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蝉鳴くや我が家も石になるやうに   一茶

  蝉の殻  落蝉  空蝉  蝉時雨  蝉の穴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
退院す蝉鳴く家へ足早に 岡野峯代 ぐろっけ 200111  
蝉の羽化刻々開く脱皮線 佐々木スガ子 ぐろっけ 200111  
蝉の昼触れれば笑ふ二重顎 小林玲子 ぐろっけ 200111  
眩むやせいのやいのと蝉おらび 杉山瑞恵 雨月 200112  
眼光を強む唖蝉抓まれて 杉山瑞恵 雨月 200112  
耳鳴りか蝉かをみなの力瘤 田村みどり 京鹿子 200112  
蝉声に押されて上る寺の磴 大森ムツ子 ぐろっけ 200112  
蝉を採る木戸侵入も早業で 岡野峯代 ぐろっけ 200112  
眠るにも要る体力や暁の蝉 坂本京子 200201  
掃き寄する蝉のじじっと鳴きにけり 江木紀子 雨月 200201  
蝉鳴いて樹上の鳥に食われけり 辻村拓夫 船団 200201  
夜の蝉天麩羅うどん食っている 小倉喜郎 船団 200201  
蝉の森八丁目まである番地 桐木榮子 船団 200201  
蝉の声何を告げたや啼きやまず 大森ムツ子 ぐろっけ 200201  
華蔵界蝉のむくろに陽は真上 中尾杏子 船団 200202  
蝉の木に囲まれている白い椅子 成定紋子 船団 200202  
初蝉や筆筒ペン皿使ひ分け 鷹羽狩行 200207  
大鼓の一打に蝉の落ちにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200207  
朝の蝉命の声を張りにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200207  
蝉の木を植ゑてやらねばならぬかな 梅田津 銀化 200207  
初蝉や明石海峡靄青き 野口伊久子 馬醉木 200208  
初蝉の一穂の涼透りけり 神蔵器 風土 200208  
初蝉や一握ほどの命なり 川端実 遠嶺 200208  
初蝉や一返信にためらへば 岡本眸 200208  
初蝉や乾きて白き屋根瓦 岡本眸 200208  
初蝉の一ト声に庭澄みにけり 宮原みさを 花月亭 200208  
千曲川痩せて蝉声渡り来る 宮原みさを 花月亭 200208  
太陽が近づいて来る蝉の声 中尾公彦 200209  
初蝉の声に迷ひのなかりけり 林裕子 風土 200209  
油切れして蝉声の落つる音 白岩三郎 馬醉木 200209  
鳴いてゐる蝉に故郷から電話 丸山佳子 京鹿子 200209  
念仏の山より和音蝉むくろ 宇都宮滴水 京鹿子 200209  
初蝉は要の松の木からして 一ノ瀬千恵 築港 200209  
太陽の似合ふ子今日も蝉捕りに 中源信子 築港 200209  
初蝉のまだぎこちなき声を聞く 辻井桂子 雲の峰 200209  
初蝉の翅の透きしを手に囲ふ 渡辺周子 雲の峰 200209  
蝉声のどつと湧きたつ小次郎碑 三好幸子 雲の峰 200209  
蝉多発喚きたてゐる一樹なり 大橋敦子 雨月 200209  
鳴かで果つ蝉の一と世を思ひやる 大橋敦子 雨月 200209  
年端ゆかねど蝉聲を聴き分くる 中原道夫 銀化 200209  
蝉と蝉ぶつかる空の狭き日よ まついひろこ 銀化 200209  
石踏んで石踏んで着く蝉の山 山田六甲 六花 200209  
胸に来て止る蝉あり朝づくり 長田秋男 酸漿 200209  
初蝉を聞きつリフトにゆられけり 東芳子 酸漿 200209  
