蝉の穴 1    200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
蝉穴を出るひたすらのいのちかな 山田弘子 「春節」 199503  
根の國の闇の洩れ來る蝉の穴 中原道夫 銀化 199910 石川縣松任市
蝉穴の辺に蝉落ちて来りけり 渡邊牢晴 雨月 199910  
大小のありていづれも蝉の穴 岩瀬操舟 円虹 199911  
花火屑掃き寄せてある蝉の穴 深澤鱶 火星 199911  
秋蝉や毛穴の一つづつ静か 中村堯子 銀化 199911  
蝉の穴計りしれなき子の頭脳 山村桂子 遠嶺 199912  
蝉の穴割れぬフラスコありにけり 村山半信 海程 199912  
かの広島長崎蝉の穴無数 柴田いさを 船団 199912  
蝉の穴不思議の国の入口か 杉山瑞恵 雨月 200001  
空蝉の背中は鍵穴考古学 富沢秀雄 船団 200007  
蝉穴を出ても人来ぬ日と人なりぬ 保坂加津夫 いろり 200009  
蝉の穴覗きて山河はるかなり 岡本高明 200009  
合唱のいま熾んなり蝉の穴 宇都宮滴水 京鹿子 200009  
蝉の穴苔に隠され法の庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 200009  
仮の世のこのむなしさの蝉の穴 保坂加津夫 いろり 200009  
草の戸に今朝あたらしき蝉の穴 大木あきら 春耕 200010  
長恨や等間隔に蝉の穴 松本康司 銀化 200010  
蝉穴よりこの世覗かれゐて塞ぐ 中原道夫 銀化 200010  
蝉穴の数のぼこぼこ男山 波田美智子 火星 200010  
きっちりと丸きもありぬ蝉の穴 阿部晶子 200011  
蝉穴につづく根の国亡き子ゐむ 武藤嘉子 木椅子 200102  
蝉の穴押し門答の本籍地 石丸孝子 京鹿子 200103  
蝉の穴誰かが丸で囲みたる 辻享子 シャガールの女 200108  
森の空落ち込む蝉の穴あまた 塙告冬 円虹 200108  
樟の香りがするよ蝉の穴 ロツキイ 六花 200108  
蝉の穴まんまるく見せ樹下浄土 鈴鹿仁 京鹿子 200109  
昏れてきて深くなりたる蝉の穴 水野恒彦 200109  
掃き減りし箒が墓に蝉の穴 工藤義夫 馬酔木 200109  
蝉穴を出て蓋をせり郭沙汰 中原道夫 銀化 200110 金澤・東の廓
蝉の穴戻るつもりで開けてある 華明日香 銀化 200110  
蝉穴をかぞへてゐたる頭かな 雨村敏子 200110  
海風や三つ並びし蝉の穴 川端実 遠嶺 200110  
蝉の穴欅の下に集まれる 杉浦典子 火星 200111  
ただ風の過ぎゆくばかり蝉の穴 岩瀬操舟 円虹 200112  
蝉穴の奥にあるやも不発弾 中尾杏子 船団 200202  
幼名で呼ばれ蝉穴覗き込む 富沢秀雄 船団 200202  
輪廻とも見し蝉の穴落城址 桑田青虎 ホトトギス 200202  
象の柵とほり過ぎたる蝉の穴 竹内弘子 あを 200207  
蝉の穴思ひのほかに深かりき 皆川盤水 春耕 200208  
蝉の穴にかがみて声を吹き入れし 竹内弘子 あを 200209  
蝉の穴いのちのぬくみおいてゆく 鈴鹿仁 京鹿子 200209  
大楠の走り根なりし蝉の穴 柴田靖子 200209  
蝉の穴家齢をかへりみることも 斎藤棹歌 200209  
蝉穴にとどいてゐたる星の塵 加藤みき 200209  
ふるさとや深さの知れぬ蝉の穴 まついひろこ 銀化 200209  
蝉の穴ラジオ体操皆勤賞 遠藤敏弥 帆船 200210  
