二 月 3       200句

切株に鴬とまる二月かな   原 石鼎

如月  きさらぎ  二月  三月  二月尽  二ン月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
吹き晴れて二月の空の星若し 永峰久比古 馬醉木 201604
野径ゆく二月の空の果て知れず 饗庭悳子 末黒野 201604
巻き癖の残る二月のカレンダー 遠藤清子 末黒野 201604
幼子の虎刈り治む二月かな 赤座典子 あを 201604
シャボン玉飛んで二月の青き空 森高武 風土 201604
遠伊吹風が痛しと二月かな 水谷靖 雨月 201604
渡殿に鯉の集まる梅二月 小林昌子 馬醉木 201605
壁に貼る決意剥がるる二月かな 小松誠一 201605
言ひさして言葉のみ込む二月かな 林いづみ 風土 201605
二月の日差しを待てる木のベンチ 間島あきら 風土 201605
ぴりぴりと二月の風の肌を刺す 上辻蒼人 風土 201605
さまさまの蕾二月の風とどく 松崎雨休 風土 201605
産土神の注連縄たるむ二月かな 佐藤三男 万象 201605
帯締めて舞台の声となる二月 加藤峰子 201605
三猿に叛きたる日々二月来る 石田きよし 201605
合掌に竜の目ひかる梅二月 上野静子 末黒野 201605
友ありけふ天界に去る梅二月 安立公彦 春燈 201605
鰐口の紐のしめりや梅二月 浅木ノヱ 春燈 201605
疎遠なる隣同士や梅二月 豊谷ゆき江 春燈 201605
風二月夜道に高き猫のこゑ 廣瀬克子 春燈 201605
二月十四日虫も殺さぬかほをして 瀬川公馨 201605
今日よりの一人の暮らし二月果つ 祐宗千代子 雨月 201605
つくばひの水の硬さも二月かな 橋本くに彦 ホトトギス 201606
空つぽのショーウィンドーに二月の陽 今井春生 201606
大好きな二月連れ去る窓の雲 田部井幸枝 201606
追憶の水より淡き梅二月 北川孝子 京鹿子 201606
千木光る真青の空や梅二月 増田幸子 万象 201606
英国へ留学の孫二月かな 高橋照子 雨月 201606
二月果つ地球のどこかで誕生日 伊吹之博 京鹿子 201607
友情がさらりと歩く梅二月 鶴濱節子 船団 201612
ロールケーキの二月始めのそんな弾力 寺田良治 船団 201612
石だらけの二月の川は痛い痛い 寺田良治 船団 201612
若冲のにわとり来てる二月かな 中林明美 船団 201612
おりおりに触れて叩いて二月の樹 陽山道子 船団 201612
釘を打つ二月の空のまんなかに 亀井福恵 京鹿子 201701
二月のひとつふやせる貼りぐすり 森川絢子 京鹿子 201701
香煙の二月堂より大夕焼 青木朋子 201612
ハンガーにハンガーぶら下がる二月 早瀬淳一 船団 201701
梅二月生誕祝ひ集ふ会 稲畑汀子 ホトトギス 201702
梅二月ひかりは風に先駆けて 林昭太郎 201703
極道のからす一喝二月逃ぐ 鈴鹿仁 京鹿子 201704
二月や捨つるに畳む包み紙 頓所友枝 201704
二月来る以下云云と言はれても 森岡正作 201704
渡らねばならぬ二月の橋がある 菊川俊朗 201704
二月はや汚れ始むる月日あり 兵藤惠 201704
流れ江の波も茜の二月かな 安立公彦 春燈 201704
紅白の一気に咲きて梅二月 木村ふく 馬醉木 201704
梅二月彩なき花に香の気品 藤岡紫水 京鹿子 201705
神鶏の大地蹴散らし二月来る 上辻蒼人 風土 201705
二月の雪終日舞ひて積もらざり 大橋晄 雨月 201705
二月はや船底に見る珊瑚礁 落合絹代 雨月 201705
暮れやうとする商店街にゐて二月 きくちきみえ やぶれ傘 201705
庭石に日の斑の揺るる二月かな 高倉和子 201705
病みぬいて逝きし二月や夫の空 服部早苗 201705
検診を終へて二月の風に入る 荒井ハルエ 春燈 201705
長子の名載れる二月の紙面かな 西村しげ子 雨月 201706
人寄ればまんぢゆう怖い二月かな 直江裕子 京鹿子 201706
肋までくれなゐにせり風二月 伊藤希眸 京鹿子 201706
日本から菓子が届きて茶の二月 伊吹之博 京鹿子 201706
風二月雀流るる荒鋤田 亀卦川菊枝 末黒野 201706
一年の今ごろが好き梅二月 今井千鶴子 ホトトギス 201707
虚子館に花絶ゆるなき二月かな 三村純也 ホトトギス 201707
一槌の火花の色も二月かな 原友子 201707
梅二月庭に刻々ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201802
忘れゆく日々追ひかける日々二月 稲畑汀子 ホトトギス 201802
風二月雲の流るる早さかな 稲畑汀子 ホトトギス 201802
着るものに迷ふ二月の外出かな 稲畑汀子 ホトトギス 201802
逃げてゆく二月捉へて旅用意 稲畑汀子 ホトトギス 201802
