二 月 1     245句

二月商戦眉目秀麗のピエロ得て    ねじめ正也

如月  きさらぎ  二月  三月  二月尽  二ン月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
何をしても退屈二月の電柱
大倉郁子
船団
199812
スペル未だ覚えきれざる娘の二月
稲畑廣太郎
ホトトギス
199902
ひと雨に二月の青菜艶めくよ
長谷川千枝子
199904
虚貝数へてをりし二月かな
今木偉郎
199904
煙上げて人居り梨畠の二月
宮津昭彦
199904
飛火野に雲の輝く二月かな
朝妻力
俳句通信
199904
錆色の雲が二月を乾かせる
松本鷹根
京鹿子
199906
目と鼻に四肢の長さを観る二月
近藤憙治
船団
199908
宗像大社二月も青き楠立てり
能村登四郎
芒種
199911
二月てふ何もなき月住みよかり
能村登四郎
芒種
199911
木の中にホッチキスの音聴く二月
小枝恵美子
ポケット
199911
二月はや半ば過ぎたることをふと
稲畑汀子
ホトトギス
200002
玄能の錆を拭ひし二月かな
今木偉郎
200002
蝋燭の炎のゆらぎ二月かな
今木偉郎
200003
はればれと日本静かになる二月
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
句碑除幕半ばや降りし二月雪
能村登四郎
200004
二月光終と思ひし旅終へて
能村登四郎
200004
涸れ川を犬駆け回る二月かな
山崎赤秋
春耕
200004
二月には戦犯山猫爪をとぐ
三宅やよい
玩具帳
200004
床屋には剃刀 私には二月
三宅やよい
玩具帳
200004
二月野や頬白地鳴き誰を呼べる
木山白洋
馬醉木
200005
ラーメン横丁二月の細き月上り
杉浦典子
火星
200005
仏壇の花の匂ひも二月かな
直井たつろ
風土
200005
木の間より光の落つる二月かな
梅田秀子
酸漿
200005
逝き給ひし母や二月の雪霏々と
山田夏子
雨月
200005
往き還り全容を見す二月富士
松崎鉄之介
200005
待ちぼうけ二月の雨に語りかけ
木村美猫
ぐろっけ
200005
忙しさのひとかたまりとなる二月
黒川悦子
ホトトギス
200006
今年ほど心ときめく二月なし
稲岡長
ホトトギス
200006
風洗ふ二月の木々の光かな
長山あや
ホトトギス
200006
親しきは二月の埃海光る
大蔵郁子
船団
200006
あいまいなたむろ二月の少年ら
内田美紗
船団
200006
爪先を床より剥がし舞ふ二月
奥田節子
火星
200007
シヤンプーのあとから二月流れだす
岩崎法水
京鹿子
200007
ジッパーが噛み衰ゆる二月かな
佐渡美佐子
ヒッポ千番地
200008
追想や二月の海はステンドグラス
阿辺一葉
海程
200009
また二月体内過ぎゆく引揚船
阿辺一葉
海程
200009
ひとりずつスプーンになってゆく二月
小倉喜郎
船団
200009
とんがって歩く二月の土手の上
近藤千雅
船団
200010
祝ぎごとに細筆おろす二月かな
吉田陽代
200010
先づ印す二月吉日初暦
稲畑汀子
ホトトギス
200012
二月二十二日に心繋ぐ旅
稲畑廣太郎
ホトトギス
200101
日溜に二月の鴨の汚れなし
盛良孝
200101
野を覚ます二月の雨でありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200102
この二月乗りきる心調へり
稲畑汀子
ホトトギス
200102
いらぬものまた溜まりだす二月かな
田中藤穂
あを
200103
牧二月杭打つ音を八方に
丹羽啓子
馬醉木
200104
水分の切羽つまりし音二月
浜口高子
火星
200104
北上川口二月に入りて白芦刈る
渡辺美知子
200104
白餡と黒餡とある二月かな
男波弘志
200104
海光の弦引く二月来りけり
小形さとる
200104
媛宮の丹塗り二月の光撥ぬ
久保晴子
雨月
200104
飾るもの少なき和室二月かな
川畑良子
200104
素通りの出来ず二月の苺買ふ
伊藤セキ
酸漿
200104
ポケットの底のさびしき二月かな
山田弘子
円虹
200105
はりつめし二月の空へ鳶上ぐ
平田安生
風土
200105
二月雨一木一草なき庭に
大井邦子
ぐろっけ
200105
