立 冬 1    214句

立冬のことに草木のかがやける   沢木欣一

冬立つ  立冬  冬に入る  冬来る  今朝の冬

作品
作者
掲載誌
掲載年月
立冬の椴松秀立つ旧火口 岡田貞峰 馬醉木 199901
立冬の壁に北斎小禽図 川井政子 風土 199901
立冬の十時の影を落とす橋 奥田節子 火星 199902
立冬の指先の冷陶器市 金田きみ子 199902
立冬や温水プールにカード挿す 島崎晃 遠嶺 199903
立冬の汽笛は海を漂よへり 吉村玲子 船団 199903
立冬や天地無用の荷をくくる 渡辺よし生 風土 199907
立冬や昨日につづく朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 199911
立冬の青空立冬のボールペン 小倉喜郎 船団 199912
立冬や難波の宮の朝ぼらけ 伊藤重美 俳句通信 200001
立冬や喉ごしやはき奈良茶粥 東尾G子 馬醉木 200002
立冬の潮ふくらみぬ沖生簀 石本秋翠 馬醉木 200002
立冬の日が走り根の先にかな 杉浦典子 火星 200002
立冬の性根を据える山根魚 木村和彦 海程 200002
心経譜んじ立冬の身を澄ます 安藤和子 海程 200002
立冬を諾ふ雨となりにけり 松尾白汀 円虹 200002
立冬や雨降りながら夕茜 松尾白汀 円虹 200002
立冬の脂の乾ける大樹かな 関根洋子 風土 200002
立冬の机に拡げ星座表 田中藤穂 水瓶座 200002
立冬や石の上にて果てし蜂 宮下秀昌 春耕 200002
立冬や俄仕込みの麹味噌 小林光美 春耕 200002
うそのように立冬静か美食の馬 関由紀子 海程 200004
立冬も過ぎし日暮の風の音 浅野恵美子 酸漿 200101
立冬や籾殻ちらす放ち鶏 井出智恵子 春耕 200101
立冬の寒山拾得まつくろけ 中原道夫 銀化 200101
立冬や朝な夕なに訃報聞き 山本潤子 いろり 200101
立冬の落日赫つと八ヶ岳を染め 樋口英子 200101
子等よりて百一歳を祝ぐ立冬 高橋ちよ 200101
立冬の闇ふくらます出船かな 松本茶昂 火星 200102
立冬の太平洋の縁にゐる 杉浦典子 火星 200102
立冬やひとりに自動案内機 和田照海 京鹿子 200102
立冬のもやをまとへる大樹かな 斉藤利雄 遠嶺 200103
立冬の富士黒々とありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200111
立冬や時々乱れ心電図 浅井千鶴子 いろり 200112
立冬や植木囲いの藁細工 渡邊仁 いろり 200112
立冬の梁椿象のみどりなる 山尾玉藻 火星 200201
立冬のしまなみ海道虹立てり 富田志げ子 酸漿 200201
立冬の文学館に薔薇咲けり 三井公子 酸漿 200201
祈るさまして立冬の髪洗ふ 佐野美智 200201
立冬の出涸らし二杯くわりんたう 中原道夫 銀化 200201
立冬の鼻ひくひくと汀かな 雨村敏子 200202
立冬の一天玉のごとく明け 和田敏子 雨月 200202
立冬の風すさぶ日の訃報かな 久保晴子 雨月 200202
立冬の小さき花がら摘みにけり 池崎るり子 六花 200202
立冬や二つ三つ咲く夾竹桃 城孝子 火星 200202
立冬の襖の竜の墨雫 浜口高子 火星 200202
立冬の空限りなく澄みゐたり 鈴木夢亭 春耕 200202
立冬の山懐に鯉を食む 山田禮子 遠嶺 200202
立冬やときめきこめて旅鞄 府川房江 遠嶺 200202

 『立冬』序句

立冬や青いさぎよき松と竹

鷹羽狩行 200204
