ゆく夏       92句

ゆく夏の一枚の繪の通り雨   高島茂   鯨座( 關合正明畫伯に)

夏果つ  夏終る  夏の果  夏終る  夏惜む  夏行く  ゆく夏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
行く夏の衣褪せたる六地蔵 北吉裕子 俳句通信 199910  
行く夏の路地に捨てある箱箪笥 深川知子 俳句通信 199910  
行く夏の古りたる尉と姥の絵馬 田中潮音 俳句通信 199910  
逝く夏の風を思へば鵙の声 井口初江 酸漿 199911  
逝く夏の旅装はうすき風ごろも 小澤克己 遠嶺 199911  
ゆく夏のホルンの闇のかたちかな 池田澄子 船団 199912  
逝く夏の傷みが一つ夜の雨 田中藤穂 水瓶座 200002  
行く夏の東尋坊の大落暉 林和子 俳句通信 200010  
頭痛青し逝く夏のなお青く青く 前原勝郎 船団 200102  
逝く夏や浅瀬に跳ねて魚の影 木下仁司 200109  
行く夏の煙目にしむロビーかな 朝妻力 俳句通信 200109  
行く夏の花圃に拾ひし雉子の羽 海上俊臣 酸漿 200110  
逝く夏の色こつくりと松の脂 坂本京子 200110  
行く夏のキムチのにほふ高架下 夏秋明子 火星 200111  
ゆく夏の雨脚の土匂ひけり 吉田島江 火星 200112  
ゆく夏の路地を香車のかけ抜ける 梶浦玲良子 波小舟 200205  
行く夏を見送って悔なしとせず 宮原みさを 花月亭 200208  
行く夏の千住深川あたりかな 宮原みさを 花月亭 200208  
行く夏や一本杉の村境 宮原みさを 花月亭 200208  
行く夏の釣りは小銭でもらひけり 田村はじめ 銀化 200210  
逝く夏の溺れてみたき淵のあり 平野隆志 銀化 200210  
ゆく夏や猫の残せる鈴の音 大谷茂 遠嶺 200211  
行く夏の雲を見てゐるひと日かな 浜中雅子 遠嶺 200211  
行く夏の海に向け置く荒磯桶 深川知子 雲の峰 200211  
行く夏や首までつかる道後の湯 清水和子 酸漿 200211  
逝く夏やせせらぎ跨ぐ荘の塀 大谷茂 遠嶺 200306  
行く夏の魚拓のまなこ大きかり 中村洋子 風土 200310  
逝く夏の渚の瓶にLOVEの文字 三嶋隆英 馬醉木 200311  
行く夏の沼にせり出す巨木かな 清水晃子 遠嶺 200311  
行く夏や高野の山の夜深し 上野裕子 200312  
行く夏の低く唸れる揚水機 朝妻力 京鹿子 200409  
逝く夏の波の秀白き尼御前 竪ヤエ子 京鹿子 200409  
逝く夏やうなじに巻毛跳ね上げて 都筑智子 200410  
行く夏の日を満面に布袋像 高野清風 雲の峰 200410  
行く夏の波の眩しき露伴の忌 竪ヤエ子 雲の峰 200410  
ゆく夏の寺に残れる血天井 池尻足穂 雲の峰 200410  
逝く夏の岸辺の葦に泥乾び 若林杜紀子 百鳥 200411  
行く夏の風白樺の風であり 名和未知男 草の花 200411  
逝く夏のモームの「雨」を再読す 森早和世 ぐろっけ 200411  
行く夏や無罪放免とはならず 平井濡子 六花 200412  
行く夏の怒涛を前に裸かな 神蔵器 風土 200509  
逝く夏の真つ赤な月を喰い残す 栗栖恵通子 200511  
行く夏の川鵜漁る刻ながし 関戸国子 酸漿 200511  
逝く夏のひと日難波の寄席に在り 河合佳代子 栴檀 200511  
逝く夏の指に入らぬ指輪かな 北島上已 酸漿 200512  
