青葉闇    113句

神鏡の磨かれてあり青葉闇    今瀬剛一

青葉  青葉雨  青葉潮  青葉闇  青葉冷  青葉寒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
青葉闇して鑑真の貌に鼻 岡井省二 199906
対馬山猫ひそみて青葉闇深き 花藤原照子 199911
養生の鹿の膝折る青葉闇 玉置かよ子 雨月 200010
耳聡き小島の遊ぶ青葉闇 保坂加津夫 いろり 200108
御廟所の混みて静かや青葉闇 岡田房子 酸漿 200110
青葉闇出て商都のビル高し 望月友子 雲の峰 200208
屈葬のものとぢこめし青葉闇 都丸赫子 200210
音もなく僧に抜かれし青葉闇 袴田信子 遠嶺 200211
青葉闇チャイコフスキーの館かな 中野京子 200211
歩くほか無き山中の青葉闇 西村しげ子 雨月 200308
師のみ声偲ぶ染井の青葉闇 村上光子 馬醉木 200309
結願の青葉闇より人のこゑ 雨村敏子 200309
青葉闇氣骨の木から嗤ひ出す 鈴鹿仁 京鹿子 200406
幽谷の七堂伽藍青葉闇 木村冨美子 遠嶺 200408
猪の地響き通る青葉闇 長田秋男 酸漿 200408
マリア手を広げて迎へ青葉闇 岡崎桂子 対岸 200408
聖水を細く噴き上げ青葉闇 藤田さち子 対岸 200408
青葉闇より声明の起こりたる 石脇みはる 200409
きざはしの丸太のずれし青葉闇 溝口ゆき 百鳥 200409
青葉闇新選組に襲はれて 林日圓 京鹿子 200409
遥拝所仰ぐ磐座青葉闇 藤田京子 ぐろっけ 200409
青葉闇ワーズワースの墓訪へば 岡田房子 酸漿 200410
青葉闇胸張つて立つ孔雀かな 浅田光蛙 対岸 200410
澎湃と法然の立つ青葉闇 大島翠木 200509
残業のクレーンの掴む青葉闇 上薗シヅ子 河鹿 200510
鎌一つ置き去りにされ青葉闇 木原紀幸 河鹿 200510
走り根が杜のきざはし青葉闇 遠藤真砂明 波太渡し 200510
雲白き上野の森の青葉闇 宮森毅 六花 200601
青葉闇からつぎつぎと木沓かな 加藤みき 200608
青葉闇清正の井の水明り 石原光徳 酸漿 200608
白杖の人に手を添ふ青葉闇 林美智 ぐろっけ 200609
運転は若葉のマーク青葉闇 木野裕美 ぐろっけ 200609
博打の木赤肌晒す青葉闇 田中喜久子 酸漿 200609
七盛の残心の墓青葉闇 三輪温子 雨月 200610
角笛や懐ふかき青葉闇 吉田明子 200710
濡縁の手斧のあとや青葉闇 鎌倉喜久恵 あを 200807
足どりのゆるゆるとなり青葉闇 長崎桂子 あを 200808
パレットに固まる絵の具青葉闇 和田政子 200809
大久保候斬られし地とや青葉闇 桑久保奈美子 酸漿 200809
錫杖の音登りゆく青葉闇 山本雅子 馬醉木 200810
青葉闇義経ゆゑの悔一つ 鈴鹿仁 京鹿子 200907
八脚門仁王納めて青葉闇 鎌倉喜久恵 あを 200907
玉砂利は黒潮の贈青葉闇 加藤みき 200908
くろがねの稚魚わき出づる青葉闇 戸栗末廣 火星 200908
産声の青葉闇よりとどきけり 高尾豊子 火星 200908
神水の音なく滾つ青葉闇 大谷茂 遠嶺 200909
青葉闇吟詠のこゑ今もなほ 近藤きくえ 200909
ひとすぢの窯変青葉闇の奥 豊田都峰 京鹿子 200909
露地行きて茶庭の奥の青葉闇 田宮勝代 酸漿 200909
晩学の息切れ思ふ青葉闇 宮野照子 馬醉木 200910
飯桐の花の敷き積む青葉闇 芝尚子 あを 200707
青葉闇より一団の参拝者 林いづみ 風土 201008
千年の古き社よ青葉闇 渡辺玄子 酸奬 201008
青葉闇水の砕ける音のあり 近藤きくえ 201009
死に近き犬の墓掘る青葉闇 飛高隆夫 万象 201009
青葉闇触れてみたきは菩薩の手 上野かりん ろんど 201009
