法師蝉 3     100句

秋風にふえてはへるや法師蝉   高浜虚子   五百句

秋の蝉  秋蝉  残る蝉  法師蝉  つくつく法師    ひぐらし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
法師蝉戦語りし叔父の訃に 長谷川鮎 ぐろっけ 201109
法師蝉秋への序奏始まりぬ 早崎泰江 あを 201110
燭ゆらぐ弁財天や法師蝉 坂上香菜 201111
野路歩き心地よく聞く法師蝉 増田一代 201111
間歩まぶ出れば坑夫迎ふる法師蝉 中井登喜子 201111
日時計に影なき午後の法師蝉 手島靖一 馬醉木 201111
ねんごろに鳴き終りたる法師蝉 米山喜久子 201111
ふと聞きつ木蔭に入りし法師蝉 岡田愛子 京鹿子 201111
法師蝉豊臣の世は瞬く間 大橋晄 雨月 201111
はたと止む瞬時の静寂法師蝉 本多寿美子 雨月 201111
法師蝉鳴いて夕日を戻しけり 池田光子 201112
潜みゐるヒマラヤ杉の法師蝉 安藤久美子 やぶれ傘 201112
更けてなほ啼きつづけをり法師蝉 北村香朗 京鹿子 201112
法師蝉この夜限りと鳴きつづく 北村香朗 京鹿子 201112
杜を抜け声の遠のく法師蝉 城戸緑 末黒野 201112
だしぬけに篠突く雨や法師蝉 熊切光子 末黒野 201112
アルデンテまでの一分法師蝉 平野みち代 201112
法師蝉しみじみ賎ヶ岳しづか 有本惠美子 ろんど 201112
法師蝉つくつく思ふ独りの歩 古田考鵬 雨月 201112
明日はなき命を鳴きて法師蝉 田所洋子 雨月 201112
法師蝉声の終りは祈りめく 長山あや ホトトギス 201202
語尾ばかり聞えくるなり法師蝉 上崎暮潮 ホトトギス 201202
法師蝉森林浴といふ言葉 上崎暮潮 ホトトギス 201202
法師蝉裏六甲を鎮めたる 宮崎正 ホトトギス 201202
法師蝉日々手習ひで暮れにけり 中島玉五郎 201209
行合の暮れ残る空法師蝉 吉田啓悟 かさね 201210
湯殿への石段暗し法師蝉 米田文彦 かさね 201211
法師蝉鳴き声帰路の足軽し 菊地崇之 かさね 201211
法師蝉二人にもどる朝餉かな 佐々木みどり 馬醉木 201211
降るほどのなかに一匹法師蝉 柿沼盟子 風土 201211
法師蝉向うの山の木霊とも 十川たかし 201211
とがめるは他人にあらず法師蝉 丸田信宏 京鹿子 201211
忠魂碑にシャワーさながら法師蝉 村上倫子 201211
変る世をつくづく嘆く法師蝉 向江醇子 ぐろっけ 201211
法師蝉夕日の余韻広げをり 伊藤平八 末黒野 201211
一木の芯に声あり法師蝉 篠原幸子 春燈 201212
己が刻足らじと夜を法師蝉 荒井千瑳子 201212
胸像の心耳に聞こゆ法師蝉 東良子 201212
法師蝉終着駅のまだ見えず 高田好子 京鹿子 201212
鳴き連れて揃ふことなし法師蝉 宮木加津代 万象 201212
鎌倉に開山忌あり法師蝉 落合絹代 雨月 201212
法師蝉前線わづか南下中 石井一石 京鹿子 201301
法師蝉息つく間なく鳴き尽す 下平しづ子 雨月 201301
命惜しつくづくをしと法師蝉 吉田葎 201301
弁慶の仁王立ちなり法師蝉 大森尚子 風土 201302
法師蝉ここに暮せし日のことを 稲畑廣太郎 ホトトギス 201308
大の字になれば急かせる法師蝉 宮崎左智子 201310
終焉の刻を惜しみて法師蝉 柴田朱美 京鹿子 201310
豆を煮て母を思へり法師蝉 秋千晴 201310
早退けをせしこと法師蝉聞けば 定梶じょう あを 201311
太子堂裏より法師蝉の声 石垣幸子 雨月 201311
法師蝉芭蕉親しき姥餅 有本惠美子 ろんど 201311
鳴き声の辺り空ある法師蝉 きくちきみえ やぶれ傘 201311
みまかりし妻へ届けと法師蝉 小川玉泉 末黒野 201311
暮れぎはの一刻忙し法師蝉 新海英二 春燈 201311
九品仏伽藍に響く法師蝉 田中清秀 かさね 201311
うまい覚め故郷にゐたり法師蝉 安田一郎 京鹿子 201311
一人旅の子の背眩しや法師蝉 安田一郎 京鹿子 201311
子の唄に伴奏つけし法師蝉 安田優歌 京鹿子 201311
人を呼ぶさまに高原法師蝉 竹内悦子 201311
四阿の遠くに聞ゆ法師蝉 早崎泰江 あを 201311
