13     100句

蝉鳴くや我が家も石になるやうに    一茶

  蝉の殻  落蝉  空蝉  蝉時雨  蝉の穴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
病院を出でて聴き分く蝉の声 大野芳久 やぶれ傘 201710
樹に戻す脱皮まぢかの残り蝉 大野芳久 やぶれ傘 201710
蝉を追ふ少年たちの網真白 青木朋子 201712
初蝉や蛇口の水の絡みつく 宮井知英 201712
熊蝉や昼餉仕度の水の音 宮井知英 201712
胸元を鯛の唇過ぐ蝉丸忌 タチオカ帽子 船団 201802
波音のほかにときをり法師蝉 戸栗末廣 201801
結論は後日申さむ法師蝉 田岡千章 201801
石鉢の猫の水場に蝉氷 田中繁夫 末黒野 201804
鳴き終へて腰落としけり法師蝉 角野良生 201803
よーじやのあぶらとり紙油蝉 中井保江 船団 201805
くま蝉の下でじんじん待ってます 中谷三千子 船団 201805
カラスが蝉を老いがわたしを追っかける 梨地ことこ 船団 201805
外回りへざつと箒を朝の蝉 ふけとしこ 船団 201805
田水入り夜を鳴き継ぐや春蝉の 大日向幸江 あを 201805
白壁に吸ひ込まれゆく蝉の声 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
その奥もその奥もその奥も蝉 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
蝉の声礁に落ちて能登金剛 大沢美智子 旬日 201808
法師蝉よき一本に恵まれて 沼田巴字 京鹿子 201808
山荘の滞在長し法師蝉 稲畑汀子 ホトトギス 201808
気にかかる消息聞きぬ法師蝉 稲畑汀子 ホトトギス 201808
熊蝉を聞けば故郷近付ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
法師蝉静雲句碑を震はせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
虚子像にうすき胸あり法師蝉 今井肖子 ホトトギス 201809
蝉咽ぶ高らに唄ふことを止め 川村欽子 雨月 201809
標本の蝉の眼にある浄土 平野多聞 201809
蝉声の耳鳴りつづく神の昼 丸井巴水 京鹿子 201809
熊蝉の裏も表も見て放つ 柴田佐知子 201809
蝉捕って一日だけの元家族 火箱ひろ 201809
被爆ドームより呻吟の油蝉 和田照海 京鹿子 201810
歯切れ良き蝉声朝の食勢む 松本鷹根 京鹿子 201810
本籍は寺苑にをさめ蝉の寺 村田あを衣 京鹿子 201810
蝉が雀に追はれあはやの横つ飛び 大畑善昭 201810
蝉の羽化翔ちし一瞬見損じる 川村欽子 雨月 201810
横移動してまた蝉の鳴き直す 田尻勝子 六花 201810
蝉の空樹々の波打ちゐる高さ 落合絹代 風土 201810
蝉の声まつすぐ立てる古墳群 雨宮桂子 風土 201810
蟻に曳かるる蝉よ舌噛め呼吸を絶て 片桐てい女 春燈 201810
蟻に曳かるる蝉は骸となれずゐて 片桐てい女 春燈 201810
閑適や蝉声まばら日は斜め 櫻本武志 末黒野 201810
夕蝉の声弱々し直ぐに止む 小川玉泉 末黒野 201810
命果てなぜ仰向けの油蝉 七郎衛門吉保 あを 201810
逝くや夜を庭の駄蝉の鳴き継げる 荒井千佐代 201811
夕蝉や振り向かぬ子の目に涙 仲里奈央 201811
熊蝉の腹なり六波羅密寺かな 竹内悦子 201811
片羽を残してありし蝉の葬 久保夢女 201811
