雲の峰 9      134句

二里来ても我にかぶさる雲の峰   成美

夏雲  夏の雲  峰雲  入道雲  積乱雲  雷雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
晩年のひと日は重し雲の峰 荒原節子 201009
雲の峰国見の丘に佇ちもして 豊田都峰 京鹿子 201009
吹抜けの空の重奏雲の峰 安立公彦 春燈 201009
或時は四股を踏んでる雲の峰 佐藤山人 201009
念力を育ててをりぬ雲の峰 大沼遊魚 倭彩 201009
水紋の風に毀るる雲の峰 柴田久子 風土 201009
生きてゐるかぎりは半ば雲の峰 根上善行 風土 201009
雲の峰忽ち午後となりにけり 根上善行 風土 201009
雲の峰怒りは父のものなりし 高倉和子 201009
石ふたつ立てたるが門雲の峰 荒井千佐代 201009
山城を圧さへて立てり雲の峰 柴田志津子 201009
地球の向かうより湧き上がる雲の峰 あさなが捷 201009
婆二人長立話雲の峰 波田美智子 火星 201009
梅雨明の報に立ちたる雲の峰 大橋晄 雨月 201009
思ひ出の扉の外は雲の峰 森理和 あを 201009
弓なりの瑠璃の甍や雲の峰 吉成美代子 あを 201009
怪獣の争ふポーズ雲の峰 石川かおり 201010
雲の峰お伽噺の城が見え 飯田美千子 201010
臥せる友立ち上がれかし雲の峰 山崎里美 201010
サーファーの黒一色や雲の峰 水原春郎 馬醉木 201010
物見岩遺る城址や雲の峰 松本三千夫 末黒野 201010
雲の峰八景島に人湧きて 小山ミツ子 末黒野 201010
九の段の九九に挑む子雲の峰 外山節子 末黒野 201010
主峰なき連山を統べ雲の峰 廣谷總子 201010
打ち返す玉を目据えり雲の峰 中野京子 201010
雲の峰崩るるときのエホバかな 西村純太 201010
雲の峰崩して鵬は南冥へ 西村純太 201010
汝と我のルビンの壺や雲の峰 西村純太 201010
機関車の谷渡る笛雲の峰 片山博介 春燈 201010
聳ゆるは崩るるためか雲の峰 葦原葭切 春燈 201010
曽孫悠人ぐんぐん育つ雲の峰 北川孝子 京鹿子 201010
男ならゴール一本雲の峰 小堀寛 京鹿子 201010
フェリーの吐き出す玩具雲の峰 上家弘子 ろんど 201010
海神の背伸びしている雲の峰 鈴木直枝 ろんど 201010
放牧の馬の目やさし雲の峰 小滝奈津江 酸奬 201010
雲の峰目差す球児のホームラン 渡邊泰子 春燈 201011
北窓の湯の岳越しの雲の峰 羽賀恭子 201011
跳躍の胸反らしたる雲の峰 蘭定かず子 火星 201011
雲の峰朝からスープ煮てをりぬ 渡辺数子 火星 201011
雲の峰供花いつぱいの遭難碑 都丸スミ子 やぶれ傘 201011
きのこ雲にあらずよ高き雲の峰 三枝正子 万象 201011
空滝とは絶壁のこと雲の峰 松田明子 201011
雲の峰けふの遠さを眺めをり 伊藤一枝 酸奬 201011
突く杖に瓦礫くづるる雲の峰 日阪昌子 馬醉木 201012
蒼空にけだし大見得雲の峰 磯崎清 201012
雲の峰チキンライスに旗の立ち 有賀昌子 やぶれ傘 201012
喃語いま言葉となれり雲の峰 荒井千佐代 201101
石棺も城垣とせぬ雲の峰 北村淳子 ろんど 201101
ポン菓子や町村合併雲の峰 平井奇散人 船団 201107
迫り来るまでの静寂雲の峰 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
堰までの水の平らに雲の峰 内藤静 風土 201107
雲の峰仰ぎて齧る蛸の脚 山尾玉藻 火星 201107
雲の峰天女の舞ををさめけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
白靴の三鬼の下車す雲の峰 神蔵器 風土 201108
流れ藻や小魚達の雲の峰 中島玉五郎 201108
阿蘇五岳母となしたる雲の峰 吉村摂護 201108
建設の鉄骨歩く雲の峰 長谷川鮎 ぐろっけ 201108
とんとんと紙を揃へて雲の峰 田所節子 201108
ヨーヨーのひゆんと延びたる雲の峰 富川明子 201108
エポケーにゐたるすぢみち雲の峰 西村純太 201108
雲の峰見下ろしたくて観覧車 鈴木照子 201109
過疎すすむ故郷の村雲の峰 塩路五郎 201109
結界より山上ヶ岳雲の峰 坂上香菜 201109
雲の峰見下したくて観覧車 鈴木照子 201109
雲の峰夕日の色に染まりけり 山崎里美 201109
忘れては思ひだす花雲の峰 堀内一郎 あを 201108
渓音と待つケーブルや雲の峰 長谷川翠 馬醉木 201109
束の間の晴れ間高々雲の峰 戸辺信重 春燈 201109
