震 災 1      200句

阪神大震災

倒・裂・破・崩・礫の街寒雀  友岡子郷

地震  余震  津波  震災  原発・原子炉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
虹立てば虹に祈りぬ震災地 山田弘子 春節 199503
夏草や刻をとどめし震災碑 山田弘子 春節 199503
語りつぐ杞陽ありけり震災忌 山田弘子 春節 199503
筒袖の己れ五歳や震災忌 松崎鉄之介 199811
松の花風を纏ひて震災碑 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
末黒野に見き戦災を震災を 三嶋隆英 馬醉木 199905
鳴り終へて時計は正午震災忌 小川匠太郎 199909
すゐとんは不味しなつかし震災忌 林翔 199910
震災忌五歳の吾の跣足かな 松崎鉄之介 199912
震災の街早春の色失せし 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
震災を免れし古都梅香る 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
大震災過ぎて五年の「十三夜」 長谷川登美 ぐろっけ 200001
阪神淡路大震災忌近し 山田六甲 六花 200002
寒き夜や神戸震災手記を読み 木村杏子 雨月 200004
千の御手に花散りやまず震災碑 塩貝朱千 京鹿子 200008
半杯の水たふとしや関東震災忌 林翔 200011
震災の陸の孤島に豆を撒く 品川鈴子 船出 200104
凩を梳く震災の歯抜けビル 品川鈴子 船出 200104
乾パンの缶買ひ足せり震災忌 木下節子 俳句通信 200110
真剣な避難訓練震災忌 高樋洋子 いろり 200111
目薬の苦みを喉に震災忌 中川和子 馬醉木 200112
白菊や寺に震災精霊位 高村令子 風土 200112
雪地蔵震災悼み六百体 佐藤琴 200204
寒の雨粛々と降る震災碑 黒川悦子 円虹 200204
朝顔の鹿の子絞や震災忌 宮原みさを 花月亭 200208
大正はモノクロの代か震災忌 林翔 200209
震災忌又も都心に災禍あり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200209
水中へ下りる石段震災忌 竹内弘子 あを 200210
茜雲夢二忌にして震災忌 田中藤穂 あを 200210
砂利を踏む足の衰へ震災忌 藤井昌治 200211
ネツクレスの鎖絡まる震災忌 代田青鳥 風土 200212
中天の月の歪めり震災忌 望月ひろゆき 百鳥 200212
里山に津波の碑あり震災忌 武政礼子 雨月 200212
瓶詰めの水もち歩く震災忌 杉良介 200309
震災忌知るや知らずや鴎浮く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309
電池切れの時計十二時震災忌 松崎鉄之介 200311
壜の蓋斜めに閉まる震災忌 矢崎すみ子 200312
消防車休止の真昼震災忌 若江千萱 雨月 200411
ものごころつかぬ日のこと震災忌 若江千萱 雨月 200411
震災忌火炎くぐりし銭のこる 大西八洲雄 万象 200412
銭湯にハーブ湯あふれ震災忌 磯海具子 帆船 200502
冷まじや鏡に大震災の痕 平野無石 200503
震災の地にも白鳥来りけり 原島ふじ子 遠嶺 200504
震災の島につぎつぎ夏灯 元永高美 200508
一山の噴いて震災忌となれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
震災の島の夕映え桐の花 伊藤佳代 対岸 200509
井戸ありしかの日関東震災忌 林翔 200510
震災忌あのカンバンを撤去せよ 篠田純子 あを 200511
黙祷のうなじ真白に震災忌 有島夛美 河鹿 200512
左目のごろつきとれぬ震災忌 柿沼盟子 風土 200512
備へ置く一反風呂敷震災忌 鈴木庸子 風土 200512
震災の十年思ふ寒さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200601
震災の記憶にバレンタインの日 稲畑汀子 ホトトギス 200602
故郷は本所石原震災忌 大森慶子 母衣 200602
一人一人に冬日震災モニュメント 山田夏子 雨月 200603
耐へし日々震災十年偲ぶ夏 稲畑汀子 ホトトギス 200606
大内宿自動放水震災忌 室井津与志 春燈 200611
凌霄花茹でしと云へり震災忌 松崎鉄之介 200611
震災の更地手つかずちちろ鳴く 博多永楽 雨月 200611
口だけの用意周到震災忌 島崎勇作 酸漿 200611
靴ひとつ浮かぶ大川震災忌 小野千枝子 万象 200612
訓練の雨に始まる震災忌 高田令子 200612
手術終へ戻るベッドや震災忌 二村蘭秋 雨月 200612
震災の日を見し雛でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
震災忌轍を踏まじと鎮坐する 中村禎子 八千草 200703
犠牲者の数の灯凍る震災忌 服部菰舟 雨月 200704
震災を悼む未明の寒の雨 安原葉 ホトトギス 200705
誕生日が阪神大震災忌です 衣斐ちづ子 200705
震災日冷雨音無く土濡らす 横山迪子 六花 200706
春蘭の花芽出でたり震災日 横山迪子 六花 200706
太々と棕櫚の芽吹きて震災碑 久田澄子 馬醉木 200710
震災忌遠き昔と言ふなかれ 二村蘭秋 雨月 200711
震災忌雲の流れを見てをりぬ 笹倉さえみ 雨月 200711
震災忌地を濡らしゆく宵の雨 藤井昌治 200711
ごま塩を炒つて震災忌に備ふ 泉田秋硯 200712
新宿に会ふ約束や震災忌 緑川啓子 馬醉木 200712
震災に迂回余儀なき露の旅 安原葉 ホトトギス 200801
戦争も震災も見し雛の目 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
友の名を探す底冷え震災碑 勝野薫 ぐろっけ 200804
震災よお前に負けず白牡丹 王岩 あを 200806