夜の会の二月装ふ心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201802
二月二十六日戦無き日本 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
空白く木の葉は茶色二月かな 水谷直子 京鹿子 201802
虚子館に二月礼者の犇ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
摂津へと江戸より二月礼者かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
受験生二月の門をくぐりけり 今井肖子 ホトトギス 201803
あをぞらを二月の翼旋回す 今井肖子 ホトトギス 201803
空ゆるぶ二月も二十日過ぎたれば 今井肖子 ホトトギス 201803
二月の神籬淡き日を集め 前田美恵子 201804
寒暖の差の激しき日二月来る 久保晴子 雨月 201804
風二月躓くたびに知るおのれ コ田千鶴子 馬醉木 201804
二月や御上りさんで神楽坂 須賀敏子 あを 201804
鳥の名を覚えきれずに二月尽く 須賀敏子 あを 201804
銀鼠の空気愉しも二月尽 瀬川公撃 201805
齢来てもろもろのこと二月尽 杉原ツタ子 201805
紙衣着の籠りの僧の二月堂 竹村淳 201805
風二月寄り添ふものの欲しきかな 木多芙美子 春燈 201805
二月礼者瓶の風呂敷包みかな 小張志げ 春燈 201805
二月尽先師の齢いつか越え 安立公彦 春燈 201805
開演の太鼓の連打二月尽 山浦紀子 春燈 201805
二月尽砂地に動く魚の目 平松うさぎ 201805
銀盤にをとこ舞ひゐて二月尽 川田好子 風土 201805
校舎より歌の聞こゆる二月尽 廣瀬雅男 やぶれ傘 201805
ふんはりと二月の小雪頬にくる 有賀昌子 やぶれ傘 201805
襟立てて二月を歩く六本木 松村光典 やぶれ傘 201805
死にたしと月に嘯き二月尽 柴崎和男 やぶれ傘 201806
街角のショコラの甘き二月かな 高島正比古 京鹿子 201806
クリックにすべて反転する二月 たかはしすなお 201806
二月礼者らしく真珠のネックレス 山田佳乃 ホトトギス 201807
晴つづく北国てふもまだ二月 安原葉 ホトトギス 201808
銀杏落葉二月堂へは一直線 沼田巴字 京鹿子 201811
かなしみは青春の臍二月の木 寺田伸一 船団 201812
今年の計もう二月も過ぎにけり 江口九星 201902
あらはるる師の句二月の暦かな 西岡啓子 春燈 201904
さりげなく来てさりげなく二月去る 塙誠一郎 201904
誰も来ぬ日々を重ねて早二月 山田暢子 風土 201904
メレンゲの角きはやかや二月来る 三谷さかゆ 風土 201904
艦綱の先を波間に二月尽 近藤暁代 馬醉木 201905
病む夫と金剛婚の二月かな 河本由紀子 春燈 201905
腹立ちは二月の海へ捨てにけり 持田信子 春燈 201905
紅き実の総て消えたり二月尽 中上馥子 春燈 201905
打つたびに二月の鍬のひかり増す 南うみを 風土 201905
あら汁の大鍋仕立て二月尽 中村洋子 風土 201905
こまがえるぬかるみを跳び二月尽 片山煕子 京鹿子 201905
明るさの日矢の中行く二月かな 黒滝志麻子 末黒野 201905
首にふるる耳輪つめたき二月かな 森睡花 201905
風二月常陸の海は日を弾く 佐久間敏高 201905
幕間のやうに二月の過ぎにけり 足立枝里 201905
雪国に雪なき二月過ぎゆけり 佐藤哲 201905
二月尽寒と暖とのくりかへし 中内敏夫 201905
港湾の波の荒ぶる二月かな 本田豊明 201905
肩寄せて暖簾をくぐる二月尽 佐藤慧美子 201905
音たてて二月の風の過ぎゆけり 寺田すず江 201905
恙なく誕日迎へ二月なる 服部珠子 雨月 201905
きさらぎの名ゆゑ二月を愛しけり 森なほ子 あを 201905
愛犬の甘噛み二月十四日 井尻妙子 京鹿子 201906
大空に黒富士聳ゆ二月かな 眞弓真翁 風土 201906
空青く叩いて二月の桜の木 川島由紀子 船団 201906
根のように意志のようにも二月の木 坪内稔典 船団 201906
明け方の雨聴きすます二月尽 善野行 六花 201906
降りやまぬ日すがらの雨二月果つ 安斎久英 末黒野 201906
課税なき身となり久し二月尽 小田嶋野笛 末黒野 201906
街道の国旗古りゆく二月かな 高倉和子 201907
髪うすき夫の背中や二月尽 工藤はる子 201907
二月堂鴟尾を見放くる秋の昼 今泉忠芳 ある日の滴 201912
放談を終へたる二月礼者かな 稲畑汀子 ホトトギス 202002
さりげなく二月礼者となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202002
