春 寒 5       100句

春寒や貝の中なる桜貝   松本たかし   松本たかし句集

料峭 春寒 凍返る・凍戻る 寒戻る 冴返る 余寒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
東京の春寒逃れ来し如く 稲畑汀子 ホトトギス 201003
春寒に加はる風の荒さかな 稲畑汀子 ホトトギス 201003
待たれゐし日よたとへ春寒くとも 稲畑汀子 ホトトギス 201003
真贋を見抜く手さばき春寒し 能村 研三 201003
春寒と言ふを味はひ部屋に入る 阿部ひろし 酸漿 201003
春寒や湯気も煙も地を這ひて 鷹羽狩行 201004
春寒し幼の十指掌で包み 嘉住きよ美 末黒野 201004
練行衆の破れ紙衣や春寒き 笠井清佑 201005
春寒の街騒更に救急車 大島みよし 201005
春寒し心きりりと堂巡り 福本スミ子 201005
同居せし自由不自由春寒き 北條清子 201005
大阪空襲その夜鶏鳴春寒き 田中芳夫 201005
桶の水浴びゐる行者春寒き 五十嵐勉 201005
春寒や庇の低き川魚屋 村上すみ子 201005
卒寿なほひとり厨や春寒き 橋爪隆 春燈 201005
立ちつくす底抜け空や春寒き 橋爪隆 春燈 201005
棄老伝説夢ならざりし春寒き 橋爪隆 春燈 201005
春寒料峭行き先を決めかねて 川上久美 ろんど 201005
口中に残る薬臭春寒し 椋本一子 雨月 201005
春寒しモナリザの間に警護官 竪山道助 風土 201005
春寒しぐんぐんのびる電波塔 早崎泰江 あを 201005
目を瞑り数珠を爪繰り春寒し 竹内弘子 あを 201005
みあかしの細く灯りて春寒し 鈴木阿久 201006
春寒し人の命といふものを 今井千鶴子 ホトトギス 201006
春寒しギターケースに小銭投げ 矢野みはる 201006
春寒や一番ちさき達磨買ひ 加藤はな野 201006
春寒や路地は鉄路に行き止まり 瀬島洒望 やぶれ傘 201006
春寒や香煙絶えぬ義士の墓 中村則夫 やぶれ傘 201006
晩学のRアール発音春寒し 鳥居秀雄 201006
春寒や世界の羽に影失せる 北村香朗 京鹿子 201006
春寒や指添へて振る七味筒 中根美保 風土 201006
春寒し一つ欠けたる対茶碗 田所洋子 雨月 201006
春寒や堂の暗きに仏の眼 川下明子 雨月 201006
喪帰りの瀬戸の潮騒春寒し 武司琴子 ぐろっけ 201006
春寒しインコ危篤の知らせ受く 松村晋 ぐろっけ 201006
春寒の大きく迫る伊吹山 生田喬也 201006
春寒し沖縄の唄聞いてをり 赤座典子 あを 201006
春寒しゆとり教育見直され 桂敦子 201007
春寒やはぶ酒一杯ふるまはる 石脇みはる 201007
総持寺の百間廊下春寒し 橋本美代 やぶれ傘 201007
春寒し重ねて座る足の指 和田満水 201007
春寒の風のあつまるさくら草 金澤明子 火星 201007
春寒や岩突き通す槍の跡 澤辺たけし 万象 201007
次々と訃報の届き春寒し 中村吟子 ぐろっけ 201007
春寒し田舎歌舞伎の幟立つ 有本勝 ぐろっけ 201007
春寒し腹に痛みを持ちしまま 鈴木てるみ ぐろっけ 201009
春寒の旅共にせし避遁に 稲畑汀子 ホトトギス 201102
春寒や週に二度ある旅終へて 稲畑汀子 ホトトギス 201102
考への及ばぬことも春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201102
現実を諾ふことも春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201102
齟齬ありしこと春寒をつのらせる 稲畑汀子 ホトトギス 201102
健康の過信いましめ春寒に 稲畑汀子 ホトトギス 201103
人悼む心春寒ほどけずに 稲畑汀子 ホトトギス 201103
明るさに油断のありて春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201103
病む人の消息問はん春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201103
家居するより春寒を遠ざけて 稲畑汀子 ホトトギス 201103
画一な郊外店舗春寒し 能村研三 201103
春寒し落想の径辿りゆく 鈴鹿仁 京鹿子 201103
春寒の肌に馴染める道後の湯 塩路隆子 201104
深夜航手を振るをさな春寒く 山口キミコ 201104
里山とやさしく呼んで春寒し 山本喜朗 雨月 201104
地震の地へ出向く子送り春寒き 森下康子 201105
春寒に敏しや今朝の不整脈 冨田ヒナ江 201105
春寒し托鉢僧の草鞋沁む 高谷栄一 201105
春寒料峭箱の中から美しき箱 加藤みき 201105
春寒やプラットホームに空少し 佐々木秀子 201105
辛辣の句評一言春寒し 藤岡紫水 京鹿子 201105
朝に呑む錠剤六種春寒し 川崎光一郎 京鹿子 201105
春寒し辻褄合はぬ夢なぞる 菅野蒔子 末黒野 201105
春寒の籠城のごと古書店主 平澤侃 末黒野 201105
春寒くはうれん草も被曝せる 細川洋子 201105
地震津波春寒もしや天譴か 大畑善昭 201105
春寒し火災でこげし飛鳥佛 福田かよ子 ぐろっけ 201105
春寒や厚くとじたる我がカルテ 丹後みゆき ぐろっけ 201105
わだかまり解けぬままなり春寒し 東芳子 酸漿 201105
地震の後春寒の円の続きけり 伊藤公子 酸漿 201105
春寒や若き男のインバネス 小松渓水 酸漿 201105
鉦打つも子は還らずよ春寒し 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
春寒し決めかねてゐる服の色 鎌倉喜久恵 あを 201105
春寒し汚染の水道水を飲む 田中藤穂 あを 201105
春寒し人感知して灯しけり 篠田純子 あを 201105
海は荒れ山は火を噴き春寒し 堀井英子 雨月 201105
コルセットとふ枷を背に春寒し 島貫寿恵子 雨月 201105
唯ひとりの戦友の逝き春寒し 廣瀬義一 雨月 201105
大まかな地図に難渋春寒し 中原敏雄 雨月 201105
地図上に原発分布春寒く 伊庭玲子 201106
春寒し電池米水買ひ走り 長濱順子 201106
MRIの脳に不安や春寒き 新実貞子 201106
春寒し骨董店に身を置きて 池田加寿子 201106
春寒や瓦礫の町を夕鴉 小山繁子 春燈 201106
春寒や津軽平野に野火ひとつ 藤原冬人 火星 201106
春寒やランプで暮らす夜の畳 鴨下昭 201106
春寒し余震百より覚えざり 吉田政江 201106
番号で呼ばる春寒患者椅子 鈴木良戈 201106
指で追ふ地名ひとの名春寒し 井原美鳥 201106
難民のごろ寝のひとり春寒し 大坪景章 万象 201106
春寒や仮設に家相などあらぬ 中山純子 万象 201106
階下る音に齢や春寒き 隅田恵子 雨月 201106
自動ピアノ響くロビーや春寒き 阪上多恵子 雨月 201106
締切の稿想湧かず春寒し 品川鈴子 ぐろっけ 201106
春寒 →6      

 

2021年2月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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