嵐山の天に二月の日を置けり
粟津松彩子
ホトトギス
200106
寡作なる人の二月の畑仕事
能村登四郎
200108
二月田の水湧く場所は榛の下
能村登四郎
200108
開きあり二月の厨子のかたちかな
岡井省二
200108
煌々と職員室の二月かな
石田邦子
祭笛
200109
あきらかに二月の月や楢林
能村登四郎
羽化
200110
春を待つ二月の氷室椿園
能村登四郎
羽化
200110
よき旅を了へし二月の朝の風呂
能村登四郎
羽化
200110
二月なほ梟に縞あるごとく
岡井省二
200111
初刷といふホトトギス二月号
稲畑廣太郎
ホトトギス
200201
縄焼いて縄目ほつこり二月畑
坂本京子
200201
讃岐にて二月の雉子の鳴けるなり
岡井省二
200201
コップ二つ並ぶ二月の卓上に
皆吉司
船団
200201
スプーンの柄の黄金の如二月かな
皆吉司
船団
200201
珈琲店に電話がかかる二月の夜
皆吉司
船団
200201
白きもの都心に置きて二月かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200202
二月の記決まり言葉を並べおく
宇都宮滴水
京鹿子
200202
庭二月まんさく明りつづくなり
阿部ひろし
酸漿
200203
風二月わが身多感の杉咲けり
西村梛子
馬醉木
200204
籠居の日数指折る二月かな
喜多初枝
雨月
200204
蕉翁の逝きし地に立つ二月かな
杉江茂義
雲の峰
200204
風二月庫裡の隣に隠居部屋
堺紀美子
雲の峰
200204
明け暮れの鐘うるみくる二月かな
樋口多嬉子
雲の峰
200204
二月野はうすうす昃る父情とも
酒本八重
200204
浸したる粗砥泡吐く二月かな
辻田明
200204
卵白を固く泡立て二月かな
高橋あゆみ
200204
島を出ぬ農夫二月の畑仕事
中島徳子
酸漿
200204
荷を開き野菜二月の土こぼす
浅野恵美子
酸漿
200204
身ぶるいつ二月の夕日沼に落つ
関口ゆき
あを
200204
菜を洗ふ二月の光汲みこぼし
丹羽啓子
馬醉木
200205
吉報の届く二月のポストかな
与川やよい
遠嶺
200205
二月十四日にんにくを効せすぎ
浜麻衣子
六花
200205
雨後黒き二月の樹々が手を挙げる
松本鷹根
京鹿子
200205
二月の鳶円周率を省略す
和田照海
京鹿子
200205
二月の山煙出て猫が出て
城尾れい子
200205
ケーキ通りチョコレート通り二月かな
野澤あき
火星
200205
豊水も幸水もまだ二月の樹
山根みどり
銀化
200205
町おこし決まる二月のホッチキス
梶浦玲良子
波小舟
200205
川の面に飛び交ふひかり二月かな
小松誠一
200205
水底の石のつぶやき二月の芽
北川孝子
京鹿子
200206
百代の過客を板書して二月
和田照海
京鹿子
200206
起重機を据えたる濠の二月かな
鳴海清美
六花
200206
相対す一翳もなき二月富士
柏木去孔
200206
呉服屋の畳拭きをる二月かな
戸田喜久子
200206
台風の一号生まるる二月かな
宮原みさを
花月亭
200208
畦十字二月の風の切り結ぶ
羽根嘉津
200301
一昨年の二月二十二日の事
稲畑廣太郎
ホトトギス
200302
これよりの予定二月の過ぎ易く
稲畑汀子
ホトトギス
200302
案の定二月の時間失へり
稲畑汀子
ホトトギス
200302
稿債のあふれ二月でありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200302
修二月会やがて油煙の目に痛し
朝妻力
雲の峰
200304
灯台の錆ぶる二月の外梯子
川瀬さとゑ
雲の峰
200304
ギブスとれ心も軽ろき二月くる
河野政恵
酸漿
200304
微睡みのころかも知れず山二月
大山妙子
酸漿
200304
樹木医のやうに耳当つ幹二月
伊藤白潮
200304
風二月喪服いつまで吊しおく
中原道夫
銀化
200304
炎上のシヤトル二月の星となる
笠間圭子
京鹿子
200304
老残に似たり二月の冬菜畠
藤井昌治
200304
黒松の間に間に海の二月光
小山徳夫
遠嶺
200305
庭土と空濡れてゐる二月かな
根岸善行
風土
200305
行きますや二月の光こぼしつつ
金澤明子
火星
200305
ワンタッチに指の迷へる二月かな
信崎和葉
六花
200305
