落 蝉     128句

落蝉のまだ生きていて空を見る    大山夏子

  蝉の殻  落蝉  空蝉  蝉時雨  蝉の穴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
落ち蝉も二三鳴き澄む秋の蝉
稲畑汀子
ホトトギス
199808
落蝉にもう聞えざる蝉の声
水谷芳子
雨月
199810
落蝉の蟻にも曳かれずそのまんま
高木伸宜
船団
199812
落蝉の足びびびびと動きしのみ
大橋晄
雨月
199909
落蝉に延命措置は施さず
土井田晩聖
銀化
199910
明るい家族計画落蝉の抱くかたち
柳生正名
海程
200001
落蝉の掃けば羽ばたく命かな
かとうゆき
銀化
200010
落蝉の骸を離れ飛ぶ薄翅
林翔
200010
相寄りて落蝉露の草の中
倭文ヒサ子
酸漿
200011
落蝉のすぐに掃かれし汐見坂
能村研三
200109
落蝉をそつと移しぬ朝の庭
前川信子
ぐろっけ
200111
落蝉の喰はれて風になびくかな
篠田純子
あを
200210
落蝉の空恋ふごとく仰向けり
村山方
築港
200211
落蝉や腹は空つぽもう鳴けぬ
大井貞一
京鹿子
200212
落蝉を散歩の犬の嗅ぎゆけり
浜和佳子
百鳥
200212
落蝉に触れれば飛びて息絶える
井上泰子
ぐろっけ
200301
落蝉の指にすがるをあはれみぬ
尾崎恭子
雨月
200309
落蝉の空を掴むといふ相
大橋敦子
雨月
200310
落蝉や鳴き声しげき梛の下
志水千代子
雲の峰
200311
落蝉のあがき如何ともなしがたき
吉村幸子
雨月
200311
落蝉や足しつかりと閉づるとき
早崎泰江
あを
200311
仰向けの落蝉雨の降りにけり
石平周蛙
対岸
200311
落蝉を跨いで今日の用があり
青山丈
200311
落蝉の複眼濡れしままの艶
田渕葉陽
200312
落蝉の生きて居り木に戻しやる
斉藤陽子
雨月
200312
落蝉が鳩の生餌になつてをり
田中眞由美
ぐろっけ
200312
落蝉のつぶやきのこゑ雨のこゑ
名田西の鴉
草の花
200401
落蝉の足だけにある命かな
今井みつ子
帆船
200405
落ち蝉や錠剤一つを重しとも
宇都宮滴水
京鹿子
200409
落蝉の軽さのやうな死を願ふ
黒田美恵子
春燈
200410
風そよぎ恋の落蝉向かひ合ひ
林翔
200410
落蝉のあへなし犬の一撃に
大橋麻沙子
雨月
200410
夕風や掌に落蝉の魂ひかる
工藤進
200411
落蝉やかなはぬことの多かりき
犬塚芳子
200511
落蝉となりしか昨夜を鳴き通し
出来由子
200511
落蝉の命わが手に消えゆかん
小林美恵子
築港
200511
落蝉を草へのせれば動きけり
田中藤穂
あを
200511
手をふれし落蝉急に飛び立てり
細谷とく子
栴檀
200512
棒鳴の蝉のすとんと落ちにけり
久染康子
200610
落蝉の翅焦げさうな照り返し
諸岡和子
200611
ぜんまいの緩みしごとく蝉落つる
篠原幸子
春燈
200611
落蝉の水輪にいでし亀の首
増田整歩
遠嶺
200611
命終の近き落蝉踏むまじく
磯野しをり
雨月
200611
落蝉の命尽きゆく叫びかな
小城綾子
200710
落蝉の満足さうに誕生日
数長藤代
200711
風筋の落蝉ことと動きけり
山本耀子
火星
200711
落蝉の飛んで再び落ちにけり
大坪景章
万象
200712
落蝉にあつけらかんとみ空かな
半澤正子
馬醉木
200712
天水に蝉落ち込んでしまひけり
大山里
200801
蝉こつと落ちて小さき芥かな
高倉和子
200809
落蝉を沙羅の木蔭に移しやる
大坪景章
万象
200811
落蝉に蟻一山を築きけり
粟倉昌子
200812
落蝉のこつんと静寂広ごれる
雨村敏子
200812
鳴き尽したる落蝉の軽さかな
加藤季代
万象
200812
指先に落蝉すがり付き来たる
永田勇
六花
200812
落蝉を力づくにて曳ける蟻
藤原春子
六花
200812
落蝉の腹に一物なかりけり
久津見風牛
200911
落蝉のぶざまな音をうべなへり
荒井和昭
200911
落蝉に子連れの猫の行きあへる
助口弘子
火星
200911
木の下へそつと落蝉移す妻
佐方敏明
ぐろっけ
200911
落蝉の散らかるままの大地かな
田中春生
200912
落蝉の地に還るその孤影はも
手島伸子
雨月
200912
落蝉といへる美学をのこしたる
竹下陶子
ホトトギス
201002
ゆるやかに落蝉の脚動きけり
五十嵐勉
201011
落蝉を掃けばひと声ちいと鳴き