竹帚十町さきの蝉のこゑ 佐藤喜孝 あを 200209  
しつこくて嫌々起きた蝉の声 篠田大佳 あを 200209  
蝉声や連れ立つ像の芭焦曾良 黒坂紫陽子 馬醉木 200210  
宿坊の蝉も加はる灯取虫 黒坂紫陽子 馬醉木 200210  
蝉声と競ふ応援太鼓かな 石本百合子 馬醉木 200210  
蝉手捕る得意の業も衰へぬ 小林清之介 風土 200210  
うはぐすりかけずたくまぬ蝉工房 林日圓 京鹿子 200210  
陶の技は無形文化財蝉涼し 林日圓 京鹿子 200210  
昼酒に痴れて初蝉聞き洩らす 藤岡紫水 京鹿子 200210  
夜蝉鳴き月の在り処を尋ねけり 宮津昭彦 200210  
田楽舞の笛と競へり深山蝉 横林誠二 200210  
蝉取るに骨折せし猫入院せり 高橋洋子 200210  
鳴きうつりまた鳴く蝉や微笑仏 阿部ひろし 酸漿 200210  
雨上り蝉一斉に声を張る 池部久子 酸漿 200210  
日中なる蝉のはかなさ聞きゐたる 小松鈴子 酸漿 200210  
初蝉を耳に残して戻りけり 大野ツネ子 酸漿 200210  
十匹の蝉の居並ぶ幹太き 橋本光子 酸漿 200210  
耳しひに蝉声遠くなりにけり 伊沢山ウ瓏 酸漿 200210  
大樹あり今百の蝉鳴きはじむ 菊地惠子 酸漿 200210  
初蝉や石段のまだ濡れてをり 藤井淑子 百鳥 200210  
朝の蝉バス停までを走り抜く 徳永真弓 百鳥 200210  
街路樹の等間隔に蝉の声 佐野布娑 雨月 200210  
一万坪の邸の蝉声噴き上ぐる 阪上多恵子 雨月 200210  
初蝉やリフト横目の男坂 鳴海清美 六花 200210  
最初はぐうつぎつぎ蝉をこぼしつつ 梶浦玲良子 六花 200210  
蝉生る山に狼煙の立ちにけり 松原仲子 200210  
身のうちのねむり薬や夜の蝉 松原仲子 200210  
蝉声の沁みしシーツの横たはる 藤井晴子 200210  
夜の蝉鳴きいそいでは死に急ぐ 松井のぶ 200210  
あふむけに蝉のなきがら日照雨来る 長山野菊 雲の峰 200210  
蝉生る当尾の風になじみつつ 谷野由紀子 雲の峰 200210  
鵺塚を覆ひつくしぬ蝉の声 飯塚ゑ子 火星 200210  
蝉がらの一つは雨に汚れけり 伊藤多恵子 火星 200210  
いつよりの唖蝉一つ戸袋に 桑田眞佐子 火星 200210  
蝉声の扉に力ありにけり 嵯峨根鈴子 火星 200210  
蝉声にトマトソースのよくからむ 山崎未可 銀化 200210  
竹林のぶ厚きに沁む蝉のこゑ 加瀬美代子 200210  
直立の幹より昏るる蝉の森 松岡隆子 200210  
登りきて奈落の蝉の沸騰す 刈米美代子 200210  
一蝉にして鳴き澄める朝浄ら 有働亨 馬醉木 200211  
昼蝉の声みなぎりて地の乾き 有働亨 馬醉木 200211  
一ト呼吸おき夕蝉の鳴き出づる 有働亨 馬醉木 200211  
夕蝉の失意の声を聴かんとす 有働亨 馬醉木 200211  
もうおやすみ鳴き渋りゐる夜の蝉 有働亨 馬醉木 200211  
蝉晴朗拝眉かたがた勧修寺 丸山佳子 京鹿子 200211  
蔵之助の一服岩も蝉涼し 丸山佳子 京鹿子 200211  
蝉涼し京の一日無為にせず 佐藤香女 京鹿子 200211  
推敲の目つむりをれば夜鳴蝉 有山八洲彦 200211  
遠蝉となりて誰かを恋うてをり 島崎晃 遠嶺 200211  
蝉鳴くやふんはり朝のオムレット 祐森彌香 遠嶺 200211  
蝉の声読経の声に合せけり 唐戸正子 帆船 200211  
裏参道安住の声蝉の声 中島一管 築港 200211  
蝉声をひつ攫ひしは何ならむ 出原博明 円虹 200211  
