雲の峰 10     216句

二里来ても我にかぶさる雲の峰   成美

夏雲  夏の雲  峰雲  入道雲  積乱雲  雷雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雲の嶺漂泊の想ひ止み難し 坂上じゅん かさね 201207
雲の峯より降り来しや水一路 鷹羽狩行 201007
八ヶ岳つつみ余れる雲の峰 安藤虎酔 かさね 201207
はやばやと崩れてゐたる雲の峰 加藤みき 201208
五百段磴のぼり来て雲の峰 吉田政江 201208
強がりのあと沈黙の雲の峰 遠藤真砂明 201208
雲の峰波郷が耐へし痛みとも 内藤静 風土 201208
さよならは二度こつきり雲の峰 上原重一 201208
戦ひのあとの一礼雲の峰 三崎千恵子 ろんど 201208
稜線を際だたせたり雲の峰 福島松子 ぐろっけ 201208
見渡せば嵯峨野に迫る雲の峰 石川かおり 201209
沖の船雲の峰へと消へにけり 佐藤喜仙 かさね 201209
初恋の人は軍神雲の峰 高倉恵美子 201209
交差する麒麟の首や雲の峰 小林朱夏 201209
ざるそばの追加一枚雲の峰 大木清美子 201209
あぶく立つ鰻の池や雲の峰 加藤みき 201209
みちのくの分水嶺や雲の峰 土屋光男 春燈 201209
絶対も完壁もなし雲の峰 楠原幹子 201209
線路づたひ歩みし記憶雲の峰 高橋あさの 201209
情報のひろがりひろがり雲の峰 花田心作 201209
雲の峰八十路の夢は奥知れず 池田高清 201209
戒名に俗名一字雲の峰 神蔵器 風土 201209
まんまるの志功の眼鏡雲の峰 近藤幸三郎 風土 201209
出島より近代医学雲の峰 中沢三省 風土 201209
荒鷲に脱皮してゐし雲の峰 山田六甲 六花 201209
残照やねぷたの形(なり)へ雲の峰 山田六甲 六花 201209
崩れつつ光にもどる雲の峰 山田六甲 六花 201209
遮断機の向うに夜の雲の峰 涼野海音 火星 201209
バス停は海にむきをり雲の峰 福本郁子 火星 201209
日高路の馬柵は未来へ雲の峰 上家弘子 ろんど 201209
ロープウェー穂高岳より雲の峰 北尾章郎 201210
山頂の湯釜より立つ雲の峰 鈴木照子 201210
涼亭の建ちたる水面に雲の峰 佐藤喜仙 かさね 201210
シベリヤの大地の果てや雲の峰 古川千鶴 かさね 201210
見上げたるビルのガラスに雲の峰 長久保郁子 かさね 201210
初恋の人は軍神雲の峰 高倉恵美子 201210
百名山制覇し雲の峰未踏 久染康子 201210
永らへてあまたの謝恩雲の峰 河口仁志 201210
雲の峰軍靴片方展示され 高橋照葉 ぐろっけ 201210
今もなほ果たせぬ夢や雲の峰 前田恵美子 青鷹 201210
赤ん坊の尻ひんやりと雲の峰 林昭太郎 あまねく 201210
白線の埠頭に尽きて雲の峰の峰 林昭太郎 あまねく 201210
畳なはる波の向かふに雲の峰 上村光八 末黒野 201210
良き俳句まだ出来ぬのか雲の峰 松嶋一洋 201210
雲の峰路地は豊かな人の息 和田政子 201210
端渓の海を充たせり雲の峰 神蔵器 風土 201210
定家若冲墓所をひとつに雲の峰 橋添やよひ 風土 201210
雲の峰丸の内より兜町 根岸善行 風土 201210
日を返すソーラーハウス雲の峰 井上あい 風土 201210
