青葉 8   200句

落しては決してならぬ青葉の子   今瀬剛一

作品
作者
掲載誌
掲載年月
妹背山の青葉隠れに舫ひ舟 久染康子 201306
断層を今も顕はに青葉峪 坂上香菜 201307
スマートホンの指先に染む青葉かな 大口党遊 春燈 201307
混み合へる青葉の隙間日矢直進 黒澤登美枝 201307
青葉行大海原と化しにけり 中島玉五郎 201307
欅並木の山居倉庫や青葉騒 すずき巴里 ろんど 201310
青葉風抜くる百間廊下かな 岡野里子 末黒野 201310
終章を端折り青葉の基地発進 和田照海 京鹿子 201310
抱きとめるやんちやの正義青葉風 直江裕子 京鹿子 201310
聖堂の鐘次つぎと青葉風 榎美幸 万象 201310
青葉風入れて土蔵を整理せり 野畑さゆり 201310
踏切は神社のはじめ青葉風 篠田純子 あを 201307
縁側は青葉の匂鳩が鳴く 田中藤穂 あを 201307
舞殿へ朱の橋渡る青葉風 田中藤穂 あを 201307
深峪を揚がる川風青葉かな 井上石動 あを 201308
青葉山下りて来たりし青葉風 長崎桂子 あを 201308
萌葱いろ混じる青葉や掠め飛ぶ 長崎桂子 あを 201310
白樺や渓の深さの青葉風 吉田きみえ 末黒野 201311
山門を二つくぐりて青葉寺 平居澪子 ぐろっけ 201311
栴檀に青葉の光る中之島 小原登志春 雨月 201311
石割桜青葉の枝を広げをり 國保八江 やぶれ傘 201312
青葉嶺の姻る湖北や雨続き 坂根宏子 野山の道 201404
血の宮の青葉を伝ふ雨雫 稲畑汀子 ホトトギス 201405
力餅青葉若菓の碓氷越 水原春郎 馬醉木 201406
青葉風宮本武蔵の描く竹 篠田純子 あを 201406
杖を突き付き添ひと行く青葉風 長崎桂子 あを 201407
青葉風サッカー観戦悲喜交互 長崎桂子 あを 201407
青葉風定刻走る若き夢 長崎桂子 あを 201407
青葉密や山伏谷の照かげり 小島禾汀 春燈 201407
どこにでも座せば青葉のすぐつつむ 豊田都峰 京鹿子 201407
天の気を掴みて気功目に青葉 稲田和子 201407
甲子園にて送る声援青葉の夜 山崎里美 201407
珈琲を炒ってゐますよ青葉雨 井上石動 あを 201407
青葉風サッカー観戦悲喜交互 長崎桂子 あを 201407
萬華鏡置きて風ある青葉の夜 田中藤穂 あを 201407
みちのくは青葉づくしの風の中 豊田都峰 京鹿子 201407
よき人と青葉若葉に送られて 加藤みき 201407
山国は若葉青葉の大こだま 豊田都峰 京鹿子 201407
いくへなる青葉なだれに大内宿 豊田都峰 京鹿子 201407
風青葉隈無く藩校に満つ 豊田都峰 京鹿子 201407
萬華鏡置きて風ある青葉の夜 田中藤穂 あを 201407
電車よりニコライ堂見え青葉見え 田中藤穂 あを 201408
死角から又死角へと青葉の夜 篠田純子 あを 201408
ぼろぼろの零戦に触れ青葉冷 坂上香菜 201408
特攻隊の三角兵舎青葉闇 坂上香菜 201408
黄楊櫛や青葉総身に津軽旅 中島玉五郎 201408
桜門の枡組の密青葉光 田中貞雄 ろんど 201408
三門をくぐれば青葉の解脱界 豊田都峰 京鹿子 201408
三門を諸葉青葉に開くも偈 豊田都峰 京鹿子 201408
泊月の句碑の風蝕青葉闇 大橋晄 雨月 201408
山の気を吸うて目指すや青葉寺 片岡久美子 201408
比企谷奥には奥の青葉風 相模創 ろんど 201408
腹蔵なき埴輪を抜くる青葉風 中村ふく子 201408
明石城青葉若葉に日の光 筒井八重子 六花 201408
義経忌青葉ゆさぶる甃 犬塚李里子 201408
青葉の城さがせど友の見つからず 筒井八重子 六花 201408
石に座す青葉詩集の序章とも 豊田都峰 京鹿子 201408
沢床のやうな石段青葉闇 原田達夫 201408
通し券にてのはしごや青葉秘湯 中本古信 201408
校庭の仮設住宅青葉騒 松嶋一洋 201408
青葉して反り身美し百済仏 平居澪子 六花 201409
「五山二位」青葉風吹く円覺寺 井口ふみ緒 風土 201409
ユーカリの青葉の幹の白さかな 大坪景章 万象 201409
青葉騒ふつと赤ベコの首動く 上野紫泉 京鹿子 201409
青葉若葉きれいな角膜やるといふ 直江裕子 京鹿子 201409
首桶の届きし郷の青葉風 丸井巴水 京鹿子 201409
