若 葉 11     109句

わけもなくその木その木の若葉哉   亀洞   曠野集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ビル淡く若葉濃く副都心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
戦没者悼む若葉の濃かりけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
若葉風新婦のべールめくりゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
にはか雨若葉雨へと粧へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
又一人若葉に吸はれゆきし庭 稲畑汀子 ホトトギス 200805
雨一日快晴一日庭若葉 稲畑汀子 ホトトギス 200805
太陽を零してをりぬ若葉風 稲畑汀子 ホトトギス 200805
嵐山の若葉に触れて来し一日 稲畑汀子 ホトトギス 200805
風強き朝の若葉の触るる音 稲畑汀子 ホトトギス 200805
雨止みしばかり若葉の光かな 稲畑汀子 ホトトギス 200805
若葉風合掌造り吹き渡る 金田美恵子 ぐろっけ 200805
青葉若葉見る眼にいのち足萎ゆとも 林翔 200806
主客併せて百八十七歳庭若葉 林翔 200806
水の上を水さばしれり荻若葉 加藤みき 200806
縄文の土掘り返す若葉風 富沢敏子 200806
文豪の原稿に朱や草若葉 東亜未 あを 200806
若葉風木鼠は尾をしなやかに 朝妻力 雲の峰 200806
若葉どき小滝をおとす闇のあり 阿部ひろし 酸漿 200806
咲く花梨山の若葉をそびらにす 阿部ひろし 酸漿 200806
上溝桜若葉のなかに花白し 阿部ひろし 酸漿 200806
きつつきや若葉ささめく谷の風 阿部ひろし 酸漿 200806
若葉風死ぬ気なけれど死の話 塩路隆子 200807
まみえたる釈迦の半眼若葉風 前川ユキ子 200807
狂言の余韻を抱き若葉径 三川美代子 200807
引力の心にもあり若葉風 石脇みはる 200807
谷若葉千の風生む棚田かな 仁平則子 200807
この山のことし生まれの総若葉 加藤克 200807
青葉若葉桃源郷に風のひだ 岩井ひろこ 火星 200807
若葉して欅広場にコンサート 須藤美智子 風土 200807
まんだらやいまさら若葉の余地もなし 豊田都峰 京鹿子 200807
石庭を蝶舞ひゆけり若葉風 町田政子 酸漿 200807
シーソーは木馬の形若葉影 大西まりゑ 酸漿 200807
上り坂を駆ける馬車馬橡若葉 丑久保勲 やぶれ傘 200807
若葉雨水の地球の一隅に 岡本まち子 馬醉木 200808
仔を舐めて起たす乳牛若葉風 衣川砂生 馬醉木 200808
久々のフランス料理若葉窓 杉本綾 200808
若葉光総身に浴びて人を待つ 笠井清佑 200808
別々に食べる朝食窓若葉 片山由美子 200808
若葉風渡良瀬右岸扇状地 石川等 200808
吊橋の揺るるに任せ谷若葉 大坂せうじ 200808
森羅万象若葉浄土に眠りたし 千坂美津恵 200808
波音は癒しのしらべ若葉風 白髭美佐子 200808
くれなゐの若葉ガラシャの墓所 西村純代 200808
未完なる百尺観音若葉風 羽賀恭子 200808
揺り椅子に和らぐ風や庭若葉 内藤紀子 遠嶺 200808
仰ぎみる菩薩の背や若葉光 梅原幸子 遠嶺 200808
日かつと彩なす若葉波をうつ 近藤きくえ 200808
大銀杏若葉の地下の遺影かな 数長藤代 200808
往時はや十八坊の若葉かな 大竹淑子 風土 200808
老猫は遠くに行かず若葉風 南浦輝子 火星 200808
横須賀線青葉若葉の迫りくる 南浦輝子 火星 200808
草若葉名を呼べば来る三歳馬 岩崎眉乃 万象 200808
空近きほど細やかに銀杏若葉 内藤恵子 万象 200808
樅若葉茶室へさそふ陰陽石 和田照海 京鹿子 200808
薬師寺展見て来し上野若葉風 青木政江 酸漿 200808
古き毬つけて紫陽花若葉かな 河野千恵子 酸漿 200808
雨もよひ青葉若葉の学習院 小黒加支 酸漿 200808
若葉雨舗道にみどり滴らす 川合八重子 酸漿 200808
