蝉時雨 2    100句

蝉時雨つくつく法師きこえそめぬ   芝不器男   定本芝不器男句集

  蝉の殻  落蝉  空蝉  蝉時雨  蝉の穴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蝉時雨話の弾む診療所 白川敏彦 遠嶺 200212
一ノ谷二ノ谷を占め蝉時雨 堀田清江 雨月 200509
蝉しぐれ点茶始めは供茶として 谷榮子 雨月 200509
蝉しぐれ山襞深きより起る 谷榮子 雨月 200509
ジンギスカン鍋のパーティー蝉時雨 泉喜代美 200509
廃線のその先つなぐ蝉しぐれ 宇都宮滴水 京鹿子 200509
横文字の貸家の札に蝉しぐれ 瀧春一 菜園 200509
朱を入れし墓の氏名や蝉時雨 石堂絹子 河鹿 200510
森に近く住む冥利かも蝉しぐれ 岡田和子 馬醉木 200510
蝉時雨見下ろしてゐる日本海 中野京子 200510
楷の木の大きな陰や蝉しぐれ 小宮節子 春燈 200510
傘一本のこる大甕蝉時雨 太田佳代子 春燈 200510
回送車過ぎし一層蝉時雨 瀬下るか 200510
胞衣塚に日の差してをり蝉時雨 伊藤以玖子 対岸 200510
ダム底の地割れあらはに蝉時雨 諸冨清子 対岸 200510
回向とは想ひ出すこと蝉時雨 川崎洋吉 遠嶺 200510
蝉しぐれ観音堂を包みをり 福澤乙 酸漿 200510
空蝉の弧高保てり蝉時雨 高木智 京鹿子 200510
草むしる背にふりそそぐ蝉しぐれ 菊谷潔 六花 200510
蝉時雨笠より団扇手放せず 菊谷潔 六花 200510
骨を抱く長常口の蝉しぐれ 鈴木とおる 風土 200510
蝉しぐれ熟睡の母の土踏まず 淵脇護 河鹿 200510
終戦の玉音今も蝉しぐれ 沼口蓬風 河鹿 200510
特攻の兵の遺墨や蝉しぐれ 沼口蓬風 河鹿 200510
風模様寄らば大樹か蝉時雨 小牧弘治 河鹿 200510
蝉時雨一切忘れし球児戰 小牧弘治 河鹿 200510
大病院門を入れば蝉時雨 矢葺貞子 築港 200510
お囃子と競ふ社の蝉時雨 大関とし子 築港 200510
一日の始まり知らす蝉時雨 岡村容子 築港 200510
天然の目覚時計蝉時雨 内田せつ予 築港 200510
蝉時雨ラヂオの音を高くせり 大杉千津子 築港 200510
蝉時雨まつり終へたる総鎮守 青山悠 200510
欠落の頁を惜しむ蝉しぐれ 田中藤穂 あを 200510
鈴ヶ森お七焼くかに蝉しぐれ 芝尚子 あを 200510
一分の默黙祷の間の蝉しぐれ 木村茂登子 あを 200510
靖国は戦友とも待つ筵蝉時雨 有田蟻太 200511
蝉時雨止む黄昏の待ちぼうけ 山本千里 200511
とむらひの鐘の長崎蝉時雨 新井泰子 馬酔木 200511
笙の音に蝉しぐれ絶つ来迎会 佐藤いね子 馬酔木 200511
黙祷の長き一分蝉時雨 村松夏魚 200511
蝉しぐれ遠くになりし夫の声 中道錦子 200511
サッカーの果てて気づきし蝉時雨 南浦輝子 火星 200511
朝影の二の鳥居より蝉しぐれ 松本きみ枝 遠嶺 200511
城跡のだあれもゐない蝉時雨 稲嶺法子 遠嶺 200511
葬送の長き車列や蝉しぐれ 宮川迪夫 遠嶺 200511
清流の輝く段差蝉時雨 浅田光喜 対岸 200511
蝉時雨窓一つなき神輿殿 石川敬子 対岸 200511
手捻りの壺のゆがみや蝉時雨 浅田浦蛙 対岸 200511
蝉しぐれの中より蝉の落ちて来し 江本怜子 対岸 200511
青葉の笛厨子に拝して蝉しぐれ 門伝史会 風土 200511
蝉しぐれ座して生涯数珠つくり 中島瑞枝 百鳥 200511
蝉しぐれ読み上げ算の始まれり 中里とも子 百鳥 200511
蝉しぐれ無用の用の鎖樋 角直指 京鹿子 200511
芸猿の厚き返礼蝉しぐれ 禰寝瓶史 京鹿子 200511
蝉時雨只ひたすらに歩くのみ 水谷ひさ江 六花 200511
隣人の朝からカラオケ蝉時雨 水谷ひさ江 六花 200511
治水神社松に囲まれ蝉時雨 川瀬信子 築港 200511
青空のかけら眩しき蝉時雨 坪井洋子 200511
大の字に露天の風呂や蝉しぐれ 沼口蓬風 河鹿 200512
山の湯の玻璃戸にひびく蝉しぐれ 中元英雄 河鹿 200512
一木にあふるるほどの蝉しぐれ 前田道子 四葩 200512
南無阿弥陀仏一遍真筆蝉時雨 梅岡貴美子 200512
蝉しぐれ三万石の城下町 益田寿美子 春燈 200512
夫の忌や励ましと聞く蝉時雨 鈴木美鈴 酸漿 200512
躬の芯に集まつてくる蝉時雨 佐藤佐代子 200512
蝉しぐれ看取帰りの身の重く 川島道子 200512
蝉時雨森だんだんと近くなる 塙告冬 ホトトギス 200601
蝉時雨の中に一人ゐてひとり あさなが捷 200601
蝉時雨遠き消息聞くやうな 柳生千枝子 火星 200608
ジェット機の一過のあとの蝉しぐれ 鷹羽狩行 200609

