今朝秋      92句

温泉(ゆ)の底に我足見ゆる今朝の秋   与謝蕪村

立秋  今朝の秋  秋立つ  秋に入る  秋来る  今朝秋

作品
作者
掲載誌
掲載年月
今朝秋や良きところ指す温湿計 大柳篤子 俳句通信 199910
今朝秋や予定はや越す万歩計 板垣紫洋 馬醉木 199911
曇天のまま今朝秋の鐘の音 遠藤タミ子 京鹿子 199911
今朝秋や風が野面を裏返す 小宮山勇 遠嶺 199911
今朝秋や行間広き童話の本 大村美智子 京鹿子 200001
今朝秋や良き音たてて香の物 阿波谷和子 俳句通信 200010
今朝秋と思ふ水車の軋みかな 岡本明美 俳句通信 200110
今朝秋の大きく傾ぐ白帆かな 山田禮子 遠嶺 200111
今朝秋の画布深々と湖の彩 高畑信子 遠嶺 200111
今朝秋やホテルの花圃に風立ちて 岡本眸 200111
今朝秋の山に向つて道のあり 木村享史 ホトトギス 200203
今朝秋の田あげの鯉の届きけり 皆川盤水 雲の峰 200208
今朝秋の風島ぢゆうをめぐりけり 阿部いく子 百鳥 200211
今朝秋のほろほろこぼす炒豆腐 坂本俊子 200211
今朝秋の湖面に松と鷺の影 忽那保 雲の峰 200212
今朝秋の馬籠格子のやうに雨 小澤克己 春の庵 200305
今朝秋のカードどんどん出る手品 竹貫示虹 京鹿子 200308
今朝秋の水をにごさぬ魚の群 高橋あゆみ 200310
今朝秋の手をつく上り框かな 鈴木庸子 風土 200311
今朝秋の硯の乾く風のあり 谷上佳那 百鳥 200312
今朝秋の絵馬掛銀杏軽きかな 能村研三 200409
けさ秋の葉擦れの風を聴きをりぬ 林裕子 風土 200410
今朝秋のさらさら落つる砂時計 杉江茂義 雲の峰 200410
今朝秋の雀の声に目覚めけり 竪ヤエ子 雲の峰 200410
今朝秋の雀にちぎるパンの耳 中川晴美 雲の峰 200410
今朝秋の猫の覚めたる鈴の音 浅川正 雲の峰 200410
今朝秋の窓ていねいに拭き上ぐる 谷野由紀子 雲の峰 200410
今朝秋の仏に供ふ白団子 三好かほる 万象 200411
今朝秋の腓返りの力なる 大東由美子 火星 200411
今朝秋の鏡の中で鳴る時計 齋藤宣子 帆船 200411
今朝秋の花屋に花の届きけり 中島瑞枝 百鳥 200411
今朝秋や鳥語なかなか解せませぬ 阿波岐滋 草の花 200411
今朝秋や松本藩御用塩の道 上杉静子 春燈 200412
けさ秋のなんとはなしの空の色 守屋井蛙 酸漿 200412
今朝秋の蜆香に立つ久慈の宿 渡邉友七 あを 200501
けさ秋の風くる方へ膝がしら 田山登喜子 200510
今朝秋の風孕ませて投網打つ 山口順子 200511
今朝秋の靴へするりと納まれり 森早和世 ぐろっけ 200602
今朝秋のひときはしるき雀の斑 高崎武義 200607
今朝秋の細みの舟を選びけり 小澤克己 塩竃 200608
今朝秋の嶺すつきりと稜立てり 小澤克己 遠嶺 200611
火はいつか燠のしづけさ秋の暮 大畑善昭 200612
今朝秋の鏡の中に乾びゐし 北川英子 200710
今朝秋の霊山りょうぜん橋を渡りけり 及川澄江 風土 200711
今朝秋の水に笑まへる父母のあり 小宮山勇 遠嶺 200711
今朝秋の野の草挿せる箙かな 伊勢きみこ 火星 200711
今朝秋や師の新句集繙きて 稲次登美子 雨月 200711
けさ秋の身に鳥影のはばたきぬ 石田阿畏子 馬醉木 200711
今朝秋の水たつぷりと顔洗ふ 林八重子 馬醉木 200711
今朝秋のまだあつあつの卵焼 伊東恵美子 馬醉木 200712
今朝秋や上り框にそぞろ神 田畑耕之介 京鹿子 200801
今朝秋の子つばめ軒を発つ構へ 上原重一 200810
今朝秋の海の深いろみをつくし 北川英子 200810
風音や今朝秋分の夜具を引く 朝妻力 雲の峰 200810
今朝秋の葉書へ老の力込め 岸本林立 雨月 200811
今朝秋のポストの色が怪しからぬ 定梶じょう あを 200909
今朝秋の水切り籠へ伏せる碗 坂場章子 200911
今朝秋や心にありし軸掛けて 浅井青二 雨月 200911
今朝秋の奏ではじむる琵琶法師 船橋とし 200911
今朝秋の雲の動きと思ひけり 館容子 200912
今朝秋の耳鼻科処方の漢方薬 安部和子 雨月 200912
今朝秋の欠片ひとつも見当らず 竹内悦子 201010
けさ秋の愛しきものに木綿皺 千田敬 201010
今朝秋の瀬音清しやクラシカル 前川ユキ子 201012
今朝秋の雨戸を繰るや雀どち 吉田きみえ 末黒野 201012
今朝秋の卓の新聞めくる風 福田漣 201012
けさ秋の野づら明りの讃岐富士 飯塚ゑ子 火星 201101
今朝秋の湖の匂ひは波間より 竹内悦子 ちちろ虫 201108
今朝秋と出てゆく夫にまづ言ひぬ 丸山佳子 京鹿子 201111
今朝秋の身の閂をしめなほす 鷹崎由未子 花野 201112
今朝秋のすずかけの風匂ひけり 鶴原妙 ろんど 201212
今朝秋の盥にこまんじやこの光 林範昭 火星 201310
一万歩を目差す今朝秋旅気分 鈴木照子 201311
今朝秋のオルガン囲む児の瞳 阪本哲弘 201312
今朝秋の銀の水飲み干せり 竹中一花 201401
今朝秋の湖岸に干せる樽の数 坂口夫佐子 火星 201411
今朝秋のわが影すこしやさしかり 栗原`公子 201411
今朝秋の雲の流れをみてをりぬ 山本漾子 雨月 201411
今朝秋の一合炊きの匂立つ 卜部黎子 春燈 201511
今朝秋と思ふ如雨露に水汲みて 小林愛子 万象 201511
今朝秋や楷書思考のやや戻り 藤原照子 201511
今朝秋のさらさらさらと茶漬かな 中島芳郎 201611
今朝秋の半音高くせる応へ 坂場章子 201611
今朝秋の鍵の紛失事件かな 安藤久美子 やぶれ傘 201612
今朝秋や生くる力を自づから 大石喜美子 雨月 201810
今朝秋の雲入れ替はる背振山 三井所美智子 201902
今朝秋の良寛手鞠まろびたり 栗坪和子 202011
今朝秋のG線上のアリアかな 佐藤康子 末黒野 202012
今朝秋の空には千切れやすき雲 善野行 六花 202012
今朝秋の扉の奥にまた扉 能村研三 202110
今朝秋のダム湖に生えし死木かな 能村研三 202111
今朝秋の竿のシーツの日の匂ひ 卜部黎子 春燈 202111
今朝秋の風を見てをり埴輪の眼 小林文良 春燈 202211
今朝秋の自在にしなふ手首かな 林すみ 京鹿子 202211

 

2023年8月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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