立 夏 2     90句

 

夏立つ  立夏  夏来たる  夏に入る  夏めく  夏は来ぬ・ほか

作品
作者
掲載誌
掲載年月
地下街に飲食夥しき立夏 上谷昌憲 201507
あさぢふの小野のやまどり立夏かな 定梶じょう あを 201507
峰に雲のいきいきと生れ立夏かな 井上石動 あを 201507
県道の白線眩し立夏かな 井上石動 あを 201507
トンネルを五つ抜けたり今日立夏 青木朋子 201508
銀鱗を揺する立夏の鯉のぼり 澤近栄子 京鹿子 201508
橘や鳥語盛んに立夏かな 中西明子 京鹿子 201508
駒形に醤の匂ふ立夏かな 佐藤博重 春燈 201508
伊豆石も伊勢石も踏む立夏かな 字都宮敦子 201508
鉛筆を鋭く削る立夏かな 卓田謙一 万象 201508
花魁は八の字歩き立夏かな 中島陽華 201508
酢を利かせ飯粒立す立夏かな 熊川暁子 201508
木食の塔は立夏のデコレーシヨンケーキ 岡田桃子 201508
埴輪の目人を恋ふるも立夏かな 鴨下昭 201509
俎板をはしる熱湯けふ立夏 林昭太郎 201510
赤帽の絵のある駅舎立夏の夜 長沼佐智 船団 201512
外つ国の人も迎へて園立夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
円錐の味噌かぐはしき立夏かな 成宮紀代子 201607
坂多き街を立夏の風渡る 大橋晄 雨月 201607
古九谷の色の深みも立夏かな 多方清子 雨月 201607
鳥の声高きにありて立夏かな 岩永はるみ 春燈 201608
鉄塔を風吹き上ぐる立夏かな 栗原完爾 春燈 201608
ひらひらと川渡りゆく立夏かな 雨宮桂子 風土 201608
房総の山並著き立夏かな 上月智子 末黒野 201608
妙義嶺の岩壁光る立夏かな 山田春生 万象 201608
百日の感謝よ杖を拭く立夏 松原三枝子 万象 201608
屈伸に骨の応へる立夏かな 宮内とし子 201707
立夏かな玻璃の器に茶を点てり 七郎衛門吉保 あを 201707
鼻先をくすぐる風の立夏かな 安斎久英 末黒野 201708
切通し抜けて極楽寺や立夏 正谷民夫 末黒野 201708
大木に幾つもの空(うろ)立夏かな 前田美恵子 201708
プラットホーム残し立夏の道の駅 岡田桃子 201708
立夏かな胸に染みある陣羽織 加藤峰子 201708
潮風も潮目も音も立夏かな 成田美代 201708
立夏てふ響きよろしき朝かな 平野みち代 201708
雨戸繰り立夏の空と思ひけり 柴田佐知子 201707
白きもの一斉に干す立夏かな 江見悦子 万象 201708
マネキンの裸形ま白き立夏かな 中村千久 万象 201708
雲の無き立夏の空となりにけり 石黒興平 末黒野 201709
子の声の光となれる立夏かな 上月智子 末黒野 201709
天地を巨石の渡す立夏かな 吉田葎 201709
海底の立夏明るし奈良京都 タチオカ帽子 船団 201802
荒磯の波の高きも立夏かな 及川照子 末黒野 201804
ていねいに磨く立夏のビアグラス 今井肖子 ホトトギス 201806
ワイングラス交はし立夏の音を酌む 七田文子 201807
水脈並べカヌー過ぎゆく立夏かな 石原節子 春燈 201807
糊利きし白衣眩しき立夏かな 近藤真啓 春燈 201807
平成に最後の立夏水潔し 網野月を 201807
卯の刻の寺の鐘きく立夏かな 天野美登里 やぶれ傘 201807
立夏です少女三角乗りをして 定梶じょう あを 201807
けふ立夏置き替へてみる椅子二つ 布施政子 馬醉木 201808
雨晴れて雲の切れゆく立夏かな 赤羽陽子 春燈 201808
平成を偲ぶ最後の立夏かな 小島昭夫 春燈 201808
久に履く下駄の音かろき立夏かな 中村紀美子 春燈 201808
五千歩へ程良き風の立夏かな 大塚かずよ 末黒野 201808
ピアノよりジャズが飛び出る立夏かな 篠崎志津子 六花 201810
お茶筒のぽんとものいふ立夏かな 千田百里 201907
地下鉄の窓に立夏の顔眠る 安藤久美子 やぶれ傘 201907
三枚に魚を下ろす立夏かな 浅嶋肇 やぶれ傘 201908
立夏かなビオロンの音の透きとほり 吉田幸恵 やぶれ傘 201908
じやんけんの声のはじくる立夏かな 岡田史女 末黒野 201908
熨斗袋三つ揃ふや立夏なる 植木戴子 201908
誕生の一升餅負はす立夏かな 折田京子 風土 201908
水門の水送る立夏なり 雨村敏子 201908
まつすぐな道をまつすぐ行く立夏 泉一九 やぶれ傘 201908
爪楊枝故無く咥ふ立夏かな 小田嶋野笛 末黒野 201909
回らない寿司など食うて立夏かな 波戸辺のばら 201910
教会の聖句書き替へられ立夏 丑久保勲 やぶれ傘 201910
立夏てふ解放感のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202005
草原に馬が一頭ゐる立夏 泉一九 やぶれ傘 202007
平穏のガラスのやうにある立夏 大矢恒彦 202007
トーストとジャムとコーヒーけさ立夏 丑久保勲 やぶれ傘 202007
郵便夫早足となる立夏かな 前田美恵子 202008
立夏夕焼おのれの影の濃くなりぬ 寺田すず江 202008
生かされて今日人に会ひ立夏かな 千原叡子 ホトトギス 202011
木洩れ日の影を濃くして立夏かな 石原孝人 京鹿子 202101
能登瓦朝日はじけて今日立夏 宮下桂子 202101
ジャングルジムに雨やはらかき立夏かな 鷹崎由未子 春燈 202107
細枝を鷺咥へ行く立夏かな 坂下成紘 202107
立夏かな二年目となりコロナの禍 山田暢子 風土 202107
地下鉄の路線図の混む立夏かな 久米憲子 春燈 202108
狛犬の睨みきかする立夏かな 山本泰人 春燈 202108
石投げて立夏の湖の底覚ます 市川夏子 末黒野 202108
子等の書の勢ひ目立つ立夏かな 佐藤勝代 末黒野 202108
カタログのTシャツ選ぶ立夏かな 谷口摩耶 202207
糠漬の切口著き立夏かな 府川昭子 春燈 202208
山々の肩盛り上がる立夏かな 南うみを 風土 202208
立夏かな駅の鏡に身を入れる 中村洋子 風土 202208
トロットのたてがみ光る立夏かな 高木邦雄 末黒野 202208
直立の御柱立夏かがやけり 藤森すみれ 202301
立夏 →1

 

2023年5月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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