蝉時雨 3    299句

蝉時雨つくつく法師きこえそめぬ   芝不器男   定本芝不器男句集

  蝉の殻  落蝉  空蝉  蝉時雨  蝉の穴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
耳鳴りはあの八月の蝉しぐれ 中田みなみ 200709  
村中の音をひとつに蝉しぐれ 岡部名保子 馬醉木 200709  
燧道を出てどしやぶりの蝉時雨 布川直幸 200710  
服薬の増ゆる夫の背蝉しぐれ 吉沢陽子 200710  
蝉しぐれやさしくなりて終りかな 山口登志 200710  
水嵩の増して大川蝉時雨 中貞子 200710  
蝉時雨魂出し切つてをりにけり 岩月優美子 200710  
蝉しぐれ電磁波乱してしまひさう 近藤公子 200710  
一瞬の空白のあり蝉しぐれ 川口崇子 万象 200710  
狛犬も仁王も阿吽蝉しぐれ 森山暁湖 万象 200710  
脱皮終へすぐに加はる蝉時雨 秋千晴 200710  
蝉時雨いつせいに止む空の穴 中野京子 翁草 200710  
蝉しぐれ音無き世界とも思ひ 松山直美 火星 200710  
能舞台の茅葺に滲む蝉しぐれ 武田幸子 200710  
初蝉しぐれ華南の山に浴びゐたり 夏目満子 酸漿 200710  
初宮や祝詞かき消す蝉しぐれ 森脇貞子 雨月 200710  
蝉しぐれ中の一つが躓けり 永峰久比古 馬醉木 200710  
蝉時雨夕日大きく屋敷林 須賀敏子 あを 200710  
なかまへの読経にぎにぎ蝉時雨 東亜未 あを 200710  
安曇野は女松が多く蝉時雨 鈴木多枝子 あを 200710  
蝉時雨地異の警告かと思ふ 北尾章郎 200711  
森ひとつ抱へこみたる蝉時雨 米山喜久子 200711  
蝉しぐれよべの踊り場残るまま 斉藤敬子 万象 200711  
おのづから風死す時刻蝉しぐれ 片山タケ子 200711  
遺言のとぎれとぎれに蝉時雨 土井田晩聖 万事 200711  
みちのくの山寺に聞く蝉しぐれ 小田切明義 春燈 200711  
方丈に百の座蒲団蝉しぐれ 浅田光代 風土 200711  
蝉時雨女は耐ふること多し 安永圭子 風土 200711  
蝉しぐれ父愛用の磁石盤 竹内文子 遠嶺 200711  
蝉しぐれ病臥の母に眉間皺 大井邦子 ぐろっけ 200711  
蝉しぐれ野外ライブに乱入す 片野光子 ぐろっけ 200711  
蝉しぐれ指揮者はいづこ曲かはる 岡本幸代 ぐろっけ 200711  
蝉時雨初宮の子の泣き止まず 近藤豊子 雨月 200711  
ベランダの鉢の木にあり蝉時雨 浅野恵美子 酸漿 200711  
お待ちしてましたとばかり蝉しぐれ 小野寺節子 風土 200712  
蝉しぐれ此処は文学散歩道 小野寺節子 風土 200712  
駅の名は青物横丁蝉しぐれ 片野光子 ぐろっけ 200712  
蝉しぐれ石段で見る紙芝居 垣岡暎子 火星 200712  
天寿だと誰が言ひうるや蝉しぐれ 阿部知代 200801  
悲しみの深き朝の蝉時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200807 悼 
蝉時雨屋敷に防空壕残る 金田美恵子 ぐろっけ 200807  
松籟を遠ざけてゐる蝉時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 200808  
束の間のしじまを破る蝉時雨 金田美恵子 ぐろっけ 200808  
身の内の全てを声に蝉時雨 ことり 六花 200808  
