今朝の秋 1     100句

温泉(ゆ)の底に我足見ゆる今朝の秋   与謝蕪村

立秋  今朝の秋  秋立つ  秋に入る  秋来る  今朝秋

作品
作者
掲載誌
掲載年月
そののちの消息問はん今朝の秋 稲畑汀子 ホトトギス 199808
葉騒ぎと笹ずれむつみ今朝の秋 鷹羽狩行 199809
袖口を二つ折して今朝の秋 南出律子 199810
転居地の方言出でし今朝の秋 伊藤真里 ぐろっけ 199810
風の来て分ける前髪今朝の秋 別府優 199901
今朝の秋いよいよ曲る父の腰 能勢京子 船団 199903
オランウータン仏陀の顔して今朝の秋 小枝恵美子 船団 199903
野の花を籠にこぼして今朝の秋 金國久子 青葉潮 199907
干ぜんまい水に浸たせる今朝の秋 金子里美 船団 199909
蝉なべて低き木に鳴く今朝の秋 田口泡水 風土 199910
調律の音もれきたる今朝の秋 三代川次郎 俳句通信 199910
相輪の影空に濃し今朝の秋 大柳篤子 俳句通信 199910
風鐸の音のかすかに今朝の秋 田中美幸 199911
落合の音の静かに今朝の秋 竹村竹聲 199911
新しき肌着にかへて今朝の秋 白鳥婦じゑ 酸漿 199911
風鎮を瑪瑙に替ふる今朝の秋 水野節子 雨月 199911
掛軸の湖に水音今朝の秋 小澤克己 遠嶺 199911
シーソーに小鳥が乗って今朝の秋 小枝恵美子 ポケット 199911
めくばせはピカソの絵より今朝の秋 白澤良子 199912
束の間の一人暮しや今朝の秋 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
手つかずの芝生にごろり今朝の秋 津田このみ 月ひとしずく 199912
はるかより鶏のこゑ今朝の秋 杉貞介 200008
ゆつたりと草食む馬や今朝の秋 遠藤和子 俳句通信 200010
白杖を伴れてこの身の今朝の秋 村越化石 200010
一行の文仏師より今朝の秋 林裕子 風土 200011
大空に渚見てをり今朝の秋 内藤紀子 遠嶺 200011
今朝の秋ほゝゑみ千古の伎芸天 水島夜雨 京鹿子 200011
大寺の深さに人語今朝の秋 木村杏子 雨月 200011
勤めなき靴べらは古り今朝の秋 阿部晶子 200011
遺影にも流るゝ日あり今朝の秋 辻口静夫 ホトトギス 200012
トーストを斜め切りして今朝の秋 辻享子 六花 200012
つるつるの膝小僧かな今朝の秋 津田このみ 船団 200102
御宿の姫鏡台や今朝の秋 花島陽子 遠嶺 200105
一椀の粥のつややか今朝の秋 前田達江 200110
トテ馬車の馬に声かけ今朝の秋 前田達江 200110
鈴軽く寄りくる猫や今朝の秋 岡本明美 俳句通信 200110
青空に明け星残る今朝の秋 木下節子 俳句通信 200110
米を研ぐ水ひんやりと今朝の秋 池内淳子 春耕 200110
今朝の秋娘に送られて句会へと 大平保子 いろり 200110
怠りを重ねし日々や今朝の秋 関口房江 酸漿 200111
俎板に水すべり落つ今朝の秋 波多洋子 銀化 200111
線香の灰の白さや今朝の秋 岩永節 春耕 200111
威を残す鰊御殿や今朝の秋 岩永節 春耕 200111
櫂につく水草青し今朝の秋 田崎凛 春耕 200111
目薬の一滴重し今朝の秋 清水公治 200112
ブラウスの衿ぴんと張る今朝の秋 上原若子 200112
今朝の秋佐渡竹売りの声透る 森重夫 春耕 200112
白妙の粥吹きて食ぶ今朝の秋 岩上登代 春耕 200112
何煮ても火色美し今朝の秋 坂本俊子 200201
休診の札ぶら下げて今朝の秋 滝本香世 百鳥 200202
