藤の花 2      96句

藤の花長うして雨ふらんとす    正岡子規

藤浪  藤棚  藤の花  白藤   山藤   藤房   藤の実

作品
作者
掲載誌
掲載年月
産土神の藤の花房仰ぎけり 真柄百合子 末黒野 201409
山霊に囁く藤の花の揺れ 近藤喜子 201507
夕星やひとしほ香る藤の花 後藤眞由美 春燈 201507
何となく亀の集まる藤の花 上谷昌憲 201507
逝きし人残されし者藤の花 平田紀美子 風土 201507
雲を洩る日の安らぎや藤の花 黒滝志麻子 末黒野 201507
灯点りてより色めけり藤の花 中野久雄 末黒野 201507
昼下がり藤の花房咲きはじむ 出口誠 六花 201507
水槽の上に咲きたる藤の花 出口誠 六花 201507
雨止みて明けの日に映ゆ藤の花 吉田きみえ 末黒野 201508
冥土への距離をちぢめて藤の花 丸井巴水 京鹿子 201508
香りくる藤の花房幼かり 齋藤晴夫 春燈 201508
天平のいろに揺れをり藤の花 橋添やよひ 風土 201508
天蓋の藤咲きこぼる古刹かな 延川五十昭 六花 201508
青空のまま日が暮るる藤の花 山田春生 万象 201607
雨霧の谷間晴れゆく藤の花 中村千久 万象 201607
吹かれても絡むことなき藤の花 成田美代 201607
藤の花揺らせし風を身の内へ 成田美代 201607
藤の花ちよつぴり嘘をつきたき日 成田美代 201607
助手席にまぶたの重く藤の花 田所節子 201607
藤の花山河は顔を輝かし 上辻蒼人 風土 201607
箱根路の湖風届く藤の花 松本三千夫 末黒野 201607
寄れば濃く離れば淡し藤の花 松本三千夫 末黒野 201607
藤の花大工の腰の道具かな 井上静子 201607
もやもやと藤棚の花ひらきそむ 樋口みのぶ 201607
巡礼の山路を越えて藤の花 本田武 やぶれ傘 201608
藤の花人混む太鼓橋二つ 数長藤代 201608
藤咲くや御身除染の磨崖仏 鈴木漱玉 馬醉木 201608
宇治川のむらさき流し藤の花 河合佳子 馬醉木 201608
揺るるたび房ふつくらと藤の花 小泉貴弘 春燈 201608
山藤の杉にかかりて花提灯 七郎衛門吉保 あを 201608
神籬の水辺華やぐ藤の花 安斎久英 末黒野 201608
藤の花夕ベとなれば火を欲す 飛高隆夫 万象 201608
折からの入日に藤の花吹雪 飛高隆夫 万象 201608
修験寺の水面に藤の花筏 山口素基 万象 201608
藤の花咲かせて居士の心意気 高木晶子 京鹿子 201608
藤咲けば己やさしくなりゐたり 池永加代 京鹿子 201608
色強く藤狂ひ咲く炎暑かな 飛高隆夫 万象 201611
山肌に陶土あらはや藤の花 苑実耶 201704
藤の花龜が動くまではゐず 佐藤喜孝 あを 201705
くわんおんの御目二十二藤の花 藤丸誠旨 春燈 201707
ゆくりなく風の匂ふや藤の花 今村千年 末黒野 201708
堰音へ山藤の花降り懸かる 正谷民夫 末黒野 201708
太子像へさざなみとなす藤の花 森田節子 風土 201708
何処からかハープの音色藤の花 井上静子 201708
お茶漬ですます昼餉や藤の花 柴田志津子 201707
喪籠りのすだれとなれり藤の花 原田しずえ 万象 201708
木洩れ日を上りつめたり藤の花 松尾芳子 万象 201708
母逝きしあの日もここに藤の花 中村千久 万象 201708
掌に掬ふ朔太郎忌の藤の花 飛高隆夫 万象 201709
戒名に紫英とありて藤の花 和田華凛 ホトトギス 201709
藤の花房伸び早し狭庭かな 青山正生 201709
藤の花揺らぐに非ず吾のゆらぐ 田岡千章 201709
藤の花揺れゐし色の濃く止まり 嶋田一歩 ホトトギス 201711
耐へ切れず落ちし雨粒藤の花 嶋田一歩 ホトトギス 201711
天空に濃き色として藤の花 沼田巴字 京鹿子 201805
藤の花窓より声のつつぬけに 篠崎志津子 やぶれ傘 201806
藤の花雨は閑かに降りつづく 平田きみこ 風土 201807
藤の花二列で歩くベビーカー 中嶋陽子 風土 201807
さきがけの一花につづく藤の棚 松本幹雄 馬醉木 201807
藤の花真夏のやうな日が差して 藤井美晴 やぶれ傘 201807
思ひ出のことばあつまり藤の花 片山煕子 京鹿子 201808
見守られ公園の藤花吊るす 安部和子 雨月 201808
山藤の花の飛瀑や遠岬 田中臥石 末黒野 201808
藤の花ゆれて園児の笑ひ声 工藤はる子 201902
母の忌を修すや藤の花あはし 城毫文江 馬醉木 201907
身を反りて仰ぐ木立や藤の花 吉田くら 201907
令和てふ御代のととのひ藤の花 森清堯 末黒野 201907
羽音立て藤の開花を知らしめり 新井八重子 末黒野 201907
ありなしの風におもねる藤の花 宮崎紗伎 春燈 201908
神神の哄笑たりき藤の花 瀬川公馨 201908
揺るるとは明日ある証し藤の花 良知悦郎 201908
菩提寺や二天の房の藤の花 堺昌子 末黒野 201908
花かんざしの揺るるがごとく藤の花 稲田延子 やぶれ傘 201908
大杉を大蛇のごとく藤の花 渡辺富士子 末黒野 201909
令和祝ぐ昼日に香る藤の花 廣畑育子 六花 201909
大杉を大蛇のごとく藤の花 渡辺富士子 末黒野 202004
歌垣に呼びさまされし藤の花 寺田すず江 202007
揺るるとは明日ある証藤の花 良知悦郎 202007
朝風や影揺れもせで藤の花 黒滝志麻子 末黒野 202007
連れ添うて五十余年や藤の花 有賀昌子 やぶれ傘 202007
いち日を使ひきつたり藤の花 雨村敏子 202008
藤の花くぐる秘密を持つやうに 高倉和子 202010
二分咲きのままに刈らるる藤の花 秋津令 202010
木綿干す日向の匂ひ藤の花 宮崎紗伎 春燈 202107
娘家の降らんばかりの藤の花 田中臥石 末黒野 202108
門徒衆のほどよき集ひ藤の花 西住三惠子 202112
句帖には田も穂もありて藤の花 七郎衛門吉保 あを 202205
尺ほどの藤の花房母の忌来 増成栗人 202207
藤の花天に溶けゆき雨催ひ 谷口一献 六花 202207
藤の花見頃のがしてしまひけり 久米憲子 春燈 202207
声だけで会へぬ日々なり藤の花 福地タカ 202208
今まさに零れむばかり藤の花 上杉馨 202208
願掛けの十段の磴藤の花 岡井マスミ 末黒野 202208
藤の花羽音聞こゆる昼下り 鈴木千恵子 末黒野 202208
藤の花うす紫の風に揺れ 毛利直子 末黒野 202208
藤の花幹の捩れを力とす 曽根富久恵 202302
藤の花→ 1

 

2023年5月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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