 中越地震記念復興

震災の跡と聞くだに露けしや

稲畑汀子 ホトトギス 200808
夏蝶と詣づ震災慰霊堂 上原重一 200808
木歩忌や存らふわれは震災児 勝原文夫 ペン皿 200811
震災忌車道を覆ふビルの影 伊藤節子 200812
震災忌吾も抱かれて逃げしとぞ 折橋綾子 200812
震災の跡を洗へる秋の波 宮田香 200812
震災忌まだ九つの母がゐし 服部早苗 200901
物干の上の青空震災忌 涼野海音 火星 200902
震災後十年蓬生ふ更地 稲畑汀子 ホトトギス 200903
春寒の書庫に花袋の震災記 藤原はる美 200905
若葉風震災前の地図持つて 大山文子 火星 200907
採り立ても搗き立ても詰め震災忌 坂本節子 200908
列柱の影踏みをりし震災忌 林千鶴子 炎環 200911
高層ビル街見上げて抜くる震災忌 益田寿美子 春燈 200911
新木場に波せめぎあふ震災忌 古屋元 200911
震災忌三囲みめぐりさまの木歩句碑 清水淑子 炎環 200912
露寒やはや震災の五周年 安原葉 ホトトギス 201003
震災を過去に賑ふ祭かな 小原登志春 雨月 201008
震災の墓碑に佇む夏帽子 小原登志春 雨月 201008
縦横に走るメトロや震災忌 高橋照子 雨月 201011
木の間より真紅の日の出震災忌 黒滝志麻子 末黒野 201012
震災忌水かげろふが樹をのぼる 宮川みね子 風土 201012
蛇口より生ぬるき水震災忌 永田圭子 ろんど 201012
路地裏の井戸生き残る震災忌 永田祐子 ろんど 201101
手袋を脱ぎて触れたる震災碑 阪本哲弘 201104
震災で済まぬ人災春虚し 今村征一 投稿(金沢) 201104
青竹に祈りを込めて震災忌 大内幸子 六花 201104
旅途次の震災報や春の闇 能村研三 201104
震災の不安の日日に桜咲き 芝宮須磨子 あを 201105
寒菊を活け震災の忌を修す 小田ひろ ホトトギス 201106
震災の忌日を修し春を待つ 小田ひろ ホトトギス 201106
震災禍米寿の春と言はで置こ 大橋敦子 雨月 201105
東日本大震災春夕焼け燃ゆ 菊地瑩子 春燈 201106
鹿尾菜煮る大震災を免れて 松岡水学 ぐろっけ 201106
震災地幼の笑顔春を呼ぶ 南栄海 酸漿 201106
震災を知るや知らずや鳥帰る 前川明子 201107
春燈に礼言ふことも震災後 中山皓雪 201107
震災に停電更に雪降れり 千葉惠美子 末黒野 201107
震災の陽炎跨ぐものばかり 工藤節朗 201107
震災に遠き日思う寒き朝 西躰いとの ぐろっけ 201107
震災地白皚々の朝迎ふ 北村香朗 京鹿子 201107
震災の瓦礫の傍の坪すみれ 佐藤いづみ ろんど 201107
震災を悼む瞑目花吹雪く 椋本一子 雨月 201107
初鰹震災の海よみがへる 早崎泰江 あを 201107
震災や空縦横に初燕 吉村摂護 201108
震災の海初夏の定置網 吉村摂護 201108
小春日に震災義援寄付をする 武智恭子 ぐろっけ 201108
震災に負けじと燃える凌霄花 羽賀恭子 201109
震災原発無条件降伏嫌だ 篠田純子 あを 201109
夏満月高しつくづく震災後 高橋道子 201110
浴衣着て震災のこと父母のこと 浅沼久男 201110
祭太鼓今高らかに震災地 紀川和子 201112
目の遣り場なき震災の街薄暑 小島左京 ホトトギス 201112
震災を生き来し仲や虫すだく 谷山友夫 春燈 201112
震災に負けじと実る稲田かな 西川春子 春燈 201112
震災に郷離れをり鉦叩 安田一郎 京鹿子 201112
おにぎりに梅干し一つ震災忌 貝森光洋 六花 201112
震災の傷まだ癒えぬ厄日かな 椋本一子 雨月 201112
新米を捧ぐや姉の震災死 田中臥石 末黒野 201201
震災忌大風呂敷は祖母のもの 宮井知英 201202
震災の白矢くぐりて年明くる 渡辺安酔 201203
震災の今年大根折れ易き 若島久清 万象 201203
震災の余熱の籠る初日記 濱上こういち 201204
震災の仮設住宅師走の灯 三浦澄江 ぐろっけ 201204
