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霜履きし箒しばらくして倒る  能村登四郎  長嘯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
見映え良き少年二人霜の朝 大日向幸江 あを 201112
跳箱を一段高く霜日和 水原春郎 馬醉木 201201
朝の茶の湯気まつすぐや霜日和 堀田順子 馬醉木 201201
初霜や銀の燭台曇りをり 栗栖恵通子 201201
天上に師の箒あり霜降れり 辻美奈子 201201
たをやかな日差しに眠る霜の畑 山田六甲 六花 201201
舷に霜のせて出る漁船かな 大崎紀夫 やぶれ傘 201201
初霜や熊笹揺らすもの見えず 片岡久美子 201202
霜の朝怠け心を一蹴し 能勢栄子 201202
強霜に最も富士の尖りけり 森岡正作 201202
夜半に覚め闇にさぐりぬ霜の声 黒澤登美枝 201202
蒼空の深淵見せる霜の朝 松井洋子 ぐろっけ 201202
初霜やわが来し方の窪みにも 山崎@青史 ろんど 201202
ゆつくりと生きていけよと霜の声 川崎かずえ ろんど 201202
大霜や野菜の味の深まりぬ 勝俣芙美子 ろんど 201202
鬼来ると霜の藁塚させる母 山田六甲 六花 201202
霜の道遊びごころの音たてて 武藤嘉子 201203
初霜の明日へ磨く心かな 藤原若莱 春燈 201203
初霜や鳥の素通る実の上に 吉村さよ子 春燈 201203
霜の夜や薄墨の書のかすれ味 小林正史 201203
霜の地を踏み締め寡婦の一歩とす 中島讃良 ろんど 201203
平家星霜の匂のおりてきし 坂口夫佐子 火星 201203
日覆のきしみて出で来霜日和 垣岡暎子 火星 201203
霜のこゑ星のまたたく波動かな 近藤喜子 201203
霜のせてより能登瓦かがよへり 大坪景章 万象 201203
生きて遭ふ皆既月食霜の声 小川玉泉 末黒野 201203
どことなく音の無きまま今朝の霜 岡田愛子 京鹿子 201203
垣根越し窓を拭きつゝ今朝の霜 岡田愛子 京鹿子 201203
店員の道掃いてゐる霜の朝 大島英昭 やぶれ傘 201203
霜晴の墓標きらきら待ち呉れし 北川英子 201204
霜晴ぞ黄泉路ゆつくり歩まれよ 菅谷たけし 201204
強霜の隈なく護る神の苑 齋藤晴夫 春燈 201204
百ヶ日霜降る墓となつてをり 瀬戸悠 風土 201204
霜除けの笹のあち向きこちら向き 岡野ひろ子 201204
生も死も受話器よりくる霜夜かな 芝田幸惠 末黒野 201204
霜除の藁の市松模様かな 坂口夫佐子 火星 201204
借り畑へ一里のペダル霜の朝 岸川素粒子 万象 201204
朝霜や生気漲るのらぼう菜 松本文一郎 六花 201204
残り霜仮設住まひの出刃包丁 池田光子 201205
大霜や色の戻れる土竜塚 原田達夫 201205
師の句碑の背に霜除けの笹揺るる 長島操 万象 201205
霜晴れのお多福山を越えてきし 有本惠美子 万華鏡 201206
ゆつくりと生きてゆけよと霜のこゑ 川崎かずえ 万華鏡 201206
霜除けの藁に朝日の差し来る 秋山信行 やぶれ傘 201206
瑠璃鳴いて朝霜徐々に晴れゆける 今井妙子 雨月 201208
寝ねがての眠り薬を霜夜欲る 北崎展江 くりから 201209
ポリ塩化ビニールパイプ霜日和 中原幸子 船団 201212
霜おいてものみなやさし峡の里 細野恵久 ぐろっけ 201212
どの木偶も肩を落せり霜の声 田下宮子 201301