限りある命や蝉よ鳴き尽くせ 大橋晄 雨月 201811
法師蝉近し地蔵に声しぼり 谷村祐治 雨月 201811
法師蝉墓仕舞せし墓の後 秋友昌子 雨月 201811
女院御所へこゑ遠まきに法師蝉 塩貝朱千 京鹿子 201811
再診の紹介状や残る蝉 鈴木石花 風土 201811
蝉涼し熱き茶ほしくなりにけり 宮川みね子 風土 201811
訃は突然そこへいきなり法師蝉 松本峰春 春燈 201811
落ちてまたはじめから鳴く法師蝉 松本峰春 春燈 201811
独り寝の枕に近し夜の蝉 川崎雅子 春燈 201811
最後迄律儀に鳴けり油蝉 中上馥子 春燈 201811
死す蝉を腕白順に拝みけり 住田千代子 野に遊ぶ 201811
夜の蝉ギリシャ悲劇を見てきたと 梨地ことこ 船団 201812
蝉の声あらず淋しき目覚めかな 志方章子 六花 201812
法師蝉天動説を唱へをり 高木晶子 京鹿子 201812
万雷の蝉の中なる戻り橋 亀井福恵 京鹿子 201812
蝉蟻の群の伸縮沼の上 森清堯 末黒野 201812
四方より蝉の声湧く城址かな 森清信子 末黒野 201812
法師蝉日の斑の揺るる大欅 岡野里子 末黒野 201812
まどろむや耳にやさしき法師蝉 河口知重 末黒野 201812
寒蝉のなきがら庭に埋めけり 小川玉泉 末黒野 201812
閼伽桶の出払つてをり法師蝉 小川玉泉 末黒野 201812
法師蝉門を出でずに鳴きにけり 橋本順子 201812
恋におち愛に溺れて蝉が逝く 竹村淳 201812
初蝉のひと鳴きを聞く母郷かな 山下健治 春燈 201812
法師蝉道なりに来て道失せぬ 平沢恵子 春燈 201812
蝉の声ややおとろへし朝の森 岩井京子 201902
弱りたる蝉わが元へ歩み来ぬ 岩井京子 201902
羽化の蝉翅の先へと脈通す 秋千晴 201902
法師蝉初鳴き美術館出でて 大山夏子 201904
蝉声や自給自足で不自由なし 江口九星 201904
孔子の顔カントの声や蝉の鳴く 佐藤恭子 あを 201906
万物の動かざるとき蝉の声 水野恒彦 201908
松蝉やほったらかしの湯に入る 須賀敏子 あを 201908
日照雨過ぎ蝉鳴ききそふ喜雨亭忌 根岸善雄 馬醉木 201909
蝉の木を見上げてをれば妻寄り来 土井三乙 風土 201909
熊蝉の万の声明広島忌 柴崎富子 白地 201909
神霊のこゑ初蝉の白峯宮 鈴鹿呂仁 京鹿子 201909
妻逝かせ母逝かしめぬ法師蝉 工藤義夫 馬醉木 201910
筆換へて写経はかどる法師蝉 狭川青史 馬醉木 201910
千匹の蝉鳴く山の目眩かな 亀田虎童子 201910
降り立ちて初蝉を聴く夕かな 柳田秀子 201910
初蝉の昨日の今日は声探す ふなかわのりひと 201910
初声にしては短かし法師蝉 小川玉泉 末黒野 201910
夕蝉やをとこの別れ握手して 石川笙児 201910
風黙す蝉の脱ぎたて地中服 安藤しおん 201910
生真面目は時に厄介蝉つぶて 安藤しおん 201910
突と蝉小公園を鳴き始む 大橋晄 雨月 201910
蝉籠の中より出たし出たしとぞ 大橋晄 雨月 201910
寂しげに大公園の法師蝉 大橋晄 雨月 201910
初蝉の一声を聞く朝厨 服部珠子 雨月 201910
初蝉を聞く山内の雨上り 本多正子 雨月 201910
蝉声や命の今を懸命に 金森信子 雨月 201910
かすかなる初蝉聞くや城跡に 野上あつ子 雨月 201910
握らせて子の五指に蝉余りけり 升田ヤス子 六花 201910
蝉→14      

 

2021年7月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。