青葉騒いづれ武士歩きして 和田照海 京鹿子 201409
青葉の夜ダンス教室音あふれ 林昭太郎 201409
フラスコは火を待つかたち青葉冷 林昭太郎 201409
青葉して灯は蝋燭の金色堂 荒木甫 201409
三階は青葉の風の交差点 つじあきこ 201409
知恩院七万坪の青葉風 熊川暁子 201409
三界の風を隔ちて床青葉 伊東和子 201409
闊達な筆の文恋ふ青葉闇 尾野奈津子 春燈 201410
青葉揉む立山の風まつしぐら 後藤桂子 万象 201410
池の鯉はねてそれきり青葉風 吉田きみえ 末黒野 201410
神体の石のゆかしき青葉闇 齋藤眉山 末黒野 201410
棺桶にいづれなる樹も青葉噴く 有松洋子 緑光 201411
青葉若葉タイムスリップなど無用 鳥居美智子 ろんど 201411
草木の息を集めて青葉風 中村三郎 京鹿子 201411
青葉光おんあびらうんけん力石 竹内弘子 あを 201506
青葉の夜鬼剣舞の胴震ひ 能村研三 201507
競りに出す牛後退る青葉騒 森岡正作 201507
一燈を阿弥陀に捧ぐ青葉界 豊田都峰 京鹿子 201507
日の青葉他力念仏湧くがごと 豊田都峰 京鹿子 201507
青葉界即結界の祈りなる 豊田都峰 京鹿子 201507
冥茫の間歩幾百や青葉若葉 豊田都峰 京鹿子 201507
青葉なる底銀鉱は夢の夢 豊田都峰 京鹿子 201507
国つ神鎮め青葉のあますなし 豊田都峰 京鹿子 201507
出雲風土記青葉飾りの一頁 豊田都峰 京鹿子 201507
篝火や青葉の宴となりゆけり 豊田都峰 京鹿子 201507
坂上り天と競へる蔦青葉 秋川泉 あを 201507
木洩日のなづさふグラス青葉風 井上石動 あを 201507
暮れ残る甲斐善光寺青葉風 井上石動 あを 201507
蔦青葉天使は大き翼持ち 市村明代 馬醉木 201508
去りたれば声よみがへる青葉風 井上信子 201508
何事も加齢ですよと青葉風 田原陽子 201508
齣落し急く「はやぶさ」の青葉窓 峰崎成規 201508
あるがままに青葉溢るる雑草園 七田文子 201508
目の抜けし青葉の中の仁王かな 笹村政子 六花 201508
万国旗青葉若葉を繋ぎ合ひ 岸本久栄 雨月 201508
西郷像太き胸張り青葉光 大崎ナツミ 雨月 201508
ものおもふ羅漢もありて青葉蔭 宮本加津代 万象 201508
天の愛地の愛青葉若葉かな 有松洋子 201508
一服のシフォンケーキと青葉風 澤藍 201508
目に青葉宇治川下る櫂さばき 澤藍 201508
青葉光嚴島神社鹿悠々 長崎桂子 あを 201508
青葉風安芸の宮島大杓子 長崎桂子 あを 201508
開山尼ねむる青葉のにほひけり 小森泰子 馬醉木 201509
銅山の芝屋も校も消え青葉 渡たみ 馬醉木 201509
桜井の青葉の雫青きかな 近藤紀子 201509
染め上げの浴衣地干せり青葉風 棚橋朗 201509
オカリナを吹けば鳩来る青葉風 川西栄江 末黒野 201509
蔦青葉蔵の白壁画布として 福田禎子 末黒野 201509
青葉騒糶らるる牛の声を裂く 佐藤山人 201509
青葉風下車してすぐのストレッチ 坂場章子 201509
ノーベル賞学者青葉の学都より 中原吟子 雨月 201509
目には青葉もうそれだけでもの足りる 後藤立夫 ホトトギス 201510
谿青葉湖の蒼さを深めけり 松田多朗 馬醉木 201510
明け透けの本堂抜けて青葉風 松尾龍之介 201510
青葉風算盤珠をはじく音 天野美登里 やぶれ傘 201510
講堂に楽器の揃ふ青葉の夜 林昭太郎 201510
峰を越え谷越え里の青葉風 嶋崎豊子 雨月 201510
蒼天に諸手伸したる樟青葉 赤岡茂子 春燈 201510
青葉より喧目葉の闇へ鵯猛る 大内和憲 万象 201511
秋田犬主引きずり来て青葉 岩井京子 201511
青葉窓湯船に女解かれをり 児玉有希 京鹿子 201512
友情は蛸のぶつ切り青葉風 坪内稔典 船団 201512
友情は群れてすぐ散る青葉風 坪内稔典 船団 201512
青葉して本殿のなき三つ鳥居 津川かほる 風土 201512
青葉ゆくD51黒の力もち 津川かほる 風土 201512
青葉時雨かたりことりと考える 津波古江津 船団 201602
街騒を消しゆく青葉若葉かな 平野無石 201602
戦死者の錆びし印鑑青葉臭 田中藤穂 201603