風じめりせし夕ぐれの蝉拾ふ 城孝子 火星 200211  
蝉山河西風ばかり吹いてゐる 水野恒彦 200211  
とび出して蝉の骸の眼かな 竹内悦子 200211  
今死にし蝉赤かりし百度石 黒田咲子 200211  
蝉の骸返して水辺去りがたし 鈴木恭子 200211  
朝蝉の声つきぬけて雨戸かな 鳴海清美 六花 200211  
初蝉や肩に電気の治療院 松本文一郎 六花 200211  
蝉の声今日の予定を復唱す 岩松八重 六花 200211  
ソロで鳴く蝉に聞きほれいたる午後 岩松八重 六花 200211  
眼張り鳴く蝉の声聞きとむる 江木紀子 雨月 200211  
遠雷や掌の中の蝉蹴りつづく 渡邉友七 あを 200211  
蝉鳴いて独りを噛みしめゐたりけり 櫻井多恵 200211  
人に囲まれ唖蝉に徹しをり 木内憲子 200211  
夜の蝉の衰へ知らぬ文書けり 濱地恵理子 200211  
蝉を持つ曽孫の眼かがやける 熊口三兄子 ぐろっけ 200211  
落葉松の風にまじりて蝉の声 蔵本博美 ぐろっけ 200211  
母の忌やいつしか蝉の声聞かず 蔵本博美 ぐろっけ 200211  
飛ぶ蝉を鳥銜へ去る蟹の路地 木船史舟 200212  
被爆地の地より湧き出づ蝉のこゑ 瀬戸悠 風土 200212  
蝉声をはじき盥漱盤の水 武友朋子 200212  
四十年ぶりに石見の夜蝉聴く 佐藤美恵子 ホトトギス 200212  
母と子の見てゐて蝉の生まれけり 加藤あけみ 円虹 200212  
唖蝉の肉もて鳴くや五指の中 寺田千代子 京鹿子 200212  
けふからは嬰も氏子よ蝉涼し 佐藤香女 京鹿子 200212  
社古り百済王恋ふ蝉つのり 池田倶子 雨月 200212  
掌に一声鳴きて蝉果てし 藏本博美 ぐろっけ 200212  
岩風呂の男女を隔つ岩に蝉 松木清川 ぐろっけ 200212  
宿題の子に蝉が鳴き虫が鳴き 嶋崎茂子 百鳥 200212  
暮れ六つの鐘蝉声に紛れけり 飛高隆夫 万象 200212  
よさこいの熱気負けじと残る蝉 青木久子 遠嶺 200212  
梅雨明やはや蝉の鳴く有為の山 福盛悦子 雨月 200301  
しんしんと離島の蝉は草に鳴く 山田弘子 草の蝉 200305  
一緒には死んでやれない夜の蝉 松山律子 六花 200307  
朝の間に脱皮をいそぐ蝉みどり 関口ゆき あを 200307  
使ひ捨て傘でつつけり蝉のあな 山田六甲 六花 200307  
夕蝉のこゑ身ほとりに二階かな 鷹羽狩行 200308  
母恋しの弔上げ句碑に蝉鳴けり 松崎鉄之介 200308  
正宗廟蝉が甲冑脱いで生る 河村岳葉 築港 200308  
蝉ちちと鳴きてはるけし吉野朝 朝妻力 雲の峯 200308 吉野・南朝址
梅雨蝉や斑鳩寺の松の空 山田六甲 六花 200308  
初蝉のいま朗々と名乗りいづ 斎藤道子 馬醉木 200309  
蝉の声弓作るてふ木を見上ぐ 梅谷昌弘 雲の峰 200309  
陵をゆるがせに蝉鳴きつづく 浅川正 雲の峰 200309  
朝より蝉鳴き一日始まりぬ 中井久子 雨月 200309  
蝉鳴くや目覚し時計などいらぬ 中井久子 雨月 200309  
蝉の羽化何を狂ひし白昼に 東野鈴子 雨月 200309  
息ひそめ見守る子等に蝉の羽化 熊岡俊子 雨月 200309  
ひろひ読む一書に窓の蝉涼し 熊岡俊子 雨月 200309  
蝉の子やうつせみいろに暁の空 丸山分水 200309  
蝉飛ぶきはに尿かけられし腕かな 石脇みはる 200309  
蝉鳴ける我が人生に狂ひなし 塩川雄三 築港 200309  
関所跡にて蝉の声聞きゐたり 伊藤政子 築港 200309  