てのひらに馴染む湯呑や霜日和 コ田千鶴子 馬醉木 201301
息ととのへて霜の夜の電話音 北川英子 201301
黎明に句を詠む習ひ霜しんしん 細川洋子 201301
未決箱によもやの溜まる霜の夜 鈴鹿けい子 京鹿子 201301
追伸を覗き込む顔霜の夜 鴨下昭 201301
洗ひ上げ布巾霜夜に輝かせ 大木清美子 201301
黒猫に脾睨さるる霜の朝 岡野ひろ子 201301
霜晴れの参道にまだ湿りあり 秋千晴 201301
湯舟へと赤子手渡す霜の夜 きくちきみえ やぶれ傘 201301
霜の夜の残月掲げ大銀杏 宮崎左智子 201302
霜重ね鍋にやさしき京水菜 秦和子 201302
霜の夜や脳の錆びゆく音かとも 藤原照子 201302
杣人の渡りし跡か霜の橋 田中文治 火星 201302
石畳アッシジの霜二千年 前田玲子 ぐろっけ 201302
百骸に山気しみ入る霜のこゑ 佐藤喜仙 かさね 201302
青梅線始発の窓に霜強し 丸山酔宵子 かさね 201302
師のこゑの今のいま欲し霜の夜 井上信子 201302
古井戸に石敷き詰まる霜のこゑ 齊藤哲子 201302
早暁や身の芯までも霜の声 大松一枝 201303
開戦忌記憶に残る朝の霜 難波篤直 201303
城壁に人立ちあがる霜日和 田中文治 火星 201303
読書灯の消しがたき夜や霜の声 佐藤喜仙 かさね 201303
霜除の敷藁に虫入りにけり 後藤克彦 かさね 201303
飯田線始発電車の霜固し 池内とほる かさね 201303
オルゴールことりと止まる霜夜かな 矢口笑子 春燈 201303
霜晴や紅殻長者の砦積 和田照海 京鹿子 201303
刈り株の霜のきらめき町の小田 小川玉泉 末黒野 201303
霜解けの芝生の綺羅やごみを出す 小川玉泉 末黒野 201303
鳥声の木々をこぼるる霜日和 黒滝志麻子 末黒野 201303
霜除の笹刈りに入る山路かな 鈴木一三 末黒野 201303
霜除や内に裸体のイヴをりぬ 近藤喜子 201303
学童と挨拶かはす霜の朝 笹倉さえみ 雨月 201303
空耳に夫の足音霜の夜 平居澪子 六花 201303
霜のこゑ上寿の喪中ハガキ増ゆ 田中貞雄 ろんど 201303
霜の華名のある草もなき草も 石田かし子 ろんど 201303
焼け跡は片付かぬまま霜の朝 瀬島洒望 やぶれ傘 201303
新聞をきちんと畳む霜夜かな 神谷耕輔 201303
霜の朝手を振りながら子は発てる 田下宮子 201304
早立ちの初霜の径明けの星 河野美奇 ホトトギス 201304
霜を踏み初日へ百歩近づけり 山田春生 万象 201304
剥落の土偶のちぶさ突く霜夜 井上菜摘子 京鹿子 201304
旭さす霜の畦道祈りつつ 森本虹泉 京鹿子 201304
くつきりと富岳浮かべり霜の朝 中野久雄 末黒野 201304
湯をおとす音まだひびく霜夜かな 五十嵐章子 201304
霜の声あるいは枕のくるしむ音 池田澄子 201304
庭苔の膨らんでゐる霜の朝 丑久保勲 やぶれ傘 201304
路地に霜葉物野菜の味深む 下平誠子 ろんど 201305
刈り株にきらめくは霜町の小田 小川玉泉 末黒野 201305
霜解けの畑土黒く靴の跡 小川玉泉 末黒野 201305
日表の風みち日裏霜の径 河野美奇 ホトトギス 201306
霜の声鋼の声に刀打つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
霜晴や昨夜の星屑纏ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
