7       115句

霜夜来し髪のしめりのかなしけれ   大野林火   海門 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝日得て屋根まだらなり霜の花 大松一枝 201003
初霜を滑らぬやうに戸板橋 中川すみ子 201003
夢寐に得し句は跡もなし霜の朝 手島靖一 馬醉木 201003
わが肺の癌たとふれば霜の花 遠藤若狭男 201003
初霜や野山のいのち沈み初む 長山あや ホトトギス 201003
わが葬は蝋燭だけで足る霜夜 松田都青 京鹿子 201003
父の国霜夜の音の遠くより 本多俊子 201003
色あせし譜面つくろふ霜夜かな 谷村幸子 201003
ヘルペスを病むや霜夜の鬼女を見し 安達実生子 201003
霜の花土塀くづるる農具小屋 宮内とし子 201003
定かでなき母の余命を聞く霜夜 成宮紀代子 201003
霜の夜を偲びつ通夜のともし守る 和田崎増美 雨月 201003
煎薬の匂ふ霜夜の厨かな 乙坂きみ子 末黒野 201003
霜白し更地になりし家二軒 菅野蒔子 末黒野 201003
霜晴や山々迫り来る朝 長尾良子 末黒野 201003
風音のをりをりとどく霜夜かな 竹村清繁 末黒野 201003
病身の妹に寄り添ふ霜夜かな 藤田千枝子 末黒野 201003
鏡中に違ふ自分のゐる霜夜 山崎靖子 201003
霜晴や寅の土鈴のよく鳴れり 山田春生 万象 201003
朝焼けの窓開け放つ霜の花 塩山博久 風土 201003
湯治場の渡り廊下や霜の花 池田加代子 風土 201003
施餓鬼堂は八角造り霜の花 林いづみ 風土 201003
霜の声ひと日を無為に過ごしたる 柳生千枝子 火星 201003
霜のこゑ海深閑と満ちてをり 柳生千枝子 火星 201003
霜の夜のコンビナートの煙かな 小林成子 火星 201003
遠くまで尾花枯れをり霜日和 波田美智子 火星 201003
からす鳴く田は畑より霜を濃く 大崎紀夫 やぶれ傘 201003
霜の畝猫が始末の二たところ 小松美保子 ぐろっけ 201003
畑へと霜踏む音の確かなる 佐藤喜仙 201003
屋根の霜けふ一日のはじまれる 早崎泰江 あを 201003
初霜の降りたる朝の通学路 高橋均 やぶれ傘 201004
割られたる薪の匂へる霜の朝 矢野百合子 201004
霜ぬれの靴紐結ぶ探鳥会 河崎尚子 火星 201004
マッチ箱使はぬままに霜の夜 山田美恵子 火星 201004
蹴轆轤の音の単調霜日和 瀬戸悠 風土 201004
金色の折鶴置けり霜の墓 山田春生 万象 201004
霜の夜のポットに赤き保温灯 望月晴美 201004
練獄にとどかざりしや霜のこゑ 西村純太 201004
霜解けの日の眩しさの青菜畑 小川玉泉 末黒野 201004
霜燻べ消防団の帽かぶり 山田六甲 六花 201004
椎の木を骨組みにして霜の朝 菊谷潔 六花 201004
霜の朝とりわけ里の鷦鷯 菊谷潔 六花 201004
ぶらんこの靴の空色霜日和 永田二三子 酸漿 201004
畑の霜畝の日陰に残りをり 池部久子 酸漿 201004
霜の朝村が平らに発光す 林和子 201005
霜晴れの霜より光こぼれけり 柴田歌子 201005
吸ふよりは吐く息ながき霜日和 北川孝子 京鹿子 201005
霜晴の踏んばりどころ太鼓橋 倉橋あつ子 京鹿子 201005
畑の菜のひれ伏して居り霜真白 木下和代 末黒野 201005
霜解けの畦に足あと置いて来ぬ 木下和代 末黒野 201005
霜つよし虎杖の葉のまくれなゐ 熊切光子 末黒野 201005
霜げたる秀のみな折れて畝の葱 石垣幸子 雨月 201005
霜の花高月院のしづもりに 小野寺節子 風土 201005
「将軍門」に平成御世の霜の声 小野寺節子 風土 201005
藁塚の数霜つよき日のつづきけり 定梶じょう あを 201005
満天星の葉の真白なる今朝の霜 中村則夫 やぶれ傘 201006
猪のぬた場凸凹霜の花 坂口夫佐子 火星 201006
来世は山になりたし月の霜 網野月を 201007
朝の間の初霜ほどけはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 201011