無言館蹠に抜ける蝉時雨 和田政子 200809  
万物の目覚めし山は蝉しぐれ 鈴鹿仁 京鹿子 200809  
蝉しぐれ胸のつかへを流しけり 篠田純子 あを 200809  
松籟に少し控へ目蝉時雨 鎌倉喜久恵 あを 200809  
川音の響く山道蝉時雨 西宮舞 200810  
蝉時雨めぐり合へずに夏果てぬ 池田光子 200810  
赤松の太き枝より蝉しぐれ 山形悦子 万象 200810  
旅急ぐ身にひとしきり蝉しぐれ 葦原葭切 春燈 200810  
モルヒネを使はぬ今朝や蝉しぐれ 山崎ゆき子 炎環 200810  
蝉しぐれ木喰像に地震の傷 長谷川智弥子 炎環 200810  
三津子には解けぬ数学蝉しぐれ 緒方輝 炎環 200810  
風透る祖師堂回廊蝉しぐれ 稲見寛子 炎環 200810  
禅堂のいろんな靴に蝉時雨 山田美恵子 火星 200810  
バス停のみな乗りゆきし蝉しぐれ 廣畑忠明 火星 200810  
息深く弔辞書く父蝉しぐれ 木村美猫 ぐろっけ 200810  
神苑は斧鉞ゆるさず蝉しぐれ 博多永楽 雨月 200810  
末社にも律気に詣で蝉時雨 中原敏雄 雨月 200810  
地図にある鳥居の印蝉時雨 瀬島洒望 やぶれ傘 200810  
えご小楢くぬぎの林蝉時雨 早崎泰江 あを 200810  
暮れ泥む無人の校庭蝉時雨 芝宮須磨子 あを 200810  
蝉しぐれ最高潮ではたと止み 高瀬桜 200811  
銀山の土は燃えをり蝉しぐれ 四條進 200811  
今生の詩全山の蝉時雨 新井田晃 遠嶺 200811  
還らざる川の流れや蝉しぐれ 新井須美子 遠嶺 200811  
喝采を浴ぶるがごとく蝉時雨 小國佐世子 遠嶺 200811  
栞して読書中断蝉時雨 佐藤淑子 雨月 200811  
フォルテよりピアニッシモヘ蝉時雨 片野光子 ぐろっけ 200811  
蝉しぐれ故郷の家閉じられて 櫻木道代 ぐろっけ 200811  
蝉しぐれ止むとき停る時間かな 中村碧泉 ぐろっけ 200811  
ききおはす市場通りの蝉時雨 中村恭子 200811  
大楠の肌は鱗に蝉しぐれ 勝又窓秋 200811  
柴垣に沿ひて野宮蝉しぐれ 西村雪園 風土 200811  
鉄棒の着地決まりて蝉しぐれ 奥田茶々 風土 200811  
滔滔と玉川上水蝉時雨 北島和奘 風土 200811  
うす暗き遷化の寺の蝉時雨 関口青稲 万象 200811  
松風を煎じ詰めれば蝉しぐれ 菊谷潔 六花 200811  
下刈りを終へし山裾蝉しぐれ 中村則夫 やぶれ傘 200811  
蝉しぐれなかのひとつにわが耳鳴り 芝尚子 あを 200811  
蝉しぐれしぐれて人を独りにす 蔦三郎 ホトトギス 200812  
放し飼ふ鶏も木陰に蝉時雨 仲井多美江 京鹿子 200901  
一ぴきは目の前にをり蝉時雨 中田禎子 白猪 200901  
遊具へと蝉しぐれ降る飛鳥山 有賀昌子 やぶれ傘 200901  
悲しみのつのるばかりや蝉時雨 稲畑汀子 ホトトギス 200907 悼 
本当の心聞けない蝉しぐれ 丸山佳子 京鹿子 200907  
梨棚の網の中なる蝉しぐれ 奥太雅 万象 200908  
大海を睨む竜馬や蝉しぐれ 山野惣一郎 遠嶺 200909  
蝉時雨本音ぶつけし一夜かな 山岸由佳 炎環 200909  
靖国や変らぬものに蝉しぐれ 伊東湘三 春燈 200909  
布袋様の臍出しルック蝉しぐれ 廖運藩 春燈 200909  
木洩日の径に沿ひゆく蝉しぐれ 千田敬 200909  
蝉時雨大地深くの温りに 森理和 あを 200909  
