夏の果 1     200句

ゴミ箱の底の歯ブラシ夏の果   森るか   獐

夏果つ  夏終る  夏の果  夏終る  夏惜む  夏行く  ゆく夏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏の果出さずじまひの文ひとつ 山田弘子 春節 199503
夏の果象前足をそっと置く 津田このみ 船団 199812
板の間も下駄の窪みも夏の果て 小林鱒一 天牛 199904
錆ビスを叩きつつ抜く夏の果 山田六甲 六花 199909
ししむらに風の生るる夏の果 伊藤格 199910
二の丸に藩祖の像や夏の果 山口たけし 俳句通信 199910
人形の恋に涙す夏の果て 岡田万壽美 俳句通信 199910
門前に雲水の立つ夏の果て 宮永順子 俳句通信 199910
居眠りの頭ぐらりと夏の果 田中藤穂 水瓶座 200002
ひとり居にワルツ聞きをり夏の果 渋谷ひろ子 酸漿 200010
どろどろと太鼓妖しや夏の果 植松幸子 俳句通信 200010
夏の果畳に波の坐してゐる 村上瑪論 銀化 200010
子等帰りビー玉二つ夏の果 堀田清江 雨月 200101
指先に傷つきし痕夏の果 石原勢津子 雨月 200109
夏の果青き氷河を恋ひわたる 鈴木多枝子 あを 200109
うつぶせの顔のつぶれて夏の果 笠松浩子 200110
藁屋根を烏の歩く夏の果 渡邊千枝子 馬醉木 200110
牧草の口ールの太し夏の果 志水千代子 俳句通信 200110
ブレーキの壊れた雲や夏の果 市川伊團次 六花 200110
寝顔見るだけの看取りや夏の果 佐々木孝子 200110
宿に着くころの日照雨も夏の果 山田弘子 円虹 200110
よく学びよく笑ひけり夏の果 長山あや 円虹 200110
夏の果て足のうらには海の色 稲用飛燕 船団 200110
繋がれし白き巨船や夏の果 山田禮子 遠嶺 200111
夏の果水は流るること切に 松田雄姿 百鳥 200111
媼とて原色仲間や夏の果 児玉素朋 京鹿子 200111
影踊るパントマイムや夏の果 柳沢杏 酸漿 200111
思ひ出の始るときが夏の果 後藤立夫 ホトトギス 200112
手庇の母に風紋夏の果 榎本愛子 海程 200112
夏の果てキーホルダーが多すぎる 山本純子 船団 200112
綺麗なる句集の届き夏の果て 高木伸宜 船団 200202
誰も知らない暗黒領域夏の果 松山律子 六花 200208
纜に潮の浮きでて夏の果 太田寛郎 200209
朴の葉の葉かげの青き夏の果 田口紅子 200209
生大豆噛んだやうなる夏の果 山田六甲 六花 200209
眞夜中の月の歪みや夏の果 松原仲子 200210
八人で経厨子廻す夏の果 中川晴美 雲の峰 200210
牧草のロール豊かに夏の果 佐藤節子 銀化 200210
釘打って浜茶屋閉ざす夏の果 斉藤やす子 春耕 200210
傾きてアロエの伸びる夏の果 芝尚子 あを 200210
夏の果小川へ傾ぐ草の先 清水晃子 遠嶺 200211
空と海のくつつくあたり夏の果 大東由美子 火星 200211
つれ笑ひせしがそのまま夏の果 水野恒彦 200211
遮断機に道を切られて夏の果 木内美保子 六花 200211
人体学的に残りし乳房夏の果 平居澪子 六花 200211
過去帳に夫の名記す夏の果 佐野布娑 雨月 200211
雄叫びの獅子彫る石工夏の果 島村耕作 200212
夏の果赤い頭巾の仏石 道給一恵 遠嶺 200212
栓抜の錆びてをりけり夏の果 松木桂子 200212
杉の秀の雲を離さず夏の果 山口幸子 200212
ヒーローら映画館出づ夏の果 木村みかん 200301
流木に足のせてゐる夏の果 梅村すみを 200310
水槽に小さき目の鮫夏の果 安里道子 200311
渓流釣の場所変ふしきり夏の果 石原勢津子 雨月 200311
夏の果アンネの家の急階段 楠原彰子 200312
ゴーリキーの古きアパート夏の果 堀田清江 雨月 200312
万年目の火星近づく夏の果 竹下道子 京鹿子 200312
ふとぶとと雄心育つ夏の果 須佐薫子 帆船 200312
目に見えし薬効を怖づ夏の果 藤原照子 余韻 200403
雨止んですぐ飛ぶ虫や夏の果 中根美保 風土 200410
長き列曳いて鵜の飛ぶ夏の果 辻恵美子 栴檀 200410
