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撞鐘もひびくやうなり蝉の声   芭蕉
作品
作者
掲載誌
掲載年月
虫籠に力の限り鳴ける蝉 永田万年青 六花 201910
曇天に変らず鳴くや油蝉 石川憲二 六花 201910
夏すだれそのむこうから蝉のなく 北村ちえ子 六花 201910
朝蝉や今日はじめよと催促す 長崎桂子 あを 201910
法師蝉のクレッシェンドに急かさるる 赤座典子 あを 201910
住む人のなきお屋敷の法師蝉 笹倉さえみ 雨月 201911
初蝉の洗礼浴ぶる朝散歩 荻巣純子 雨月 201911
初蝉の添ひ来靖国神社かな 辻由紀 雨月 201911
全島の蝉声を曳き渡船いづ 小田司 馬醉木 201911
松蝉の鳴きゐる方へ回り道 萩原久代 やぶれ傘 201911
初蝉の鳴いていよいよ日に力 兒玉充代 201911
町裏や蝉の悲鳴を鵙追うて 亀田虎童子 201911
一心に鳴く夕蝉や雨上がる 木村梨花 春燈 201911
白壁の土蔵の罅や法師蝉 小林紫乃 春燈 201911
朝の蝉墓の仏を覚ますがに 向井芳子 春燈 201911
黙祷の窓に寄る蝉父かとも 廣瀬克子 春燈 201911
日暮れむとみんみん蝉の名調子 大畑善昭 201911
どの家も垣めぐらさず法師蝉 黒滝志麻子 末黒野 201911
初蝉や雨の止み間の雑木山 菅野日出子 末黒野 201911
街騒の届く渓谷蝉の声 今村千年 末黒野 201911
法師蝉鳴き出づ妻の七回忌 小川玉泉 末黒野 201911
雑念に入ることせず蝉の声 高木晶子 京鹿子 201911
落蝉のばたつかせゐる命かな 笹村政子 六花 201911
初蝉や話とぎれし時聞こゆ 志方章子 六花 201911
朝蝉の声もくもくと樹となれり 廣畑育子 六花 201911
仰向けの啼かずじまひの油蝉 大内幸子 六花 201911
閑かさや蝉のたぢろぐ昼下り 菊谷潔 六花 201911
法師蝉眼鏡外して聴きにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201911
法師蝉二三度鳴いてそれつきり 白石正躬 やぶれ傘 201911
昨日より声のととのう油蝉 中山未奈藻 201912
法師蝉もとのひとりとなりて聴く 橋添やよひ 風土 201912
蝉ぴたと鳴き止む刻の潔し 近藤紀子 201912
初蝉や雨垂れ光る堂庇 佐俣まさを 春燈 201912
参道の薦樽ゆかし法師蝉 田中嘉信 春燈 201912
島ひとつ割れんばかりに蝉鳴くよ 今井千鶴子 ホトトギス 201912
島裏は波ひたひたと蝉涼し 今井千鶴子 ホトトギス 201912
思ひ出はただ蝉の声ばかりなる 今井千鶴子 ホトトギス 201912
最後まで話は聞けと法師蝉 齊藤實 201912
蝉の声辿りて行けば家の壁 本郷美代子 やぶれ傘 201912
落蝉の声の欠片を拾ひけり 住田千代子 六花 201912
理髪店出る胸板へ蝉の圧 谷さやん 船団 201912
臨終の蝉と行き合ふ念仏寺 井尻妙子 京鹿子 201912
鳴き移る龍子旧居の法師蝉 大久保白村 ホトトギス 202001
大声の蝉にくぐるや盧舎那仏 竹下陶子 ホトトギス 202001
蝉の森投網のなかをゆくごとし 井原美鳥 202001
法師蝉急出立の声残し 森清堯 末黒野 202001
熊蝉のいけしやあしやあと他を圧す 松尾龍之介 202002
松蝉や名刹裏の湯殿あと 落合由季女 雨月 202001
極まれば蝉天網をはじくなり 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
塀越しの連蝉の音や落葉道 黒滝志麻子 末黒野 202002
言の葉を奏でるやうに法師蝉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
