峰 雲    187句

峯雲の贅肉ロダンなら削る    山口誓子

夏雲  夏の雲  峰雲  入道雲  積乱雲  雷雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
峰雲に線香を鴉使はさう 丸山佳子 京鹿子 199809
海に立つ峰雲を染む落暉かな 牧野睦子 199810
夜つぴとい峯雲を積む仕事かな 中原道夫 銀化 199810
峰雲に押さねばならぬこの実印 丸山佳子 京鹿子 199907
峯雲や濯ぐものより川汚れ 鷹羽狩行 199908
峰雲や大型ヨット整備中 長田等 199909
峰雲や道追ひかけてハイウエイ 柿沼盟子 風土 199909
峰雲の白際立つや晴七日 林翔 馬醉木 199910
峰雲のつぎつぎ増ゆる安静時 田中呑舟 火星 199910
峰雲やいよよ藍濃き瀬戸の島 木下節子 俳句通信 199910
峰雲や虫歯八本風雲児 本村弘一 船団 199909
峰雲に力付けられ父見舞ふ 小菅暢子 199912
千切れ飛ぶ能勢の峰雲威銃 高野清風 俳句通信 199912
峯雲の絶壁のぼるピアノ音 佐藤真次 200008
峰雲を楯に示談の成立す 中原道夫 銀化 200008
峰雲の山頂雲や森の上 林翔 馬醉木 200010
峰雲に取り囲まれて狼煙山 織野健一 馬醉木 200010
峰雲へ石工は背筋伸ばしけり 中村房子 馬醉木 200010
ビルに迫りて峯雲の大津波 牛田修嗣 200010
峯雲に真向ふ櫂の揃ひけり 石本秋翠 馬醉木 200011
峰雲や石凹むほど塩くれ場 飛田可寸美 京鹿子 200103
峰雲や父のこぶしと太き眉 鳴海清美 遊び蔓 200105
峰雲を今日従えてお城山 中野哲子 六花 200107
峰雲の底せり上がりせり上がり 竹内美知子 200109
峰雲の湧き出づ丘の大樹より 曷川克 遠嶺 200110
峰雲やヨーデルめきて牛の声 小山道子 百鳥 200111
峰雲の育つ仔細を海に見て 出口貴美子 雨月 200111
峰雲へつづく真白き巡礼階 塩貝朱千 京鹿子 200112
峰雲に伽藍一入大きかり 出口貴美子 雨月 200201
夜も屯して峯雲のはかりごと 小川匠太郎 200207
海中の晝餉峯雲待たせをり 中原道夫 銀化 200208
質量ともに峯雲をはるか越ゆ 中原道夫 銀化 200208
三段壁に峰雲崩れはじめたり 浜口高子 火星 200209
峰雲へ人を汲み上ぐ観覧車 横山茂子 200209
峰雲の白を力に帆曳船 宮崎直子 200212
昼酒や灘は峰雲育てをり 瀬戸悠 風土 200306
峰雲や子は手も脚も伸びきつて あさなが捷 200306
峰雲の下りて懸れる桜かな 植村よし子 雨月 200308
峰雲や水飲みに起つ熔接工 徳丸峻二 風土 200309
峰雲や野太くひびく牛の声 岡山裕美 雲の峰 200309
峰雲の苛立ちセーラー服のころ 藤田さち子 対岸 200309
峰雲や両手ひろげて草に寝る 松下幸恵 六花 200310
峰雲や回転ドアを弾み出て 中根美保 風土 200310
峰雲や村に入るに門ふたつ 影山わこ 百鳥 200311
峰雲に翼のふれしメコン河 佐藤喜孝 あを 200311
峰雲や湖水巻き行く遊覧船 永田勇 六花 200311
峰雲の男体山に似合ふ丈 館容子 200312
峰雲の湧き立つ音のありぬべし 水越洋三 百鳥 200312
峰雲や二階より乗る離島便 荒井千佐代 200312
阿弥陀ケ峰雲がなびきて二日かな 山田耕子 京鹿子 200404
リフトもう峰雲がくれ手を振りても 坂本京子 200409
峰雲や白帆浮きたる地中海 田中重子 雲の峰 200408
峯雲を湖の向かうに彦根城 鷹羽狩行 200409
ばら繚乱連峰雲をしたがへて 山口奈代 河鹿 200408
峰雲の沖へ舳先を転じけり 小山徳夫 遠嶺 200410
峰雲や麟麟の餌台に梯子掛け 山路紀子 風土 200410
海を見に来て峰雲の虜かな 高木嘉久 200410
峰雲を描きて白帆の置きどころ 高木嘉久 200410
峰雲を揺り起しゐる触れ太鼓 中尾公彦 200410
峰雲に線香挿さう母忌日 丸山佳子 京鹿子 200410
嶺雲の縁のほどけて秋に入る 山内須磨子 草の花 200411