あたたかき立冬鵯もおほらかに 沖倉好秋 酸漿 200204
立冬や鎚に巻かれし紅絹のきれ 藤井勢津子 200208
立冬や足湯ある駅国訛 木村幸子 帆船 200301
立冬やまだ定まらぬ航海図 寺内佶 遠嶺 200302
立冬や壁にピアノが黙しをり 長志げを 遠嶺 200302
立冬の粥の上澄みほのあかし 浜口高子 火星 200302
立冬の大きな入日見てゐたり 土屋酔月 火星 200302
立冬の水に沈みしものあまた 雨村敏子 200302
立冬の雲動かざる入鹿塚 鎌田つた枝 築港 200302
立冬や空に抜けゆくメタセコイヤ 木山杏理 京鹿子 200302
立冬の雲とどまれり杉木立 糸井芳子 200302
立冬と言ふためらひの苑に入る 浅井青陽子 ホトトギス 200303
放課後の星立冬の星となる 山井寛子 ホトトギス 200303
立冬の空に金星吹き付けし 山井寛子 ホトトギス 200303
立冬の富士でありけり裾引いて 加藤晴子 ホトトギス 200303
茹であがる蛸立冬の色そそる 小西龍馬 ホトトギス 200303
立冬の北のくらしにぬかりなし 小西龍馬 ホトトギス 200303
立冬の天一枚の色となる 塙告冬 ホトトギス 200303
立冬の空へ尖りてビルの角 塙告冬 ホトトギス 200303
立冬や妻も嗜む食前酒 柴原保佳 ホトトギス 200303
立冬の無風の宵でありにけり 柴原保佳 ホトトギス 200303
立冬や歩むより影現はるる 河内桜人 京鹿子 200303
立冬や禅堂にある血の手形 河内桜人 京鹿子 200303
山に凭れて立冬の山の影 丁野弘 200311
立冬の風を集めて隅田川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200311
立冬や三百六十五分の一 稲畑廣太郎 ホトトギス 200311
いつとなく立冬過の二三日 阿部ひろし 酸漿 200312
立冬や風騒ぎだす壁に耳 鈴鹿仁 京鹿子 200312
立冬や逆潮にのる鳥の群 加藤みき 200401
立冬の今宵耳鳴の音違ふ 三由規童 雨月 200401
立冬の犬の毛を梳く堤かな 岡田万壽美 雲の峰 200401
立冬や峠越え来る薬売り 淵脇護 河鹿 200402
立冬や真紅の靴を買ひ求む 高橋瑛子 河鹿 200402
立冬の赤き馬穴に砂入れて 雨村敏子 200402
立冬の風とほりけり馬の首 雨村敏子 200402
立冬の抽斗匂ひ袋かな 谷村幸子 200402
立冬の薬湯に四肢伸ばし切る 伊藤白潮 200402
立冬のくもり硝子にさす陽かな 長谷川守可 百鳥 200402
立冬や波にさらはれさうな吾 中元英雄 河鹿 200403
立冬の灰吹かれたる脛腓 雨村敏子 200403
立冬の空つらぬきし杉木立 小澤克己 遠嶺 200403
おだやかに明け立冬の日曜日 木村茂登子 あを 200412
立冬や風に打ち合ふ舫ひ船 山本昭夫 雲の峰 200501
立冬のいつもの路地やけふも曲る 定梶じょう あを 200501
立冬や一本足の杭に鳥 鷹羽狩行 200501
立冬や紙のコツプの固さにも 宇都宮滴水 京鹿子 200501
立冬や伝説の湯に浸かりをり 岡田有峰 築港 200501
立冬や風に研がれし熔岩の貌 西屋敷峰水 河鹿 200502
立冬や亀のあくびを見てゐたり 東福寺碧水 万象 200502
立冬の日差し病夫の額の上に 杉山瑞恵 雨月 200502
立冬の空へ突き出す撞木かな 松たかし 火星 200502
立冬やシートベルトのカチと鳴る 元田千重 火星 200502
立冬の明治通宝朱の文字 林日圓 京鹿子 200502
立冬の子の個室よりタンゴかな 吉村一郎 百鳥 200502
