逝く春   61句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
逝く春や神蝋涙を垂らすのみ 豊田都峰 山の唄 198200
逝く春の磴を細めて雨あがる 小澤克己 遠嶺 199807
逝く春の人形振の足はこび 渡辺昭 200006
逝く春の高圧線の唸りかな 小形さとる 200007
逝く春を訪ひ得て虚子の記念館 大橋宵火 雨月 200007
逝く春を惜しむ独りを哀れまず 渡辺純 京鹿子 200007
逝く春や首傾けて伎芸天 小林優子 酸漿 200104
逝く春のまだ戒名の出來て來ぬ 中原道夫 銀化 200105
逝く春の森に柏手そつと打つ 村越化石 200107
逝く春の涙を拭ふ薬指 岸田爾子 200108
逝く春の霞に入りて大人たり 伊丹さち子 馬醉木 200206
逝く春の齢を人に問はれけり 村越化石 200206
逝く春や砂丘の果に波頭 斎藤道子 馬醉木 200207
逝く春の山繭いろの薬包紙 西郷利子 200207
逝く春の水金火星縦並び 二瓶洋子 六花 200208
逝く春の夢の子細に及びけり 橋本榮治 馬醉木 200304
逝く春のピアノエチュード繰返す 毛塚静枝 200305
逝く春に釘を打つてはなりませぬ 丸山佳子 京鹿子 200307
逝く春や真夜の雨音重ねては 岡部名保子 馬醉木 200308
逝く春や抽斗に時効の物二三 丸山佳子 京鹿子 200405
逝く春やいま文久の風の中 鈴鹿仁 京鹿子 200406
逝く春や胸にのこれる轍跡 田中藤穂 あを 200407
逝く春の芥浮べて淀む川 小川匠太郎 200505
逝く春や母に別れの手を重ね 北島上巳 酸漿 200506
逝く春の石斧に浮きし握り艶 鈴掛穂 200507
逝く春を惜しむか何もかもが散る 浜田久美子 六花 200507
逝く春へ本押し出してしまひけり 富沢敏子 200607
逝く春やつぶやくごとく母へ経 淡地和子 雨月 200607
逝く春や松下村塾ひそとあり 名取袿子 200706
逝く春や流人の積みし石の垣 中山皓雪 200707
逝く春の講座案内は亡夫に宛 池田かよ ぐろっけ 200707
逝く春の愛染明王坐像かな 中谷葉留 風土 200708
逝く春の植物園に長き塀 林昭太郎 200806
逝く春の旅の鞄に鳥図鑑 藤井君江 馬醉木 200807
逝く春や紙衣姿の伊左衛門 水原春郎 馬醉木 200906
逝く春や髪純白にすると言ふ 田原陽子 200907
逝く春に病床日記水とのみ 森さち子 200910
逝く春や石の狐の口真つ赤 林昭太郎 201006
逝く春や若き尼僧の大茶盛 小林成子 201106
逝く春や良寛に逢ふ旅ごころ 山下朝香 春燈 201107
逝く春や鏡の奥の扉が開き 北川英子 201107
逝く春を沖の巨船に託しけり 森岡正作 201207
逝く春をけちらす舟のエンジン音 山荘慶子 あを 201207
逝く春や砂糖たつぷり座禅豆 コ田千鶴子 馬醉木 201406
逝く春の船が船曳き隅田川 楠原幹子 201407
逝く春の風座りゐる湖岸ベンチ 豊田都峰 京鹿子 201407
逝く春のゆつくり沖を指す白帆 北川孝子 京鹿子 201408
逝く春を乗せて出でけり十石舟 浜口高子 火星 201408
逝く春の下がるものなき糸瓜棚 辻美奈子 201506
逝く春を惜しみて閉づる句帖かな 佐藤信子 春燈 201507
逝く春の内陣冥く十二神将 大西逸子 京鹿子 201507
逝く春を逝くなと止める媼かな 竹中一花 201606
逝く春や渚に靴の忘れもの コ田千鶴子 馬醉木 201607
逝く春を高切れのする一の糸 木村ふく 馬醉木 201607
逝く春を蜷はぐらりと身を揺らし 浜福恵 風土 201608
逝く春の丘に佇み海の紺 田村加代 末黒野 201707
逝く春や「とはずがたり」を遅々と読む 宮田豊子 春燈 201807
逝く春を巻頭かざり旅立ちぬ 能美昌二郎 201906
逝く春や炎に立てる青不動 橋添やよひ 風土 201908
逝く春や迷路に似たる新開地 後藤大 春燈 202107
逝く春の花柄大き衣仕舞ふ 鈴木石花 風土 202107
逝く春の山王草堂旧き松 須加葉子 末黒野 202108
逝く春や剥落しるき仁王象 田中春江 末黒野 202204
逝く春や師の句碑越しの海の青 武田巨子 春燈 202207

 

2023年4月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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