余 寒 6     54句

鶯はきかぬ気でなく余寒かな    一茶

料峭 春寒 凍返る・凍戻る 寒戻る 冴返る 余寒

寒が明けてからまだ残る寒さ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水底の苔に日の射す余寒かな 住田千代子 六花 202006
男ひとり鯛焼きを食ぶ余寒かな 小島昭夫 春燈 202007
余寒来るたましひを抜かれぬよふに 高貴美子 202007
余寒なほ両手につつむ朝の白湯 武藤節子 やぶれ傘 202007
硯箱あけて向き合ふ余寒かな 山田佳乃 ホトトギス 202008
気管支より肺へ伝はりゆく余寒 篠田純子 202009
余寒とは心づもりの中にあり 稲畑汀子 ホトトギス 202102
傷癒えよ癒えよ余寒をいとはれて 稲畑汀子 ホトトギス 202102
昨日とは又違ひたる余寒かな 稲畑汀子 ホトトギス 202102
余寒にも心を置きて客まうけ 稲畑汀子 ホトトギス 202102
朝の間のいつまで続く余寒かな 稲畑汀子 ホトトギス 202102
館の庭走り根にある余寒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
大川の波尖らせてゐる余寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
銀の波鉄の船余寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
余寒なほわけても風のほとけ道 増成栗人 202104
余寒かなスー・チーさんの髪飾り 須賀敏子 あを 202104
世界地図の疫増やしゆく余寒かな 関道子 春燈 202105
捨て難き衣も余寒の芥袋 鈴木石花 風土 202105
袖口をぐぐつと伸ばす余寒かな 岡美智子 末黒野 202105
警策の響き鋭き余寒かな 道端齊 202105
廻廊に波音寄する余寒かな 道端齊 202105
一振りの軍刀を抱く余寒かな 阿部眞佐朗 202105
母のあと子が自転車で追ふ余寒 泉一九 やぶれ傘 202105
余寒てふ妙義山の放つ神気かな 澤田英紀 202106
古伊万里の藍を深むる余寒かな 山岡純子 202106
稿の想浮かばぬ夜の余寒かな 山西商平 ホトトギス 202107
俳磚の文字より余寒解けゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
十指みな余寒の爪を鎧ひけり 辻美奈子 202204
鳴き龍に柏手ひとつ余寒なほ 本池美佐子 202204
袖口をぐぐつと伸ばす余寒かな 岡美智子 末黒野 202204
最終のメトロにふたり余寒なほ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202204
地下を出て余寒の街に道を聞く 松本鷹根 京鹿子 202204
砂山のくづれ余寒の風の中 井尻妙子 京鹿子 202204
「展覧会の絵」を聞き比ぶ余寒の夜 赤座典子 あを 202204
洛北の余寒の寺や人見えず 安原葉 ホトトギス 202205
余寒きびし音の絶えたる岩の庭 松山三千江 春燈 202205
大時計の捻子まく音の余寒かな 浅木ノヱ 春燈 202205
余寒なほ小さき影揺る心字池 後藤眞由美 春燈 202205
四つ角の道それぞれの余寒かな 中村重幸 202205
ワクチン三度老若男女余寒なほ 宮坂秋湖 202205
不退寺の業平像や古都余寒 小嶋紘一 末黒野 202205
刺抜きを指に滑らす余寒かな 平田きみ 末黒野 202205
ごつごつと木肌の乾く余寒かな 森田節子 風土 202205
先生の席ひとつ空く余寒かな 藤井啓子 ホトトギス 202206
ごみに来る烏追ひかけ街余寒 奥田温子 やぶれ傘 202206
余寒なほ腰の恙に八つ当り 亀井福恵 京鹿子 202206
選り好みの猫の餌皿余寒あり 吉岡知香 京鹿子 202206
余寒かな遅れぐせつく置時計 磯部恵美子 京鹿子 202206
余寒なほセコイアの幹隆々と 山岸明子 202206
白鳩の群るる神木余寒なほ 加藤静江 末黒野 202206
コピー機の壊るる夜の余寒かな 新倉ゆき江 末黒野 202206
余寒なほ副反応を怖れをり 畑田久美子 202210
汀子邸水音にある余寒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
彼の人の消息聞くも余寒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
余寒→ 1

 

2023年2月19日 作成

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