立冬の紙幣を戻す券売機 田村園子 200502
黄色い自転車立冬の先頭に 高田令子 200502
立冬の手先に溜る静電気 北圃愛子 帆船 200503
立冬の寝返り打ちし骨の音 坊城俊樹 ホトトギス 200503
立冬を思ひ知らせる波がしら 泉田秋硯 黄色い風 200505
立冬の天気図いまも地震続く 若泉真樹 200505
立冬の金属音でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
稿債を質す立冬とはなりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200511
立冬といふも実感なき陽気 稲畑汀子 ホトトギス 200511
立冬の雀のこゑのつつがなし 瀬戸悠 風土 200511
立冬の月皎々と朴の槍 富安風生 200511
瑞牆山けさ立冬の座に就けり 有働亨 馬醉木 200601
立冬の石ころの影濃かりけり 渡辺鮎太 200601
靄湧いて明日立冬の港町 坪井洋子 200601
立冬といふ朝刊の香なりけり 福地初江 200601
立冬や三条大橋鳥瞰図 石脇みはる 200602
立冬の柩の点火ボタンかな 栗栖恵通子 200602
立冬や円空仏の鉈の跡 川端正紀 春潮 200602
立冬の土鍋の底に罅二本 小林眞彦 遠嶺 200602
立冬のこの暖かき路地を掃く 廣瀬義一 雨月 200602
立冬の月に胡砂とはいぶかしき 廣瀬初枝 雨月 200602
立冬や早出の朝のあたたかき 坂本幸子 酸漿 200602
立冬の城の日時計陰にぶし 津田霧笛 ぐろっけ 200602
立冬や言ひ訳ほどの通り雨 小野寺節子 風土 200602
体臭が消え立冬の蒼い空 伊藤希眸 京鹿子 200603
立冬と聞けば川風ビルの風 稲畑汀子 ホトトギス 200611
立冬やこれよりどつと逃ぐる日々 稲畑汀子 ホトトギス 200611
立冬の午後は忘るる日和かな 稲畑汀子 ホトトギス 200611
立冬の昨夜は三河に心馳せ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
立冬や男と言へど針しごと 堀内一郎 あを 200611
立冬や光転がる屋根の上 高倉和子 200612
立冬の風をさまりし夕べかな 君塚敦二 春燈 200701
立冬や南に浅間西白根 村越化石 200701
立冬の頬にひんやり化粧水 木村茂登子 あを 200701
立冬の日をたつぷりと蒲団かな 古川京子 万象 200702
落陽ときめ立冬の搬入日 遠山みち子 200702
立冬や受胎告知のある館 高松由利子 火星 200702
立冬の白曼陀華数つけて 石脇みはる 200702
立冬の風煌として松の幹 山田景司 遠嶺 200702
立冬やハーブ摘む手にレモンの香 水野節子 雨月 200702
立冬や板塀に釘突きぬけて 太田寛郎 200703
立冬の原稿用紙にかすれ音 河内桜人 京鹿子 200703
立冬の多摩渓流と空の青 真木早苗 八千草 200705
立冬のバス折鶴と護符の揺れ 芦川まり 八千草 200705
立冬の敷居ぎはなる座り胼胝 高野万里 200706
立冬や一汁一菜たまご一つ 中山純子 万象 200711
立冬やまづはその気に雲もなり 豊田都峰 京鹿子 200801
立冬を過ぎてみせばや色付けり 松崎鉄之介 200801
恙なく立冬すぎて落ち着けり 波多野葉子 200801
立冬や聳ゆるものに水難碑 竹内弘子 あを 200801
立冬の池の底まで日の明るさ 松岡隆子 200801
立冬や白湯をかみしめかみしめつ 山口素基 万象 200802
立冬の沼尻に雑魚群れゐたり 鍋島広子 万象 200802