終となる新車を選ぶ夏の果 松山美眞子 雲の峰 200410
夏の果抜けざる棘の執拗に 矢野律子 200410
堂縁の深き木目も夏の果 松原ふみ子 200410
流木の焼けぼつくりや夏の果 久保アツ子 河鹿 200411
スラングを旅に増やせり夏の果て 片山タケ子 200411
夏の果雲はダヴイデの塑像めく 間島あきら 風土 200411
自堕落を少しく悔ゆる夏の果 武田芳絵 草の花 200411
節ぶしに痛みの残る夏の果 芝尚子 あを 200411
畑のもの畑に焚きをる夏の果 生方ふよう 200411
枡酒を呻り意地はる夏の果 羽田岳水 馬醉木 200412
沖を見る犬が渚に夏の果て 松波幹治 万象 200412
子と築く砂のお城や夏の果 谷口文子 京鹿子 200412
くすみたる鯉の鱗よ夏の果 鳴海清美 六花 200412
拭きあげて姿見細し夏の果 岡本眸 200412
うつむけばわが肌匂ふ夏の果 糸井芳子 200412
抜け道を子についてゆく夏の果 細野恵久 ぐろっけ 200508
鴉啼き良くも悪くも夏の果て 村越化石 200509
骨壺は手捻りなりし夏の果 近藤公子 200510
うしろ向きにコイン投げ入れ夏の果て 中道愛子 200510
ひまはりをすつくと挿して夏の果て 久永淳子 春燈 200510
ミーイズム感染拡大夏の果 吉弘恭子 あを 200510
遠望の桜島見ゆ夏の果 前田陽子 200511
雲は山に影おとしゆく夏の果 服部早苗 200511
鞍擦れの貸馬遊ぶ夏の果 乗光雅子 雨月 200512
クレープの期間限定夏の果 物江昌子 六花 200601
ペン皿に巻貝ひとつ夏の果 仲田美智子 200611
ゆふぐれの山河退く夏の果 外川玲子 風土 200611
ひまはりの葉の疲れゐる夏の果 鈴木多枝子 あを 200611
蓋をして井戸にかくれし夏の果 湯浅夏以 遠嶺 200612
柴折戸を繕うてをり夏の果 松本文一郎 六花 200701
訣れ文焚けば文字浮く夏の果 平野きぬ子 八千草 200702
母老いて蛹にならむ夏の果 百瀬七生子 海光 200705
農具小屋に投網もありて夏の果 高倉和子 200709
少年の金のピアスや夏の果 中道愛子 200710
ゴーギャンの土の色して夏の果 小嶋洋子 200710
若手芝居うすねむく観し夏の果 折橋綾子 200711
夏の果落つ日泣くとも笑ふとも 前川明子 200711
ご神湯に足遊ばすや夏の果 小田切明義 春燈 200711
山巓に胸熱く立つ夏の果 阿部昭子 遠嶺 200711
分け入りて笹のにほひや夏の果 蘭定かず子 火星 200711
うたた寝の中に雨音夏の果 仲田美智子 200712
児の玩具庭に散らばり夏の果 佐藤幸子 200712
けものめく白波たつや夏の果 邑橋節夫 菊揃へ 200806
駅ビルのランチタイムや夏の果 中川すみ子 200810
我が影の薄くなりしや夏の果 菅原健一 200810
一行書き一行削り夏の果 宮川みね子 風土 200810
美しき雲を見てをり夏の果て 藤代寿峯 春燈 200811
集めては捨つる砂鉄や夏の果 齋藤朝比古 炎環 200811
夏の果湖畔の宿のしらかんば 小國佐世子 遠嶺 200811
象の背に夫と揺られて夏の果つ 川合八重子 酸漿 200812
テームズの船動かざる夏の果 泉田秋硯 200908
葱剥いて紙の音する夏の果 松井志津子 200909
手のひらの絵手紙もらふ夏の果 安部里子 あを 200909
ハーケンの残る岩場や夏の果 山路紀子 風土 200910
伊賀越えに雲行き早し夏の果 豊谷青峰 春燈 200910
苦も楽ももうありません夏の果 石川清子 炎環 200910
山盛りに揚ぐる天麩羅夏の果 佐藤午後 炎環 200910
移植せし皮膚の隆起や夏の果 山崎ゆき子 炎環 200910
沼に波頭立つ朝夏の果 峰村浅葱 炎環 200910
世直しの舌戦つづく夏の果 伊藤憲子 200911
たうたうとつづく堰音夏の果 武藤嘉子 200911
幾度も夜半を目覚めて夏の果 廣瀬義一 雨月 200911
マネキンの笑ひ疲れし夏の果 矢口笑子 春燈 200912
帆船にあまたのロープ夏の果 田口紅子 201001
真向かひの夕日を浴びる夏の果 丑久保勲 やぶれ傘 201001
引く波にサンダルとられ夏の果て 佐竹千代 やぶれ傘 201002