蝉時雨空の青さを深くせり 鈴木多枝子 あを 200909  
地の底の伝言を今蝉しぐれ 山崎青史 ろんど 200909  
来年は廃校となる蝉時雨 上谷昌憲 200909  
刻名の力士たどるや蝉しぐれ 高橋あさの 200909  
蝉時雨月日は投げし石のごと 杉本綾 200910  
蝉時雨人の影なき不破の関 池田加寿子 200910  
蝉しぐれ迷うて遠き田舎道 増田一代 200910  
蝉時雨一瞬止まる戦没碑 和田政子 200910  
暁天法話あとの茶粥や蝉しぐれ 佐藤信子 春燈 200910  
蝉しぐれ真昼は淋し過ぎにけり 植田利一 春燈 200910  
蝉しぐれはたと止みけり日蝕時 園部蕗郷 春燈 200910  
碁は親子三代の趣味蝉時雨 井上正子 春燈 200910  
山川草木身じろぎもせず蝉時雨 三代川玲子 春燈 200910  
二十年通ふ湯の町蝉時雨 久本久美子 春燈 200910  
蝉しぐれ少年の森かがやきぬ 近藤喜子 200910  
三代目の魚梛叩く蝉時雨 庄司久美子 200910  
ひたすらに重ね来し日々蝉時雨 夏目満子 酸漿 200910  
日本海戦記読みをり蝉時雨 夏目満子 酸漿 200910  
百八を越ゆる煩悩蝉しぐれ 小林朱夏 200910  
蝉時雨裁判員制度初裁判 山崎彩 炎環 200910  
蝉しぐれ地獄絵の鬼哄笑す 天野啓子 炎環 200910  
夕闇の来てなほしげき蝉時雨 小澤昭之 200910  
街路樹の朝のはじまる蝉時雨 近藤節子 200910  
石垣の崩れしままに蝉しぐれ 木村茂登子 あを 200910  
蝉しぐれ囃子に加へ鬼来迎 渡部節郎 転舵の渦 200911  
蝉しぐれ大樹ゆるがすばかりなる 桂敦子 200911  
蝉しぐれ宮廷歌人いまはゐず 桑島啓司 200911  
胸突きの薬師参道蝉時雨 浜福惠 風土 200911  
蝉しぐれ松には蝉の姿なく 柿沼盟子 風土 200911  
序破急の序破なかりける蝉時雨 柿沼盟子 風土 200911  
蝉しぐれ中に異色の法師蝉 泉田秋硯 200911  
蝉しぐれ耳に穴なき百羅漢 足利ロ子 はらから 200911  
蝉時雨狭庭はじけんばかりなり 羽賀恭子 200911  
各々が自己主張して蝉しぐれ 藤田幸雄 200911  
蝉時雨時折人の世の音す 岩本紀子 200911  
蝉時雨一つ夕餉を啼き続け 高木智 京鹿子 200911  
敲鉦百いま揃ふ蝉しぐれ 浅井青二 雨月 200911  
低唱をもって雨間の蝉しぐれ 浅井青二 雨月 200911  
堂深く点る法灯蝉しぐれ 森脇貞子 雨月 200911  
蝉時雨滝と落ちくる峠道 寺岡ひろし 雨月 200911  
蝉時雨女優の訃報流れをり 島本知子 ぐろっけ 200911  
周平をまた読み返す蝉しぐれ 金子清孝 ぐろっけ 200911  
紙垂しで揺るる下にちけり蝉しぐれ 大崎紀夫 やぶれ傘 200911  
築山に登る路あり蝉しぐれ 大島英昭 やぶれ傘 200911  
蝉しぐれ包丁研ぎの軽四輪 丑久保勲 やぶれ傘 200911  
家風には合はぬ真面目さ蝉時雨 松田都青 京鹿子 200912  
高砂舞ふ氷川の杜の蝉しぐれ 松木清川 ぐろっけ 200912  
辿り来て露風旧居の蝉しぐれ 浅井陽子 ホトトギス 201001  
行道の四面それぞれ蝉しぐれ 狭川青史 馬醉木 201001  
蝉時雨屋号刻んである墓石 坂場章子 201001  
灯点るなほ途絶えずに蝉時雨 加藤慶治 201001  
明けやらぬ櫻に秋の蝉しぐれ 内藤恵子 万象 201003  