立冬の朝のもの音青丹よし 雨村敏子 200802
立冬の干したるものに日の滑り 本間羊山 風土 200802
首かしげらる立冬の給餌台 吉田明子 200802
立冬の花屋の前を素通りし 竹下昌子 200802
立冬や六甲山のみどり濃き 池崎るり子 六花 200802
立冬と思へばの空水の色 木村茂登子 あを 200802
立冬や歯ごたえのある手打蕎麦 田中藤穂 あを 200802
立冬の出湯溢るるお茶の花 田中藤穂 あを 200802
立冬や一年を経し犬の墓 東亜未 あを 200802
立冬や縫糸とほす難儀かな 長崎桂子 あを 200802
立冬やトラック三台畦道に 森理和 あを 200802
立冬や猫鳥人の歩きゐる 佐藤喜孝 あを 200802
立冬やユーレイに似て中核派 竹内弘子 あを 200802
立冬や昨日の水は動かさず 堀内一郎 あを 200802
立冬の灯をちりばめよ田舎銀座 高橋邦夫 風土 200803
立冬の斜張橋を島へせく 森津三郎 京鹿子 200803
立冬の入日大きく燃えゐたり 塩路五郎 200901
立冬の牧に高鳴る叱り杖 峰幸子 200901
はたと対峙す立冬の油虫 定梶じょう あを 200901
立冬の水に泛きたるコルク栓 雨村敏子 200902
立冬やものみな稜となりゆける 西村純太 200902
立冬の暮色豊かに盆地村 布川直幸 200902
立冬や通路のせまき魚市場 宮崎見昭 遠嶺 200902
立冬の寺町に入る箒売 石崎浄 風土 200902
立冬や真正面よりフェリー船 高多一果 炎環 200902
声少し落とし立冬の立ち話 高多一果 炎環 200902
塩田に立冬の風渡りけり 小林朱夏 200902
立冬の路地に嗽のひびきけり 蘭定かず子 火星 200902
たあいなく暮れ立冬の星生まる 船越美喜 京鹿子 200902
雨音に立冬の夜の明けにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200902
立冬の首に重たい頭かな 倉持梨恵 200903
息吐きて立冬の日を確かむる 竹下昌子 200903
遙か見る立冬の富士凜々しかり 兼子栄子 酸漿 200903
立冬の湖上に光る櫂の先 陽山道子 船団 200903
立冬や松竹の青いや勝り 鷹羽狩行 200912
立冬の空おだやかに明けゆけり 市川玲子 春燈 201001
けふ立冬鳩派雀派いまどこに 丸山佳子 京鹿子 201001
立冬や入日鮮やか尾根の道 難波篤直 201002
立冬の夕日捉へてむかご落つ 小野口正江 末黒野 201002
立冬の肩怒らせてゐる埴輪 坂場章子 201002
立冬の師の墓なれば触れもして 竹下昌子 201002
立冬や男の顔とおんなのかお 鎌田悟朗 ろんど 201002
立冬の〓(魚入)舟迅き奥琵琶湖 駒井でる太 201002
立冬の手をついて立つ自愛かな 小菅礼子 春燈 201002
立冬の柱に矢筈吊るしけり 中谷葉留 風土 201002
立冬の音の一つに紙を割く 中谷葉留 風土 201002
立冬や貝むらさきに山暁くる 小林輝子 風土 201002
立冬や洗ひ終へたる蕪の山 石脇みはる 201002
陽を深く許さぬ木立冬半ば 藤岡紫水 京鹿子 201002
立冬の波ひたひたと厳島 市橋敬子 201002
立冬や悲しき訃報消えまじく 稲畑汀子 ホトトギス 201011
かがよへる立冬の夕日二の杉へ 阿部ひろし 酸漿 201012
立冬のまこと穏やか落暉いま 山本孝夫 201101
立冬や巨石荘厳城の闇 山根征子 201101
自堕落に立冬の語の刺さり来る 森岡正作 201101
畝にゐる立冬雀二羽三羽 小野木雁 酸漿 201101