行きつけのデパート閉ぢる夏の果 石川かおり 201010
つれづれに風やりすごす夏の果て 松原仲子 201010
羽田発最終便や夏の果 矢口笑子 春燈 201010
北上川のかくも濁りて夏の果 高橋あさの 201010
夏の果岬に立つてみたくなる 福島茂 201010
団々と雲移りゆく夏の果 竹内弘子 あを 201010
駅裏のポスター褪せて夏の果 吉田希望 201011
七曜も判じ得ぬなり夏の果 宮崎左智子 201011
学徒散り埋もる詩歌や夏の果 渡邊泰子 春燈 201011
撒水機ひとり廻りて夏の果 矢島久栄 201011
子の積木未完のままに夏の果 水野恒彦 201011
向拝に雨宿りする夏の果て 大島英昭 やぶれ傘 201011
一輌に乗客ひとり夏の果 樋口みのぶ 201011
夏の果果に尾を引く桂浜 大森尚子 風土 201012
龍馬像ふところに抱く夏の果 大森尚子 風土 201012
筑波嶺に雲の笠ある夏の果 川端俊雄 火星 201012
さびしさと二人三脚夏の果 陶山泰子 ぐろっけ 201012
夏の果地塘のひとつから呼ばれ 佐藤喜孝 あを 201109
猫は頭を低くして来る夏の果 星野早苗 船団 201110
あたたかき蕎麦湯をすする夏の果 三枝正子 万象 201110
落葉松に透く幻日や夏の果 齋藤晴夫 春燈 201111
電線の弛み見てゐる夏の果て 高橋泰子 201111
赤子泣く抱かるを覚え夏の果 細川コマヱ 雨月 201111
唐門の極彩色や夏の果 大森尚子 風土 201202
引く草の茎の硬きや夏の果 池内とほる かさね 201209
渾身の握手解かざる夏の果 能村研三 201210
パソコンに消えし原稿夏の果 東良子 201210
携帯に身罷りし報夏の果 山口キミコ 201211
忘れ物して来たやうな夏の果 山田愛子 201211
テーブルに貝がらひろげ夏の果て 中道愛子 201211
夏の果人の真情把握せり 鈴木初音 201211
爆と曝暴を尽して夏の果 石崎和夫 201211
絵葉書に書ききれぬこと夏の果 丸田信宏 京鹿子 201211
責任といふ重きもの夏の果 史あかり ぐろっけ 201211
骨つぼに一箸づつや夏の果 大東由美子 火星 201211
昭和びとまた一人逝く夏の果 鈴木としお 春燈 201212
走り根の近道選ぶ夏の果 榊山智恵 末黒野 201211
ペットボトル棒につるされ夏の果て 白石正躬 やぶれ傘 201212
分校のプール水抜く夏の果 和田勝信 かさね 201311
髪切つてぬきさしならぬ夏の果 中野さき江 春燈 201311
夏の果てセピア色せる熱帯魚 大日向幸江 あを 201310
かざし見る刃金の波紋夏の果 坂口夫佐子 火星 201311
夏の果ひと夜に風の入れ替はる 石脇みはる 201311
地下鉄の人の匂ひや夏の果 河村啓花 ろんど 201311
陽の乾きサガンと過ごす夏の果 あかさか鷹乃 ろんど 201311
賣り急ぐものに我が才夏の果 松田都青 京鹿子 201312
お互ひを解き放ちたる夏の果 竹田ひろ子 ろんど 201312
ぽっぺんのぺこんぽこぺん夏の果て 陽山道子 船団 201401
濤音の濤に遅るる夏の果 林昭太郎 201410
夏の果まゐると文の結びかな 山田六甲 六花 201410
鴉鳴く遠松風や夏の果 齋藤晴夫 春燈 201411
影円く置きて一樹の夏の果て 高橋道子 201411
啄木の砂を蹠に夏の果 岡本尚子 風土 201411
夏の果て白き河原の朽木かな 久世孝雄 やぶれ傘 201412
群雲のつぎつぎと立つ夏の果 黒木東吾 やぶれ傘 201412
ビリヤード玉弾かれる夏の果 波戸辺のばら 201412
夏の果製氷皿に水を足す 松本文一郎 六花 201412
徒長枝を背伸びして剪る夏の果 松本文一郎 六花 201412
空は紺タンスはゴンの夏の果て 坪内稔典 船団 201502
夏の果流せるトイレクリーナー 早瀬淳一 船団 201502
ほほえみの白鳳仏や夏の果 落合絹代 風土 201510
万物のふつと息吐く夏の果 本池美佐子 201510
子の影の背ナたくましや夏の果 後藤眞由美 春燈 201510
夏の果→2      

 

2021年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。