年8月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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