渋 柿     72句

渋柿や街道中へ枝をたれ    蝶夢

柿  熟柿  渋柿  干柿  吊し柿  柿簾  甘柿  豆柿  枯露柿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
離党復党渋柿のしぶ抜かれ 村田冨美子 京鹿子 199901
渋柿の渋溜りつつ夜を急ぐ 伊藤格 199902
渋柿も鳥には美味かつつきだす 高木伸宜 船団 199903
鳥になるまで渋柿のままでいる 藤田守啓 船団 199903
渋柿や葉も日を浴びて柿色に 渕江千代 酸漿 200002
渋柿やしらけ世代にスターなし 大谷昌弘 海程 200101
渋柿に焼酎吹けば口からき 竹内弘子 あを 200101
渋柿やとろり軟らか里ごころ 中野辰子 いろり 200101
渋柿や焼酎つけて賜りて 松沢久子 いろり 200104
渋柿の花かなぶつぶつ独り言 篠田悦子 海程 200112
渋柿みつ肥後もつこすの居る家に 松崎鉄之介 200112
新婚の庭の渋柿たわわなる 森洋子 200201
渋柿の折られてその場に捨てられし 山口和子 ぐろっけ 200201
渋柿のその大きさの飾らるる 宮津昭彦 200202
渋柿嵯峨の一景振りむかす 丸山佳子 京鹿子 200302
渋柿は恥ずかしいから赤いのか 松山律子 六花 200311
誰がために渋柿の木と名付けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200312
渋柿や背中のばしてをりにける 竹内悦子 200402
渋柿と鴉知りをり十二月 山村修 酸漿 200403
渋柿の負けず嫌ひもほのと紅 丸山佳子 京鹿子 200411
屋敷林渋柿百目禅寺丸 森理和 あを 200412
籾殻に渋柿しまひ冬に入る 鈴木多枝子 あを 200501
渋柿も甘柿も鳥さわぐ中 大串章 百鳥 200501
渋柿を醂せる酒で酔ひにけり 脇本千鶴子 200502
渋柿の空よりくづる村境 宇都宮滴水 京鹿子 200512
堂々と渋柿と記し商へる 西村しげ子 雨月 200602
渋柿の熟して鴉振り向かず 五ヶ瀬川流一 六花 200602
渋柿の種なし大実さむげなる 黒田咲子 200603
渋柿の大上段に構えたる 瀬川公馨 200702
志野焼に渋柿挿して流派なし 窪田米子 遠嶺 200702
渋柿の花の叩ける片流れ 高崎武義 200806
鈴生りはよし甘柿も渋柿も 丁野弘 200810
校長の渾名渋柿なつかしや 湯上稔子 春燈 200812
渋柿に串刺す頃やわが生地 山中宏子 200812
渋柿の柿色待ちて小禽来る 和田政子 200901
裏庭の渋柿を売る長屋門 藤岡健夫 万象 200901
渋柿の熟れて青啄木鳥よく鳴けり 長田秋男 酸漿 200912
すずなりの渋柿みごと鳥光る 佐藤健伍 201001
渋柿を剥き終へし手のごはごはす 樋口みのぶ 201002
渋柿か鈴なりの柿の今もなほ 加藤慶治 201004
渋柿も片隅占める色紙展 和田政子 201101
米櫃に寝る渋柿の息遣ひ 佐藤満智子 ろんど 201103
車座に渋柿を剥く夜なべかな 柳澤宗正 万象 201108
渋柿を干して琥珀や自分作 増田一代 201202
渋柿剥く不慣れや夜半の風を聞き 坂根宏子 201202
渋柿の渋をぬかれた据りやう 芝宮須磨子 あを 201201
渋柿のことさら赤きかくれ径 古林田鶴子 ぐろっけ 201203
渋柿に嬰の歯形のついてをり 志方章子 蟋蟀 201203
常しえに渋柿と決めけんじの画 佐藤みらい ろんど 201211
渋抜かれ渋柿市民権を得る 史あかり ぐろっけ 201302
渋柿に口が歪んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
渋柿の色づき初むる去り難く 竹内弘子 あを 201312
採ることのなきは渋柿なるべしと 稲畑汀子 ホトトギス 201412
渋柿の渋溜めてゐる或る日かな 佐々木良玄 春燈 201501
渋柿をいつの間にやら剥き終へる 谷岡尚美 201503
渋柿のみしりみしりと太りけり 岩下芳子 201512
渋柿の撓何時もの山路かな 須賀敏子 あを 201512
渋柿もまた定めなり鈴生りに 久保夢女 201602
渋柿にロを盗られてしまひけり 升田ヤズ子 六花 201602
渋柿を剥いて吊るして軒の下 有賀昌子 やぶれ傘 201703
渋柿や呆けて好かれる好々爺 平川陽三 船団 201707
渋柿のまま売られゐる地下通路 大野芳久 やぶれ傘 201712
渋柿や悪妻だつたかも知れず 及川照子 末黒野 201804
渋柿や強き甘味にひと月後 秋川泉 あを 201901
渋柿を剥く包丁の早さかな 萩原久代 やぶれ傘 201902
渋柿が甘もうなってはお終めえよ 火箱ひろ 201912
渋くなろう渋くなるんだ渋柿は 火箱ひろ 201912
渋柿の勿体無くも撓かな 五十嵐貴子 末黒野 202002
渋柿を映してゐたる道路鏡 西住三惠子 202006
渋柿の自身の生き方エトセトラ 西村白杼 京鹿子 202101
渋柿や病窓占めてひそまりぬ 根來隆元 202101
吊り紐も添へて渋柿売られけり 青木朋子 202107
渋柿や整数論に疑似素数 竪山道助 風土 202201

2022年11月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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