立冬や切り口ずらす香の物 田村園子 201102
立冬の陽射の中のパン工房 高田令子 201102
立冬や伊豫青石に水響く 宇都宮敦子 201102
立冬の大河を渡る旅ならむ 水野恒彦 201102
立冬や見失ひたるけもの道 西村純太 201102
立冬や明日婚礼の子と眠る 加賀葉子 万象 201102
立冬の帽を目深にたたずめり 北川孝子 京鹿子 201102
立冬や五風十雨に安らけく 井田実代子 雨月 201102
立冬やひと声長く明けの鶏 廣瀬雅男 やぶれ傘 201102
立冬の海の蒼さや鳶の笛 向佐幸子 末黒野 201103
立冬の淡海に向きて高吟す 竹内喜代子 雨月 201103
立冬と構へし心崩しけり 稲畑汀子 ホトトギス 201111
立冬や息かけて拭くガレの壺 鷹崎由未子 花野 201112
立冬や労る言葉掛合って 長崎桂子 あを 201112
立冬や混迷続く政治かな 田島昭久 かさね 201201
立冬や土瓶蒸の出る夕の膳 長島清志 かさね 201201
立冬の雨寂かなり孔子廟 北村梢 京鹿子 201201
立冬や紙はみ出せる筆の先 松山直美 火星 201201
立冬や少女のシャドーボクシング 田村園子 201202
立冬や行程かへることもなし 遠山みち子 201202
立冬や暴れん坊も父となり 石脇みはる 201202
立冬や透けて四角な喫煙所 田村すゝむ 風土 201202
立冬や信濃分去れ道標 高埜良子 春燈 201202
立冬の雨軒の端を走りつつ 林美智 ぐろっけ 201202
立冬の朝の納豆やゝ堅し 古井公代 ぐろっけ 201202
立冬やズボンの裾を風抜ける 向江醇子 ぐろっけ 201202
立冬後まだ葉の青き大公孫樹 三谷ゑい 末黒野 201202
立冬の雲垂れ白鷺城修理 岸本林立 雨月 201202
立冬の沈む太陽胸に受く 笠置早苗 火星 201202
立冬や洋館の窓なないろに 井上恵李 火星 201202
立冬や水の影ある奥あふみ 日下部亞こ ろんど 201202
立冬を頬で感じてをりにけり 蟻蜂 六花 201202
立冬のアフリカ沖や波高し 肥田俊昭 末黒野 201203
立冬の朝と思ひしだけのこと 稲畑汀子 ホトトギス 201211
立冬と思へば今日の新しく 稲畑汀子 ホトトギス 201211
立冬や日の出の海に魚船航く 山崎真義 201301
立冬や空を見上げて深呼吸 塩路五郎 201301
目を閉ぢて立冬の陽に抱かれをり 四條進 201301
立冬や倉庫の壁のひび模様 米田文彦 かさね 201301
立冬や街のシャッター閉ぢしまま 柳田晧一 かさね 201301
立冬のこれが序章よビル疾風 千田敬 201301
立冬の曲げる上腕二頭筋 細川洋子 201301
立冬の車のガスの噴き出口 長崎桂子 あを 201301
立冬の花に添へたる悔やみ状 樋口みのぶ 201301
竹林に立冬の日のこぼれけり 大島英昭 やぶれ傘 201301
立冬の風より紙に負けし傷 甲州千草 201302
立冬や届く壺切り一番茶 橋添やよひ 風土 201302
立冬やBGMのテンポあぐ 安永圭子 風土 201302
立冬を忘るる強き日差しかな 山崎稔子 末黒野 201302
立冬や霧のなかから通勤者 佐藤喜仙 かさね 201302
立冬の湾大虹のまたがれる 本城布沙女 雨月 201302
立冬の窓の日光ひとり占め 細川コマヱ 雨月 201302
立冬や強く押されし蔵書印 平居澪子 六花 201302
立冬の五時自転車の灯し来る 藤井美晴 やぶれ傘 201302
立冬や鍋の中にも小さき鍋 服部早苗 201302
蟆子とんで立冬の日のまぶしさよ 島谷征良 風土 201303
立冬や藍に乾けるふきんの字 田岡千章 201303
