原発 ・ 原子炉           141句

原子炉の中から芒見てゐたり    山崎十死生   現代俳句

地震  余震  津波  震災  原発・原子炉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
原子炉と寺隣り合ひ八重桜 小倉恵都子 風土 199807
原発の煙一筋寒き天 堀田清江 雨月 200004
原発に花大根の十字花 大山文子 火星 200007
原子炉の浦や四月の雪囲 田中佐知子 風土 200007
原子炉の一二三号秋夕焼 三浦照子 帆船 200211
赤蜻蛉原子炉2号機停止せり 浦川聡子 水の宅急便 200305
蟠踞せる休止原発烏賊釣火 泉田秋硯 200310
原子炉の塔を遥かに磯あそび 中村斐紗子 対岸 200310
朝霧や原子炉並ぶ柏崎 戸原春彦 帆船 200310
原発のスイッチアナログ朧かな 篠田純子 あを 200404
原発制御室間接照明春の月 篠田純子 あを 200404
枯野かな原発ゲートの危機管理 篠田純子 あを 200404
雪しまく原子炉の海穂濤立つ 土生逸麿 河鹿 200405
沈黙の原子炉の沖烏賊火燦 泉田秋硯 200410
夕虹の原発蔵す湾跨ぐ 間島あきら 風土 200411
美浜原発雨にけむれる余寒かな 木内徴子 万象 200505
原子炉が要の町や陽炎へり 菅原末野 風土 200506
原発二基聳ゆる間近さくら貝 北川英子 200606
白南風に原発の海眩しかり 井口淳子 200610
原発の排水口に寄る海月 足利ロ子 ぐろっけ 200610
夕凪や原子炉に似てわが肝胆 坪内稔典 稔典句集 200804
原子炉の島は眠らず黄砂飛ぶ 大上充子 馬醉木 200805
原子爐の中で芽を出す水中花 佐藤喜孝 あを 200811
原子炉の影にたんぽぽ返り咲く 近藤暁代 馬醉木 200903
枯野来て原発村過ぎまた枯野 岩木眞澄 ぐろっけ 200903
梅雨寒し原子炉の町いま通過 井口淳子 200909
夏雲の動かぬ刈羽原発所 和田政子 201008
原子炉を山の向かうに月今宵 浜福惠 風土 201012
原発を臨む海岸鰤起し 廣見知子 201105
原発も地震もなければ辛夷日和 北川英子 201105
原子炉の事故はどうなる彼岸西風 大畑善昭 201105
津波禍のつひに生みたる原発忌 阿部ひろし 酸奬 201105
地図上に原発分布春寒く 伊庭玲子 201106
原発の事故収まらず春の雷 三原利枝 201106
原発の未曾有の被害春の地震 小野口正江 末黒野 201106
涅槃の変原発神話が崩潰す 蓮尾みどり ぐろっけ 201106
原子炉や田螺はここに住むと云ひ 遠藤実 あを 201106
手話で聞く原発ニュース四月尽 森下庸子 201107
原発を指呼に八十八夜かな 北尾章郎 201107
原発記事たたむ閑かな桜の夜 村上すみ子 201107
原発の事故に避難の弥生なり 佐藤健伍 201107
放射線漏らす原発春の雲 佐藤健伍 201107
原発の恐ろしさをば思ふ春 佐藤健伍 201107
四月尽原発の語彙ふりふりて 菅谷たけし 201107
乱心の白き原子炉木瓜の白 鴨下昭 201107
壊れたる原子炉人は蟻のごと 中山純子 万象 201107
原発の不安ふくらむ春の雷 加賀葉子 万象 201107
原発を憂ひし春のキャベツかな 早崎泰江 あを 201107
朴咲けり空を見上げる原発禍 羽賀恭子 201108
原爆は父原子炉は母春の闇 小堀寛 京鹿子 201108
原子炉へ入るロボット五月闇 次井義泰 201108
原発収束待つ星青き清和かな 吉田克美 ろんど 201108
馬追の村原発(原子力発電所)の夏嵐 前田美恵子 201108
脱原発と宣ふばかり浮いて来い 千田敬 201109
原発怖し爪の瑕より桃傷む 布川直幸 201109
真つ向に立つ原子炉の白ヒロシマ忌 鴨下昭 201109
震災原発無条件降伏嫌だ 篠田純子 あを 201109
原発不安横切る湖国や水の秋 小澤菜美 201110
新米のかがやきの外に原発禍 布川直幸 201110
原子炉の溶けて流るる炎天下 吉村摂護 201110
原子炉の底の拔けたる暑さかな 佐藤喜孝 あを 201110
白熱の原発論議熱帯夜 永塚尚代 ぐろっけ 201111
原発の反対デモや秋暑き 森下康子 201201
原発のことには触れず農具市 布川直幸 201202
原発を無頼と化せり春の地震 布川直幸 201203
原発で働く人にも春は来ぬ 長島清山 かさね 201204
原子炉に母乳したたる春の闇 鴨下昭 201205
狂ひ野火叩いて原発事故言はず 鴨下昭 201205
原発や玉葱ごろごろ芽を吹いた 大島翠木 201206
原子炉の塔屋をしりへ鳥帰る 三枝邦光 ぐろっけ 201206
原發の力餘りし燕 佐藤喜孝 あを 201206
原子炉へ枝のびてゐるさくらかな 池田光子 風土 201207
神の領域越えし原子炉海市立つ 内山花葉 201207
原發に諡案ず夏の貝 佐藤喜孝 あを 201207
原発へ二里のふるさと落し文 中川すみ子 201209
酷暑なり脱原発の大決意 松岡和子 201209
原発へ沈黙は罪酷暑かな 山崎里美 201209
