春 寒 6       170句

春寒き空へつき出て避雷針   高島茂

料峭 春寒 凍返る・凍戻る 寒戻る 冴返る 余寒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春寒しこの世の地獄まざと見て 中島霞 ぐろっけ 201106
涙眼で黙祷地震の春寒し 木野裕美 ぐろっけ 201106
春寒し泥着て並ぶランドセル あかさか鷹乃 ろんど 201106
春寒の部屋着に選ぶさくら色 川原典子 酸漿 201106
春寒や袋に詰めし非常食 門伝史会 風土 201106
朝湯して伊吹颪の春寒き 川崎利子 201107
春寒し相槌打つたばつかりに 八田マサ子 馬醉木 201107
被災地の春寒をこそ憎みをり 前川明子 201107
土壁に両手を当てる春寒し 高田令子 201107
「京」といふ汚染の数値春寒し 中島霞 ぐろっけ 201107
地震津波日本憂ひて春寒し 中田寿子 ぐろっけ 201107
春寒く大地震あとの喪の心 永塚尚代 ぐろっけ 201107
マラソンの先頭の黙春寒し 伊藤希眸 京鹿子 201107
春寒し芦原歩く音連ね 村上留美子 火星 201107
春寒し雉鳩の声しきりなる 高柳正幸 やぶれ傘 201108
春寒く人知及ばぬことばかり 岩岡中正 ホトトギス 201108
只ひとりのはらから逝きて春寒し 森礼子 雨月 201108
蠟燭に春寒の顔確かめつ 大場ひろみ 馬醉木 201110
春寒といふ綺麗ごとなど言へず 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
次々と災害を呼ぶ春寒し 伊藤とほ歩 ホトトギス 201203
断崖の松の根力春寒し 能村研三 201203
春寒し帯地のごとき曼荼羅図 竹内弘子 あを 201203
七輪の煙る朝市春寒し 及川信二 末黒野句集 201203
春寒や刃のごとき二日月 蒲谷玲子 末黒野句集 201203
春寒し命綱つけ崖普請 鈴木加代子 末黒野句集 201203
春寒し江戸古民家のうねり梁 飯田美千子 201204
刃物屋の間口開き過ぎ春寒し 能村研三 201204
地震の地に続く総の地春寒し 安立公彦 春燈 201204
礁打つ波の尖りて春寒し 大川暉美 末黒野 201204
春寒やうまらぬものの二つ三つ 豊田都峰 京鹿子 201204
春寒を拾ひ林にまた拾ふ 豊田都峰 京鹿子 201204
春寒や待機電流の目が光る 向江醇子 ぐろっけ 201204
春寒の石橋反りて書院跡 田中藤穂 あを 201204
判じ得ぬ文字春寒き書道展 山口キミコ 201205
傑僧のピカソぶりの書春寒し 藤本秀機 201205
春寒や迷ひ歩ける歌舞伎町 長島清山 かさね 201205
春寒の雨が肩うつ致命祭 中島久子 馬醉木 201205
くくられて病囚となる春寒し 川崎雅子 春燈 201205
忌しき記憶変はらず春寒し 鈴木阿久 201205
何せむと春寒の朝の正座かな 本多俊子 201205
春寒し何度ものぞく植木鉢 永塚尚代 ぐろっけ 201205
今までは源氏贔屓よ春寒し 松本恒子 ぐろっけ 201205
春寒し寝るも起きるも痛き腰 長谷川としゑ ぐろっけ 201205
春寒し畏友は筆を折りたまひ 山田夏子 雨月 201205
春寒や滲みて鯉の浮いてこず 笹村政子 六花 201205
推敲を重ねし跡や春寒し 能村研三 201205
春寒や椅子の脚より暮れてゆく 田村すゝむ 風土 201205
走り根につまづく鞍馬春寒し 奥田茶々 風土 201205
春寒し足のくるぶし被ひけり 竹久みなみ 風土 201205
上人のご前百畳春寒き 中川すみ子 201206
点滴の針身のうちに春寒し 郡山真帆 かさね 201206
春寒し歩いて鳥が隠れけり 小林朱夏 201206
酒蔵といふ春寒の闇匂ふ 古賀しぐれ ホトトギス 201206
鍵盤といふ春寒に触れにけり 立村霜衣 ホトトギス 201206
春寒し施設がよしと移り住む 藤井久仁子 ぐろっけ 201206
春寒の膝に田麩の紅こぼす 師岡洋子 ぐろっけ 201206
春寒や靴脱げば靴うらがへる 福島せいぎ 万象 201206
春寒や漢方薬の鈍き色 青野安佐子 201206
春寒料峭放置自転車積まれゆく 河村啓花 ろんど 201206
春寒し絆の幻想がれき処理 山本孝子 ろんど 201206
春寒や立ち居にかばふ膝がしら 安斎久英 末黒野 201206
