余 震       146句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
余震なほ厚着のままに浅眠り 品川鈴子 船出 200104
寒暁の余震を知らず疲れ寝ね 品川鈴子 船出 200104
飾りたる雛に余震ありにけり 品川鈴子 船出 200104
ぶらんこの余震しばらく続きをり 櫂未知子 銀化 200206
余震なほつづく大地へ種を蒔く 加古みちよ 冬菜畑 200301
余震来る被災地にお座成りな計画 松山律子 六花 200412
余震なほ穭は伸びること必死 三留早苗 200501
煮凝や余震なかなか収まらず 大山文子 火星 200502
露寒のつづく野宿に余震なほ 安原葉 ホトトギス 200503
落葉降る日々とはなるも余震なほ 安原葉 ホトトギス 200503
また余震廃墟の村に雪崩来る 服部菰舟 雨月 200504
熊穴に入りしか余震もうなきか 木村享史 ホトトギス 200505
余震五強安定剤に風邪薬 菅沼義忠 200505
残る虫鳴くこと忘れ余震かな 清水さだひこ 200505
春暁の秒針なぞる余震かな 栗栖恵通子 200507
燕来る余震の島の古りし巣に 遠野萌 200507
三月の沖の暗さや余震なほ 青山悠 200507
春眠の底に亀裂の大余震 秋千晴 200507
金魚鉢すこしずらせる余震かな 柴田佐知子 200509
春眠を真二つに裂く大余震 秋千晴 200510
凩の中の余震のいかばかり 稲畑汀子 ホトトギス 200511
悴みて又の余震に怯えをり 安原葉 ホトトギス 200705
『大辞林』余震の卓に冴えかへる 定梶じょう あを 200705
うぐひすや余震やうやく遠のきて 田村愛子 万象 200706
避難所に又も余震のある遅日 藤浦昭代 ホトトギス 200709
螢籠深夜の余震揺りてけり 定梶じょう あを 200709
余震にも遭ひつつ見舞来し遅日 藤浦昭代 ホトトギス 200710
余震なほ来るやも知れず青田波 若井新一 200711
余震なほ棚田の畦を塗り直し 渡部節郎 転舵の渦 200911
ゆらゆらとおぼろの闇に余震かな 尾形照夫 投稿(座間市) 201103
恋猫の出てゆく闇や余震なほ 神蔵器 風土 201105
本震余震ゆれは変らず春の闇 吉田政江 201105
執拗な余震に街の冴返る 上谷昌憲 201105
余震慣れせし犬ふぐり犇けり 上谷昌憲 201105
雛菊の細かな揺れや余震なほ 辻直美 201105
まだつづく余震寒さもぶり返し 大畑善昭 201105
余震なほ風の階見ゆ紫木蓮 安藤しおん 201105
震度五の余震に立ちて卒業す 脇坂淳 投稿 201105
また少し身ぬちの余震梅雨に入る 片伯部淳 投稿 201105
春の蚊が余震の中を飛んでゐる 篠田純子 あを 201105
をしみなき剪定の音余震あり 早崎泰江 あを 201105
まんさくの花の終りの余震かな 篠田純子 あを 201105
梅雨深し余震といへど震度五 今村征一 投稿(金沢) 201106
被災地の卒園式や余震なほ 長濱順子 201106
花曇り目まひ虚実に余震なほ 森下康子 201106
余震また余震卯の花腐しかな 今村征一 投稿(金沢) 201106
春風を余震とまがふ身の揺ぎ 池元道雄 馬醉木 201106
余震なほむらさき閉ざすクロッカス 池元道雄 馬醉木 201106
余震また余震蛤砂を吐く 田村園子 201106
牡丹の蕾傍ら余震に耐ふ 森さち子 201106
余震なほ夜半のこぶしの花あかり 高橋和女 春燈 201106
ぞつくりと土筆余震はまだつづく 大畑善昭 201106
永き日の余震が余震こぼしけり 酒本八重 201106
己が身の揺れは余震か蝌蚪ぐもり 宮内とし子 201106
踏青や杖曳く土の余震なほ 秋葉雅治 201106
春寒し余震百より覚えざり 吉田政江 201106
余震また余震一気に花こぶし 藤原照子 201106
身の内に棲みつく余震さくら狩 藤原照子 201106
余震なほいつしかさくら蘂降らす 松井志津子 201106
余震にも馴れて蕨のあくを抜く 松井志津子 201106
また余震またまた余震花吹雪く 上谷昌憲 201106
日々余震万朶の花の奥畏る 渕上千津 201106
余震あり桜湯すこし飲みあます 岡部玄治 201106
余震なほおびただしきは杉菜の芽 井原美鳥 201106
余震また畑の崩れに初の蝶 大坪景章 万象 201106
余震に堪え臘涙みつめ春夜更く 菅野蒔子 末黒野 201106
震度5の余震幾度春霙 菅野蒔子 末黒野 201106
夜もすがらつづく余震や雉子啼く 亀卦川菊枝 末黒野 201106
余震の山河円やかに春の月 角谷美恵子 ぐろっけ 201106
余震なほつづく列島鳥帰る 新江たか ろんど 201106
雨しとど余震おそるる花ミモザ 中田のぶ子 ろんど 201106
月余経て今なほ余震菜種梅雨 落合晃 201107
春荒れの草生す大地余震また 服部早苗 201107
ふるさとに余震のつづく朧月 門伝史会 風土 201106
余震なほ犬の遠吠え弥生尽 鈴木石花 風土 201106
