青葉潮  (鰹潮)   153句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
青葉潮岬の鼻を北上す 金國久子 青葉潮 199907
青葉潮ジョン万次郎育ちし江 品川鈴子 ぐろっけ 199907
時は魔物のように過ぎゆく青葉潮 金子兜太 海程 199908
青葉潮そびらに組まる能舞台 小澤克己 遠嶺 199909
青葉潮ジョン万次郎舟出の江 品川鈴子 ぐろっけ 199909

 祝・金國久子『青葉潮』

汝が詩に高揚ありて青葉潮

小澤克己 遠嶺 199910
和多都美の鳥居を祓ひ青葉潮 秋葉雅治 199911
青葉潮和布刈の宮を押し狭め 能村登四郎 芒種 199911
青葉潮島の葬列すぐ蛇行 片岡秀樹 海程 199912
青葉潮ごめの膕なりしかな 岡井省二 200006
突堤にかもめの列や青葉潮 長井ヒサ子 春耕 200007
船に蹤くかもめ吉とす青葉潮 松島不二夫 200008
青葉潮海峡へ向く砲座跡 三原清暁 春耕 200008
巾着の紐は輪にして青葉潮 栗栖恵通子 200009
しがらみよ渦なすまでの青葉潮 立岩利夫 海程 200010
青葉潮巻き込み迫門の渦移る 進菁亀 円虹 200010
高速船いま隠岐指せり青葉潮 長澤健子 酸漿 200011
青葉潮満つ百年の不眠症 松永典子 船団 200102
青葉潮丘に乳飲む島の牛 阿波谷和子 俳句通信 200107
遠洋の船団を組む青葉潮 大竹節二 春耕 200107
礼状のインクの匂ひ青葉潮 大曽根育代 遠嶺 200107
帆の船は水尾を残さず青葉潮 鷹羽狩行 200108
鏡拭く鏡の中に青葉潮 雨村敏子 200109
一切は風一切の青葉潮 雨村敏子 200109
青葉潮敦盛そば屋閉じしまゝ 川合正男 ぐろっけ 200111
一穂の帰帆を立たす青葉潮 鷹羽狩行 200205
にたり貝握つてもらひ青葉潮 山田六甲 六花 200206
大島を押し止まぬなり青葉潮 高野清風 雲の峯 200207
淡路なれ沖より光る青葉潮 熊岡俊子 雨月 200207
平らかに青葉潮満つ壇の浦 伊藤一枝 酸漿 200208
青葉潮荷役作業は声かけあひ 松原ふみ子 200208
青葉潮引いて海石の柱かな 嵯峨根鈴子 火星 200209
一島へ青葉潮縫ふ舳先かな 小澤克己 春の庵 200305
噴煙は山の溜息青葉潮 泉田秋硯 200308
青葉潮心さわぎをとじ込めぬ 鎌倉喜久恵 あを 200308
鰹潮胸のすくまで佇ちつくす 片山茂子 遠嶺 200308
六甲は雲の高みに青葉潮 堀博子 火星 200309
貝塚にたつきの記憶青葉潮 河内桜人 京鹿子 200312
砂運び浜辺整ふ青葉潮 中里カヨ 酸漿 200403
鰹潮迅し漁師の血がさわぐ 中村翠湖 馬醉木 200407
青葉潮岬と岬呼び交はし 戸田春月 火星 200408
造船の火花渦まく青葉潮 淵脇護 河鹿 200408
紀州へとつながる安房や青葉潮 諸岡和子 200408
聖鐘のとぎれとぎれに青葉潮 高瀬史 馬醉木 200409
沖ほどに波の暗さや青葉潮 大山文子 火星 200409
毀れゆくために結べり青葉潮 宇都宮滴水 京鹿子 200409
護丸いよよ快走青葉潮 沼口蓬風 河鹿 200409
ふつふつと海底火山青葉潮 九万田一海 河鹿 200409
幾変遷坊のみなとの青葉潮 原田竜子 河鹿 200410
滔滔と地球を被ふ青葉潮 栗原公子 200410
日本にぶつかつて散り青葉潮 今瀬剛一 対岸 200507
海神の声を遥かに青葉潮 坂本京子 200508
江ノ島をあやしてをりぬ青葉潮 渡部節郎 200508
防人の船出の港青葉潮 園多佳女 雨月 200508
星辰の運行密に青葉潮 渡邊千枝子 馬醉木 200509
孫抱いて満ちくるものに青葉潮 小野さとし 対岸 200509
灯台に見る満目の青葉潮 佐藤淑子 雨月 200510
神饌貢國みけつくに日矢に煌く青葉潮 品川鈴子 ぐろっけ 200606
火の島へ水脈みをてらてらと青葉潮 淵脇護 河鹿 200607
国生みの島々率る青葉潮 千田敬 200607
夕かもめ運河をのぼる青葉潮 淵脇護 河鹿 200608
鰹潮高鳴る宿に着きにけり 下平しづ子 雨月 200610
青葉潮干潟侵食してをりぬ 瀬戸悠 風土 200710
ゆつくりと鳶の落ちくる青葉潮 米山喜久子 200807
沖はるかお大師様に青葉潮 羽賀恭子 200808
青葉潮ふつと翼が欲しくなり 府川房江 母の空 200808
大利根を迎へ入れたる青葉潮 太田寛郎 200809
青葉潮寄せてドームの水族館 永岡セツ 酸漿 200809
青葉潮読経を返す神楽岩 清水美子 春燈 200907
とうさんは星になりたり青葉潮 栗栖恵通子 200907
帆船は胸のあたりや青葉潮 加藤美代子 炎環 200909
浸蝕の岩穴に噴く青葉潮 駒形祐右子 万象 200909