百一年子規の留守なり蝉の穴 神蔵器 風土 200211  
蝉穴の夥しきも秋の兆 小林清之介 風土 200211  
天水の満たしてゆけり蝉の穴 関洋子 200211  
子供らの声の届けり蝉の穴 岡崎桂子 対岸 200212  
空蝉をすこし逸れたる彈の穴 佐藤喜孝 あを 200306  
づかづかと踏んで通つて蝉の穴 木下野生 200309  
蝉の穴のぞけば見ゆる少年期 櫻井幹郎 百鳥 200310  
遥かまで闇続くかに蝉の穴 加藤富美子 200310  
法師蝉鍵穴一つ抵抗す 山田美智子 築港 200310  
百歳の童子が蝉の穴覗く 伊藤白潮 200310  
蝉しぐれのいつせいに止む空の穴 中野京子 200311  
蝉の穴掃かれ掃かれて幾日経し 仲村青彦 200311  
蝉の穴あまた私の死後もまた 今井妙子 雨月 200311  
神域の土の湿りや蝉の穴 齋藤たかを 百鳥 200311  
台風は陸におとろへ蝉の穴 仲村青彦 200311  
また同じ子が来てのぞく蝉の穴 佐藤悦子 百鳥 200311  
秋風や黒く残れる蝉の穴 大串章 百鳥 200312  
縄ばしご降してをりぬ蝉の穴 近藤公子 200312  
蝉の穴ながめて思ひ封じたる 中村房江 六花 200408  
鳥の眼となつて覗きし蝉の穴 河口仁志 200409  
蝉穴にずつとずつとのむかし見え 羽原青吟 草の花 200409  
世の中の不思議を溜めて蝉の穴 鈴鹿仁 京鹿子 200409  
蝉穴のあまたに星の明かりかな 高橋将夫 200409  
太白や探偵気取りで蝉の穴 坂本フジ 帆船 200410  
岨道を行くや蝉穴蝉の殻 林典子 雨月 200410  
針通神に大きく蝉の穴 竹中龍青 200410  
蝉の穴思ひのままや寺の庭 村田さだ子 酸漿 200410  
産道の記憶蝉穴くらかりし 伊藤白潮 200410  
蝉の穴その気になつて見れば見ゆ 宮崎すみ 対岸 200411  
蝉の穴機銃掃射の跡のごと 冨永道子 百鳥 200411  
覗きこまずにゐられぬよ蝉の穴 大野崇文 200411  
三つまで穴を数へて蝉時雨 中谷喜美子 六花 200411  
閉ざされし竪穴住居蝉しぐれ 伊勢ただし ぐろっけ 200411  
小さき手の砂落しをり蝉の穴 冨永道子 百鳥 200411  
熊蝉の穴眼のように開いてをり 梅村五月 200412  
家系図の何処につながる蝉の穴 木山杏理 京鹿子 200412  
蝉丸の面に穴なく冴返る 細川知子 ぐろっけ 200505  
こんなにも短い橦木蝉の穴 山田六甲 六花 200506 須磨寺
蝉の穴無数病院は無音 須佐薫子 帆船 200506  
蝉穴に挿した藁しべ動きたる 高橋将夫 星の渦 200507  
蝉穴に水を注いでをりにけり 高橋将夫 星の渦 200507  
蝉しぐれ土に母なる穴あまた 鷹羽狩行 200507  
わたつみの涛音聞こゆ蝉の穴 水野恒彦 200507  
蝉穴に体の影が被さりぬ 水野恒彦 200508  
千人の稗田阿禮蝉の穴 佐藤喜孝 あを 200508  
穴を出し蝉の夜歩き見てゐたり 大橋敦子 雨月 200509  
蝉穴の逆の出口は大海洋 鈴鹿仁 京鹿子 200509  
蝉の穴あるほど蝉の鳴いてゐず 塩川雄三 築港 200509  
覗きゐる蝉の穴へと引き込まる 柴田佐知子 200509  
蝉の穴覗きてくらきあなたかな 溝内健乃 雨月 200510  
夢の中蝉穴に落ち熟睡す 安部里子 あを 200510  
数へみて切なきものに蝉の穴 松岡隆子 200510  