蝉しぐれ柵に張り紙売り地あり 秋田建三 201005  
蝉しぐれ光明皇后楽毅論 林日圓 京鹿子 201006  
開け放つ古き庵や蝉時雨 加藤克 201009  
蝉しぐれ水は水づれ木は木づれ 丸山佳子 京鹿子 201009  
蝉しぐれまとふ大きな悔ありし 服部郁史 京鹿子 201009  
空蝉の声も混じれる蝉時雨 小林朱夏 201009  
蝉時雨浴びつつひそと十字架クルス 藤見佳楠子 201010  
宝佛のあまねき慈愛蝉時雨 川崎利子 201010  
鉄剣の古墳の夢や蝉しぐれ 西田史郎 201010  
「異常なし」の診察帰途や蝉しぐれ 西田史郎 201010  
「海軍」はなほ江田島に蝉時雨 宮田香 201010  
杖休め坂に見上ぐる蝉しぐれ 小山ミツ子 末黒野 201010  
蝉時雨誰かうしろに来て祈る 水野恒彦 201010  
蝉時雨それも幼き日暮かな 松原仲子 201010  
蝉しぐれ葉をふり落とせ果てるまで 四條進 201010  
蝉しぐれ太く短く生きられず 吉沢陽子 201010  
昭和より永き戦後や蝉しぐれ 安立公彦 春燈 201010  
生くるとや人恋ふるとや蝉時雨 小田明美 春燈 201010  
蝉しぐれ明日の分とは無駄なこと 豊田都峰 京鹿子 201010  
蝉しぐれ山彦君はいまどこに 丸山佳子 京鹿子 201010  
灰色の一枚空や蝉しぐれ 上藤八重子 酸漿 201010  
迅雷の跡形もなし蝉時雨 菊地惠子 酸漿 201010  
陵へ欅並木や蝉時雨 田坂和義 酸漿 201010  
久々に我が家の庭や蝉時雨 渋沢武子 酸漿 201010  
東閑堂行きも帰りも蝉時雨 芝宮須磨子 あを 201010  
校門の閉ざされてをり蝉時雨 早崎泰江 あを 201010  
蝉しぐれ人を帰して夕永き 清海信子 末黒野 201011  
蝉しぐれ謡曲復習ふ能舞台 鈴木一三 末黒野 201011  
蝉時雨我が耳奥じおうには夜も鳴く 石岡祐子 201011  
完壁な青空の朝蝉しぐれ 野中啓子 201011  
ゲームセット急に涌き出づ蝉時雨 五十嵐章子 201011  
蝉しぐれ弱し言問空襲碑 大坪景章 万象 201011  
大幅の応挙に見入る蝉時雨 中山純子 万象 201011  
蝉しぐれ陸にてたたむ大漁旗 玉田瑞穂 万象 201011  
殿を揺らす吊り橋蝉しぐれ 松田明子 201011  
思ひ出すための瞑目蝉しぐれ 田村園子 201011  
差潮のやうにはじまる蝉しぐれ 石田きよし 201011  
蝉しぐれともに聞きたまふ融公 豊田都峰 京鹿子 201011  
ひと口を食べ余し逝き蝉時雨 服部郁史 京鹿子 201011  
苔むせる墓碑の字うすし蝉時雨 冨田君代 酸漿 201011  
蝉しぐれ蔵の扉に琴柱紋 大西和子 ぐろっけ 201011  
黙祷の鐘にはじまる蝉時雨 すずき巴里 ろんど 201011  
その極み天に冴ゆるや蝉しぐれ 浅井青二 雨月 201011  
石柱のここから聖域蝉しぐれ 木村茂登子 あを 201011  
ホテルてふ都会の森の蝉時雨 古賀しぐれ ホトトギス 201012  
老い母の長き祈りや蝉時雨 島原惠子 201012  
蝉しぐれ御苑をぬけて役人町 西村雪園 風土 201012  
蝉しぐれ座禅畳に窪み隈 古川忠利 ろんど 201012  
バスを待つ旅二日目の蝉しぐれ 國保八江 やぶれ傘 201012  
祭過ぎ社の杜の蝉時雨 小浦榮子 酸漿 201012  
蝉時雨とぎれしままに本を閉づ 並河富有野 京鹿子 201101  
蝉しぐれあつさり母の丈越して 矢野百合子 201101  