子を宿し二月礼者の吾娘来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
いつの間に手相変りぬ二月尽 山田六甲 六花 202003
民話聴く北の浜辺の二月を 秋川泉 あを 202004
沙汰のなき友を訪ねむ二月尽 谷口律子 末黒野 202004
二月来る赤き袴をひるがへし 南うみを 風土 202004
磧石雨なきままに二月逝く 能村研三 202004
義父の世話長きに及ぶ二月尽 井上正子 春燈 202004
マンションの搬出作業二月かな 篠田大佳 あを 202004
己が身の研がるる如く月二月 能美昌二郎 202005
快気後は早寝癖つき二月果つ 能村研三 202005
心根はいつも二月の八甲田山 中田禎子 202005
六根のするどくなりし二月かな 橋本順子 202005
見なれたる一木の影二月かな 雨村敏子 202005
風のごと猫が通りをゆく二月 有賀昌子 やぶれ傘 202005
白壁に日の影うすく二月かな 有賀昌子 やぶれ傘 202005
歩を緩め二月の風を正面に 安藤久英子 やぶれ傘 202005
待ちぼうけ古書の匂の街二月 小倉征子 202005
摺り粉木にまだ木の匂ひ二月過ぐ 北川孝子 京鹿子 202005
舞ふ巫女の黒髪なびく風二月 谷陽右 馬醉木 202005
質問の怒号に変はる二月かな 秋津令 202006
寂々と波紋の果てや二月果つ 能村研三 202006
二月尽うるふ一日を持て余し 根岸善行 風土 202006
読みかけの栞が目立つもう二月 大山夏子 202006
御神木より尾長飛び立つ二月 本郷美代子 やぶれ傘 202006
おはようは二月の梢ほの明り 陽山道子 船団 202006
令和二年二月の二日ひた走る 長谷川博 船団 202006
使ひ捨ての手拭き必携二月尽 中里昌江 末黒野 202006
社業林の鳥の饒舌梅二月 森清堯 末黒野 202006
風呂敷の角を揃へて二月尽 林すみ 京鹿子 202006
焼餅の売り切れご免風二月 井尻妙子 京鹿子 202006
ふいに声かけられて二月のパセリ 陽山道子 船団 202006
来し方をたどる二月の誕生日 橋本美代 やぶれ傘 202006
麗人の電話は二月礼者めく 大久保白村 ホトトギス 202007
梅二月庭の春秋はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202102
あなどりてならぬ二月の旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 202102
旅先の二月礼者となりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202102
粉ぐすりのうぐひすいろの二月かな 久保田万太郎 春燈 202102
凛々と頬打つ風や二月尽 中野あぐり 春燈 202102
大切株二月の雨に濡れにけり 山田六甲 六花 202102
二月→ 1
山すこしやさしくなりて二月果つ 北川孝子 京鹿子 202104
梅二月路地の奥より嬰の声 増成栗人 202104
風二月太き欅の黙し立つ 五十畑悦雄 202104
蓄へし力を放つ二月の嶺 柴田佐知子 202104
二月来る郵便受けの細き窓 岡美智子 末黒野 202104
深夜便ピアノ演奏「二月の海」 長崎桂子 あを 202104
二月の地震ランプシェードの翻る 赤座典子 あを 202104
磯二月波風荒き船着場 豊谷青峰 春燈 202105
父偲ぶものに二月のチョコレート 藤原若菜 春燈 202105
うぶすなに手合はすふたり梅二月 藤原若菜 春燈 202105
重なれる吉事寿ぐ二月かな 大文字孝一 春燈 202105
少し歩をのばしてみたき二月かな 中村紀美子 春燈 202105
黒松の立枯れ二月の風の中 森高武 風土 202105
梅二月磨き抜かれし夜空かな 門伝史会 風土 202105
地の色に雀散らばる二月かな 中村洋子 風土 202105
なぎなたを背負ふ少女や梅二月 松本胡桃 風土 202105
うこん布で古伊万里包む二月かな 松本胡桃 風土 202105
二月来る器先生誕生日 津川かほる 風土 202105
止め椀に手鞠麩うかぶ梅二月 森田節子 風土 202105
アルプスの無垢なる白さ二月くる 宮坂恒子 202105
緊急事態宣言延長街二月 都築繁子 202105
桜木に樹勢調査の札二月 黒澤次郎 やぶれ傘 202105
小気味よき鼓の音よ二月かな 和田華凛 ホトトギス 202106
薔薇二月芽吹きの中に刺隠し 山中志津子 京鹿子 202106
マシュマロの弾力二月十四日 井尻妙子 京鹿子 202106
筆の穂を噛めば筆の香二月来る 能村研三 神鵜 202107
二月 →4

 

2023年2月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。