参道のどこも日当たる二月かな
高倉和子
200305
海二月置きて白船ならざるなし
岡本眸
200305
旧二月十六日の月を上ぐ
神蔵器
風土
200306
まろばせて洗ふ二月の醪桶
渡部義雄
200306
ほつほつの樹の息二月の雨情かな
北川孝子
京鹿子
200306
魚はねる二月の仮面はぐやうに
横山智恵子
京鹿子
200306
保線夫の黙へ二月のつむじ風
富川明子
200307
チェーン・ソー二月の静寂蹴破りぬ
芦川まり
八千草
200308
桟橋をジャンプの男波風二月
漢隆司
八千草
200308
冬二月半袖ですむ国に来て
小田知人
ぐろっけ
200308
墨一丁が天地の二月かな
岡井省二
省二句集
200312
二の杉を二月の夕日越えむとす
阿部ひろし
酸漿
200403
目薬の木に鳥の鳴く二月かな
朝妻力
雲の峰
200403
ふんはりと古畳解く二月畑
望月晴美
要滝
200403
二月なほ吹雪く町より夜の電話
岡本眸
200403
七曜の始まりのよき二月かな
福嶋千代子
200404
一室に人形もゐて雪二月
村越化石
200404
死者の椀割つて二月の来たりける
栗栖恵通子
200404
鶏小屋の屋根の明るき二月かな
片岡静子
200404
初蛙二月の星も雨のあと
阿部ひろし
酸漿
200404
風二月竹叢の竹黄金いろ
藤田輝枝
対岸
200404
将門に二月の膝を貸してをり
栗栖恵通子
200405
日曜日閏二月のほまちなる
橋本梢明
200405
和箪笥の軽き音する二月かな
大久保恵美子
遠嶺
200405
チャイム押す指の撓へる二月かな
田村園子
200405
大安の二月一日雨一日
石井悦子
風土
200405
大寺の蘇鉄の艶も二月なり
鳴海清美
六花
200406
荒地にも色置き初めし二月かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200408
叫びたくなりて海辺に来し二月
清水志
200502
二月にはこうするとして顔洗う
松山律子
六花
200502
妻が居て二月はわしらの記念の日
松山律子
六花
200502
真昼間をねむつて二月胃の手術
鈴木あき子
築港
200504
厳頭に二月の海は牙を研ぐ
辻本善一
築港
200504
葉牡丹にさして輝く二月の日
永田あき
酸漿
200504
居士大姉神も拝みて二月はや
中川晴美
雲の峰
200504
空動く二月はわれが生れ月
神蔵器
風土
200504
剥がされさうな訃報二月の掲示板
木村茂登子
あを
200504
二月厭喪服のカラス大嫌ひ
木村茂登子
あを
200504
二月十五日旧正七草猫とゐる
鎌倉喜久恵
あを
200504
仲見世に端切れを選ぶ二月かな
岩谷丁字
春燈
200505
象岩の波にのたうつ二月かな
白神知恵子
春燈
200505
身に捻子のあらば巻きたき二月かな
鈴掛穂
200505
俳諧を拾ふつもりの二月かな
水野恒彦
200505
全校で回す長縄二月かな
中嶋陽子
風土
200505
小鳥翔つ二月の空のうす湿り
高村令子
風土
200505
翡翠の色奔りけり川二月
荒木甫
200505
また戦さ二月の光ゲの姫鏡台
伊藤希眸
京鹿子
200505
風強き二月芹田に蛙鳴く
川原典子
酸漿
200505
二月野はうすうす戻る父情とも
酒本八重
里着
200506
二月富士明けるべく紅さしにけり
柏木去孔
200506
二月の雨戸を繰れば根の目覚め
木村鈴代
200507
高速道二月の空のあるばかり
青山悠
200507
活断層よりそそり立ち二月
大高芭瑠子
炎夏
200507
周回を止めぬランナー二月かな
本多通博
八千草
200508
ひとふしの竹踏み二月渇きゐる
安田優子
京鹿子
200601
ししむらのおのづと緊まり二月の野
楠原幹子
白卓布
200602
一ヶ月過ぐる早さの二月なほ
鈴木榮子
春燈
200603
二の杉に二月の夕日近付けり
阿部ひろし
酸漿
200603
己にも解らぬ怒り二月来る
山田六甲
六花
200603
筆順を少し違へて二月かな
山田六甲
六花
200603
靴下の裏がへし履く二月哉
山田六甲
六花
200603
露天湯に溺れてをれば二月かな
山田六甲
六花
200603
落款の石は青色二月来る
山田六甲
六花
200603
太陽はひとりに一個二月来る
山田六甲
六花
200603
鉄塔に鳥争へる二月かな
高倉和子