掃除機を走らせる部屋蝉しぐれ 有賀昌子 やぶれ傘 201101  
蝉しぐれ子の誕生日なりしかな 安住敦 春燈 201106 『古暦』
聞えねば書く世渡りの蝉しぐれ 品川鈴子 ぐろっけ 201107  
地底など知らぬ知らぬと蝉しぐれ 柴田佐知子 201107  
蝉しぐれ聞きゐる間にも老来つつ 野坂民子 馬醉木 201108  
蝉しぐれ伯耆大山隠しけり 山田六甲 六花 201108  
還暦に充たず父逝く蝉時雨 平賀扶人 馬醉木 201108  
十二代城主の遺影蝉時雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108  
風となり杜をはみだす蝉しぐれ 鈴鹿仁 京鹿子 201109  
風通ふ弥山ふもとの蝉時雨 坂上香菜 201109  
想定外多き余生や蝉時雨 江草礼 春燈 201109  
公園を包囲してをり蝉時雨 和田郁子 201110  
足場解く音に紛るる蝉しぐれ 相沢有理子 風土 201110  
蝉時雨八幡宮の注連揺らし 近藤豊子 雨月 201110  
蝉時雨数多自刃の地と伝へ 中原敏雄 雨月 201110  
蝉時雨安倍晴明塚ゆるぐ 江見巌 六花 201110  
蝉時雨はたと止みたる目眩かな 小林正史 201110  
蝉時雨かつて兵舎のありし跡 米山喜久子 201110  
蝉しぐれむかし軍靴の往きし道 安立公彦 春燈 201110  
蝉しぐれに混じりて聞きぬ母の声 山崎里美 201110  
ちちのメッセージより蝉時雨 犬塚李里子 201110  
しんどいとは言はぬ性なり蝉時雨 川崎利子 201110  
目覚しの時計今日より蝉時雨 中田寿子 ぐろっけ 201110  
黙祷に同じ思ひ出蝉時雨 米山喜久子 201110  
聞き返す事ふえてをり蝉時雨 石田朝子 末黒野 201110  
暗転の陰のシナリオ蝉しぐれ 小田明美 春燈 201110  
おしぜみの声もありなむ蝉時雨 大石誠 201110  
みちのくに思ひ馳せをり蝉しぐれ 桂敦子 201110  
ひと声の呼び水めきし蝉時雨 山本久江 201111  
蝉時雨癇癪の子も大音量 福島松子 ぐろっけ 201111  
蝉時雨祈りの声に唱和して 中村吟子 ぐろっけ 201111  
蝉時雨テント数多に古書の市 坂根宏子 201111  
蝉しぐれ麻酔の切れし固枕 田中文治 火星 201111  
蝉しぐれ眼虚しき武人埴輪 荒木甫 201111  
蝉しぐれいつもと違ふ音も入りて 前川明子 201111  
産土の杜の荒びや蝉しぐれ 宮井知英 201111  
いつからを余生といふや蝉時雨 小泉三枝 春燈 201111  
白亜紀は海だつた森蝉しぐれ 山中志津子 京鹿子 201111  
唐突に義兄の訃なり蝉しぐれ 松尾静代 ぐろっけ 201111  
みみなれし朝の合唱蝉しぐれ 林美智 ぐろっけ 201111  
ひとところミュートの効いた蝉時雨 橋本くに彦 ホトトギス 201112  
蝉しぐれ鴉声と競ふ直の声 西川みほ 末黒野 201112  
風遊ぶ上総鶴舞蝉しぐれ 田中臥石 末黒野 201112  
ハース版ノヴァーク版の蝉時雨 橋本くに彦 ホトトギス 201112  
教会の朝の祈りに蝉しぐれ 武生喜玖乃 雨月 201201  
差潮のやうにはじまる蝉しぐれ 石田きよし 201201  
雨気はらむ風にいよいよ蝉時雨 大崎紀夫 やぶれ傘 201201  
父の胸いまも広しよ蝉時雨 高倉和子 夜のプール 201203  
蝉しぐれ網代ひさしに竹の腰 石川笙児 馬込百坂 201206  