幸村の抜け穴跡や蝉生まる 西畑敦子 火星 200510  
坪庭に蝉の抜け穴四十余個 伊藤公女 ぐろっけ 200511  
蝉発ちし穴あまたなり庭乾く 苑実耶 200511  
蝉の穴巨大迷路の出口やも 水谷ひさ江 六花 200511  
蝉の穴あるはあるはの鈴ヶ森 佐藤喜孝 あを 200511  
原爆忌変らぬものに蝉の穴 万城希代子 200511  
日照雨後のいよよ冥くて蝉の穴 上林孝子 200512  
蝉声の満たされてゐる蝉の穴 服部早苗 200602  
蝉の穴まづ歪みては地震来たる 坊城俊樹 ホトトギス 200602  
蝉穴を出でし途方もなき過ち 吉村たけを 海市蝶 200606  
割箸を挿し込んであり蝉の穴 山田六甲 六花 200608  
蝉の穴兵器につきし雷の文字 辻直美 200608  
蝉穴を覗きて後生頼みかな 水野恒彦 200609  
さすらひの途中に覗き蝉の穴 伊藤白潮 200609  
涛音に開けつぱなしの蝉の穴 浜口高子 火星 200609  
坪庭(つぽにわ)に蝉の穴ある茶席かな 延川五十昭 六花 200610  
前世につながつてをる蝉の穴 高橋将夫 200610  
蝉の穴ワームホールに続きゐる 近藤喜子 200610

ワームホール=

遠くの星々への抜け道

蝉の穴かぞへてからの草むしり 延川五十昭 六花 200610  
岩陰に並べる法師蝉の穴 山田六甲 六花 200610  
子規居士の出でし穴なし蝉時雨 神蔵器 風土 200610  
むかしより昔ありけり蝉の穴 滝沢環 京鹿子 200610  
ゆきがてに蟻の覗ける蝉の穴 島崎勇作 酸漿 200611  
蝉の穴掃ききよめたる塵入りぬ 佐藤喜孝 あを 200611  
もろもろの音のみこみし蝉の穴 柴田靖子 200611  
蝉の穴だらけの山盧なりしかな 桑田青虎 ホトトギス 200612  
おん僧の掃き残したる蝉の穴 立石萌木 雨月 200612  
蝉穴を覗く平和な国に住み 浜田栄子 京鹿子 200701  
ねばならぬこと蝉の穴母に似る 中原幸子 以上、西陣から 200705  
蝉穴のひとつひとつに秋の鐘 百瀬七生子 海光 200705  
蝉穴を出で空の色知りたるよ 近藤公子 200708  
松蝉や穴ひらかんとオゾン層 近藤喜子 200708  
蝉時雨いつせいに止む空の穴 中野京子 翁草 200710  
蝉の穴父を叱りし声消えず 吉岡一三 200710  
蝉の穴増えて何者かを待てり 前川明子 200710  
曼荼羅の両界むすぶ蝉の穴 近藤喜子 200710  
山祇の森の古ぶや蝉の穴 小林輝子 風土 200710  
蝉の穴どこまでつづく禅問答 鈴鹿仁 京鹿子 200710  
大樹下は過密土地らし蝉の穴 須藤トモ子 200710  
蝉の穴活断層を抜けきしか 内山花葉 200711  
蝉の穴三つほど黒澤羅生門 大島翠木 200808  
空蝉やさてはこの穴蝉の穴 林翔 200809  
蝉の穴同窓会の通知くる 梶浦玲良子 六花 200809  
蝉一つ見てより蝉の穴無数 神蔵器 風土 200810  
蝉の屍の傍らに蝉発ちし穴 苑実耶 200810  
しんとぎやうさん刀田山に蝉の穴 深澤鱶 火星 200810  
生は死と同じ数だけ蝉の穴 芝尚子 あを 200810  
蝉穴に入りゆくもののあまたなり 雨村敏子 200812  
表札はこの一樹なり蝉の穴 鈴鹿均 京鹿子 200901  
人に自死自然死蝉の穴を出づ 大畑善昭 200909  
蝉の穴淡くなりたる好奇心 笠井敦子 200910  