峯雲に飛べよ「さだ子」の千羽鶴 岡有志 ぐろっけ 199911
峯雲に一球毎の大歓声 岡有志 ぐろっけ 199911
帰郷せり沖の峯雲まなうらに 品川鈴子 ぐろっけ 200010
病窓の峰雲動かず鳩の声 高橋大三 ぐろっけ 200111
峰雲や船を止めたる真珠湾 水上多美子 春燈 200510
峰雲や内に確かなインパルス 石山惠子 遠嶺 200510
峰雲や進水式に遺児ふたり 大串章 百鳥 200510
峰雲の湧き立つところわが家郷 藤井智恵子 百鳥 200511
峰雲へ波太渡しの櫓を鳴らす 遠藤真砂明 200601
峯雲を聳たせ清水舞台かな 松村多美 四葩 200608
峯雲の立ちはだかれる行く手かな 鷹羽狩行 200609
峰雲や砲煙上げて鬨の声 岩淵彰 遠嶺 200610
力作と言はむ峰雲句の数々 宮津昭彦 200610
峰雲や疲れの見ゆる観覧車 青山悠 200611
海水に晒す芭蕉布峯雲立つ 小山梧雨 200703
峯雲にふと衰へし力見ゆ 新井徳子 万象合同句集 200703
峰雲にしばらく乗りて観覧車 あさなが捷 200708
峰雲へ千体仏堂閉ざしあり 山尾玉藻 火星 200709
峰雲やタールの匂ふ船溜り 松山直美 火星 200709
五合目の峰雲近きレストラン 大西八洲雄 万象 200709
峯雲を押し上げゆくや島太鼓 田中春生 200711
峰雲や牛なぐさむる母の声 城孝子 火星 200711
峰雲の一座熊野灘を跨ぎ 本多俊子 200711
峰雲に檜山杉山競ひ合ふ 東良子 首座星 200804
峰雲の育つ始終を見尽くせり 伊藤白潮 200808
峰雲や舟屋の庭は日本海 山路紀子 風土 200808
峰雲や一人に一本づつの水 浅田光代 風土 200809
ジェットコースター峰雲を苛立たす 宮津昭彦 200809
峰雲や記憶の奥の移民船 内藤紀子 遠嶺 200810
峰雲や三段跳びのジャンプ成る 井島郷雲 万象 200810
峰雲や血脈浮ける仁王尊 丸山照子 火星 200810
峰雲やかひなに残るやけど痕 奥田順子 火星 200810
峰雲の真下キャベツの出荷どき 小林和子 風土 200810
峰雲を白き斜塔と見て寧し 浜田南風 200811
峰雲の大きくゆらぎ鯉の口 近藤きくえ 200811
黄鶴に乗り峰雲を越えゆかむ 小山徳夫 遠嶺 200811
脱藩の峰雲が立つ土佐境 久保田由布 ぐろっけ 200811
湧き止まぬ峰雲全盲ピアニスト 細川洋子 200908
蔵王好日峰雲ヘケーブルカー 遠藤真砂明 200909
一揆太鼓打つや峰雲揺らぐまで 柴田近江 200909
峰雲や運河名残りの赤き橋 藤原はる美 200909
峰雲や鳶装束を売る老舗 小山徳夫 遠嶺 200910
峰雲の遠くにあるはせつなかり 笠置早苗 火星 200910
峰雲のうしろより来る夕べかな 生田作 風土 200910
峰雲や爺にせがみて碁の稽古 江木紀子 雨月 200910
雨雲と峰雲空の泣き笑ひ 中野京子 200911
峰雲の中ほどに吊る小鳥籠 柴田佐知子 200911
奈良御所の千歳を今に峰雲立つ 奥村鷹尾 京鹿子 200912
峯雲と鉄橋誰の十字架ぞ 鷹羽狩行 201008
夏立ちて一峰雲を白く上ぐ 豊田都峰 京鹿子 201008
峰雲や穴子の腸のひとつまみ 戸栗末廣 火星 201009
峰雲の音立て崩る訃なりけり 小泉三枝 春燈 201010
峰雲や子規の青春残る町 矢口笑子 春燈 201010
峰雲やイルカを量る針の揺れ 林昭太郎 201011
峰雲やコインロッカー閉ぢし音 涼野海音 火星 201011
峰雲の鬼相となりてなほ太る 柴田志津子 201011
峯雲のくづれし笠に富士隠る 品川鈴子 ぐろっけ 201107
峰雲へ傘屋が傘をひろげけり 山尾玉藻 火星 201107
峰雲や記憶の奥の堕胎草おろしぐさ 荒井千佐代 祝婚歌 201110
峰雲の頂目指し鳥一羽 小川玉泉 末黒野 201110
峰雲や野外彫刻動きさう 清水佑実子 201110
峰雲を指してファントム基地の街 三枝邦光 ぐろっけ 201110
峰雲へ蟷螂鉾の首廻す 笠置早苗 火星 201110
天涯に育つ峰雲芳雄逝く 齋藤晴夫 春燈 201110