蝉時雨鐘の余韻を繋ぎゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207  
蝉時雨寺に寄りそふ古木かな 加納淳子 六花 201208  
雑談の弾む虚子句碑蝉時雨 中島玉五郎 201208  
蝉時雨白壁の道をひとり行く 加納淳子 六花 201209  
蝉しぐれ散華さんげの面かぶり 北崎展江 くりから 201209  
二人して閑居の日々や蝉時雨 水原春郎 馬醉木 201209  
情炎の人形遣ふ蝉しぐれ 綿谷ただ志 馬醉木 201209  
腹這ひてひらがな書く子蝉しぐれ 柴田佐知子 201209  
五輪への応援の声蝉時雨 岡野安雅 かさね 201210  
蝉時雨黒雲厚くなりにけり 郡山真帆 かさね 201210  
蝉時雨遠く聞こえて近くなり 柳田晧一 かさね 201210  
蝉しぐれ国破れし日遠くなり 山田正子 201210  
蝉しぐれ円周率を十桁の子 渡たみ 馬醉木 201210  
新しき命の話蝉しぐれ 金井双峰 201210  
顳顬に耳の字多し蝉しぐれ 吉田葎 201210  
恋の湧く表参道蝉しぐれ 上原重一 201210  
累代の土間青砥めく蝉しぐれ 安藤しおん 201210  
返答に否応もなき蝉時雨 高倉和子 201210  
歯ぎしりのごとき詩が欲し蝉時雨 南うみを 風土 201210  
蝉しぐれ行人坂を筒として 甲州千草 201210  
みんみんが主役となりて蝉時雨 本郷宗祥 かさね 201210  
地の底の声を上げをり蝉しぐれ 中野京子 201211  
地に骸樹は弔ひの蝉時雨 川上久美 ろんど 201211  
稽古着の少年少女蝉しぐれ 戸辺信重 春燈 201211  
早旦の裏山忙し蝉時雨 八城洋子 末黒野 201211  
蝉時雨判じて読めぬ無銘の碑 安田とし子 ぐろっけ 201211  
蝉時雨穴太石工の石の声 西本育子 ろんど 201211  
蝉時雨ふと止む刻を松の風 大橋伊佐子 末黒野 201211  
蝉しぐれ国破れし日遠くなり 山田正子 201211  
蝉しぐれ合はせてはげむ夕支度 林美智 ぐろっけ 201211  
空家なるもじやもじや大樹蝉しぐれ 安田一郎 京鹿子 201211  
途切れたる二人の会話蝉時雨 宮元陽子 末黒野 201211  
神杉に洞あり瘤あり蝉時雨 高尾豊子 火星 201211  
奥の院息づまる程蝉時雨 磯野しをり 雨月 201211  
病棟のしじま深むる蝉時雨 堀内五齢 春燈 201211  
幼子のやまぬ泣き声蝉時雨 上月智子 末黒野 201211  
黙祷や酣となる蝉しぐれ 上谷昌憲 201211  
閉ざされし炭窯包む蝉時雨 嵐弥生 末黒野 201211  
山門の古色を洗ふ蝉しぐれ 熊川暁子 201211  
ほの甘き抹茶の味や蝉時雨 岡田史女 末黒野 201211  
団子食む峠の茶屋や蝉しぐれ 今野明子 末黒野 201211  
そよぐ木もそよがぬ樹にも蝉時雨 河内桜人 京鹿子 201212  
せみ塚を過ぎて高きに蝉時雨 松井洋子 ぐろっけ 201212  
火の気なき土のかまどや蝉しぐれ 北村淳子 ろんど 201212  
奥の院まで蝉時雨続く磴 安藤久美子 やぶれ傘 201212  
少年兵の遺書は短かし蝉時雨 國保八江 やぶれ傘 201301  
参道を占めて昼餉す蝉時雨 吉成美代子 あを 201301  
時古りぬ水の神社と蝉時雨 佐藤喜孝 あを 201306  
肋なき身を震はせる蝉しぐれ 阿部寒林 あを 201308  
自宅から駅まで続く蝉時雨 溝渕弘志 六花 201309  