八合目結ぶ靴ひも今朝の秋 鶴濱節子 船団 200202
軒吊りの貝殼鳴るや今朝の秋 小澤克己 遠嶺 200210
剃りたての顎に手のゆく今朝の秋 小山田子鬼 200210
柏手の小さき谺や今朝の秋 谷野由紀子 雲の峰 200210
指先に沖漬け貰ふ今朝の秋 岩崎皓子 雲の峰 200210
一駆けに栗毛つやます今朝の秋 長沼冨久子 馬醉木 200211
裏木戸に母の声して今朝の秋 津村美和 200211
新聞をめくれば匂ふ今朝の秋 西澤ひで子 遠嶺 200211
手の窪に透く化粧水今朝の秋 中村洋子 風土 200211
髪上げし額の光る今朝の秋 平居澪子 六花 200211
窓開けて朝日をあびぬ今朝の秋 長山野菊 雲の峰 200211
食卓にジャムの三色今朝の秋 高橋道子 200212
轆轤より壺立ち上る今朝の秋 中谷藤房 200212
山脈の遠近確と今朝の秋 辻田明 200212
川風が苦瓜揺する今朝の秋 木内美保子 六花 200212
川と川合ふ地の佐織今朝の秋 鵜飼紫生 雨月 200212
爪の色ブルーに変へて今朝の秋 武司琴子 ぐろっけ 200212
折り鶴の折り目のぴんと今朝の秋 刈米育子 200302
別離てふ一会ありけり今朝の秋 寺畠とし博 ホトトギス 200302
流れれば追ふ雲のあり今朝の秋 寺畠とし博 ホトトギス 200302
今朝の秋香ばしくパン焼きあがる 藤井久仁子 ぐろっけ 200302
今朝の秋ベンチの前の水たまり 岡本眸 200309
今朝の秋鈴附けし猫通りけり 小池槙女 火星 200310
先輩は今も先輩今朝の秋 松山律子 六花 200310
山峡に空砲の音今朝の秋 榎本みや 築港 200310
すんなりと子らの目覚めて今朝の秋 渡辺真奈美 200311
自転車のペダルの軽き今朝の秋 常澤淑子 200311
螺子山に谷のありけり今朝の秋 荒井和昭 200311
庭下駄のしめりのほのと今朝の秋 羽田岳水 馬醉木 200311
新刊の匂を開く今朝の秋 神宮きよい 馬醉木 200311
掃除機のコードの軽し今朝の秋 志水千代子 雲の峰 200311
内陣に灯を点し今朝の秋 古田考鵬 雨月 200311
嬰目覚めひとり遊びの今朝の秋 寺内佶 遠嶺 200311
体操の手の伸び伸びと今朝の秋 与川やよい 遠嶺 200311
縁うすき叔母の墓守る今朝の秋 中北栄子 200311
今朝の秋運動靴スニーカーのためし履き 木原今女 ぐろっけ 200311
糊かたき神父の襟や今朝の秋 成智いづみ 馬醉木 200312
濁りなく牛乳ちち迸る今朝の秋 島崎晃 遠嶺 200312
ふくよかに道の神笑む今朝の秋 松本きみ枝 遠嶺 200401
錠剤の手よりのがれし今朝の秋 平山勝子 河鹿 200402
甲斐駒は雲寄せつけず今朝の秋 栢森定男 風よ 200407
病食にパンの二た切れ今朝の秋 藤田あけ烏 草の花 200409
湯沸しの湯気のかすかに今朝の秋 鷹羽狩行 200409
木偶の首かくりと折れて今朝の秋 柴田雪路 200410
この道を何時まで歩む今朝の秋 渡辺すみれ 草の花 200410
新しき猫の鈴の緒今朝の秋 芝尚子 あを 200410
今朝の秋小裂一つも捨てかねつ 片田千鶴 馬醉木 200411
新しき木道匂ふ今朝の秋 山田禮子 遠嶺 200411
秩父嶺を間近に見せて今朝の秋 石山民谷 遠嶺 200411
主に対ふ百の木椅子や今朝の秋 坂ようこ 200411
今朝の秋→ 2      

 

2021年8月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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