雲の峰崩れて川の暮れにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201210
雲の峰もつとも高きより崩れ 大坪景章 万象 201210
搾乳を終へ牛放つ雲の峰 鎌田篤 雨月 201210
七岳に湧き連なれる雲の峰 浅井青二 雨月 201210
雲の峰夕べに牛の生まれけり 武政礼子 雨月 201210
槍投げの天へ高々雲の峰 堀田清江 雨月 201210
舟板で作る桟橋雲の峯 鈴木良戈 201210
捗らぬ身辺の整理雲の峯 安田とし子 ぐろっけ 201210
国道の村突き抜くる雲の峯 森屋慶基 風土 201210
雲の峰崩落しさうなるがあり 定梶じょう あを 201210
累代の墓地より仰ぐ雲の峯 鈴木良戈 201211
これやこの天下の険や雲の峰 桂敦子 201211
小型機の大旋回や雲の峰 石川玄能 ホトトギス 201211
石塊に戻れる仏雲の峰 小林美登里 かさね 201211
雲の峰茂吉の歌碑に巡り合ふ 中村洋子 風土 201211
余生とてなほ希望あり雲の峰 清海信子 末黒野 201211
雲の峰北の大地を遠巻きに 八城洋子 末黒野 201211
黙々と草食む駒や雲の峰 中野久雄 末黒野 201211
頂上のなほその上の雲の峰 白石正躬 やぶれ傘 201211
雲の峰箆で絵具を盛りしやう 菅谷たけし 201211
ふるさとの一穢だになき雲の峰 上谷昌憲 201211
大海やひるむことなき雲の峰 大場ましら 201111
雲の峰に真向かふ試歩の一歩かな 堀内五齢 春燈 201211
雲の峰水平線に勢揃ひ 尾崎みつ子 雨月 201211
雲の峰山の峰をも際立たせ 平田恵美子 ぐろっけ 201211
古き良き校歌の山河雲の峰 中田のぶ子 ろんど 201211
駈け出すは笑ふがごとし雲の峰 織田高暢 201211
セメントを捏ねる飯場や雲の峰 太田良一 末黒野 201211
港町おほふがごとく雲の峰 大内由紀 末黒野 201211
濁りなき白に力や雲の峰 今橋眞理子 ホトトギス 201212
一隅を展げ青空雲の峰 河野美奇 ホトトギス 201212
離陸せし機影傾く雲の峰 丑久保勲 やぶれ傘 201212
北欧へ幼の機影雲の峰 古林田鶴子 ぐろっけ 201212
雲の峰県境に河きらめけり 久世孝雄 やぶれ傘 201301
養蚕の旧家の屋根や雲の峰 高柳正幸 やぶれ傘 201301
定年の夫弾くピアノ雲の峰 吉田和子 ぐろっけ 201301
山頂に立ちて遥かな雲の峰 蒲田豊彦 雨月 201301
地震去れば拳突き上げ雲の峰 野沢しの武 風土 201304
艦橋に佇つやわきたつ雲の峰 石黒興平 末黒野 201304
今生れしばかりの若さ雲の峰 野沢しの武 風土 201306
雲の峰放念といふ閑けさに 水野恒彦 夢寐 201306
雲の峰高校球児見下ろして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
山の峰厚くなぞれる雲の峰 赤座典子 あを 201308
零戦の飛びだしさうな雲の峰 瀬島洒望 やぶれ傘 201309
留学を終へしフライト雲の峰 阪本哲弘 201310
吊橋を揺らす少年雲の峰 有松洋子 201310
橋梁の鉄骨の音雲の峰 あかさか鷹乃 ろんど 201310
少年のノック一途や雲の峰 大川暉美 末黒野 201310
窓外の南アルプス雲の峰 三橋玲子 末黒野 201310
大鍋が吊橋わたる雲の峰 浅田光代 風土 201310
阿蘇山に力余せる雲の峰 工藤はるみ 風土 201310
