夏の果 2     61句

ゴミ箱の底の歯ブラシ夏の果   森るか   獐

夏果つ  夏終る  夏の果  夏終る  夏惜む  夏行く  ゆく夏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
流されて来しままに石夏の果 石井秀一 風土 201511
落葉松の枝擦る音や夏の果 玉田瑞穂 万象 201511
漁火の誘ふ郷愁夏の果て 小川玉泉 末黒野 201511
箒目に波音生まる夏の果て 太田良一 末黒野 201511
小噺にたつぷり笑ひ夏の果 岡美智子 末黒野 201511
恒例の人間ドック夏の果 小野弘正 末黒野 201511
揚舟の淦にさざなみ夏の果 深川淑枝 201605
悪友と呑み明かしたる夏の果 中島芳郎 201610
足元に波音を聴く夏の果 中村洋子 風土 201611
夏の果て太鼓櫓を解きをり 濱谷和代 万象 201611
湧き水を親子で汲むや夏の果 亀田やす子 万象 201611
潮さびの島歌を聞く夏の果 齋藤晴夫 春燈 201611
指先の傷の疼きや夏の果 隅田恵子 雨月 201612
背伸びして夜空を仰ぐ夏の果 久世孝雄 やぶれ傘 201612
屑籠の反故のつぶやき夏の果て 稲垣佳子 末黒野 201612
拾ひたる海星の欠片夏の果 佐俣まさを 春燈 201709
キャッチャーミットの凹みまつ黒夏の果 内山花葉 201711
やじろべゑ傾ぎて止まる夏の果 柿沼盟子 風土 201711
ざらざらの樹肌に触れて夏の果 赤石梨花 風土 201711
ひとり帰る子とハイタッチ夏の果 山崎稔子 末黒野 201712
潮騒の中に人ごゑ夏の果 渡邉孝彦 やぶれ傘 201710
夏の果て半分趣味のピアニスト 火箱ひろ 201809
潮の香のふかまる浜や夏の果 片桐紀美子 風土 201810
忘れ潮に映るしら雲夏の果 佐俣まさを 春燈 201810
回送車ごとりと闇へ夏の果 西村操 雨月 201811
折鶴の傾ぎ気になる夏の果 片山煕子 京鹿子 201811
釣舟に佇つ影淡し夏の果 岡本尚子 風土 201811
夏の果て翅もつものは仰向けに 兒玉充代 201902
甲子園の土持つ球児夏果てる 都築繁子 201904
夏の果て平平の日を倦みもして 森清堯 末黒野 201911
声高に流れ藻を焼く夏の果 小倉征子 201911
明月のぬつと顔出す夏の果 菊谷潔 六花 201912
夏の果まだ堪へてをり青紅葉 菊谷潔 六花 201912
高原の梢に夏の果ての空 善野行 六花 201912
夏の果てほつとしつつも虫の声 菊谷潔 六花 201912
陶片の土中より出づ夏の果 今井肖子 ホトトギス 202009
かしかしと肘胼胝乾く夏の果て 青谷小枝 やぶれ傘 202010
少年の匂ひの変はる夏の果 奥田茶々 風土 202011
町並を音立てて灼く夏の果 伊藤希眸 京鹿子 202011
庭先に火薬の匂ひ夏の果 土井ゆう子 風土 202011
やまひだれの並ぶ日記や夏の果 小田嶋野笛 末黒野 202011
出番なき豪華客船夏の果 横大内由紀 末黒野 202011
ブラシの木の蘊蓄語る夏の果て 仁上博恵 202011
留学の子への便りや夏の果 佐藤康子 末黒野 202012
川石に残る焦げ跡夏の果 七種年男 202110
高原のリフト軋むや夏の果 大西由美子 春燈 202110
セブ島の海に遊ぶや夏の果 池上昌子 春燈 202110
逃げてゆくサラマンデルや夏の果 河寄祐二 202111
浜の砂きゆきゆと鳴らして夏の果 七田文子 202111
鳩のこゑ朝からしきり夏の果 丑久保勲 やぶれ傘 202111
シロホンの音は水色夏の果て 北川孝子 京鹿子 202111
一つ灯にひとりの暮し夏の果て 北川孝子 京鹿子 202111
自己流のしあわせに足り夏の果て 北川孝子 京鹿子 202111
ただ海を見てゐる夕べ夏の果 和田華凛 ホトトギス 202112
胡麻煎餅すこし湿気てる夏の果 泉一九 やぶれ傘 202112
少年の匂ひの変はる夏の果 奥田茶々 風土 202201
若き日の雑魚寝の旅や夏の果 沼田巴字 京鹿子 202208
へらず口たたく子が好き夏の果て 北川孝子 京鹿子 202209
ロボットがぐつたりとする夏の果て 小山よる やぶれ傘 202209
なにも出来ぬこと恥らひて夏の果 菅野日出子 末黒野 202209
瓦割る男の拳夏の果 秋川泉 あを 202210
逆光の貌持ち帰る夏の果 森岡正作 202210
本閉ぢて落日にをり夏の果 兵藤惠 202210
きのふとは違ふ夜風よ夏の果 山田ゆきこ 202210
袖通す赤札の服夏の果 渡辺富士子 末黒野 202211
指先のなぞる肋骨夏の果 松川昌義 末黒野 202211
連なりしテールライトよ夏の果 綾戸五十枝 202211
部屋灯りともる朝五時夏の果て 竹内文夫 やぶれ傘 202212
鞄底の折れし半券夏の果 兵泉美 京鹿子 202212
夏の果漁網の鉄鎖痩せ錆びつ 磯野青之里 六花 202212
山風に獣の臭ひ夏の果 宮井知英 202302
虫ピンの展ぐる翅や夏の果 板谷俊武 末黒野 202304
蔵の窓赤き鉄鎖や夏の果て 五十嵐富士子 末黒野 202304
夏の果→ 1

 

2023年8月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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