蝉の穴子に庇はれてゐるやうな 杉浦典子 火星 200910  
蝉の穴ギリシャ神話のオルフェウス 星野晃夫 炎環 200910  
生涯を教師や蝉は穴のこす 小関栄子 200910  
鳥獣戯画蔵す古刹の蝉の穴 磯野しをり 雨月 200911  
蝉穴に柳の白きひげ根かな 加藤和子 万象 200911  
蝉しぐれ耳に穴なき百羅漢 足利ロ子 はらから 200911  
蝉の穴数多を庭に少林忌 内田和子 酸漿 200912  
警策の音のひびきや蝉の穴 黒滝志麻子 末黒野 201011  
少年の探険好きや蝉の穴 塩路隆子 201011  
蝉穴が集つて笑む桂樹下 田中貞雄 ろんど 201011 鎌倉吟行
広島の空へ向きたる蝉の穴 田口紅子 201012  
蝉の穴去年のままなる寂けさよ 早崎泰江 あを 201108  
劫初より闇深かかりし蝉の穴 水野恒彦 201108  
太古へと迷ひこむ径蝉の穴 宮内とし子 201109  
暗躍の蝉の穴にもゆめのあと 鈴鹿仁 京鹿子 201109  
蝉穴の深淵幾多朝の庭 鈴木愛子 ぐろっけ 201110  
蝉の穴黄泉にはよみの神の在し 隅田恵子 雨月 201110  
清貧の松の根方に蝉の穴 小野寺節子 風土 201110  
住み馴れて蝉穴多くなりにけり 早崎泰江 あを 201110  
蝉穴をほじりたる跡暮れなづむ 大島英昭 やぶれ傘 201111  
蝉穴が笛を吹くかな夕翳り 田中貞雄 ろんど 201111  
七年の闇を残して蝉の穴 中尾廣美 ぐろっけ 201111  
息通ふ七年前の蝉の穴 岡山敦子 京鹿子 201112  
却初より闇深かりし蝉の穴 水野恒彦 201209  
蝉の穴よりたたかひの音すなり 本多俊子 201209  
穴探し蝉の脱皮を見きわめし 田島昭久 かさね 201210  
穴の土うつすらと付け空蝉は 南うみを 風土 201210  
リーゼント頭がのぞく蝉の穴 藤田素子 火星 201210  
蝉時雨穴太石工の石の声 西本育子 ろんど 201211  
蝉の穴一斉に吾を訝しむ 田中貞雄 ろんど 201211  
秋蝉のこゑ絶えて穴残りけり 原田達夫 201212  
鳴く蝉の数より多き蝉の穴 島野ひさ 万象 201212  
蝉の穴時間が砂に消えてゆく 寺田すず江 201310  
覗いても子供になれぬ蝉の穴 笠井敦子 201310  
蝉の穴太陽に向く出口あり 近藤喜子 201310  
早暁に覗く子多し蝉の穴 後藤克彦 かさね 201310  
潮騒の迫つて来たり蝉の穴 田中佐知子 風土 201311  
真昼なほ暗き蝉穴古墳跡 落合晃 201311  
少年の覗きてをりし蝉の穴 池内結 ろんど 201311  
飛び出でて崩れは見せぬ蝉の穴 河口仁志 201311  
蝉の穴しづかに埋まる国境 宮路久子 201401  
蝉生れし穴に小枝を挿しにけり 山本耀子 絵襖 201404  
蝉の穴ちよつと嗅ぎゆくビーグル犬 山本耀子 絵襖 201404  
足もとに蝉の穴ある雨宿り 廣瀬雅男 やぶれ傘 201408  
蝉の穴静か原子炉内静かか 池田澄子 201410  
蝉の穴青鉛筆の落しもの 上原重一 201410  
落武者の伏せしやぐらや蝉の穴 根本公子 末黒野 201411  
終局のやうに散らばる蝉の穴 田中貞雄 ろんど 201411  
初蝉やすて置く穴の青き闇 丸井巴水 京鹿子 201411  
一生に一度は覗く蝉の穴 荒木甫 201411 蝉の穴→2

 

2019年7月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。