満目の若葉の森に集ひけり 石井邦子 酸漿 200808
盛上る若葉の森の息吹かな 長谷川たか子 酸漿 200808
若葉風護摩火よじらせ霊の来し 岡野峯代 ぐろっけ 200808
立ち止まりひと息つけば若葉風 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200808
家のこと忘れ祇園の若葉雨 田中佳子 ぐろっけ 200808
若葉風マニキュアの手に花鋏 坊野貴代美 ぐろっけ 200808
天へ天へ積める城塞渓若葉 浅井青二 雨月 200808
蕪村展観る昂りに若葉雨 中原敏雄 雨月 200808
若葉風通る窓辺の席混みて 中原敏雄 雨月 200808
北斎の画の迫力や若葉燃え 堀田こう 雨月 200808
寺若葉泣くも笑ふも羅漢かな 久本久美子 春燈 200808
墓建てて夫埋めてこの若葉かな 宮崎すみ 神々の交信 200808
雨音に激しく若葉打たれをり 筒井八重子 六花 200808
子等と行くふるさとの道若葉風 芝宮須磨子 あを 200808
並び立つ木彫りの神馬夕若葉 渡邊孝彦 やぶれ傘 200808
禅林にて澄ます心耳や若葉雨 山下佳子 200809
落葉松の若葉目に沁む日照雨あと 根岸善雄 馬醉木 200809
夕若葉作務僧に問ふ奥宮おくの径 宮崎見昭 遠嶺 200809
きはやかなひとかたまりに若葉雨 高橋宏行 遠嶺 200809
時ならぬ杵の音して若葉雨 荒木常子 200809
若葉風口にとろりと胡麻豆腐 丹生をだまき 京鹿子 200809
島若葉回天魚雷ただ無言 神田一瓢 雨月 200809
藩校の素読の部屋の若葉風 塩見治郎 雨月 200809
鈴懸の若葉やさしや黒ビール 大坪景章 万象 200809
夭折の別れを惜しみ若葉雨 水上貞子 ぐろっけ 200809
若葉雨小樽運河の静もれり 上原光代 酸漿 200809
前山の楠もり上がる若葉かな 大山妙子 酸漿 200809
能因法師雨乞の木の若葉かな 田宮勝代 酸漿 200809
一日を若葉三昧寝つかれぬ 中条さゆり 200809
嵯峨野ゆく若葉の風に吹かれつつ 松村光典 やぶれ傘 200809
どの道も若葉の森へ消えゆきぬ 今橋眞理子 ホトトギス 200810
植ゑつけしばかりのものも庭若葉 安原葉 ホトトギス 200810
山襞に塔の光りて若葉風 田巻和子 遠嶺 200810
神杉の注連の御幣や若葉風 山形悦子 万象 200810
もうこんな時間になつて朴若葉 伊藤白潮 200810
位置違へ若葉の城を仰ぎけり 久永つう 六花 200811
槻若葉朝の宮司の常着なる 野沢しの武 風土 200901
栗若葉吾に戦時の少年期 野沢しの武 風土 200901
画布持ちて帰る神苑若葉風 岡本直子 雨月 200901

 鶴川村・桂郎居にて

若葉かざす柿の木肌は茶碗の肌

瀧春一 深林 200901
空林を彩るほどに楢若葉 瀧春一 深林 200901
石を抱く桂老樹や若葉なす 野沢しの武 風土 200902
まだ温き犬の屍や草若葉 常盤優 炎環 200902
山裾に伸びてゆく街若葉風 稲畑汀子 ホトトギス 200904
総門を磨き上げたる若葉風 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
木洩日も若葉の色でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200905
分け入りて若葉の山路色尽す 稲畑汀子 ホトトギス 200905
これよりは若葉に合はせ旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 200905
咲き移るものを若葉につなぎたる 稲畑汀子 ホトトギス 200905
光る雨若葉を包みはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 200905
やがて木を語る若葉となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200905
若葉 →12      

 

2021年5月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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