200603
てのひらにのることもなき二月かな
豊田都峰
京鹿子
200603
チヨコレート選るも楽しき二月かな
上村葉子
風土
200605
対談の我が師すがしき二月かな
大久保恵美子
遠嶺
200605
伐り口の光りて白き二月かな
椿和枝
200605
棟上げて二月やさしき風となる
椿和枝
200605
二月の手帳に書き忘れる予定
倉持梨恵
200605
刃物屋に九官鳥のゐる二月
竹内悦子
200605
水晶の光二月の東北弁
中島陽華
200605
心地よさ錯覚にゐて二月なり
丸井巴水
京鹿子
200605
星二月心友既に世に在さず
柳生千枝子
火星
200605
 腎臓手術

生きてゐる意識二月の空深し

柳生千枝子
火星
200605
水で水流す糶台二月なる
浜口高子
火星
200605
二月や鉄塔をおく水鏡
戸栗末廣
火星
200605
禊ぐべし二月の風に身をさらし
大橋麻沙子
雨月
200605
待ち侘ぶるものに二月の日差かな
久保晴子
雨月
200605
二月来る僧坊くもりなき玻璃戸
杉田さだ子
対岸
200605
ロケツトは宇宙の彼方二月逝く
沼口蓬風
河鹿
200606
湯気を噴くパイプ二月の酒造り
大熊坩火
200606
ガリバーもひと跨ぎせよ二月富士
松村多美
四葩
200607
雨音に山羊の乳張る二月かな
大山文子
火星
200609
朝の雨二月はじまる水曜日
稲畑汀子
ホトトギス
200702
降りつのる雨に二月の大地かな
稲畑汀子
ホトトギス
200702
濡れて着くホテル二月の雨脱ぎて
稲畑汀子
ホトトギス
200702
朝の雪二月六日の月曜日
稲畑汀子
ホトトギス
200702
ホテルより二月の雪を見てをりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200702
フルーツの香ののど飴を買ふ二月
杉良介
200702
海光の野にも及びて二月かな
宮尾直美
200702
水盤に麦の穂高き二月かな
富安風生
200702
豆菓子の色のいろいろ二月かな
稲葉ちよこ
風土
200703
いつまでの病院ぐらし二月過ぐ
大橋敦子
雨月
200703
金縷梅の色に出にける二月なり
阿部ひろし
酸漿
200703
二の杉の根に沈みゆく二月の日
阿部ひろし
酸漿
200703
開け閉ての小言がふえし二月かな
竹内弘子
あを
200703
菜畑のことに清しき二月かな
中田みなみ
200703
老い母に和して二月の数へ唄
小野恵美子
馬醉木
200704
風二月桑の木にぎり拳かな
辻直美
200704
野川より鷺の飛び立つ二月かな
山本康郎
酸漿
200704
風産んで疲れあきらか竹二月
布川直幸
200704
夜を徹し二月の風の吹きすさぶ
渡辺安酔
200704
若きらに白きファッシヨン街二月
有田蟻太
200705
桐の幹直立にして二月過ぐ
水野恒彦
200705
あつあつのマカロニグラタン二月かな
石脇みはる
200705
陰陽師あぶり餅食す二月かな
竹内悦子
200705
二月汗して手放しの五秒かな
山崎靖子
200705
二月来て頸の黒子の落ちつきぬ
竹下昌子
200705
あたたかき二月言ひあふ湯島かな
大坪景章
万象
200705
茶枳尼天に詣づ二月の面打師
佐藤輝子
200705
こぐらかる西歴和歴二月はや
永塚尚代
ぐろっけ
200705
二月逝く訃報一つを置き去りに
林いづみ
風土
200705
楤の木に刺の青める二月かな
深澤鱶
火星
200705
茶箪笥の螺鈿の艶も梅二月
吉田島江
火星
200705
簑銭の賓銭箱に鳴り二月
荒川香代
200706
呼び戻すすべなき月日二月逝く
林和子
200706
禅苑の浄寂光に梅二月
角直指
京鹿子
200707
水車二月の光振り廻す
内山弘幸
八千草
200708
軽やかに川は二月の音となる
山田天
雨月
200801
錠剤を数へて二月の日かぞへ
遠藤実
あを
200801
油断してならぬ二月の陽気かな
稲畑汀子
ホトトギス
200802
梅二月紅白に日の行き渡り
稲畑汀子
ホトトギス
200802
梅二月雨の東京発ちて来し
稲畑汀子
ホトトギス
200802
二月はやポスターに房総の花
杉良介
200802
二月 2      

 

2021年2月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。