朝霜を発ち夕星と存問す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
霜除の早々として間に合ひぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201311
朝の間の初霜消えて石畳 稲畑汀子 ホトトギス 201311
句を添へて喪の文届く霜日和 布川直幸 201311
人の道獣の道も霜の道 高橋将夫 201311
立春の雉鳩霜を啄めり 瀧春一 花石榴 201312
霜降の星へひびけり連結音 内山花葉 201312
霜の夜の機体深海鮫の如し 辻美奈子 201401
桟の上の時計の止まる霜夜かな 井上石動 あを 201401
霜降の大島巡りこころ足る 西川春子 春燈 201401
くづ魚の荷台に跳ぬる霜の道 吉田葎 201401
大杉の切株に沁む今朝の霜 増田幸子 万象 201402
霜の降る音なき音のありにけり 中嶋昌子 春燈 201402
パトカーのサイレンに覚む霜の朝 菅野蒔子 末黒野 201402
灯を消して霜のきしみに覚めゐたり 浜口高子 火星 201402
初霜の降りしと里の友の声 宮田豊子 春燈 201402
強霜の一枚の杜羽音かな 佐瀬晶子 ろんど 201402
きのふはや遠くにありぬ霜の丈 小山田子鬼 201402
霜解けて浮かぶハウスの白さかな 鈴木阿久 201402
霜除けの笹満載の猫車 荒井和昭 201402
霜晴の櫟は語りかけたき木 高橋あさの 201402
霜日和新聞めくる音乾き 船越和香 馬醉木 201402
公園の風車止まれる霜の朝 坂上香菜 201402
突き刺さるやうな鳥声霜の朝 石垣幸子 雨月 201403
何もかも乾ききつたる霜の声 近藤喜子 201403
病室へ産声届く霜降る夜 中尾安一 火星 201403
いちにちの優柔不断霜の夜 井上信子 201403
木の影の形に残る庭の霜 廣瀬雅男 やぶれ傘 201403
俎板に刻む余生や霜の朝 池内結 ろんど 201403
初霜や腐葉土も今朝薄化粧 木村茂登子 あを 201403
常磐木の深みどりなる霜の朝 橋本弘子 万象 201403
境内のもの透明に霜の朝 狭川青史 馬醉木 201403
強霜の野に犬放つあかね雲 白石正躬 やぶれ傘 201403
霜の菊詰めたる柩思ふべし 水野恒彦 201403
霜解や生垣低く目白来て 石垣幸子 雨月 201403
霜交む状(さま)の露はに山眠る 柳本渓光 ろんど 201403
霜降や骨一本が折れし傘 佐藤喜仙 かさね 201403
霜晴や塵も芥も煌めきて 布施由岐子 末黒野 201403
霜晴や町を貫く小名木川 鈴木良戈 201403
霜晴れや南アルプス立ち上がる 林いづみ 風土 201403
霜夜更く佳境となりし宇治の帖 富田佐恵子 馬醉木 201403
地の神の霜の声聞く夜明かな 清水美子 春燈 201403
霜晴や幼稚園バス唱つれて 工藤ミネ子 風土 201403
霜降や暁闇ほぐる貨車の音 上家弘子 ろんど 201403
霜日和揚げられし鯉舟に満ち 伊勢きみこ 火星 201403
わが身より抜け出したき夜霜降れり 中尾安一 火星 201404
やるせなき思ひの霜夜「大地の子」 大松一枝 201404
日陰霜宝の隠し場所めいて 菅谷たけし 201404
家の鳴る音を聞き入る霜の夜 岡田香緒里 やぶれ傘 201404
頁繰る音のみ霜夜更けゆきぬ 川上久美 末黒野 201404
峰雲の裾へ薄れぬ霜の声 安斎久英 末黒野 201404
手どりたる鯉に鯉の香霜の朝 山本耀子 絵襖 201404