径らしき径もここまで蝉時雨 柴田朱美 京鹿子 201310  
蝉時雨満天満地赤銅裡 松木ひろ ろんど 201310  
蝉時雨朝の牛乳温めず 小川玉泉 末黒野 201310  
蝉時雨火伏の護符の重ね貼り 野上杳 201310  
蝉時雨その静寂の中の寺 柴田朱美 京鹿子 201310  
蝉しぐれ初の逢瀬の亡夫若き 橋本靖子 201310  
蝉しぐれ甘酒茶屋の梁太き 松本恒子 ぐろっけ 201310  
宮の森泣く子静まる蝉時雨 長崎桂子 あを 201310  
喫茶店の客の出入や蝉時雨 柳田晧一 かさね 201310  
「反原発」のシュプレヒコール蝉時雨 小林久子 201310  
廃校に校歌碑のこり蝉時雨 能村研三 201310  
参詣の長き石段蝉しぐれ 田中藤穂 あを 201310  
あかときの森の定刻蝉時雨 伊東和子 201310  
老ひとり暮らす窓辺の蝉時雨 細川コマヱ 雨月 201310  
武士の墓に人なし蝉時雨 田中清秀 かさね 201310  
次のバスまでせみしぐれ蝉時雨 大川ゆかり 201310  
子を負ひしおしんを称へ蝉時雨 すずき巴里 ろんど 201310  
いたはりと犒ひの降る蝉時雨 長崎桂子 あを 201310  
蝉時雨善正眞福善福寺 吉弘恭子 あを 201310  
選挙カー去るを合図に蝉しぐれ 水野範子 ぐろっけ 201310  
高層となりし母校や蝉時雨 鈴木石花 風土 201310  
朝練の背を追ひたて蝉時雨 菊地光子 201311  
呉橋の脇の朱の橋蝉時雨 成田美代 201311  
ひとときの豪雨の去りて蝉時雨 山中蕃 末黒野 201311  
古りし日を偲びつつ聞く蝉時雨 大島みよし 201311  
総門を潜り蝉時雨をくぐる 中田のぶ子 ろんど 201311  
蝉時雨日照り地照りを司る 田中貞雄 ろんど 201311  
蝉時雨人の気配のなかりけり 北本奈津子 万象 201311  
蝉時雨スマホで手真似測量士 池田喜代持 六花 201311  
蝉しぐれ夫の小言は聞かぬ振り 先山実子 ぐろっけ 201311  
蝉しぐれ玄関の扉をうしろ手に 相沢有理子 風土 201311  
石段に続く石段蝉しぐれ 森清信子 末黒野 201311  
うすらげる被爆体験蝉しぐれ 長江修司 ぐろっけ 201311  
杜ゆする鬨の声とも蝉しぐれ 坂口郁子 末黒野 201311  
人住まぬ屋敷独占蝉しぐれ 久保晴子 雨月 201311  
神鏡に映る木立や蝉時雨 岡野里子 末黒野 201311  
色のなきもの沼風に蝉しぐれ 石田きよし 201311  
子の作る団子いびつや蝉時雨 岡田史女 末黒野 201311  
輪め中で喜怒と哀楽蝉時雨 池田喜代持 六花 201311  
その中に一声のあり蝉時雨 藤生不二男 六花 201311  
卵塔のあまた並ぶや蝉時雨 長田厚子 末黒野 201311  
来歴や堀の育む蝉しぐれ 石田きよし 201311  
沸き上る熊蝉時雨降り懸り 岡野安雅 かさね 201311  
仕立て良き大きな一樹蝉時雨 甲州千草 201311  
爆撃の焦土の昔蝉時雨 竹下陶子 ホトトギス 201311  
沖釣りの舟にはるかや蝉しぐれ 大崎紀夫 やぶれ傘 201311  
D51の展示されゐる蝉しぐれ 大島英昭 やぶれ傘 201311  
王宮に銃痕あまた蝉しぐれ 今井春生 201311  
蝉時雨あびて散歩を引き返す 佐藤喜仙 かさね 201311  
蝉時雨大樹の力広げをり 中野京子 201311  
今昔の命をつなぎ蝉時雨 大島みよし 201311  
右指の刺とる難義蝉時雨 加藤峰子 201311  