空耳にジンタ青葉の招魂社 田中藤穂 201603
燻煙の合掌屋根や青葉風 榊山智惠 末黒野 201604
青葉して車行き交ふ空の橋 山田六甲 六花 201605
ひむかしの青葉風なる大門かな 山田六甲 六花 201605
青葉して速潮に舟あへぎけり 山田六甲 六花 201605
日の光青葉の光受けてをり 赤松赤彦 六花 201605
青葉若葉の木洩れ日燥ぐ大参道 久染康子 201606
青葉若葉へ雨音の歯切れよし 久染康子 201607
青葉光ばらして磨く管楽器 坂本徹 201607
青葉風豪華客船投錨す 水田壽子 雨月 201607
酢で磨くグラス一列夜の青葉 中嶋陽子 風土 201607
妊れる人へとそよぐ青葉風 押田裕見子 201607
青葉映る百間廊下風の音 篠田純子 あを 201607
さりげなく手を添へらるる青葉道 田中藤穂 あを 201607
青葉風届く温泉分析書 安藤久美子 やぶれ傘 201608
やや昔汽笛流れし青葉雨 井上信子 201608
目つむりて出を待つ木偶や青葉冷 綿谷ただ志 馬醉木 201608
無沙汰の日々気づけば青葉ぐもりかな 本多遊方 春燈 201608
木曾殿と蕉翁偲ぶ青葉闇 橋添やよひ 風土 201608
夕映に青葉の風の輝きぬ 山本かつみ 末黒野 201608
青葉冷優待券は期限切れ 松本文一郎 六花 201608
隅櫓狭くす青葉若葉かな 浅井青二 雨月 201608
朴青葉玉と受けたる花一顆 室伏みどり 雨月 201608
寺に沿ふ青葉曇の金物屋 甲州千草 201608
青葉冷え検査着の母小さくて 大川ゆかり 201608
列島に断層混み合ひ青葉冷 田所節子 201608
さざえ堂つつみ一山青葉騒 内山花葉 201608
青葉まぶし子のしなやかな髪結ぶ 近藤紀子 201608
窓際に移す食卓青葉風 はしもと風里 201609
青葉光神馬の長き睫毛かな 渡辺やや 風土 201609
生くるため風の青葉が酸素撒く 福田周草 風土 201609
雨雲のちぎれてゆくや青葉冷 松原三枝子 万象 201609
青葉闇厩舎に滲む昼灯 原和三 末黒野 201609
青葉の夜魔女の声音で読み聞かす 苑実耶 201609
青葉やみ産屋の冥さ深くせり 鈴鹿仁 京鹿子 201609
目鼻なき仏は石に青葉梅雨 直江裕子 京鹿子 201609
青葉若葉罪の重さは多数決 高木晶子 京鹿子 201609
塗立の上に塗重ね青葉山 湯川雅 ホトトギス 201610
城址を騒めかす風青葉冷 森清信子 末黒野 201610
球児等の掛け声渡る青葉風 増田みな子 やぶれ傘 201610
青葉風通る入り口勝手口 古川しげ子 雨月 201610
少年の阿修羅像の目青葉風 足立良雄 201610
不愛想な巫女をりにけり青葉風 南北佳昭 船団 201701
土鳩も人も二足歩行で来る青葉 津波古江津 船団 201702
さ揺れとて青葉若葉の詳らか 鈴鹿呂仁 京鹿子 201707
噎せるほど青葉若葉の城の杜 奈辺慶子 雨月 201707
青葉風山ふつくらと太りをり 北村幸子 201707
スイッチバック青葉隠れの一輛目 柴崎英子 201707
我とわが号泣ふしぎ青葉の夜 高橋道子 201707
深井戸に青葉若葉の闇重ぬ 森岡正作 201708
靖國の青葉は影を重ね合ひ 菊地光子 201708
青葉風何に並びし人の列 栗原公子 201708
夕べ星甲斐善光寺青葉風 井上石動 あを 201707
列車過ぐる青葉の須磨を目交に 田中藤穂 あを 201707
里山の青葉若葉や雨意の風 堺昌子 末黒野 201708
乳の木の青葉若葉や空見えず 渡辺よし枝 末黒野 201708
札所寺青葉若葉に沈み込む 上辻蒼人 風土 201708
國東の青葉のいろと思ひける 雨村敏子 201708
散歩道時々クイズ青葉風 波戸辺のばら 201709
青葉風笛と小唄を習ひたし おーたえつこ 201709
青葉して放し飼いなる生徒たち たかはしすなお 201709
青葉風母のあしたへ干す肌着 井尻妙子 京鹿子 201709
縦の木の片面に蔦青葉かな 笹村政子 六花 201709
賜はりし誕生丹の青葉風 近藤紀子 201709
磐座や青葉山ごと吸うてをる 近藤紀子 201709
こめかみに阿闍梨の加護の青葉風 平野多聞 201709
青葉 9→      

 

2021年6月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。