吾を抱く母の姿の霜夜なる 沼田巴字 京鹿子 201404
静もりてそつとよりくる霜の声 柴田靖子 201404
湧き水の音のひろごる春の霜 庄司久美子 201404
初掃除箒の霜をまず落とし 江見巌 六花 201404
初霜の人間じんかんはやも汚れたる 瀬川公馨 201404
境内に篝据ゑらる霜の朝 大野芳久 やぶれ傘 201404
霜の声少年明日をかがやかす 本多俊子 201404
霜の夜の蛇口の雫締めに起つ 生田作 風土 201404
霜晴や膨れ切つたる鶏の胸 宮井知英 201404
霜晴れや町を貫く小名木川 鈴木良戈 201404
穴掘つて火柱の立つ霜の庭 柴田久子 風土 201404
庭先に常の鳥来て霜のこゑ 柴田久子 風土 201404
一寸の胴上げに日矢霜の華 鳥居美智子 ろんど 201405
少年の恋文に似て霜の華 佐々木紗知 京鹿子 201405
きじ鳩の足音の幽か霜の朝 上月智子 末黒野 201405
霜折れの物干竿を肩に乗せ だいじみどり 201405
筑波嶺や畑を漂ふ霜くすベ 瀬島洒望 やぶれ傘 201405
朝霜の帽子を被る車止 中堀倫子 201405
枕固し夜通し霜の育つ音 天谷翔子 201406
初霜の光となりて夜明け来し 稲畑汀子 ホトトギス 201411
一筋にひかる道あり朝の霜 岡野ひろ子 201412
霜降りて寒さに驚き目が覚めた 廣瀬将也(小六) 201501
日を容れて水の燃え立つ霜の朝 間島あきら 風土 201501
猫の舌ざらりざらざら霜の夜 大日向幸江 あを 201501
頤に安堵ただよふ霜夜かな 寺田すず江 201502
霜の花散る一滴の水となり 布川直幸 201502
歩こう会を暦に記す霜の晴 渡辺数子 火星 201502
霜の夜のインク瑞瑞しく走る 今澤淑子 火星 201502
霜晴や不戦の誓新たにす 鈴木阿久 201502
百薬に勝る良句や霜深し 茂木なつ 春燈 201502
霜晴れや人待ちがほの石切り場 田中一美 ろんど 201502
大霜や遮断機始発のために閉づ 定梶じょう あを 201502
夢さめて盧生踏み行く朝の霜 菊谷潔 六花 201503
飛行機と鴉飛んでる霜の朝 鈴木眞貴 京鹿子 201503
遊びたる足あとのある霜の道 山内洋光 201503
木道へ重心低く霜の朝 成田美代 201503
霜ふると千年の杜深ねむり 清水節子 馬醉木 201503
旅日記まだ途中なり霜降る夜 岩月優美子 201503
霜降や弓のかたちの朱き橋 竹中一花 201503
薔薇の香燻らせ夫を待つ霜夜 岡崎春菜 万象 201503
霜降りし朝のしづけさ死後に似て 戸栗末廣 201504
霜の朝父にミルクを沸かしをり 苑実耶 201504
腑分図の色鮮やかに霜夜かな 鳥居美智子 ろんど 201504
霜の夜や折鶴となる薬包紙 能勢俊子 馬醉木 201504
霜の夜を小鍋の汁に飯足して 青谷小枝 やぶれ傘 201504
知らぬ間と云はせてならぬ霜の花 鴨下昭 201505
枕固し夜通し霜の育つ音 天谷翔子 201505
日の昇るまでの初霜踏んで来し 稲畑汀子 ホトトギス 201511
朝月を仰ぎ初霜踏みて旅 稲畑汀子 ホトトギス 201511
霜降の己に気合かけ動く 渕上千津 201512
霜降に身をねぢりては生き直す 鈴鹿呂仁 京鹿子 201512
農捨てて来しと霜夜の警備員 田中臥石 末黒野 201512
霜→9      

 

2021年1月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。