神事待つ峰雲沖に起つを見て 江木紀子 雨月 201110
峰雲や北の大地の風車群 原和三 末黒野 201204
峰雲や句力しめす選句力 布川直幸 201207
峰雲の甲冑まとふ松江城 中村吟子 ぐろっけ 201209
峰雲の並び立つたり県境 青木朋子 201210
乱立の峰雲すぐに崩落す 荻龍雲 201211
峰雲ヘアクセルつよく踏みにけり 奥田順子 火星 201309
峰雲の力を少しもらひたし 橋本リエ 春燈 201310
峰雲や芭蕉の旅の舟着き場 すずき巴里 ろんど 201310
峰雲や「イルカの見える喫茶店」 池田光子 風土 201310
峰雲ヘラジコン飛行機急上昇 杉本光祥 201310
峰雲や富士登拝の千回碑 石崎和夫 201310
峯雲を拂ふ如意棒正眼に 延広禎一 201310
峰雲の沖へ一直線の敷網(あみ) 田中佐知子 風土 201311
峰雲を凌ぐ峰雲ありにけり 市川伊團次 六花 201311
峰雲の峰を飛び交ふ小鳶かな 市川伊團次 六花 201311
峰雲の海に堵列し墓標めく 山本喜朗 雨月 201311
峰雲の裾へ薄れぬ霜の声 安斎久英 末黒野 201404
峰雲へ背筋伸ばせる移民像 山田美恵子 火星 201408
ふつふつと峰雲と句の治まらず 山田六甲 六花 201408
峰雲や錨天突くモニュメント 堀田清江 雨月 201409
峰雲へ真向ふあかざ杖の音 山本耀子 火星 201409
峰雲や仔牛に釦ほどの角 米山のり子 馬醉木 201410
峰雲や金魚糶る札飛び交へる 原田しずえ 万象 201410
峰雲のくづれ連山隠しけり 亀井紀子 201411
峰雲や千年杉の立ち競ひ 池田光子 風土 201411
峰雲やさみしきものに天守閣 戸栗末廣 201503
峰雲や留まるもまた志 竪山道助 風土 201510
峰雲の向かうときめきありにけり 犬塚李里子 201510
峰雲の向かうは故郷覇気貰ふ 池田節 春燈 201510
里山を従へ峰雲のし上がる 舘泰生 風土 201511
峰雲の棒立ちとなる筑後川 高倉和子 201511
峰雲や一礼深く球児去る 大橋弘子 末黒野 201512
峰雲に続く島への石の道 赤座典子 あを 201608
夜の雲となりて峰雲なほ育つ 林昭太郎 201609
峰雲の軒先にある日本海 七種年男 201609
峰雲や一揆の村の礎石群 大上充子 馬醉木 201610
峰雲や饒別は出埃及記 竪山道助 風土 201610
峰雲やかんかん照りの甲子園 東小薗美千代 末黒野 201611
峰雲のくづれし秋の夕焼かな 藤生不二男 六花 201612
峰雲や漁網繕ふ顔上げず 原友子 201612
峰雲や島の飛び込み台は岩 苑実耶 201704
峰雲の韋駄天走り里桜 和田照海 京鹿子 201706
峰雲へおうと太郎の「母の塔」 南うみを 風土 201708
峰雲に託す未刊の詩集かな 太田良一 末黒野 201709
峰雲や横綱が注ぐ力水 竪山道助 風土 201710
夕日受け峰雲の峰煌めきて 片岡良子 雨月 201710
峰雲やうんていの子の力瘤 池田光子 風土 201711
峰雲や餞別は『出埃及記』 竪山道助 風土 201801
峰雲や体育館に竹刀鳴り 林昭太郎 201808
峰雲の底にしきりと桟瓦 森村江風 201809
峰雲を掴み切つたるクレーンかな 西村渾 201809
峰雲や幼のつくる力瘤 渡辺やや 風土 201811
峰雲や果てなき珊瑚礁の海 佐久間敏高 201908
峰雲の現はれ崩れ安房の崎 安斎久英 末黒野 201910
峰雲や飛行機雲の吸ひ込まれ 小野弘正 末黒野 201910
峰雲の落ち込む湖の碧さかな 伊藤幹哲 馬醉木 202001
峰雲と小さいままでゐる雲と 大崎紀夫 やぶれ傘 202010
峰雲やとつくに捨てしこころざし 太田良一 末黒野 202011
胸中に峰雲育ちつつありぬ 岩岡中正 ホトトギス 202012
峰雲や言葉少なき散髪屋 上村葉子 風土 202102
峰雲の根元を廻す観覧車 柴田佐知子 202108
峰雲のつひに漢でなくなりぬ 兵藤惠 202210

 

2023年8月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。