かなかな 3   111句

秋の蝉  秋蝉  残る蝉  法師蝉  つくつく法師    ひぐらし  かなかな

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
かなかなや自分でつくるワンピース 火箱湖歩 船団 200912  
かなかなの声に包まれ神の杉 飯沼孝男 201001  
夕かなかな座せば私に戻る椅子 井尻妙子 京鹿子 201001  
かなかなを浄土の声と聞きにけり 中緒和子 酸漿 201001  
かなかなのかなの数ほどありがたう 石田きよし 201001  
かなかなに似合ふ女の野球帽 石田きよし 201001  
かなかなや病良くとも老いつづく 嶋田摩耶子 ホトトギス 201002  
朴若葉かなかな句碑に日をこぼし 大内恵 酸漿 201009  
夕かなかな大杉なほも湿りたる 篠田純子 あを 201009  
かなかなや湯上がりの足投げ出して 吉沢陽子 201010  
かなかなや山より薪を背負ひくる 滝沢伊代次 万象 201010  
かなかなの沢へ山へと夜明たり 長田秋男 酸漿 201010  
かなかなの止む時胸に涙あり 篠田純子 あを 201010  
かなかなに夕影深くなりにけり 粟倉昌子 201011  
かなかなに句点読点教へたる 吉田希望 201011  
夕かなかな抜け道一つ違へけり 久米憲子 春燈 201011  
かなかなや看取の膳の上げ下げに 富永真代 春燈 201011  
少年にかなかなの蒼き夕暮れ 近藤喜子 201011  
かなかなの黙のひとびと打ちにけり 瀬川公馨 201011  
かなかなや井戸枠のみの館跡 大森春子 201011  
かなかなや母逝きし日の空の色 鈴木浩子 201011  
姫塚へ夕かなかなの移りけり 大坪景章 万象 201011  
かなかなや糺の森の古書祭 橋添やよひ 風土 201011  
かなかなや一人降り来る一輌車 近藤幸三郎 風土 201011  
ふる里をつなぐ使者なり夕かなかな 安田一郎 京鹿子 201011  
かなかなや地熱はいまだ冷めやらず 竹下昭子 ぐろっけ 201011  
かなかなや水分の空暮れなづみ 浅井青二 雨月 201011  
かなかなや夕日傾く能登の海 屋塩見治郎 雨月 201011  
夕かなかなガラス工房火を落し 塩見英子 雨月 201011  
かなかなや妣の声聞く野辺の道 田中浅子 201012  
ひさびさの人待つかなかなしぐれかな 松原仲子 201012  
かなかなやものみな鎮む夕映えて 西村純太 201012  
粗熱をとるものばかりかなかなかな 佐藤博美 201012  
かなかなや波昏れのこる稚児ヶ淵 小川玉泉 末黒野 201012  
かなかなの今日はなかなか元気なり 小林正史 201012  
かなかなや耐震工事の小学校 久世孝雄 やぶれ傘 201012  
かなかなや山門不幸と高札に 宮原悦子 雨月 201012  
かなかなの声明となる遷化かな 宮原悦子 雨月 201012  
かなかなや無何有の郷と思ひをり 西村純太 201101  
かなかなに覆ひ被さる虫時雨 竹田ひろ子 ろんど 201101  
かなかなに榛名稜線緩びけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107  
かなかなに包み込まれて籐寝椅子 布川直幸 201107  
すぐそこに黄泉の遠さの夕かなかな 竹貫示虹 京鹿子 201108  
かなかなや崩れぬほどに本を積む 井上信子 201109  
かなかなの鳴いて樹木の太りけり 浅沼久男 201109  
かなかなや暮色をまとふ樹下菩薩 岡本まち子 馬醉木 201110  
かなかなの一山占むる暁の星 石本秋翠 馬醉木 201110  
早仕舞してかなかなを聞く湯船 大木清美子 201110  
かなかなや避難の人へ声嗄らす 池田光子 201110  
かなかなや心の堰を溢れしめ コ田千鶴子 花の翼 201111  
かなかなの森目覚めても瞑りても コ田千鶴子 花の翼 201111  
かなかなや石塀小路の父の杖 コ田千鶴子 花の翼 201111  
かなかなのよく鳴く日なり辻地蔵 増田一代 201111  
かなかなや奥へ奥へとまよひ入る 原田達夫 201111  
かなかなの波うつやうに聞こえくる 丹生をだまき 京鹿子 201111  
かなかなの山に吸はるるロープウエー 有本惠美子 ろんど 201111  
かなかなや吾より若き父母の墓 松林順子 雨月 201111  