初霜の旅路はるけくありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201011
よべ熟寝せし初霜の朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201011
露霜の光るはほどけゆく力 稲畑汀子 ホトトギス 201011
初霜に一歩踏み出す旅の朝 稲畑汀子 ホトトギス 201011
初霜となりし旅立約す晴 稲畑汀子 ホトトギス 201011
初霜の消ゆる早さに旅立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201011
薔薇の蔓眠るアーチに霜の花 布川直幸 201012
霜晴れの田畑広ごり三輪の山 中島陽華 201101
霜晴や寝台車にも枕銭 中村恭子 201101
霜下りる午前三時の月明に 神蔵器 風土 201101
老姉妹住む家ひそと霜の菊 田下宮子 201102
打たせ湯に霜夜の肩を沈めをり 岡田和子 馬醉木 201102
いく度の母の祥月霜の菊 小島昭夫 春燈 201102
玉葱の前起ちあがる霜夜かな 南うみを 風土 201102
手を皿に傾ぐ花弁の霜雫 前川明子 201102
とてもきれいよ霜の夜の柩窓 北川英子 201102
霜の夜の砂糖被せおくジャム作り 田所節子 201102
薄れゆく獣の匂ひ霜しづく 田中一美 ろんど 201102
まばらなる霜に日の差す朝かな ことり 六花 201102
新築の銅板の屋根霜の花 鈴木愛子 ぐろっけ 201102
霜深き月の山並空にあり 定梶じょう あを 201102
強霜や土手を越え来る銃の音 白石正躬 やぶれ傘 201102
乾きたる帚の音や霜日和 宮野照子 馬醉木 201103
郵袋の霜を引きずる重さかな 柴﨑富子 春燈 201103
手の平に髭の量感霜の朝 鶴見遊太 201103
名にし負ふ男体山や霜日和 岡田史女 末黒野 201103
ゆっくりと生きてゆけよと霜のこゑ 熊川曉子 201103
金属音たて霜の花ひかりをる 近藤公子 201103
酔ひ少しどこかに残る霜の夜 塩千恵子 201103
霜の花始発電車の入線す 甕秀麿 201103
霜の夜の星光寂と地を照らす 柳生千枝子 火星 201103
聴きとれず西行庵の霜しづく 笹村政子 六花 201103
眉も霜おく恋の句に遊びつつ 品川鈴子 ぐろっけ 201103
幾度も猪が掘りたり霜畑 長田秋男 酸漿 201103
若水を汲む母の背に上る霜 長田秋男 酸漿 201103
天神へ登る坂道霜を踏む 瀬沼利雄 酸漿 201103
死ぬまでと誓ひて淡くなり霜夜 柴田佐知子 201103
犬が行き人行きともに霜を踏む 定梶じょう あを 201103
大霜や村の百戸へ日の届き 生田作 風土 201104
霜深し閼伽井に侍る桶ひとつ 安武晨子 201104
しんしんと君の訃を聞く霜夜かな 大木清美子 201104
朝日さし野のやはらげり霜の花 山田本女 末黒野 201104
赤岳のいと尖りをり霜の朝 長坂ヤス子 酸漿 201104
活花のかさと擦れ合ふ霜夜かな 吉成美代子 あを 201104
み吉野を無音に沈め霜夜かな 長山あや ホトトギス 201105

「冬野」一千号

おそ霜の東京発ちて祝の地へ

稲畑汀子 ホトトギス 201105
霜晴や遙かに浮かぶ槍穂高 今村征一 ホトトギス 201105
昭和遠し霜焼の子のもうをらず 野沢しの武 風土 201105
巫の声なく笑ふ霜日和 大山文子 火星 201105
霜やけを知らぬ母親平成っ子 鈴木愛子 ぐろっけ 201105
霜降りし田圃を始発電車かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201105
鳥の声やうやう聞こえ霜の朝 大山妙子 酸漿 201105
霜晴や持上げられて土乾く 根岸善行 風土 201106
霜踏んで頭の中のがらんどう 陽山道子 船団 201107
体当たりしてくる犬や月の霜 山田六甲 六花 201110
石投げて沼驚かす霜の朝 布川直幸 201112
霜 →8      

 

2020年12月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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