谺する声に色あり法師蝉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
松蝉と気づきたるより庭案内 稲畑汀子 ホトトギス 202007
一斉に蝉の季節のはじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 202007
松籟といふ松蝉のロ短調 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
油蝉空をおほひて鳴きにけり あさなが捷 202007
松蝉に風と波音和してをり 加藤みき 202007
言の葉を奏でるやうに法師蝉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
谺する声に色あり法師蝉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
蝉生るる西院さいの河原の無縁仏 鈴鹿呂仁 京鹿子 202008
松蝉にも吉日のあり声そろふ 近藤喜子 202008
もう飛べぬ手のひらの蝉如何にせむ 森清信子 露の堂 202008
蝉鳴けり雨のあがるを待ちきれず 本多遊方 春燈 202009
東塔の勝ちけり蝉の鳴き相撲 山田六甲 六花 202009
明けの蝉明けの烏と密に鳴く 七郎衛門吉保 あを 202009
逆上り初めて出来て蝉生る 赤座典子 あを 202009
長梅雨や蝉を待つ子に思ひ馳す 七郎衛門吉保 あを 202009
初蝉やミーンミンミン高らかに 田中藤穂 あを 202009
ヒロシマの蝉は鳴かずに祈りとす 和田照海 京鹿子 202010
雨あがりどつと陽の射す蝉の声 松本鷹根 京鹿子 202010
梅雨蝉の空気の重きひとり啼き 奥田筆子 京鹿子 202010
蝉の木の揺れむばかりに大社 安田優歌 京鹿子 202010
褐色の声は地の声油蝉 森村江風 202010
抱かれし児の手ひらひら法師蝉 西住三惠子 202010
灯を乞うて窓打つ夜蝉奈落めく 能村研三 202010
ひとつ木が鳴けばどの木も蝉の木に 辻美奈子 202010
山寺の蝉は早寝や月欠けて 山田六甲 六花 202010
初蝉の途切れ途切れてそれつきり 大内幸子 六花 202010
初蝉の鳴くや忽ち風に散り 浜田久美子 六花 202010
くま蝉シャシャシャ病棟のあの一樹 篠田純子 あを 202010
蝉の声夜はいつしか虫の音に 田中藤穂 あを 202010
ゆらゆらと運ばれてゆく蝉の羽根 大崎紀夫 やぶれ傘 202010
宝くじ売り場の前に蝉死んで きくちきみえ やぶれ傘 202010
しやわしやわとみんみんと蝉ふるさとは 青谷小枝 やぶれ傘 202010
初蝉のこゑを聞きをり窓越しに 松村光典 やぶれ傘 202010
DNAに虐待のきず法師蝉 篠田大佳 あを 202010
法師蝉もやしの尻尾取りをれば 丑久保勲 やぶれ傘 202010
昼暗きロッジ松蝉鳴き競ひ 和田慈子 末黒野 202011
仮の世を急きて騒がし油蝉 森清信子 末黒野 202011
乱心か夢かひとこえ真夜の蝉 近順紀予 202011
釈迦釈迦と釈迦釈迦と聞く蝉の声 久保夢女 202011
しみじみと時歌ひをり法師蝉 柴田靖子 202011
宿題はまだかまだかと法師蝉 高野昌代 202011
昏鍾を誘ふごとく法師蝉 内藤静 風土 202011
残る蝉全て招きし大樹かな 高木嘉久 202011
黙祷にいつせいに鳴く法師蝉 能美昌二郎 202011
鳴き了へて蝉の魂魄のこりけり 栗坪和子 202011
いつせいに鳴き始む蝉いのち燃ゆ 矢野美沙子 202011
吹割のしぶく水合ひ法師蝉 浜崎喜美子 202011
残る蝉いのち惜しみて夜を鳴く 小倉陶女 春燈 202011
蝉 →1

 

2021年7月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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