 かな女・秋子・紗一の句碑あり

三代の句碑一山に蝉時雨

浜福恵 風土 200609
山荘の裏も表も蝉時雨 綿谷美那 雨月 200609
蝉しぐれ案内の若き僧に蹤き 鈴木多枝子 あを 200609
今日できることは今日して蝉しぐれ 藤田素子 火星 200610
蝉時雨割く一蝉の猛りやう 森岡正作 200610
安息の刻は短かし蝉時雨 小林朱夏 200610
蝉時雨世の音全て打ち消せり 苑実耶 200610
蝉時雨の真中どこに居ようとも 苑実耶 200610
蝉しぐれ韋駄天はまだ序の走り 豊田都峰 京鹿子 200610
大原や魚山声明蝉しぐれ 林日圓 京鹿子 200610
子規居士の出でし穴なし蝉時雨 神蔵器 風土 200610
幼子のしやがんで泣けり蝉時雨 坂本知子 酸漿 200610
鎌倉や寺社あるところ蝉しぐれ 野崎真一 200610
落日の名残の雲や蝉しぐれ 芝宮須磨子 あを 200610
黙祷の声にいや増す蝉時雨 泉田秋硯 200611
墓のみが故郷の絆蝉しぐれ 杉本綾 200611
陶工房へと蝉時雨掻い潜る 田村園子 200611
「猫又」といふ峡の駅蝉時雨 富沢敏子 200611
蝉時雨地獄の釜の滾るほど 万城希代子 200611
蝉時雨大樹の影の短さよ 中野京子 200611
蜩の一笛澄める蝉時雨 千手和子 馬醉木 200611
一樹いま沸点となる蝉しぐれ 薮脇晴美 馬醉木 200611
はるばると来たる山河や蝉時雨 島崎勇作 酸漿 200611
潮騒へふくらみゆける蝉時雨 今橋眞理子 ホトトギス 200612
蝉しぐれ一斉に止む涼しさよ 池崎るり子 六甲 200612
よみがへる真葛原や蝉しぐれ 山本正 京鹿子 200701
機音の絶えし河内の蝉時雨 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200702
大切な言葉消します蝉時雨 北川美美 200705
かむりゐる帽を突き刺す蝉時雨 林翔 200707
足早になる並木道蝉時雨 水谷ひさ江 六花 200709
蝉時雨→ 3      

 

2021年7月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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