肩欠けし芭蕉の句碑や青葉闇 笠井清佑 201010
走り根の踏まれても延ぶ青葉闇 近藤きくえ 201010
青葉闇念仏と湧く百献灯 豊田都峰 京鹿子 201108
青葉闇鋼のやうに水を置く 佐藤喜孝 あを 201109
街道のはづれの寺の青葉闇 有本勝 ぐろっけ 201110
青葉闇くぐりて朱唇仏詣で 滝川あい子 雨月 201110
青葉闇ぬけ鑑真に額づけり コ田千鶴子 馬醉木 201207
格子戸越しに仏陀の世界青葉闇 坂根宏子 201208
校庭に続く山あり青葉闇 松本三千夫 末黒野 201208
修道院へ男消えたる青葉闇 山本耀子 火星 201208
ハイテクに乗り遅れさう青葉闇 和田郁子 粥の味 201209
突き当たるたびに色増し青葉闇 成田美代 201310
青葉闇わなにかかりし鹿の子かな 江見悦子 万象 201310
優しさについ迷ひ込む青葉闇 福永尚子 ろんど 201309
炭化して腕なきほとけ青葉闇 篠田純子 あを 201406
沢床のやうな石段青葉闇 原田達夫 201408
泊月の句碑の風蝕青葉闇 大橋晄 雨月 201408
特攻隊の三角兵舎青葉闇 坂上香菜 201408
特攻隊の三角兵舎青葉闇 坂上香菜 201408
神体の石のゆかしき青葉闇 齋藤眉山 末黒野 201410
闊達な筆の文恋ふ青葉闇 尾野奈津子 春燈 201410
神官の衣の眩しき青葉闇 岩月優美子 201509
一本の欅に深き青葉闇 金森教子 雨月 201509
宅配の車重たげ青葉闇 新妻奎子 万象 201510
青葉闇首に真珠の冷えのあり 山田正子 201510
青葉闇同期の桜なる御霊 浦川哲子 201602
木曾殿と蕉翁偲ぶ青葉闇 橋添やよひ 風土 201608
青葉闇厩舎に滲む昼灯 原和三 末黒野 201609
合掌の指に隙なし青葉闇 平野多聞 201708
青葉闇火縄銃ある天守閣 庄司久美子 201709
百の磴登る古刹や青葉闇 松橋輝子 末黒野 201709
山近し並ぶ空家の青葉闇 長崎桂子 あを 201709
走り根の青葉闇より人の声 成田美代 201710
青葉闇弁財天の座す窟 石田康明 春燈 201710
青葉闇思はぬ近さ電車行く 加藤静江 末黒野 201710
居心地のよろしき暗さ青葉闇 近藤紀子 201808
精霊のやすらぐ気配青葉闇 藤田美耶子 201809
青葉闇二歳・当歳古き墓誌 須賀敏子 あを 201808
精霊のやすらぐ気配青葉闇 藤田美耶子 201809
青葉闇二歳・当歳古き墓誌 須賀敏子 あを 201808
葉漏れ日に故山の気配青葉闇 野村宏 201908
青葉闇の赤き仁王の睨みかな 横路尚子 末黒野 201909
身の内の野性ふつふつ青葉闇 村上葉子 201909
失せ物はみなここにあり青葉闇 芝田幸惠 末黒野 202004
青葉闇抜けて三浦の海の碧 鈴木英雄 末黒野 202009
青葉闇奥は殿中江戸の址 伊藤希眸 京鹿子 202009
青葉闇といへども光差すところ 岩下芳子 202009
能面は耳もたざりし青葉闇 能村研三 202107
青葉闇コロナウイルスまた化けて 大畑善昭 202107
忠魂碑隆々と建つ青葉闇 荒井千瑳子 202108
哲人の翳追ふ小径青葉闇 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
ざくざくと神ヘモロヒト青葉闇 山田六甲 六花 202207
沖縄の長い道のり青葉闇 出利葉孝 202209
青葉闇彷徨ふ精霊学徒兵 出利葉孝 202209
青葉闇深き睡りの忠魂碑 川端正紀 春燈 202210
青葉闇鬼の館の百面相 西村白杼 京鹿子 202210
幼帝の御陵伝説青葉闇 石井一石 京鹿子 202301

 

2023年7月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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