大石誠
201011
落蝉をあちこちに見る晩夏かな
上原光代
酸奬
201011
足元に落蝉の鳴く夜の静寂
角谷美恵子
ぐろっけ
201011
裏返す落蝉びびと応へけり
太田昌子
馬醉木
201012
落蝉や垣間見し世の如何ならむ
城下明美
ぐろっけ
201012
落蝉の風より軽く拾はるゝ
竹下陶子
ホトトギス
201104
脚動く落蝉をさてどこに置こ 山本耀子 火星 201110  
落蝉の時に声出す日暮れかな 高橋みつ 201111  
落ち蝉や舖道に落ちてなほ踠き 藤波松山 京鹿子 201111  
石坂の落蝉風に揺れにけり 天野美登里 やぶれ傘 201111  
落蝉のしばらく鳴いて止みにけり 藤生不二男 六花 201111  
落蝉の額にルビー三個あり 田尻勝子 六花 201111  
落ち蝉の声を絞りて飛び立ちぬ 橋本美代 やぶれ傘 201112  
落蝉の草葬となる風のなか 熊川暁子 201112  
蝉落ちて歩く真昼のアスファルト 小林朱夏 201204  
落蝉の草葬となる草のなか 熊川暁子 201207  
蝉落つる声の抜け殻腹空ろ 菅原孟 かさね 201208  
落蝉を土産としたる佳人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208  
落蝉のひととき羽をばたつかす 中江月鈴子 201209  
落蝉や藁をも縋る術の無き 東良子 201210  
じじと鳴く落蝉はなほ羽撃きて 池内とほる かさね 201210  
落蝉に触るればじじと飛び立てり 榊山智恵 末黒野 201211  
落蝉の背に青銅の色きざす 江見悦子 朴の青空 201307  
仰向けに道にあはれや落蝉が 細川コマヱ 雨月 201310  
涼風やあはれ落蝉道の端 田島昭久 かさね 201310  
空を掻く落蝉の足止まりたる 水野範子 ぐろっけ 201310  
百日紅散り敷くなかに落蝉も 久保晴子 雨月 201311  
落蝉にいちはやく猫飛び付けり 原田しずえ 万象 201311  
落蝉の夜明けまぎれもなき故郷 鴨下昭 201401  
地に捧ぐもの落蝉と落鮎と 西川織子 馬醉木 201401  
落蝉や起こせばしばし土を搏つ 比嘉半升 万象 201410  
命終の落蝉つつむたなごころ 室伏みどり 雨月 201410  
落蝉や軽く叩きて力石 成田美代 201411  
落蝉の日がな一日足掻きけり 荒木甫 201411  
落蝉の鎧ひしままに息絶える 相良牧人 201411  
落蝉の所構はぬ裏返し 松本文一郎 六花 201411  
もう登れぬと落蝉に声かくる 川村文英 ろんど 201412  
落蝉をせめても土に移しやる 大橋胱 雨月 201510  
落蝉の鳴き尽したる軽さかな 磯野しをり 雨月 201510  
落蝉の胸塩こごり切なさよ 飛高隆夫 万象 201511  
落蝉の終のひと声絞りたる 西村しげ子 雨月 201511  
落蝉の百の掴みし虚空百 高橋道子 201511  
息かけて落蝉幹に戻しけり 久染康子 201511  
落蝉も二三初秋の庭のもの 稲畑汀子 ホトトギス 201608  
落蝉の四肢をたためる祷りかな 熊川暁子 201611  
落蝉をあはや踏まんと足とどめ 久保晴子 雨月 201612  
空蝉と落蝉並ぶ古城址 藤田美耶子 201612  
落蝉のちちと一声宮の磴 土田亮 末黒野 201612  
落蝉を埋めし庭隅草青む 飛高隆夫 万象 201705  
落蝉に動かぬものと動くもの 佐藤喜孝 あを 201705  
落蝉のもがき力の尽きてなほ 能村研三 201710  
落蝉の命終のこゑ聴きにけり 永峰久比古 馬醉木 201710  
落蝉を抓めば胸を震はせり↓ 荒木甫 201711  
あふむけに落蝉まなこ閉ぢてやる 井上菜摘子 京鹿子 201711  
指先にしがみ付きくる落蝉よ 永田万年育 六花 201711  
踏むまじと拾ふ落蝉じいと鳴く 宮田千優 京鹿子 201712  
落蝉をはうむり埋めし鉢の土 藤波松山 京鹿子 201712  
落蝉に自転車の列乱れけり 岩藤礼子 やぶれ傘 201710  
落蝉を伺ひにくる蟻もなし 山田六甲 六花 201809  
落蝉の絶えきれぬ声地にこぼし 伊藤希胎 京鹿子 201810  
落蝉をそつと乗せたる三輪車 大沢美智子 201811  

 

2019年8月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。