行く夏の何見るとなき海の翳 藤原和子 200512  
酸つぱきを欲る行く夏の蛇を見て 市場基巳 200601  
逝く夏や通夜は雨にて葬は晴 松田都青 京鹿子 200601  
ゆく夏や背中合せの駅の椅子 櫨木優子 200610  
逝く夏の月に突出す馬の貌 坂ようこ 200610  
逝く夏の修正液の生乾き 北川英子 200611  
耳に貝過ぎゆく夏の声を聴く 三沢蘭 遠嶺 200611  
行く夏の木の根にからむ木の根かな 高橋千美 京鹿子 200612  
ゆく夏の光ちりばめ琥珀の間 市ヶ谷洋子 馬醉木 200711  
ゆく夏のしまふ行李のおもさかな 塩田京子 遠嶺 200712  
行く夏やジャンコクトーの貝の殻 近藤喜子 200809  
行く夏を渋谷で映画夕茜 須賀敏子 あを 200810  
逝く夏を惜しみながらに孟蘭盆会 松下幸恵 六花 200811  
行く夏や女の意地の芯硬し 松田都青 京鹿子 200812  
ゆく夏や波音のみの夜の浜辺 久永つう 六花 200901  
ゆく夏にアクアマリンの日輪よ 本多俊子 200910  
行く夏の黒地に白く弓の的 伊藤季実 炎環 200910  
逝く夏や海路国道一号線 柴太香子 炎環 200911  
ゆく夏の午睡の夢や童歌 三羽永治 遠嶺 200911  
ゆく夏の音して通る男下駄 岩本セツ女 ろんど 200911  
行く夏や何かさみしき思ひあり 伊藤セキ 酸漿 200912  
ゆく夏の夢に炎の立ちてをり 松原仲子 201011  
逝く夏のマスト高きに表敬旗 高橋道子 201011  
ゆく夏の一塔高き東寺かな 安立公彦 春燈 201110  
行く夏の生死を分かつ手術やも 博多永楽 雨月 201111  
三山を遠景として逝く夏か 田中芳夫 201112  
行く夏や見守る犬の最終期 永塚尚代 ぐろっけ 201112  
逝く夏の龜の甲羅のふるびたる 佐藤喜孝 あを 201207  
逝く夏や母の味より妻の味 高橋将夫 201209  
逝く夏や律儀なピアノ調律師 西山浅彦 春燈 201210  
行く夏や回転ドアに把手なく 千田敬 201210  
行く夏や岸にころがる花火殻 佐藤喜仙 かさね 201211  
行く夏を乗せて真紅の千切れ雲 小川玉泉 末黒野 201211  
ゆく夏や富山の薬入れ替ふる 枝村春江 万象 201212  
逝く夏や沖舟に灯の点りそめ 藤井君江 馬醉木 201311  
逝く夏の村のはずれの川の音 古川忠利 ろんど 201401  
行く夏の花は真白に無音なり 津田このみ 船団 201401  
あとがきを了へ行く夏を惜しみけり 内海良太 万象 201412
逝く夏やしばし迷路に遊びゐて 服部早苗 201501  
ゆく夏や手に頼りなき衣畳み 堀田順子 馬醉木 201511  
ゆく夏の落日大き海の鳴る 寺田すず江 201611  
ゆく夏や子の武勇伝二つ三つ 伊吹之博 京鹿子 201612  
ゆく夏の遠流めきたる舟ひとつ 岩岡中正 ホトトギス 201701  
逝く夏や図鑑の魚は左向き 赤石梨花 風土 201710  
逝く夏や海をはなるる空の色 能美昌二郎 201811  
行く夏の海へ夫に逢ひにゆく 山田暢子 風土 201811  
逝く夏や浜に干乾ぶ海星の死 佐津のぼる 六花 201911  
ゆく夏の歴史数学理科とキミ 平きみえ 船団 201912  

 

2020年8月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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