明日は去ぬ娘と向ふ膳夕かなかな 片山喜久子 雨月 201111  
ピーター・フォーク逝きて三月や遠かなかな 小林清之介 風土 201111  
盃にかなかなの満ち溢れたり 根岸善行 風土 201111  
夕かなかな見知らぬ靴の落ちてをり 加藤峰子 201111  
アカペラのかなかなかなの透き通る 相良牧人 201111  
たひらかにかなかなのこゑたひらかに 原田達夫 201111  
かなかなの耳に入りくる安堵感 児玉有希 京鹿子 201112  
かなかなの鳴きつぐ病舎午前五時 城戸緑 末黒野 201112  
夕かなかな蔵の二階の窓開いて 杉浦典子 火星 201112  
本殿の燭落しゆくかなかなかな 坂口夫佐子 火星 201112  
かなかなの耳にとどまる朝の歩 藤井久仁子 ぐろっけ 201112  
かなかなや水底に似て森の日矢 田所節子 201112  
かなかなの鳴き警備員交代す 浅沼久男 201112  
かなかなや止まりし所出発点 竹田ひろ子 ろんど 201112  
淋しめばかなかなしきり鳴く日かな 長尾輝星 ホトトギス 201202  
かなかなや四石二斗の施粥釜 大森尚子 風土 201202  
かなかなや介護認定二となりぬ 北岸邸子 春燈 201202  
かなかなや妣の名入りの眼鏡入れ 松本正生 やぶれ傘 201202  
かなかなや人であることふと忘れ 鶴濱節子 始祖鳥 201206  
かなかなの弧となりて降る水あかり 神戸京子 万華鏡 201206  
東京の不意のかなかな箸袋 鳥居おさむ 鳥居おさむの、背骨。 201207  
かなかなの中にかなかな鳴き澄める 稲畑汀子 ホトトギス 201208  
かなかなや句集四遠を開きては 北崎展江 くりから 201209 悼 森 澄雄先生
かなかな時雨羅漢に樫の大廂 久染康子 201210 目黒吟行
かなかなやかなかなかなと一人旅 鈴木セツ 201210  
かなかなや遠く住む子に独り言 中島久子 馬醉木 201211  
かなかなのこゑ遠ざかる担送車 神蔵器 風土 201211  
かなかなの沁み入る水に鍬ひたす 南うみを 風土 201211  
かなかなや袖畳みして母の衣 浅田光代 風土 201211  
かなかなの森みんみんの林かな 根岸善行 風土 201211  
かなかなや子の描く顔に手足生え 池田光子 風土 201211  
かなかなの輪唱移る目覚めかな 上谷昌憲 201211  
かなかなや芭蕉の句碑の木洩れ日に 三好かほる 万象 201211  
かなかなに鳴かれて急ぐ峠かな 成田なな女 春燈 201211  
かなかなや出会ひはあれこれかげいろに 豊田都峰 京鹿子 201211  
かなかなに急きたてられて宿題子 三枝邦光 ぐろっけ 201211  
かなかなの杜に家建ち秋ともし 早崎泰江 あを 201211  
かなかなの家路遥かや夕餉時 大川暉美 末黒野 201211  
神島の森かなかなしぐれかな 本多俊子 201211  
かなかなや日照雨過ぎたる石畳 泉本浩子 馬醉木 201212  
かなかなや瀬々は日暮れてかづら橋 高地勝峰 馬醉木 201212  
かなかなや湯桶置く音どこからか 福島松子 ぐろっけ 201212  
かなかなの鳴き継ぐ里に住み馴れし 野村鞆枝 京鹿子 201212  
下山急くかなかなしぐれ四方にして 尾崎みつ子 雨月 201212  
かなかなのうねり士なりて来たりけり 小林はじめ 六花 201212  
かなかなやこころ足る日の早歩き 河村啓花 ろんど 201212  
かなかなや今日の如くに明日を待つ 古川忠利 ろんど 201212  
かなかなの声透きとほる宿に着く 久世孝雄 やぶれ傘 201301  
昼を夜へかなかな連れてゆきにけり 須藤常央 ホトトギス 201302  
かなかなやひとりぐらしの一人っ子 まつのたく ろんど 201302  
かなかなの鳴いてこの世の倦怠期 陽山道子 おーい雲 201304  
かなかなや喉潤する道の駅 塚越弥栄子 末黒野 201304  
かなかなや一ト日貴ぶ森の家 上山永晃 鶴翼 201305 老人保健施設「ヴィラ・フォーレスタ森の家」誕生施設長に就任
お互に死ぬもの同志夕かなかな 竹貫示虹 京鹿子 201308 かなかな →1

2013年8月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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