忘れざるかの放課後の雲の峰 田辺博充 201310
崩るるも育つも無音雲の峰 林昭太郎 201310
雲の峰流浪の夢は捨て難し 千田敬 201310
ジャグジーに揉まるる髪膚雲の峰 細川洋子 201310
寝違ひの首まはしけり雲の峰 井上淳子 火星 201310
柴又の寅さんやあーい雲の峰 山田春生 万象 201310
雲の峰眼下にとらへ琉球へ 三橋早苗 ぐろっけ 201310
雲の峰五市三郡を包み竣つ 吉村摂護 201310
対岸に釣人の影雲の峰 秋山信行 やぶれ傘 201310
國産みの~に齟齬あり雲の峰 佐藤喜孝 あを 201310
ででむしが志しけり雲の峰 定梶じょう あを 201310
雲の峰人の消息ふと思ふ 生田恵美子 風土 201311
月山に生まれたてなる雲の峰 山田春生 万象 201311
峰雲の峰を飛び交ふ小鳶かな 市川伊團次 六花 201311
雲の峰山の傾斜に生まれけり 出口誠 六花 201311
信濃より甲斐へ育ちぬ雲の峰 安斎久英 末黒野 201311
ゆるやかな蛇行の川や雲の峰 森清信子 末黒野 201311
講義果つ笈の小文や雲の峰 小倉純 末黒野 201311
ふるさとの球音届く雲の峰 相良牧人 201311
噴煙の時に焦がして雲の峰 成田美代 201311
産声や窓いつぱいの雲の峰 林徹也 201311
病人に世間話や雲の峰 相澤和子 ろんど 201311
隕石の破片が重し雲の峰 有本惠美子 ろんど 201311
雲の峰見晴台に方位盤 池内結 ろんど 201311
十人の島の学校雲の峰 尾崎みつ子 雨月 201311
紺碧の空押し上げて雲の峰 加藤静江 末黒野 201312
印結ぶ大日如来雲の峰 瀧春一 花石榴 201312
雲の峰崩れかかつてゐるもあり 中杉隆世 ホトトギス 201401
子に聞かす戦後の暮し雲の峰 久保久子 湖心 201402
雲の峰ぐらり一と揺れ着陸す 稲畑汀子 ホトトギス 201407
山一つ向うは丹後雲の峰 竹貫示虹 京鹿子 201407
逡巡は生きる足伽雲の峰 遠藤真砂明 201407
ひらがなのはがき一枚雲の峰 小峯綾子 風土 201408
パナマ帽似合っていたね雲の峰 宮崎左智子 201408
城復元作業着々雲の峰 鈴木石花 風土 201408
角張れる机布のかばん雲の峰 根岸宏次 やぶれ傘 201408
旅かばんに隠しポケット雲の峰 今澤淑子 火星 201408
何思へとや湧きのぼる雲の峰 水野恒彦 201408
黒帯に闘志のまなこ雲の峰 川鍋絹子 馬醉木 201408
国府津駅より眺めたる雲の峰 丑久保勲 やぶれ傘 201408
月山の雲の峰なり化楽天 中島陽華 201409
久方の北鎌倉や雲の峰 井口ふみ緒 風土 201409
海分かつ真つすぐな道雲の峰 平野みち代 201409
米原より北に用事や雲の峰 内海良太 万象 201409
雲の峰大河見下ろす砦跡 横川良子 万象 201409
反射炉は直立不動雲の峰 柴崎甲武信 春燈 201409
髪切つて一歩踏み出す雲の峰 大上充子 馬醉木 201409
雲の峰をんなの囲む駱駝かな 庄司久美子 201409
釘一本道にこぼるや雲の峰 竹生田勝次 風土 201409
一番のゴールのテープ雲の峰 小峯綾子 風土 201409
スタンプラリー終へてハルカス雲の峰 坂根宏子 201409
健診の結果まづまづ雲の峰 大橋晄 雨月 201410
弓形の浜へ白波雲の峰 岡野里子 末黒野 201410
逆立ちをして逆さまの雲の峰 梅村すみを 201410
新道の直線道路雲の峰 羽賀恭子 201410