法師蝉東京五輪に生れ来よ 明石文子 ぐろっけ 201312
迫り鳴くや世を惜しむかに法師蝉 森田尚宏 201312
法師蝉終焉つげるかのごとし 早崎泰江 あを 201312
口語より文語体調法師蝉 村田岳洋 ろんど 201312
帰路の坂はげまし鳴きの法師蝉 丸井巴水 京鹿子 201312
縮まらぬ夫との齢法師蝉 田中佐知子 風土 201312
図書室の黙破られぬ法師蝉 土田亮 末黒野 201312
序曲よりすぐ終曲へ法師蝉 湯川雅 ホトトギス 201401
法師蝉ひとつしづかな墓所 今井肖子 ホトトギス 201404
法師蝉鳴きつまづくがそれらしく 稲畑汀子 ホトトギス 201408
初鳴きと歩を止め聴くや法師蝉 安立公彦 春燈 201410
玻璃越しに菩薩の微笑法師蝉 渡部法子 201410
法師蝉礫となりて頬を打つ 黒住康晴 201410
法師蝉はたと鳴き止む静けさよ 辰巳あした 雨月 201410
志貴皇子を送る挽歌や法師蝉 坂上香菜 201411
独り寝を嗤ふが如き法師蝉 大口堂遊 春燈 201411
終章を儚く鳴きて法師蝉 大橋晄 雨月 201411
生き下手はたぶん死ぬまで法師蝉 菅谷たけし 201411
うしろの樹ほど暗かりし法師蝉 菅谷たけし 201411
存分に鳴きて手にある法師蝉 高松由利子 火星 201411
法師蝉喝と一声落ちにけり 中島芳郎 201411
法師蝉恋ひし尽くしと鳴いてをり 柳川晋 201411
夕暮のもとな侘しと法師蝉 谷村祐治 雨月 201411
法師蝉慈母観音に鳴き競ひ 磯野しをり 雨月 201411
法師蝉攻めくるものを真に受けず 中尾朱帆 京鹿子 201411
一休みしては鳴き継ぎ法師蝉 岡淑子 雨月 201411
掛合ふはみんみん蝉と法師蝉 堀井英子 雨月 201411
何を斯く急くかやしきり法師蝉 宮原悦子 雨月 201411
命惜しをしとしきりに法師蝉 宮原悦子 雨月 201411
法師蝉声の短くなりにけり 小川玉泉 末黒野 201412
竹林を貫く夕日法師蝉 岡野里子 末黒野 201412
法師蝉半音上げて飛び立てり 田村加代 末黒野 201412
下山後のいのちの水や法師蝉 林紀夫 春燈 201412
一頻り鳴き次の木へ法師蝉 國保八江 やぶれ傘 201412
正調の信州育ち法師蝉 金田けいし ろんど 201412
オシオシといのち惜しみて法師蝉 椿和枝 201412
声張りて機嫌や佐保の法師蝉 杉山瑞恵 雨月 201412
豪雨去り夕づく庭の法師蝉 水田壽子 雨月 201412
閉門の刻の近しと法師蝉 山本漾子 雨月 201412
法師蝉比叡に籠る学僧に 密門令子 雨月 201412
命終の声を絞りて法師蝉 播磨武子 雨月 201412
粥腹一刻法師蝉鳴きじやくる 堀内一郎 堀内一郎集 201412
遠く鳴く法師蝉より黄昏るる 今村征一 ホトトギス 201501
法師蝉市民講座は大盛況 伊吹之博 京鹿子 201501
法師蝉ひとつ離れてひとしきり 戸栗末廣 201503
法師蝉はたと鳴き止む静けさよ 辰巳あした 雨月 201508
デモへの励ましブルームーンと法師蝉 篠田純子 あを 201509
はるかより来よと呼びをり法師蝉 上原重一 201511
御手洗に声を浄める法師蝉 中島玉五郎 201511
乱調の季糺すかに法師蝉 石田康明 春燈 201511
土手上に川風とどく法師蝉 大島英昭 やぶれ傘 201511
聞き分けて一つ二つは法師蝉 青谷小枝 やぶれ傘 201511
楠の葉は揺れ法師蝉は鳴き 青谷小枝 やぶれ傘 201511
川風や助走促がす法師蝉 山崎靖子 201511
耳すます法師蝉鳴き納むまで 岸洋子 201511
国ざかひあひまひにして法師蝉 野畑さゆり 201511
邪念無き心もて聴く法師蝉 石谷淳子 雨月 201511
訪ひし家の道のり遠し法師蝉 宮本俊子 雨月 201511
川風や助走促がす法師蝉 山崎靖子 201511
序破急を正しく朝の法師蝉 上谷昌憲 201511
長雨のあとの日和や法師蝉 阿部澄 万象 201512
会話ふと途切れしあとの法師蝉 佐藤幸示 万象 201512
碁敵はきのふに変.はり法師蝉 笹村礼子 六花 201512
蝉のこえ法師ほうしと入り乱れ 吉原彩 船団 201602
法師蝉 →4      

 

2021年8月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。