落日へ一艇の切る青葉潮 近藤敏子 200909
古稀どちの集合写真青葉潮 数長藤代 200909
ビロードのやうな馬の背青葉潮 城孝子 火星 200909
青葉潮仁右衛門島へ櫓の軽き 井口初江 酸漿 200909
青葉潮遡りゆく信濃川 水谷洋子 十進法 200911
航跡も進むかたちに青葉潮 鷹羽狩行 201007
青葉潮羽根うちふるふ孔雀かな 近藤きくえ 201008
有明の夢に父ゐる青葉潮 松原仲子 201008
舟の五色向き変へてゐる青葉潮 鈴木勢津子 201008
猿岩は帰るとこなし青葉潮 桜三奈子 201008
八軒家よりの船路の青葉潮 上田明子 雨月 201008
瀬戸内の漁船行き交ふ青葉潮 山口キミコ 201009
龍馬像轟々迫まる青葉潮 大西ユリ子 ぐろっけ 201010
青葉潮碑の碧石も波の紋 品川鈴子 ぐろっけ 201102
流れ疾き「ひようたん島」の青葉潮 秋葉雅治 201107
無人島ぽつねんと在り青葉潮 丹生をだまき 京鹿子 201107
青葉潮能登金剛の荒岬 山口順子 201108
海がめの回帰待つ浜青葉潮 藤本章子 201108
青葉潮膝濡らしつつ貝掻けり 田中臥石 末黒野 201108
攫はれしみ霊戻らぬ青葉潮 北尾章郎 201109
隅田川下りに青葉潮の香も 大畑善昭 201208
青葉潮蹴立て更なる沖目ざす 久染康子 201208
細りたる黒松ばかり青葉潮 直江由季子 万象 201209
青葉潮綿津見命わたつみのみことさながらに 本多俊子 201210
夕なづむ窓の下まで青葉潮 鶴岡紀代 春燈 201306
夜の星見つめる先にも青葉潮 吉成美代子 あを 201306
青葉潮回天未だ浮上せず 和田照海 京鹿子 201310
馳せ行きし竜馬が浜の青葉潮 碇天牛 雨月 201407
青葉潮海石に旅の青を解く 千田敬 201407
放流の稚魚ら着きしか青葉潮 北川英子 201407
この松に羽衣ほしや青葉潮 犬塚芳子 201408
母の忌や松原遠く青葉潮 犬塚李里子 201408
シーバスの音の弾力青葉潮 甲州千草 201408
あこがれの名の帆船や青葉潮 碇天牛 雨月 201409
牧場の果ては断崖青葉潮 曽根薫風 馬醉木 201412
次の世も血判残る青葉潮 栗原京子 201503
青葉潮海の男を攫ひけり 楠原幹子 201507
島ほどのタンカーを引く青葉潮 大沢美智子 201507
海底に山河のありぬ青葉潮 中村洋子 風土 201508
次の世の声かと思ふ青葉潮 本多俊子 201508
島太鼓胸に響みし青葉潮 阪倉孝子 201508
青葉潮蹴立てて朝の漁船発つ 山本漾子 雨月 201509
手びさしに入るる江の島青葉潮 石黒興平 末黒野 201510
灯台の螺旋階椴青葉潮 松本三千夫 末黒野 201608
大橋の下は濃きかに青葉潮 住田千代子 六花 201608
陸中の一見平ら青葉潮 数長藤代 201609
青葉潮参道高き志賀の宮 西住三恵子 201610
海賊船に似たる渡しや青葉潮 須賀允子 万象 201610
青葉潮魚の名太く釣の宿 片岡さか江 末黒野 201704
漁場へと航跡白し青葉潮 鈴鹿呂仁 京鹿子 201707
国引きの綱引き寄せる青葉潮 鷺山珀眉 京鹿子 201707
足摺と室戸を結ぶ青葉潮 碇天牛 雨月 201707
寄する波の青葉潮とて匂ひ濃し 吉田きみえ 末黒野 201708
心にも満ち干ありけり青葉潮 高橋将夫 201708
青葉潮ねころぶやうに山いくつ 高橋道子 201708
かんざしはももいろ珊瑚青葉潮 雨村敏子 201709
網焼きのせんべいの反る青葉潮 鎌田光恵 201709
乙姫を底に渦巻く青葉潮 伊藤希眸 京鹿子 201710
青葉潮古希の心に満ちてきし 高橋将夫 201808
開きたる朱の玉手箱青葉潮 中田禎子 201808
西行のゆかりの庵や青葉潮 山下健治 春燈 201808
青葉潮がらんと風の大桟橋 吉田政江 201808
操舵手の背中越しなる青葉潮 大沢美智子 201808
沖かけて海鵜の群れや青葉潮 川村欽子 雨月 201907
沖かけて海鵜の群れや青葉潮 川村欽子 雨月 201907
タグボート悠々として青葉潮 黒滝志麻子 末黒野 201909
暁紅の出船泡立つ青葉潮 田中臥石 末黒野 201910
青葉潮胸の渚へ満ちて来る 阪倉孝子 202008
青葉潮はやなつかしき嬰児の夢 藤生不二男 六花 202009
河口へとたたみ差し来る青葉潮 森清堯 末黒野 202009
ながらみを掻くや腰まで青葉潮 田中臥石 末黒野 202011
青葉潮貝掻き人の命棒 田中臥石 末黒野 202011
青葉潮割りてくじらの背の見ゆる 足立枝里 202101

 

2021年5月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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