空 蝉 2     100句

空蝉のからくれないに砕けたり    橋間石   和栲

  蝉の殻  落蝉  空蝉  蝉時雨  蝉の穴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
空蝉や武士の声して忍城址 渡辺智佳 遠嶺 200211
空蝉の飛ばされさうで飛ばず居る 海老原信男 築港 200211
空蝉のいづれ熊やら油やら 三村純也 ホトトギス 200301
戦争の予感空蝉縋る木々 苑田ひろまさ 200301
万両に空蝉すがる少林忌 岸野美知子 酸漿 200301
空蝉の土の乾きて吹かれをり 波田美智子 をりをりに 200208
錦木を選りし空蝉風雅これ 大橋敦子 雨月 200308
空蝉の風抱くかたち日暮れけり 富川明子 200309
空蝉や夫の忌即ち子の齢 大西正栄 雨月 200309
葉の裏に槌る空蝉目の光る 浦松静二 築港 200309
てのひらに載せて空蝉量りゐる 根岸善雄 馬醉木 200310
空蝉のすがる鳥居や鬼子母神 井関祥子 酸漿 200310
空蝉のまなこ無明の黒びかり 中尾杏子 200310
空蝉の蛻けしばかりなりし艶 溝内健乃 雨月 200310
空蝉の六肢の確と影を置く 高野美佐子 雲の峰 200310
空蝉を忘れ急ぎの旅に出て 菊谷潔 六花 200310
空蝉のブロック塀にすがる爪 安部里子 あを 200310
空蝉のただに朽ちたき土まみれ 豊田都峰 京鹿子 200310
空蝉の土ほろほろと影もたず 鈴鹿仁 京鹿子 200310
空蝉の熊手のやうな脚をして 井上輝男 築港 200310
空蝉を箱詰にして子等帰京 金森恭子 築港 200311
空蝉の梯子下から三段目 磯海具子 帆船 200311
紋章のやうな空蝉門柱に 中島恭子 百鳥 200311
空蝉の身の毛のよだつ程のかず 吉村幸子 雨月 200311
空蝉の大きな眼雲流れ 小橋末吉 対岸 200311
空蝉のなほ一心の眼かな 閑田梅月 馬醉木 200312
空蝉の抱く樹齢や朝日さす 矢崎すみ子 200312
空蝉を松の幹より引き剥がす 足立幸信 200312
達磨忌や空蝉しかと菩提樹に 岸野美知子 酸漿 200312
空蝉をマニキュアの爪はじきける 橋本正二 200312
空蝉の風吹きためてゐる背中 河内桜人 京鹿子 200401
空蝉の一肢思はず踏み抜けり 高崎武義 200407
空蝉や西に真向ふ芭蕉句碑 竪ヤエ子 京鹿子 200409
空蝉や笑ふも泣くもできず居る 東亜未 あを 200408
空蝉のほほゑみの相蔵しけり 川端正紀 春燈 200410
空蝉や午前三時の湯を浴びる 木村みかん 200410
空蝉につまづく吾に明日ありや 長志げを 遠嶺 200410
空蝉のすがる瓦の葵紋 原茂美 雲の峰 200410
空蝉のすがるユーカリ肌荒し 田中英子 200410
空蝉やこの世しがらみばかりなり 久保アツ子 河鹿 200411
空蝉やお骨となりし母とゐて 樋口桂紅 草の花 200410
空蝉や身延の山の男坂 服部満 草の花 200410
銀座にすがる空蝉にある躾糸 篠田純子 あを 200409
空蝉の命離して虚ろなり 塚本泰子 酸漿 200411
空蝉や命を生みし割目あり 鎌倉喜久恵 あを 200410
旧姓といふ空蝉に似たるもの 辻美奈子 200501
あきらめといふ空蝉の姿かな あさなが捷 200502
空蝉のもはや男を超えてをり あさなが捷 200502
空蝉の目玉光らせ何見詰む 山本恵美 ぐろっけ 199912
空蝉や地蔵の腕に縋りゐる 永野秀峰 ぐろっけ 200011