雲の峰を目差してゆくやロープウエイ 中島昌子 201410
裏山のだんだん低く雲の峰 戸田澄子 末黒野 201410
三川の流れたぎちて雲の峰 村上美智子 雨月 201410
木曽殿の旗揚げの地や雲の峰 村上美智子 雨月 201410
物干しの顔滑らする雲の峰 柳本渓光 ろんど 201410
雲の峰に八百万神の集ひたる 近藤紀子 201410
根拠なき自信も力雲の峰 楠原幹子 201410
藤葛の手繰り寄するや雲の峰 紅谷芙美江 万象 201410
雲の峰無念欠席同窓会 大西よしき ろんど 201410
雲の峰生々流転の定めあり 島田万紀子 馬醉木 201410
雲の峰純白の雲吐き出しぬ 安部和子 雨月 201410
雲の峰授乳の胸を開きけり 原田しずえ 万象 201410
雲の峰工事現場に火花散る 久世孝雄 やぶれ傘 201410
雲の峰遠洋航路緒につきぬ 碇天牛 雨月 201410
鉄骨を渡すアームや雲の峰 阪本哲弘 201410
雲の峰こんな絵日記描きし日よ 川村文英 ろんど 201410
雲の峰こんな絵日記描きし日よ 川村文英 ろんど 201410
雲の峰たれかれ見ては泣く赤子 山田美恵子 火星 201410
雲の峰海一望の予約席 古賀しぐれ ホトトギス 201411
音高き里の小流れ雲の峰 岡野里子 末黒野 201411
白雲の峰より秋の立ちにけり 田中文治 火星 201411
塩舐むる牛の背に立つ雲の峰 柴田佐知子 201411
絵日記の仕上げはいつも雲の峯 時澤藍 201411
土佐湾に立ち塞がりし雲の峰 仙頭宗峰 万象 201411
ごつごつと手にくる魚信あたり雲の峰 根橋宏次 やぶれ傘 201411
紙飛行機放つや雲の峰めがけ 加藤峰子 201411
雲の峰七つ釦の掛けちがひ 相良牧人 201411
草も木もそよぎ忘れし雲の峰 北川孝子 京鹿子 201411
夫婦坂ゆるやかに来て雲の峰 神田美千留 京鹿子 201411
雲の峰犬かきで牛渉り切る 曽根薫風 馬醉木 201412
ビルを背の本丸跡や雲の峰 野村重子 末黒野 201412
天辺の猿見上げゐる雲の峰 後藤眞由美 春燈 201412
マウンドの投手の孤独雲の峰 竹田ひろ子 ろんど 201412
碧天の果てへぐんぐん雲の峰 稲岡長 ホトトギス 201412
カバン赤い重い会いたい雲の峰 中原幸子 船団 201502
芝を食む馬散り散りに雲の峰 岩月優美子 グピドの瞳 201506
待つといふ楽しさ雲の峰仰ぐ 今井肖子 ホトトギス 201507
飛機抜けて行くほかはなし雲の峰 稲畑汀子 ホトトギス 201507
雲の峰崩るる午後の雨もよひ 稲畑汀子 ホトトギス 201507
崩れんとして立ち上る雲の峰 稲畑汀子 ホトトギス 201507
雲の峰崩れはじめし雨もよひ 稲畑汀子 ホトトギス 201507
雲の峰いくつ越え来し空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201507
その中に富嶽沈めて雲の峰 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
ふつと湧く校歌一章雲の峰 井原美鳥 201507
鉄棒の棒やや曲り雲の峰 大崎紀夫 やぶれ傘 201507
雲の峰島の中心郵便局 須賀敏子 あを 201507
雲の峰 →11      

 

2021年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。