家具転倒防止てふもの春寒し 松田冨枝 末黒野 201206
磴と磴つなぐ石敷き春寒し 渡邉孝彦 やぶれ傘 201206
春寒の灯点しごろを灯さずに 國保八江 やぶれ傘 201206
春寒や頭を刺激してゐたり 石脇みはる 201207
ユトリロの白匂ひ立つ春寒し 本多俊子 201207
春寒し海図に赤き線引かれ 杉浦典子 火星 201207
春寒に釉薬混ぜる手の痛さ 早川周三 ぐろっけ 201207
春寒の葬に靴下二重履き 細川知子 ぐろっけ 201207
春寒し薬離せぬ事も馴れ 山本敏子 ぐろっけ 201207
春寒き瓦礫の上の巨船かな 山咲和雄 末黒野 201207
指で刷く鏡の結露春寒し 丑久保勲 やぶれ傘 201207
葛飾にきて春寒し花の句碑 北崎展江 くりから 201209
春寒と行きずりの人声呉れて 酒井秀郎 返り花 201211
春寒し歌はぬ母の唄ふ夢 酒井秀郎 返り花 201211
待つことを学ぶ患者の春寒し 酒井秀郎 返り花 201211
春寒や妻を叱りて悔いたる日 酒井秀郎 返り花 201211
春寒や口開けしまゝ炭俵 瀧澤伊代次 自註句集 201212
早朝の空港に着き春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201302
春寒の恵みの雨と思はねば 稲畑汀子 ホトトギス 201302
電飾のまたたき薄れ春寒し 神田恵琳 跫音 201303
春寒しもの持つときは抱くやうに 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
勘三郎団十郎逝き春寒し 嶋崎豊子 雨月 201304
山城へ胸突八丁春寒し 山田六甲 六花 201304
コピー機の詰り春寒抜けきらず 小林のり人 春燈 201305
バイオリンに第一第二春寒し 甕秀麿 201305
春寒や越前岬の夕船笛 三枝邦光 ぐろっけ 201305
春寒し靴脱ぎ石に土乾ぶ 三枝邦光 ぐろっけ 201305
人力車の轍そろりと春寒し 鈴木直枝 ろんど 201305
春寒や途切れぬやうにりんご剥き 山田美恵子 火星 201305
春寒ししいしいと言ひすれ違ふ 篠田純子 あを 201305
人悼むこころの寄りて春寒き 松田泰子 末黒野 201305
春寒や潜望鏡の顕なる 安斎久英 末黒野 201305
春寒の小さくなりたる歩幅かな 外山節子 末黒野 201305
春寒や外出の件を掌に書いて 中島ひろし 末黒野 201305
抱きしめて猫の爪切る春寒し 滋野暁 末黒野 201305
病む友に見送られゐて春寒し 樺山翠 雨月 201305
春寒き寺の石段下りけり 藤井美晴 やぶれ傘 201305
春寒や古刹に多き入らずの間 水原春郎 馬醉木 201306
春寒や海の際まで猪の出て 岩木茂 風土 201306
春寒やチーズホンデュの熱々を 石脇みはる 201306
春寒し着替のものを胸に抱く 小林正史 201306
春寒や天守に登る階高し 大西八洲雄 万象 201306
春寒や菓子屋に残る土かまど 福島せいぎ 万象 201306
春寒し托鉢僧の猫背かな 松川悠乃 ろんど 201306
春寒や雪載せて来し長き貨車 川村亘子 末黒野 201306
春寒や俄か参りの深大寺 小林和世 末黒野 201306
祖父忌日おくれて大事春寒し 松林順子 雨月 201306
根本中堂の柱の疵や春寒し 有賀昌子 やぶれ傘 201306
春寒しコトルの駅にバスを待ち 松村光典 やぶれ傘 201306
春寒しボタンのほつれ気がつかず 久世孝雄 やぶれ傘 201306
春寒の回転扉抜けて海 山田佳乃 ホトトギス 201307
力尽くして春寒に学ぶこと 岩岡中正 ホトトギス 201307
春寒や忘れたはずの人のこと 酒井湧水 ホトトギス 201307
今一回買ふか灯油を春寒し 松木清川 ぐろっけ 201307
大病の後もせつかち春寒き 瀧春一 花石榴 201312
春寒や白き鯉のみ浮びくる 瀧春一 花石榴 201312
春寒をかこつことにも馴れて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201402
春寒き忌日の朝でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
春寒やモノクロとなる大都会 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