春灯に集ふ贅沢余震なほ 山本浪子 風土 201106
余震なほ箪笥の底の花衣 山本浪子 風土 201106
ゆらゆらと黄蝶高みに余震かな 田中藤穂 あを 201106
携帯の告ぐる余震や彼岸寒 小川玉泉 末黒野 201107
余震なほ九段の花の咲き初むに 小川玉泉 末黒野 201107
余震なほ続く春暁海の音 田中臥石 末黒野 201107
余震来て舞ふごと脱げり花衣 田中臥石 末黒野 201107
花菖蒲余震の揺れに箸置きて 鴨下昭 201107
余震なほ春の荷にあるビスケット 岡野ひろ子 201107
明暮れの余震に敏き春障子 藤原照子 201107
今日余震なかりしを言ひ新茶汲む 松井志津子 201107
万緑の真ん中に居て余震なほ 田山登喜子 201107
落花急余震を迎へ撃つごとく 高木嘉久 201107
余震なほ藤房といふ震度計 高木嘉久 201107
花冷えの余震ごもりとなりにけり 門伝史会 風土 201107
帰りゆく鳥よ余震のつづく空 中山純子 万象 201107
初蝶の余震の庭を低くとぶ 鍋島広子 万象 201107
余震なほ花の御堂へ詣でけり 山崎郁子 万象 201107
満開の桜のもとの余震かな 大坪景章 万象 201107
ふつきれぬ余寒と余震そして我 田中貞雄 ろんど 201107
体内に余震棲みつく花馬酔木 入江節子 ろんど 201107
余震頻頻離婚届にサインせる 東亜未 あを 201107
余震なほ頬やはらかに青田風 小島昭夫 春燈 201108
余震なほ日傘青田に囲まれて 鴨下昭 201108
柚子の花余震速報確かめて 鴨下昭 201108
余震なほ植田のみどり濃かりけり 齋藤厚子 201108
余震また枝を彩る桜の実 小川玉泉 末黒野 201108
夏立つや余震に麻津の街明かり 田中臥石 末黒野 201108
余震またナースの声や黄水仙 城戸緑 末黒野 201108
余震また花大揺れの君子蘭 土田亮 末黒野 201108
白百合の匂ひ乱れの余震かな 荒木甫 201109
にごり鮒今日も怯える余震あり 早田路香 201109
まだ続く余震に目覚め春の朝 神田惣介 京鹿子 201109
余震あと野菜花苗分け合へり 菅野蒔子 末黒野 201109
金柑の花の白さや余震あり 須賀敏子 あを 201109
余震なほ川遡る水海月 小川玉泉 末黒野 201110
葉桜の木洩れ日余震なほ潜む 中島讃良 ろんど 201110
秋蝶とすれちがふとき余震なほ 鴨下昭 201111
夏逝けり絶えぬ余震に水備へ 布川孝子 京鹿子 201112
冬に入る追ひ掛くるかに余震なほ 荒木甫 201202
余震余波あれど浄土ケ浜に月 小島左京 ホトトギス 201203
余震産むために春泥震へをり 布川直幸 201203
いくたびの余震に座る鏡餅 池元道雄 馬醉木 201203
余震又ありて暮春の東京に 稻畑汀子 ホトトギス 201204
余震なほ続きて春分迎へけり 佐藤健伍 201204
余震ある度に濃くなる紅枝垂 品川鈴子 ぐろっけ 201205
余震とも予震とも鳥雲に入る 藤原照子 201205
余震なほ続くなかなり啄木忌 鈴木阿久 201206
余震なほ軋む音あり冴え返る 羽賀恭子 201206
星々を縫うて星飛ぶ余震また 布川直幸 201209
こほろぎや壁の奥から余震なほ 布川直幸 201212
治まらぬ余震大小年暮るる 鈴木セツ 201301
立春や余震のわたる青畳 神蔵器 風土 201303
余震なほぼんぼりころげ雛飾る 池元道雄 馬醉木 201304
余震かと一人笑ひの鳳仙花 鴨下昭 201312
行く秋の手許狂はす余震かな 鴨下昭 201402
葉桜や立ち暗みとも余震とも 竹内弘子 あを 201506
受験子の余震に願書抱きしむる 升田ヤス子 玫瑰 201604
余震だにをののく暮し蕗を剥く 上柿照代 馬醉木 201607
奮ひ立つ者へ余震や肥後椿 山内碧 201607
夏萩のいや紫に余震待つ 富永小谷 馬醉木 201608
余震来るあぢさゐの花大らかに 富永小谷 馬醉木 201608
夏椿余震のあした花こぼす 富永小谷 馬醉木 201608
むつごらう朝の余震に飛び出せり 福島せいぎ 万象 201608
余震なほ指先にある春の闇 岩岡中正 ホトトギス 201609
夏鯉の尾鰭に余震ありにけり 岩岡中正 ホトトギス 201610
余震やや遠ざかりたる豆の飯 岩岡中正 ホトトギス 201610
余震やや遠ざかりたる更衣 岩岡中正 ホトトギス 201611
子燕の顔出してゐる余震かな 岩岡中正 ホトトギス 201611
余震なほ実石榴はいよいよ赤く 岩岡中正 ホトトギス 201702
蝉の穴余震つづきを知つてをり 能村研三 201710
髪洗ふ余震来るかと怯えつつ 大石よし子 雨月 201809
倭はおぼろ余震のつづく大都会 鈴鹿呂仁 京鹿子 202203

 

2022年5月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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