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盆栽の林に霜をなつかしむ     尾崎紅葉

初霜   別れ霜  春の霜  忘れ霜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
窯の炎や霜の松葉も掻き入るる 瀧春一 200706
酒の後霜夜の柿を味はひぬ 瀧春一 200706
日輪のほとりはかすみ霜日和 瀧春一 200706
霜くすべ厠の枢(とぼそ)ぎいと啼く 佐々木新 春燈 200707
止り木の鶏落ちて死ぬ霜夜 滝沢伊代次 万象 200712
信濃柿二霜に黒く甘きかな 滝沢伊代次 万象 200712
外燈のかがやきを増す霜夜かな 滝沢伊代次 万象 200712
霜夜更け秒針の音コツコツと 中島ため 200801
霜近き林中の沼靄を吐く 有働亨 馬醉木 200801
霜解けて七羽渡来の鶴遊ぶ 長谷柑生 200801
霜の夜の物書く卓はわが砦 生方ふよう 200801
暁の窓深閑と霜匂ふ 須藤トモ子 200801
木道のとんぼの羽も霜置きて 黒坂紫陽子 馬醉木 200801
霜を踏む今朝の元気は久しぶり 中島玉五郎 200801
ひと翔ちと思ふ一生霜の花 布川直幸 200802
月の霜家々の灯はすでに消え 山田六甲 六花 200802
霜夜ふと目覚め鬱気の憑依せり 布川直幸 200802
霜の暾やよべの未完の稿照らし 林翔 200802
曾祖父の建てし藁屋根霜雫 山本とみを 200802
石棺の霜を帰心と思ひけり 加藤富美子 200802
野火止の畑一面を霜おほふ 井上幸子 酸漿 200802
霜の晴石灯籠をせり落す 大山文子 火星 200802
霜晴やハイタッチしてすれ違ふ 高橋芳子 火星 200802
庭先のマイカーの上霜白し 松崎鉄之介 200802
一滴を摺る墨の香や霜の夜 伊東恵美子 馬醉木 200802
霜の朝真珠の艶のご飯かな 古川京子 万象 200803
霜の花人汚れずに生きられぬ 中条さゆり 200803
霜とけて樋に翻る光かな 鈴木阿久 200803
深井戸のこだま待ちをり霜の花 荒井和昭 200803
寝袋にカフカの「変身」読む霜夜 鳥居秀雄 200803
しぼりきるレモン霜夜の卓の上 上林孝子 200803
所望しても五右衛門風呂のなき霜夜 齋藤厚子 200803
話すべく訪ひて霜咲く墓の前 坪井洋子 200803
落石の響動む秘湯の霜夜かな 小山徳夫 遠嶺 200803
手を置けばふぐりよろこぶ霜の夜 岡本高明 船団 200803
民宿の犬の先導霜日和 廣畑忠明 火星 200803
霜あつき朝一峰の石斧なす 小山徳夫 遠嶺 200803
霜の朝開戦の日を憶ひけり 名取袿子 200803
霜菊を括る凛然たる香り おかたかお 200803
雲水の錫杖霜の声なりけり 秋場貞枝 春燈 200803
校庭の著き箒目霜強し 中里カヨ 酸漿 200803
一対の霜夜の鶴のねむりかな 遠藤和彦 遠嶺 200803
置忘れたわしに咲けり霜の花 坂本知子 酸漿 200804
霜夜更け愛猫既に眠りをり 柳生千枝子 火星 200804
霜晴の曽爾原を発つ旅鞄 千原叡子 ホトトギス 200804
霜解けの土ふんはりと黒々と 丑久保勲 やぶれ傘 200804
霜の夜の膝の仔猫は覚ますまじ 柳生千枝子 火星 200804
霜の夜の足音のまた通り過ぐ 柳生千枝子 火星 200804
二尊院甍の形に霜置きて 神山志堂 春燈 200804
強霜や目白せはしく枝移る 大内佐奈枝 万象 200804
星たちの置きみやげとも霜の花 中川アキ子 200804
連結機軋み止まずや霜の夜 藤本節子 万象 200804
風熄んで霜の声聴く独りの夜 千原叡子 ホトトギス 200804
霜の夜のしじまコーラン流れ来る 河村武信 ぐろっけ 200804
霜日和磨く仏具を寄せてあり 戸田和子 200804
血圧計腕を締めあぐ霜の朝 北島和奘 風土 200804
点滴のけふが始まる霜日和 勝見玲子 200804
グラウンドの芝を真白に朝の霜 羽賀恭子 200804
霜晴や憶へばひたにこゑかたち 木内憲子 200805
風一つなきあかときの霜に佇つ 宮崎正 ホトトギス 200806
二十日月残る岳麓霜を踏む 宮崎正 ホトトギス 200806
ふかぶかと壺に水差し霜くすべ 佐々木紗知 京鹿子 200806
有刺鉄線一端にまで霜の花 藤田宏 長城 200808
刻々と明けゆくものに霜の朝 稲畑汀子 ホトトギス 200812
星空の零せし霜の朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 200812
夜の霜朝日に命還しつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
一日の晴れ渡つての霜夜の灯 新関一杜 京鹿子 200812
霜の華白紙に白き壺を描く 瀧春一 深林 200901
霜そだつ日記を閉ぢしよりのこと 豊田都峰 京鹿子 200901
血圧計腕を締めあぐ霜の朝 北島和奘 風土 200901
徹夜業霜を踏み出てはや忘る 瀧春一 深林 200901
大鍋のしつらへてある霜の寺 岩井ひろこ 火星 200902
大霜の地べた香し父の郷 荒井和昭 200902
田の霜を崩して雀歩みけり 都丸スミ代 やぶれ傘 200902
霜満月いま航り来し海照らす 市ヶ谷洋子 馬醉木 200902
霜晴や抓みて凹む烏瓜 浜口高子 火星 200902
霜晴の峡に谺の発破音 西村博子 馬醉木 200902
霜の夜屋根溌溂と新開地 片岡宏文 炎環 200902
空豆の芽のまだ見えず霜の畑 阿部文子 酸漿 200902
蹼にみづかき蹤けり霜の岸 杉浦典子 火星 200902
陽のあたるあたりの霜の光かな きくちきみえ やぶれ傘 200902
法灯の一つ洩れゐて霜の声 石崎浄 風土 200902
片減りの子の靴磨く霜の朝 外川玲子 風土 200902
真向ひに海ある朝霜の花 菊池育子 遠嶺 200902
夫を呼ぶ声を惜しまず霜の朝 米澤光子 火星 200902
八尺の影霜に置く茶筅塚 石崎浄 風土 200902
うつすらと苔むす岩に霜宿る 大島英昭 やぶれ傘 200902
霜強し臨時ニュースの記憶かな 鈴木阿久 200902
霜晴の堰霜濡れの赤のまま 河崎尚子 火星 200902
公園に臼杵とどき霜日和 藤原照子 200903
みちの辺の名もなき草や霜の声 水田壽子 雨月 200903
大霜や立ちたる靄の濃く高く 渡辺玄子 酸漿 200903
霜来るかホイップの角確と立ち 千田百里 200903
霜農の残月高し鐘のこゑ 石本秋翠 馬醉木 200903
霜踏めばぞろりぞろりと沼の音 荒木甫 200903
霜を踏み心に沁むる古道かな 池部久子 酸漿 200903
うつすらと苔むす岩に霜宿る 大島英昭 やぶれ傘 200903
深霜や立ちこぎて行く高校生 新井青葉 炎環 200903
児と枕並べて眠る霜夜かな 山路紀子 風土 200903
霜 →6      

 

2020年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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