白無垢で歩みし杜の空蝉よ 品川鈴子 ぐろっけ 200208
空蝉が冥途通いの井にすがる 小阪律子 ぐろっけ 200212
空蝉の風の軽さとなりしかな 堀田こう 雨月 200501
空蝉の木に累々と戦没碑 若泉真樹 200501
空蝉のすがる佃の鰹塚 安陪青人 雨月 200508
残れるは空蝉の背の躾糸 伊藤白潮 200509
すがりゐる空蝉に憑く風もなし 豊田都峰 京鹿子 200509
空蝉のねむる木となり夜の白さ 鈴鹿仁 京鹿子 200509
空蝉や細き枝ほど縛めらる 宇都宮滴水 京鹿子 200509
空蝉にほどよき風となり昏るる 宇都宮滴水 京鹿子 200509
空蝉の内部構造なにもなし 塩川雄三 築港 200509
空蝉の重量感のあるかなき 塩川雄三 築港 200509
空蝉のとまる梛の葉梛の幹 中野京子 200510
水琴窟空蝉の眼の安らけし 白神知恵子 春燈 200510
空蝉の澄みたる水を流れをり 池部久子 酸漿 200510
空蝉の風のあをさにこはれけり 豊田都峰 京鹿子 200510
空蝉に憑かれてよりの耳鳴か 豊田都峰 京鹿子 200510
空蝉の骸に重たき命あり 高木智 京鹿子 200510
空蝉の弧高保てり蝉時雨 高木智 京鹿子 200510
燈篭に縋り空蝉華やげる 高木智 京鹿子 200510
空蝉のすがる鴨居を出入りせり 溝内健乃 雨月 200510
空蝉の渾身こめし四肢はづす 溝内健乃 雨月 200510
空蝉を拾へば指にしがみつき 村松夏魚 200511
空蝉と貝殻並べ子の机 井手浩堂 万象 200511
空蝉の上うつせみの脚かけて 丸本祥夫 万象 200511
庭掃くに木に空蝉の止まりをり 石川慧 200511
空蝉をのせし掌くもりけり 城孝子 火星 200511
空蝉のささつて居りし薔薇のとげ 長屋璃子 火星 200511
空蝉の縋つてをりぬ雨上り 大石たか 遠嶺 200511
空蝉のすがりたる葉のみづみづし 釜井瞳子 対岸 200511
空蝉の四肢に艶あり力あり 飯田角子 酸漿 200511
空蝉やデカルトカント粗大ごみ 水谷ひさ江 六花 200511
空蝉のからつぽといふ存在感 長山あや ホトトギス 200512
藤村の墓へ空蝉はがしつつ 飛高隆夫 万象 200212
空蝉を雀ころがす九段坂 高木美波 万象 200212
空蝉を拾ひ集めつ蝉を聞く 早崎泰江 あを 200511
空蝉が柱にふたつ外厠 田口武 さうぢやなくても 200512
蝉の死を拾ふ空蝉より軽し ことり 六花 200605
空蝉を手に転がして枝に戻す ことり 六花 200605
空蝉の心身離脱の軽さかな 島田山流 春燈 200609
空蝉を探りゐるかに雨の音 市川勇人 四葩 200609
空蝉の転び綿津見命かな 岩月優美子 200610
空蝉や手抜かりのなき葬式屋 廣畑忠明 火星 200610
捕虫網空蝉入れて戻りたる 上谷昌憲 200610
空蝉や日は安穏と海に溶け 小澤克己 遠嶺 200610
空蝉の樹間に大き夕陽あり 小澤克己 遠嶺 200610
読了の書と空蝉を胸の上に 小澤克己 遠嶺 200610
空蝉の風姿は禅の極致なり 小澤克己 遠嶺 200610
空蝉の内なる銀河宇宙かな 小澤克己 遠嶺 200610
空蝉を神の玩具と思ひけり 小澤克己 遠嶺 200610
空蝉 3      

 

2021年8月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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