青葉冷   87句

この鳥の印度に生まれ青葉冷   宇佐美魚目   薪水

青葉  青葉雨  青葉潮  青葉闇  青葉冷  青葉寒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
異人館壁炉の虚青葉冷え 中川濱子 ぐろっけ 199908
幕すすむ石の桟敷の青葉冷 村田近子 遠嶺 199909
青葉冷えなるB階のバー「トトロ」 小山徳夫 遠嶺 199909
玉の緒の涙を拭ふ青葉冷 能村研三 200107
瞑れば君在り寝屋の青葉冷 林翔 200108
高倉のねずみ返しや青葉冷 近藤暁代 馬醉木 200110
覚めて灯の消し忘れあり青葉冷え 鷹羽狩行 200207
白鷺の脛の二本の青葉冷え 飯塚ゑ子 火星 200207
独り居の閂下ろす青葉冷 西村博子 馬醉木 200208
青葉冷舞妓姉妹の安息日 前田倫子 百鳥 200208
青葉冷看護疲れの胃の痛み 片山喜久子 雨月 200208
蝋燭は絶やさずにおく青葉冷え 柴田朱美 京鹿子 200209
繋船に刻のとどまる青葉冷 公山礼子 200209
沈金の文箱からつぽ青葉冷 高橋あゆみ 200307
ベスト着て夜は山住みの青葉冷 名取袿子 200308
青葉冷笛一管を柩へと 高橋照子 雨月 200308
青葉冷こつと骨鳴る朝の肩 櫻井幹郎 百鳥 200308
映る灯の窓に浮きたつ青葉冷 仲村青彦 200308
青葉冷天のクルスに鳩の糞 丸山分水 200309
打ち減りし魚板の疵や青葉冷 広瀬長雄 200408
花時計遅々と狂へる青葉冷 長沼冨久子 馬醉木 200409
青葉冷玻璃の明るき斜陽館 向井芳子 春燈 200507
青葉冷え箸にとろりと治部煮鴨 塩沢とき子 対岸 200508
青葉冷えさらに奥には蔵座敷 館容子 200509
黒楽の底に潜みし青葉冷 河内桜人 京鹿子 200509
饒舌に誇張もありて青葉冷え 三浦澄江 ぐろっけ 200509
今日外は青葉冷よと見舞客 香月公恵 200509
登呂の世の赤米今に青葉冷 水原春郎 馬醉木 200607
CDの裏は銀色青葉冷 白井友梨 馬醉木 200608
石ひとつ失せたる指輪青葉冷 高橋道子 200608
青葉冷え紙燭ともして書庫文庫 大西八洲雄 万象 200608
したたかに雨したたかに青葉冷 小澤克己 遠嶺 200609
湖も比叡も青葉冷えのまゝ 山田六甲 六花 200706
赤ん坊は火種のごとし青葉冷 辻美奈子 200708
天井に天女舞ひゐる青葉冷 奥田順子 火星 200708
青葉冷え蛸やきの香のいづくから 荻野千枝 京鹿子 200709
青葉冷「強気でゆけ」と父遺し 杉山哲也 馬醉木 200807
火入れ待つ窯へ神酒撒く青葉冷 山口順子 馬醉木 200808
何も彼もオートロックや青葉冷 藤見佳楠子 200808
横降りの雨に御母衣の青葉冷 遠藤真砂明 200809
魚の腹あらふ渓川青葉冷 浜口高子 火星 200809
父祖の田を埋め新道青葉冷 岸本久栄 雨月 200809
青葉冷己が骨壺焼く話 松原智津子 万象 200809
削られし鋼の匂ひ青葉冷 小山徳夫 遠嶺 200810
一雷のあとの風音青葉冷 渡辺昭 200907
天空に鉄接ぐ火花青葉冷 上谷昌憲 200907
青葉冷え釜鳴りに身をゆさぶらる 須賀允子 万象 200907
あらためて習ふ折紙青葉冷 高橋道子 200908
祖師堂へ登る回廊青葉冷え 小林武弘 200908
玻璃越しの太刀の抜き身や青葉冷 小山徳夫 遠嶺 200909
行者らと見上ぐる塔や青葉冷 小林成子 200909
青葉冷要心もまたわが山居 浅井青陽子 ホトトギス 200910
美しき地球の狂ふ青葉冷 中村喜美子 春燈 201007
痛む肩を摩ればまとふ青葉冷 伊東和子 201009
てのひらに丸薬の粒青葉冷え 西村博子 馬醉木 201009
夫留守は仮の独居ぞ青葉冷 木下もと子 201009
約款にルーペを這はす青葉冷 中島霞 ぐろっけ 201109
萩焼に薬湯そそぐ青葉冷 大村かし子 万象 201110
青葉冷吉野に薪のある暮し 牧田澄子 雨月 201208
子規の机撫でうべなへり青葉冷 山尾玉藻 火星 201306
傘もたぬ男に摩耶の青葉冷 山田六甲 六花 201406
ぼろぼろの零戦に触れ青葉冷 坂上香菜 201408
青葉冷ゆ人工骨の膝抱けば 玉置かよ子 雨月 201409
フラスコは火を待つかたち青葉冷 林昭太郎 201409
目つむりて出を待つ木偶や青葉冷 綿谷ただ志 馬醉木 201608
青葉冷優待券は期限切れ 松本文一郎 六花 201608
青葉冷え検査着の母小さくて 大川ゆかり 201608
列島に断層混み合ひ青葉冷 田所節子 201608
雨雲のちぎれてゆくや青葉冷 松原三枝子 万象 201609
城址を騒めかす風青葉冷 森清信子 末黒野 201610
枝蛙しづくの翅を咥へをり 南うみを 風土 201708
遠拝の磨崖佛あり枝蛙 伊丹さち子 馬醉木 201708
一水の翳に動かず枝蛙 藤岡紫水 京鹿子 201709
青葉冷え足にまつはり魚板打つ 竹内弘子 あを 201806
音もなく雨降る街や青葉冷 赤羽陽子 春燈 201808
逢ふための別れもありぬ青葉冷 藤岡紫水 京鹿子 201808
睫毛なき鳥の眼光る青葉冷 井上和子 201811
青葉冷林不忘の本に入る 佐藤恭子 あを 201905
文豪の晩年若し青葉冷 石本百合子 馬醉木 201908
薪能般若をしのぐ青葉冷え 善野行 六花 201908
降り止みしあとのしばらく青葉冷 佐津のぼる 六花 201909
青葉冷夜は確かにやつてくる 篠田大佳 あを 202006
刃物屋の飾りは刃物青葉冷 宮内とし子 202109
青葉冷小さく父の欠神ごゑ 河嵜祐二 202109
茹で汁の濁りを晒す青葉冷え 井上和子 202112
青葉冷抱卵の鳥眼をつむり 木暮陶句郎 ホトトギス 202201
青葉冷道後の坂を上り下り 山田六甲 六花 202206

 

2023年6月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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