夏惜む     92句

一湾の弓なりに夏惜しみけり   片山由美子

夏果つ  夏終る  夏の果  夏終る  夏惜む  夏行く  ゆく夏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏惜しむには旧軽にひと出すぎ 折原あきの 船団 199902
友と二人特大ケーキで夏惜しむ 田中桜子 船団 199903
離島行発着場にて夏惜しむ 能村研三 199910
人の世も変りすたれて夏惜む 保坂さよ いろり 200009
草原の風に吹かれて夏惜しむ 林田加杜子 いろり 200009
海峡へ夕映の帯夏惜しむ 石本百合子 馬醉木 200011
夏惜しむ街に小さな夫婦展 遠藤和彦 遠嶺 200011
夏惜しむ銭函といふ駅に立ち 伊藤宇太子 200011
スパイスをさらに利かせて夏惜しむ 水谷契江 六花 200011
登四郎の菩提寺の句碑夏惜しむ 花島陽子 遠嶺 200111
おもふ人胸に香焚き夏惜しむ 吉野のぶ子 遠嶺 200112
チャップリンの深夜映画に夏惜しむ 宮原みさを 花月亭 200208
山門を大きく開き夏惜しむ 太田寛郎 200209
夏惜しむ之乎路の砂を深く踏み 深川知子 雲の峰 200211
夏惜しみ生命を惜しむちぎれ雲 田中藤穂 あを 200211
堂縁の風筋に座し夏惜しむ 渡辺政子 雲の峰 200309
夏惜しむヒュッテの土間に仮寝して 松澤秀昭 200310
貝殻にオホーツクの砂夏惜しむ 高橋あゆみ 200310
夏惜しむワイングラスを灯に透かし 大柳篤子 雲の峰 200310
カリヨンの賛美歌を聴き夏惜しむ 楠原彰子 200312
滝壷に足を浸して夏惜しむ 橘澄男 山景 200408
少年は必ず老いて夏惜む 八田木枯 夜さり 200409
夏惜しむジェットコースターの湖斜め 大石たか 遠嶺 200410
夏惜しむ手首に仄と時計痕 高橋あゆみ 200410
さみどりの茹で汁こぼし夏惜しむ 坂ようこ 200410
夏惜しむ松の香とどく縁に座し 山口マサエ 雲の峰 200411
夏惜しむ伊良部の貝を耳にあて 朝妻力 雲の峰 200411
寄藻屑乾く匂ひに夏惜しむ 清水雅子 200412
長靴の飼育係と夏惜しむ 山本あかね 百鳥 200412
夏惜む人らはかなき顔をならべ 瀧春一 菜園 200509
海港の灯の街に來り夏惜む 瀧春一 菜園 200509
世離れの一夜らんぷに夏惜しむ 山田暢子 風土 200510
眼裏に湖たつぷりと夏惜しむ 宮澤さくら 今生 200510
ジャンプ台仰ぎオスロの夏惜しむ 小林成子 200511
夏惜しむ海の色あり観音灯 伊藤律子 四葩 200512
三つの海俯瞰の丘に夏惜しむ 村上光子 馬醉木 200609
天井の未完の龍に夏惜しむ 能村研三 200609
火の色の石をケルンに夏惜しむ 丹羽啓子 馬醉木 200610
夏惜しむ大渦潮に手をかざし 前田陽子 200611
霊水を一口飲みて夏惜しむ 松本静江 遠嶺 200611
夏惜しむ津軽にねぷたねぶたかな 愛澤豊嗣 馬醉木 200611
キャプションに「無題」とありて夏惜しむ 能村研三 200708
夏惜しむ大江戸線の深度かな 能村研三 200710
ストローの蛇腹折り曲げ夏惜しむ 平野みち代 200711
灯を祀りみちのく短き夏惜しむ 鈴木撫足 春燈 200711
夏惜しむ胸のすき間に日の差しぬ 稲辺美津 遠嶺 200711
白樺の粗皮の反り夏惜しむ 川口襄 遠嶺 200712
父らしき星と語りて夏惜しむ 府川房江 母の空 200808
夏惜しむ手書緻密な粘菌図 田下宮子 200810
絵の中の沈む太陽夏惜しむ 浦川聡子 炎環 200810
夏惜しむバサラ踊りの娘連 笠井清佑 200811
落日の日本海や夏惜しむ 清水伊代乃 酸漿 200909
帯締は琴座の色や夏惜む 竹中一花 200911
一舟を帯に留めて夏惜しむ 橋本良子 遠嶺 200911
夏惜しと鳴く蝉われは夫惜しと 田原陽子 200912
高弟にらるる句碑や夏惜しむ 能村研三 201009
夏惜しむ奥州攻めの道の辺に 千田百里 201010
夏惜しむしまふ鞄に鈴の音 横山さくら 春燈 201011
闇空に花散る光夏惜しむ 村上昌子 201011
いつまでも見飽きぬ怒涛夏惜しむ 羽賀恭子 201011
せせらぎに足を浸して夏惜しむ 白石正躬 やぶれ傘 201012
夏惜しむ都電の中の浮輪かな 田中道江 万象 201012
湖にひらく窓より夏惜しむ 山本敏子 ぐろっけ 201012
震・戦災潜りし街に夏惜しむ 能村研三 201109
旧道を繋ぐ家郷の夏惜しむ 吉村さよ子 春燈 201110
夏惜しみ関空見むと「はるか号」 山口キミコ 201111
濯ぎもの満艦飾や夏惜しむ 山崎稔子 末黒野 201112
眉間皺濃ゆき羅漢と夏惜しむ 能村研三 201209
胸見せて五百羅漢は夏惜しむ 齊藤實 201210
夏惜しむ炊込飯の貝柱 田中貞雄 ろんど 201212
夏惜しむゴーヤのネット外しつつ 中村是空 ろんど 201301
龍之介忌の長き渚や夏惜しむ 神田恵琳 春燈 201310
高所恐怖捨てて巨塔に夏惜しむ 秋葉雅治 201310
池の面に亀首もたげ夏惜しむ 先山実子 ぐろっけ 201311
夏惜しむケルンに石を一つ足し 林昭太郎 201410
結願の鐘の余韻に夏惜しむ 門伝史会 風土 201411
夏惜むあまたかぐろきタンカー見て 堀内一郎 堀内一郎集 201412
繰り返しくり返しヤッホー夏惜しむ 甕秀麿 201611
夏惜しむ雲に生れし力瘤 原田しずえ 万象 201612
「暗夜行路」生れし沼辺に夏惜しむ 千田百里 201710
夏惜しむ墓地に一会の人とかな 高橋道子 201712
高原の小振りなる駅夏惜しむ 石黒興平 末黒野 201812
夏惜しむ手の平にある二枚貝 田中美恵子 201909
秋服のカタログ届き夏惜しむ 宮元陽子 末黒野 201911
ひと鳴きの夏惜しむかにイルカショー 千田敬 201911
跨線橋渡りホームに夏惜しむ 塩見治郎 雨月 201912
夏惜しむ手の中に鈴鳴らすとき 須賀ゆかり 202105
夏惜しむ暮色違へる遠景色 能村研三 202111
夏惜しむ岬の先や遭難碑 高木邦雄 末黒野 202111
Tシャツの草木染の香夏惜しむ 武田巨子 春燈 202111
孫送る古オルゴール夏惜しむ 山本泰人 春燈 202111
ARIGATOの言葉の重し夏惜しむ 阿部さちよ 202112
足腰に残る疲れや夏惜しむ 針谷忠郎 202210

 

2023年8月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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