一村を覆ひて秋の蝉時雨 青野安佐子 201311  
蝉時雨逃れたき耳慣れてゆく 湯川雅 ホトトギス 201312  
蝉しぐれ板木鳴らしてお茶席へ 有賀昌子 やぶれ傘 201312  
王宮に銃痕あまた蝉しぐれ 今井春生 201312  
森の音全て呑み込み蝉時雨 柚木澄 末黒野 201312  
別れ来て灯点し頃の蝉しぐれ 吉田きみえ 末黒野 201312  
講演の原稿を練る蝉しぐれ 井上加世子 ぐろっけ 201312  
杜に立つ音の柱や蝉時雨 湯川雅 ホトトギス 201312  
叡山の揺らぐばかりの蝉時雨 大橋弘子 末黒野 201312  
経を読む声とぢこむる蝉時雨 長憲一 201401  
蝉しぐれ生きているつて感じする 小谷知里 京鹿子 201401  
つれづれのパワースポット蝉時雨 田口鷹生 201401  
園庭の子等に代りて蝉しぐれ 松本アイ ぐろっけ 201401  
酒蔵や柳は今朝も蝉時雨 難波篤直 201404  
過疎村に置き去りされし蝉しぐれ 鈴木一広 201408  
蝉時雨道を迷ひてしまひけり 溝渕弘志 六花 201409  
蝉しぐれ茶房の窓を震わせる 鈴鹿仁 京鹿子 201409  
伝統の扇骨の里蝉しぐれ 増田一代 201409  
読経とも多喜二の丘の蝉しぐれ 土屋草子 ろんど 201409  
ありったけ鳴きて一山蝉時雨 佐藤淑子 雨月 201410  
蝉時雨放射線量世に余る 鴨下昭 201410  
蝉時雨だらだら坂にある校舎 石川かおり 201410  
蝉しぐれ野良着を洗ふ金盥 忽那みさ子 やぶれ傘 201410  
帰任して空港に聞く蝉時雨 塩見治郎 雨月 201410  
つきまとふ被爆者てふ名蝉時雨 木下慈子 馬醉木 201410  
沼照りや芋銭旧居の蝉しぐれ 吉田政江 201410  
遠山のみどりいく色蝉しぐれ 高瀬史 馬醉木 201410  
電文は「ハハシスチチ」や蝉時雨 阪本哲弘 201410

昭和二十年

八月

招福のお守りは吉蝉時雨 磯野しをり 雨月 201410  
ふりしぼる生の音じよう蝉しぐれ 秋葉雅治 201410  
一本の大樹のしらべ蝉時雨 石橋邦子 春燈 201410  
青竹の蓋ある井戸や蝉時雨 岡田史女 末黒野 201411  
すずかけの並木の長し蝉しぐれ 杉本裕子 末黒野 201411  
斜に抜け来し公園の蝉時雨 助口もも 火星 201411  
光堂洗ふがごとし蝉しぐれ 石川笙児 201411  
蝉しぐれ血縁黒く集ひけり 田代貞枝 201411  
貴婦人のレインハットや蝉しぐれ 竹内悦子 201411  
雑念を払うてくれる蝉しぐれ 犬塚芳子 201411  
謳歌する命ありけり蝉時雨 江島照美 201411  
熊蝉かかくかしましき蝉時雨 飛高隆夫 万象 201411  
蝉しぐれかつて夫との散歩道 吉田きみえ 末黒野 201411  
三丁目より四丁目の蝉しぐれ 荒木甫 201411  
言ひ過ぎを咎めるやうに蝉時雨 濱上こういち 201411  
宿の鯉はねてそれきり蝉しぐれ 吉田きみえ 末黒野 201412  
全開の窓へ飛び込む蝉時雨 久世孝雄 やぶれ傘 201412  
蝉しぐれ血縁黒く集ひけり 田代貞枝 201412  
風の音蝉時雨去りゐたりけり 飛高隆夫 万象 201412  
夫の手の刻々冷ゆる蝉しぐれ 田代貞枝 201501  
今は亡き友の文読む蝉時雨 植村よし子 雨月 201501 蝉時雨 →4

 

2020年7月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。