霧雨に初蝉鳴けり登山口 大内恵 酸漿 200310  
初蝉はかなかななりし街に聞く 大内恵 酸漿 200310  
鳴く蝉に耳貸す人の絶えてなし 村田さだ子 酸漿 200310  
初蝉の殊更の声罷り候 泉田秋硯 200310  
旅立ちか死か蝉声の突如止む 泉田秋硯 200310  
今鳴かねばいま鳴かねばの蝉の声 大橋敦子 雨月 200310  
このひたすらなるもの蝉の他を知らず 大橋敦子 雨月 200310  
大寺は宗祖の生家蝉涼し 磯野しをり 雨月 200310  
水の神祀る小祠蝉涼し 葛馬房夫 雨月 200310  
野外能の陰囃子とも夜の蝉 出口賀律子 雨月 200310  
無防備の極まる蝉の羽化なれや 密門令子 雨月 200310  
一切を無視して蝉の羽化進む 密門令子 雨月 200310  
その刻を月に放心羽化の蝉 密門令子 雨月 200310  
月光に生れたる蝉の濡れてゐる 密門令子 雨月 200310  
我が庭の蝉の誕生祝がむかな 密門令子 雨月 200310  
蝉絶唱我も心経ひた唱へ 島本よし絵 雨月 200310  
はや蝉やチッチチッチとせきたてる 平松かをる 六花 200310  
朝粥のお代り蝉の囃しけり 大串章 百鳥 200310  
一幹にびつしり蝉の列なせる 英龍子 百鳥 200310  
蝉生れて大合唱に加はりぬ 薬師神和美 百鳥 200310  
初蝉や制限時間せまりくる 江坂衣代 百鳥 200310  
猫がとりし蝉をとりあげ放しけり 安部里子 あを 200310  
八月の初蝉なりし遙かなり 伊藤白潮 200310  
体当りせり命終の近き蝉 伊藤白潮 200310  
蝉生る精神医学研究所 戸田和子 200310  
初蝉や筆の先より句の生れ 斉藤小夜 風土 200310  
初蝉や筆たをやかに晶子の書 宮川みね子 風土 200310  
どの蝉も一流気分御所九門 丸山佳子 京鹿子 200310  
蝉の羽化みるみる眼鏡曇りけり 小橋末吉 対岸 200310  
松百幹蝉の止る木止らぬ木 泉京子 帆船 200310  
初蝉や夫婦の会話また始む 秋田谷明美 帆船 200310  
蝉鳴かず声を聞かせよこの寒さ 福島とみ 帆船 200310  
蝉鳴けりわづかな日差し捉へては 大石登志美 築港 200310  
初蝉のか細き声や父の忌に 大森玲子 築港 200310  
朝蝉の羽震はして鳴き通す 岡村容子 築港 200310  
限りある命寄り添ふ恋の蝉 岡村容子 築港 200310  
蝉の声ケーブル下で止まれる 井上輝男 築港 200310  
腕白のポケツトに鳴く蝉の声 宮村操 築港 200310  
晩年や蝉声に背を押され歩し 加瀬美代子 200310  
はたと蝉落ちて山門ゆるぎなし 青野れい子 200310  
山路来て火の声水の声の蝉 西宮舞 200311  
流れ来て海へ拡がる蝉の声 桑島啓司 200311  
千年を在す仏に蝉鳴けり 小林優子 酸漿 200311  
蝉声の日射せば力みなぎれる 井口初江 酸漿 200311  
灯を恋うて網戸を打てる蝉のあり 石川元子 酸漿 200311  
宵闇の大昌寺坂に蝉の声 中村輝子 酸漿 200311  
大寺に来て蝉声の無礼講 塩川雄三 築港 200311 永平寺
夕晴れて一日分の蝉の声 小谷五百子 築港 200311  
りんりんと鳴き響みるは山蝉か 市場基巳 200311  
蝉声の中の別れや一輛車 木下ふみ子 馬醉木 200311  
蝉の木の下で蝉より泣いてゐし 辻直美 200311 蝉 →3

 

2019年8月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。