噴煙を呑んで勢ふ雲の峰 山田春生 万象 201109
雲の峰それより奥はうしろとす 豊田都峰 京鹿子 201109
三溪に生糸一本雲の峰 鈴木みのる 風土 201109
雲の峰質屋に高き無線塔 近藤幸三郎 風土 201109
壮年の峰と思へり雲の峰 林昭太郎 201109
杭一打一打や育つ雲の峰 定梶じょう あを 201109
旅人は芭蕉でありし雲の峰 堀内一郎 あを 201109
雲の峰富士を輪切りの送電線 伊藤憲子 201110
鉄叩く考の右腕雲の峰 市村健夫 馬醉木 201110
ボランテイアのバス被災地へ雲の峰 鈴木石花 風土 201110
遠山に一景を成す雲の峰 小野寺節子 風土 201110
雲の峰保育園児をまる洗ひ 浅田光代 風土 201110
高櫓のてつぱう狭間ざまや雲の峰 西村雪園 風土 201110
雲の峰湖に突き出る天主閣 西村雪園 風土 201110
うたびとの語らひやまぬ雲の峰 雨宮桂子 風土 201110
高き山踏まへて背伸び雲の峰 松嶋一洋 201110
参道の杉の直幹雲の峰 松本三千夫 末黒野 201110
網元の庭に蛸壷雲の峰 城戸緑 末黒野 201110
ふるさとに籍置く詩誌や雲の峰 太田良一 末黒野 201110
父のごとき仏足石と雲の峰 中村恭子 201110
雲の峰両手両足二分音符 加藤峰子 201110
雲の峰砂浜走る剣道部 平野みち代 201110
人かつて神でありしよ雲の峰 青山正生 201110
雲の峰夫ありし日の谷間より 辻直美 201110
棹さすは手練れ船頭雲の峰 酒本八重 201110
二歳児のジャンプ二センチ雲の峰 楠原幹子 201110
絵馬に押す力士の手形雲の峰 小林朱夏 201110
手長猿両手届かぬ雲の峰 藤田かもめ ぐろっけ 201110
携帯のシャッタi音や雲の峰 田中文治 火星 201110
解体のゆらり降ろさる雲の峰 森理和 あを 201110
切株は山の卓なり雲の峰 日下部亞こ ろんど 201110
浮び来るままに時繰る雲の峰 岡田愛子 京鹿子 201110
登校の先頭は女子雲の峰 高野春子 京鹿子 201110
六甲を引き立ててゐる雲の峰 大橋晄 雨月 201110
比良比叡呑まんばかりの雲の峰 大坪景章 万象 201110
御山門茅剪りそろへ雲の峰 三枝正子 万象 201110
雲の峰丘の向うへ馬柵続き 丸山美奈子 馬醉木 201111
駆くる子の都電に挑む雲の峰 長谷川歌子 春燈 201111
鉄橋をはみ出す貨車や雲の峰 榎本文代 万象 201111
雲の峰眩しきもののまづ崩れ 近藤南麓 万象 201111
投釣りの当りこつんと雲の峰 根橋宏次 やぶれ傘 201111
草束子ほどけてゐたる雲の峰 根橋宏次 やぶれ傘 201111
雲の峰背負ひ秩父路くだりけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201111
飛行機の窓は小さし雲の峰 天野美登里 やぶれ傘 201111
高階のまなかひにして雲の峰 椋本一子 雨月 201111
立体感宙に迫りて雲の峰 本多寿美子 雨月 201111
船窓の高見に湧きて雲の峰 柴田久子 風土 201111
雲の峰越ゆ山の辺の万葉歌 雨宮桂子 風土 201111
雲の峰海一枚を鏡とし  山田佳乃 ホトトギス 201112
雲の峰里山低くなりにけり 大地真理 201112
雲の峰一気に押しあげ出発機 大地真理 201112
ジェットコースター雲の峰より飛び出せり 大地真理 201112
出迎への応と手を挙ぐ雲の峰 田岡千章 201112
雲の峰ポパイの力瘤に似て 平野みち代 201112
愛読書に世界地図あり雲の峰 鷹崎由未子 花野 201112
雲の峰甲子園まであと二勝 藤井啓子' ホトトギス 201201
雲の峰シャツ干してある分教場 岩永はるみ 白雨 201203
雲の峰甲斐一国を取り巻けり 福島茂 201205
逆縁にならぬ一念雲の峰 田中貞雄 万華鏡 201206
双手あげ漕ぐ一輪車雲の峰 水原春郎 馬醉木 201207
雲の峰整ひゆくを眼下にし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
着陸に立ちはだかりし雲の峰 稻畑汀子 ホトトギス 201207
雲の峰崩れたるより雨夕べ 稻畑汀子 ホトトギス 201207
雲の嶺漂泊の想ひ止み難し 坂上じゅん かさね 201207
丹波茶の渋舌の根に雲の峰 山尾玉藻 火星 201207
雲の峰→ 10      

 

2021年8月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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