立冬の水底覗く巨鼻かな 古川夏子 201303
立冬の近し天気は下り坂 稲畑汀子 ホトトギス 201311
立冬の朝の快晴約したる 稲畑汀子 ホトトギス 201311
立冬や女にもらふ飴の玉 瀧春一 花石榴 201312
立冬や家の奥より声のして 神蔵器 風土 201401
立冬の空へ見送るハワイ便 木村茂登子 あを 201401
立冬の地球を離れ宇宙船 高谷栄一 201401
立冬や雨戸の溝に蝋をひく 田中藤穂 あを 201401
立冬や麩菓子の芯の繭明り 甲州千草 201401
立冬と言ふ二た文字の置き処 小野寺節子 風土 201402
立冬のラジオは風の強さ告ぐ 向江醇子 ぐろっけ 201402
立冬の光陰里の田や畠 小野寺節子 風土 201402
立冬の坂の途中に一味買ふ 生田恵美子 風土 201402
立冬の朝の足指じやんけんぽん 奥田茶々 風土 201402
立冬や午後に日当る窓一つ 田村すゝむ 風土 201402
立冬や校歌で閉じる同窓会 大西和子 ぐろっけ 201402
立冬や声高らかに歎異抄 西村敏子 201402
影と影支ふる木立冬深む 服部早苗 201405
立冬の朝の鐘佳き小寺かな 佐々木良玄 春燈 201501
立冬や一灯ともる徳萬寺 石橋邦子 春燈 201501
立冬の薄ら日集め柚子たわわ 塩千恵子 201501
立冬や伊太利亜フェアのワイン買ふ 宮田香 201501
立冬の星より遅きふもとの灯 和田和子 馬醉木 201501
立冬の風と落暉と温度計 齋藤博 やぶれ傘 201502
傘持たず出て立冬の雨に遭ふ 神戸京子 ろんど 201502
立冬の窓に見えたる茜色 今井充子 201502
「立冬」の言の葉を抱き空仰ぐ 小野寺節子 風土 201502
立冬の風のま新に大蘇鉄 深澤鱶 火星 201502
立冬の何と茶柱立つてをり 松本三千夫 末黒野 201502
立冬の風と覚ゆる峠かな 泉和美 末黒野 201502
立冬の土鍋の粥のかがやけり 内海良太 万象 201502
立冬のきらめく河を越えにけり 飛高隆夫 万象 201502
ハーレーの立冬宣するごとく噴く 甕秀麿 201502
立冬や夜の満月をくきと上げ 久保田雪枝 雨月 201503
立冬以後我が生涯の持ち時間 田村すゝむ 風土 201503
立冬の港に鷭のかがやける 大坪あきら 万象 201503
日当つてゐて立冬の景となる 後藤立夫 ホトトギス 201503
立冬や夕べ明るき日のさして 西岡啓子 春燈 201503
立冬や謎の部品が落ちている 藤井なお子 船団 201505
立冬や尺貫法で五号呑む 八木健 八木健俳句集 201509
立冬や紙垂新しき天神社 丑久保勲 やぶれ傘 201601
立冬の雨にずぶ濡れ風見鶏 安藤久美子 やぶれ傘 201601
立冬の息を大きく吸ひにけり 小倉陶女 春燈 201602
立冬や冬生まれにて冬ぎらひ 須藤美智子 風土 201602
立冬や賀状の句など案じをり 遠藤逍遙子 風土 201602
立冬の耳立て麻薬探知犬 竪山道助 風土 201602
立冬の能勢路なりけり星の宮 竹中一花 201602
立冬や胃カメラの胃はさくら色 阪倉孝子 201602
立冬の進学クラス黙深し 山本無蓋 201602
小鼓に立冬の息しめらしぬ 高橋照子 雨月 201602
立冬へ地球傾くまでわづか 橋本くに彦 ホトトギス 201603
立冬の鏡の中の猫背かな 田岡千章 201603
立冬や結目かたき割烹着 龍町子 末黒野 201603
立冬→ 2      

 

2021年11月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。