芽吹急大震災忌過ぎてより 高橋道子 201205
想定外新語つぎつぎ震災忌 林美智 ぐろっけ 201206
三月の蔵に震災復興酒 三崎千恵子 ろんど 201206
風花や震災死の姉一周忌 田中臥石 末黒野 201206
蔵王より雪の颪や震災忌 田中臥石 末黒野 201206
震災の海沿ひの町つつじ燃ゆ 千葉恵美子 末黒野 201208
押入の救急袋震災日 古川千鶴 かさね 201211
震災忌雨音強しひもすがら 青木英林 かさね 201211
江東の橋渡り継ぎ震災忌 鍋島武彦 末黒野 201211
震災忌夕刊読めぬ老眼鏡 林哲夫 ぐろっけ 201212
震災忌南海トラフの記事ばかり 向江醇子 ぐろっけ 201212
震災の傷と今年に踏み込めり 布川直幸 201301
色鳥や社殿に震災募金箱 布施まさ子 風土 201301
震災に遭ひし虚子句碑冴返る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
絆文字炎に失せて震災忌 居内真澄 ぐろっけ 201304
悲しみは消えぬ三月震災忌 岡野ひろ子 201305
菩提樹は季知りて咲く震災後も 野沢しの武 風土 201306
冴返る大震災の日の港 森高武 風土 201306
大荒れの一と日なりけり震災忌 川崎雅子 春燈 201311
点滴と選句の一と日震災忌 大坪景章 万象 201311
西方に雲濃く澱む震災忌 鈴木良戈 201311
訓練の豪雨断行震災日 石田きよし 201311
震災の母の故郷や梨とどく 吉田きみえ 末黒野 201312
ホース干す火の見櫓や震災忌 土田亮 末黒野 201312
震災忌飲料水を買ひ足して 柚木澄 末黒野 201312
震災忌ペットボトルを可愛がる 斎藤茶美 ろんど 201312
震災の大地を踏みて踊るなり 高橋将夫 201312
暗澹と厄日らしさや震災忌 瀧春一 花石榴 201312
俳人の青嵐市長震災忌 瀧春一 花石榴 201312
吾が世にはおろそかならず震災忌 瀧春一 花石榴 201312
震災忌観音さまに詣りけり 瀧春一 花石榴 201312
それからのあつといふ間や震災忌 瀧春一 花石榴 201312
稲つるびそこここ震災余波あり 伊藤希眸 京鹿子 201402
めぐり来る三年の春や震災忌 安立公彦 春燈 201405
震災の新碑囲ひて梅蕾む 岸本久栄 雨月 201405
震災の三年経ても残る春 佐藤健伍 201405
震災忌過去とはならぬ三月来 鈴木セツ 201405
春林や焦げ跡残す震災地 石井雲雀 末黒野 201406
震災の爪痕きびし行者滝 千葉惠美子 末黒野 201410
震災のときの過ぎゆく秋の海 佐藤健伍 201411
震災忌水なみなみと竹の猪口 和田政子 201411
潮騒や赤松火照る震災忌 萩庭一幹 馬醉木 201412
鮭来たるかの震災の稚魚なるか 清水佑実子 201501
杞陽師を語り伝へん震災忌 千原叡子 ホトトギス 201502
震災の刻遺す園冬ざるる 三輪温子 雨月 201503
雑巾にて涙阪神震災忌 半田稜 ろんど 201504
震災忌寄り添ふごとく春の星 辻由紀 雨月 201506
震災はなほ過去ならず露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201508
桑の実や赤く小さく震災地 松本秀子 201508
震災忌今に語りて川広し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
賞味期限確認したる震災忌 塩千恵子 201511

 祝「円虹」二十周年

震災に耐へ初刷となりしこと

稲畑汀子 ホトトギス 201512
鶏頭のくれなゐ深し震災忌 今田清三 馬醉木 201512
穏やかなる東京湾や震災忌 小沼ゑみ子 末黒野 201512
松の花震災句碑を烟らせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
震災の体験を聞く寒夜かな 久染康子 201604
震災 →2      

 

2022年5月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。