春寒くあの日を語るあなたの目 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
春寒や白き妖精舞ふ稲城 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
春寒といへる油断をまとひ来し 稲畑汀子 ホトトギス 201403
午後からは春寒ゆるぶてふことを 稲畑汀子 ホトトギス 201403
武蔵野を抜けて旅路の春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201403
消息の遅れしことも春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201403
欠席の多き句会の春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201404
齟齬ありしこと春寒の一部分 稲畑汀子 ホトトギス 201404
掛けすぎたヘアートニック春寒し 篠田純子 あを 201404
春寒の一響薮の中に立つ 豊田都峰 京鹿子 201404
春寒に立つてはづれの二三本 豊田都峰 京鹿子 201404
春寒し寄宿舎にピザ届きけり 林範昭 火星 201404
春寒しビルの狭間に京町屋 田中淺子 201404
降りさうで降らぬ雲垂れ春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201404
ふる里のガイド研修春寒し 飯田美千子 201404
鏡中に己が喪服や春寒し 武政礼子 雨月 201405
上牢の太き格子や春寒く 松本三千夫 末黒野 201405
春寒や杖を引きずる音乾き 大坪景章 万象 201405
春寒や肩にかけたる母のもの 市川玲子 春燈 201405
春寒や鴨一列に池のへり 林陽子 万象 201405
春寒の土に埋め込む藷の種 白石正躬 やぶれ傘 201405
春寒し老い労られをることも 田中藤穂 あを 201405
春寒し盲導犬の赤い服 前田美恵子 201405
汚染水漏れのニュースや春寒き 藤見佳楠子 201405
道問うてよりの道ずれ春寒し 北川孝子 京鹿子 201405
チーズケーキ春寒の陽の色なりし 上野かりん ろんど 201405
雲に乗る風神雷神春寒し 田中淺子 201405
検診のための絶食春寒し 金田けいし ろんど 201406
粗朶の火のぱちんと跳ねて春寒し 國保八江 やぶれ傘 201406
春寒や野の端のわがみのほとり 菅野蒔子 末黒野 201406
春寒や接骨院の荒療治 志方章子 六花 201406
春寒し頷くだけの友見舞ふ 北川孝子 京鹿子 201406
春寒し生き生き黒栗鼠白き庭 水谷直子 京鹿子 201406
春寒し指輪の回る白き指 江島照美 201406
春寒くお水取の日聞いてをり 波田美智子 火星 201406
問診票丸で答へり春寒し 宮川みね子 風土 201406
敦子師の朱筆の句稿春寒し 味村志津子 雨月 201406
モカを挽く今朝の珈琲春寒し 北郷和顔 末黒野 201406
どこへ行く当てもなけれど春寒し 赤川誓城 ホトトギス 201407
春寒の御手水鉢に武田菱 榎本ふじえ 風土 201407
窯の辺に踏む陶片や春寒き 塩路隆子 201407
ことに鵜の頸のあたりの春寒し 岩岡中正 ホトトギス 201408
春寒し書架に隙間のところどころ 後藤比奈夫 ホトトギス 201408
春寒や時計二つの音の揃はず 有松洋子 緑光 201411
陽に遠く住めり春寒つねにあり 堀内一郎 堀内一郎集 201412
熊笹のぶると震へて春寒し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
春寒ややつぱりあの人が都知事 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
春寒き朝真つ新な通勤路 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
春寒をかこつ言葉は口にせず 稲畑汀子 ホトトギス 201502
春寒を旅に置き来し家路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201502
春寒 →7      

 

2021年3月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。