迫り来る酷暑に原発再稼働 早川周三 ぐろっけ 201210
原爆も原発もいらぬ八月尽 向江醇子 ぐろっけ 201210
七夕に原発無事の願ひ込め 仲田眞輔 ぐろっけ 201210
炎天へ原発ドーム白光す 南うみを 風土 201210
原子爐に昇汞水をふりかけむ 佐藤喜孝 あを 201210
原発の渚に遊ぶ夏鴎 大日向幸江 あを 201210
秋潮に原発白き巨塔かな 竹内悦子 201211
秋潮に原発白き巨塔かな(美浜) 竹内悦子 201211
聞き飽きし原発用語秋さびし 飯田ひでを 201211
原発と縁なき明かり夜光虫 藤田かもめ ぐろっけ 201211
原子炉へ道しらじらと夾竹桃 柴田志津子 201211
原発は廃止あるのみ原爆忌 神田惣介 京鹿子 201212
秋澄めり原発止めよのデモのなか 須賀敏子 あを 201301
原発の岬彩る石蕗の花 三浦澄江 ぐろっけ 201302
原子炉と舎利塔の空白鳥来 中山皓雪 201303
原発ドームを臨み若狭の名残雪 浜福惠 風土 201305
蛇穴を出て白い原子炉覗きをり 池田光子 201305
猪豚となりて春耕原発地 物江康平 春燈 201306
「反原発」のシュプレヒコール蝉時雨 小林久子 201310
原発の半円は海いわし雲 篠田純子 あを 201310
原子炉と同じ雨浴び暑き日も 吉弘恭子 あを 201311
穴惑ひ原発事故の収まらず 山本茂子 末黒野 201312
原子炉と花瓶の中の秋の水 高橋将夫 201312
原発の廃嘘さながら蟻地獄 吉田耕人 ぐろっけ 201312
台風禍文明の果て原子洩れ 居内真澄 ぐろっけ 201401
原子炉の雪に除染の力なし 西川織子 馬醉木 201402
満月の皓皓と照る原子の炉 木曽鈴子 ぐろっけ 201402
実りなき原発論議炭をつぐ 鍋島武彦 末黒野 201403
原子爐を兩手でつつむ雪女 佐藤喜孝 あを 201403
原子爐につぎつぎ孵るメガネウラ 佐藤喜孝 あを 201403
原発のニュースまた聞く置炬燵 大野芳久 やぶれ傘 201404
原発は勝手口出て若葉越し 佐藤喜孝 201405
原子炉を傾けてゐる若布刈舟 田中佐知子 風土 201405
原子炉を抱いて菜の花半島よ 坪内稔典 船団 201406
半島の膝に原子炉菜の花も 坪内稔典 船団 201406
原發は勝手口出て若葉越し 佐藤喜孝 あを 201407
冷房裡原發廢爐案を練る 佐藤喜孝 あを 201408
原発事故を薄めてはだめ鰯雲 篠田純子 あを 201409
蝉の穴静か原子炉内静かか 池田澄子 201410
眺望の泊原発夏怒濤 佐瀬晶子 ろんど 201411
万緑の息吸ふ原子炉建屋かな 鴨下昭 201412
原発へ二十七粁えごの花 間島あきら 風土 201501
原子炉のまはりの芥夜の秋 鴨下昭 201502
眼鏡磨いて原子炉を売る藪からし 鴨下昭 201502
原発が再稼働とか去年今年 須賀敏子 あを 201503
水温む原発汚染水までも 布川直幸 201503
春寒や原発といふ異界の火 中田とも子 201505
原發をもったいないと春の國 佐藤喜孝 あを 201505
湾内冬大間原発ただ白し 半田稜 ろんど 201505
天心も地震原発も夏怒濤 高橋道子 201509
原子炉の排水口の大水母 中林晴雄 201510
原子爐のうへを通ひて鴨來る 佐藤喜孝 あを 201512
虎落笛原発事故の黒い雨 七郎衛門吉保 あを 201601
時雨ても原発ノーのデモ行進 上家正勝 末黒野 201602
去年今年遂に原発再稼働 鴨下昭 201603
林檎あかい原発嫌ひ今日はさむい 佐藤恭子 あを 201603
バッカスと酌んで原発だうにかせん 佐藤恭子 あを 201603
原発の伊予の里から夏蜜柑 秋川泉 あを 201607
原子炉へ鎌首もたげ葛の花 南うみを 風土 201611
原発稼働に猿も驚く梅雨入かな 佐藤恭子 あを 201611
原発の灯す秋灯親しめず 高橋将夫 201701
震災の国に原子炉子供の日 高橋将夫 201708
半島に原発ねころべば銀河 火箱ひろ 201712
春やもん脱毛脱字脱原発 千坂希妙 船団 201802
原発に廃墟の町の冬ざるる 荻野周子 雨月 201803
雪解もや原発ドーム覆ひえず 南うみを 風土 201805
原発に神棚のある寒さかな 角野良生 201806
神の領域超えし原子炉海市立つ 内山花葉 201901
原発に分断されり冬木立 七郎衛門吉保 あを 201902
斑猫も原発だけは近寄らず 高橋将夫 201909
原発の入江しづかに水母満つ 南うみを 風土 201909
妻嘆くなよ原発の枯葛 田中臥石 末黒野 202003
枯野原此所原発の妻の郷 田中臥石 末黒野 202003
原発の反対デモや東風の中 須賀敏子 あを 202005
原子炉の津取る誰ぞ風光る 東正則 末黒野 202007
汚染水また風評の原発忌 七郎衛門吉保 あを 202104
黄水仙遥か原発見るもよし 瀬川公馨 202105

 

2021年7月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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