二ン月      105句

如月  きさらぎ  二月  三月  二月尽  二ン月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
二ン月の地乾き言葉少し欲し
田中藤穂
水瓶座
200002
二ン月の一日冬と春に会ふ
須賀敏子
あを
200404
二ン月や老身調ひがたき日々
木村茂登子
あを
200704
二ン月の墓となりきりゐし友よ
今井千鶴子
ホトトギス
200007
二ン月の稿債半ば過ぎにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200202
二ン月やビルの解体又一つ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200602
二ン月の祝竹垣も新しく
安原葉
ホトトギス
200807
風音に水音に二ン月の唱
稲畑廣太郎
ホトトギス
200902
二ン月やそこの猫何しとんねん
稲畑廣太郎
ホトトギス
200902
二ン月の奥の明るき林かな
忽那みさ子
やぶれ傘
200805
二ン月のランチや五つ星ホテル
神田小夜子
ろんど
201005
二ン月の光ゲ天心に白磁の面
日下部亞こ
ろんど
201105
二ン月の光の中の訃報かな
中田のぶ子
ろんど
201105
二ン月の照葉樹林眩しかり
大橋敦子
雨月
199903
二ン月の風が身を責む城苑に
久保晴子
雨月
200004
二ン月の風肌さす温泉の町
小林佐江子
雨月
200304
二ン月の石伐り出してゐる奈落
柴田良二
雨月
201105
二ン月の風に薬草乾き切る
原茂美
雲の峰
200504
二ン月の真暗がりの日本海
岸田爾子
200805
鳶の舞ひ二ン月の空弛みけり
浜崎勇
河鹿
200406
二ン月や男結びに垣を結ふ
大磯幸子
河鹿
200405
二ン月の玉葱の芽のまむらさき
嵯峨根鈴子
火星
200106
二ン月の身の丈余す深海魚
高松由利子
火星
200205
二ン月の伊勢神宮の風木立
大東由美子
火星
200305
二ン月のひかり啄む放ち鶏
吉田島江
火星
200505
二ン月の闇に浮きゐる散髪屋
大山文子
火星
200605
二ン月といふ約束もなき一ト日
柳生千枝子
火星
200904
二ン月やみやげ物屋の細開き
根本ひろ子
火星
201004
二ン月や近よつて見る桜の木
波田美智子
火星
201105
二ン月の雲の切り口白かりし
宇都宮滴水
京鹿子
200003
二ン月の誂日和棟上がる
大井貞一
京鹿子
200207
二ン月や薬ばなれがまだ出来ぬ
横山智恵子
京鹿子
200306
一円玉かぞへ二ン月の灯をふやす
宇都宮滴水
京鹿子
200704
二ン月のお菊の井戸をのぞきけり
白神知恵子
春燈
200505
二ン月や琵琶湖ゆニゴロブナ便り
中島和昭
春燈
200905
二ン月来四日兄の忌八日祖父
小島禾汀
春燈
200905
二ン月の空を切り取る大鳥居
矢口笑子
春燈
201004
二ン月や川渡りくる狐雨
北嶋美都里
西の峰
200401
二ン月の満月夜半の飢ゑすこし
佐々木幸
200206
はぎれ巻きつけ二ン月の畑の棒
平子公一
馬醉木
200304
二ン月の二百三百半紙購ふ
伊丹さち子
馬醉木
201004
風のくるたび二ン月の湖まぶし
宮崎山景
俳句通信
200004
二ン月に入るや怒濤のはての島
柴田由乃
風土
200504
二ン月の宙を入れたる志野茶盌
奥山絢子
風土
200705
二ン月やうすくれなゐの鷺の足
浅田光代
風土
201105
二ン月の涙腺ゆるむ映画かな
仁平則子
200904
二ン月やふと口ずさむ早春賦
吉沢陽子
201004
二ン月の艶の失せたる魔除猿
小林愛子
万象
200705
二ン月や湯舟の中にある睡魔
信崎和葉
六花
200305
二ン月の風吹かぬ日のあやめかな
市場基巳
200205
風呂釜を換え二ン月の天王山
中島陽華
200304
むらさき真珠二ン月の肌かな
雨村敏子
200505
二ン月の鵯上戸空の青
石脇みはる
200604
陸奥に来てをり二ン月の能舞台
中島陽華
200605
二ン月の風を集めてチョコレート
前田美恵子
200805
蛇行せる二ン月の川ヴィシュヌ神
雨村敏子
200905
二ン月や布袋和尚の腹の内
石脇みはる
201004
二ン月や音なく濡るる雨の朝
宇田喜美栄
201005
二ン月の伊吹裾まで雪垂らす
松崎鉄之介
200005
二ン月や近よつて見る桜の木 波田美智子 火星 201105
二ン月やうすくれなゐの鷺の足 浅田光代 風土 201105
二ン月の風に耐えゐる釣師かな 佐藤喜仙 かさね 201206
味噌臼に二ン月の雨溜りをり 福島せいぎ 万象 201305
二ン月や帯留の打出の小槌 佐藤凉宇子 ろんど 201305
二ン月の鏡にうつる心かな 雨村敏子 201305
傷癒えてゆく二ン月も半ば過ぎ 稲畑汀子 ホトトギス 201402
二ん月や大きく使ふ竹箒 神蔵器 風土 201403
二ン月の岸辺アダムのにほひする 雨村敏子 201405
二ン月やすつぽんに立つ泥けむり 小林愛子 万象 201405
二ン月の内懐を曝らす椅子 山口ひろよ 201405
二ン月やことのはつむぎ歩く児よ 工藤ミネ子 風土 201505
二ン月の腕まくり上げ銭洗ふ 中田のぶ子 ろんど 201505
二ン月や灯りの消えぬ職員室 石川賢吾 201508
二ン月の新機種使ふ毛玉採り 山口ひろよ 201605
二ン月の風の荒びを受く背 青木ちづる 201605
二ン月の包装美しきチョコレート 小山直子 末黒野 201605
二ン月の木に風のあり畏友の訃 松橋利雄 春燈 201605
二ン月のざらつく肌の荒畑 瀬川公馨 201605
二ン月や雲のポケット裏がへる 庄司久美子 201605
二ン月を脱け出す人間マークかな 直江裕子 京鹿子 201606
二ン月の荒海に立つ姥の素手 上野紫泉 京鹿子 201705
二ン月の絞り切つたる矢を放つ 雨村敏子 201705
二ん月のお天気つづき寝たつきり 大坪景章 万象 201705
二ン月の風に惑ふやブーメラン 吉川隆 春燈 201705
二ン月の風一日また風一日 今橋眞理子 ホトトギス 201707
二ン月の富士は裳裾をちよと見せて 雨宮桂子 風土 201805
二ン月のてのひら昏い海がある 直江裕子 京鹿子 201806
二ン月や花舗に明るき花並ぶ 高濱朋子 ホトトギス 201807
二ン月の風と束ねる領収証 鈴鹿呂仁 京鹿子 201903
二ン月や襷囲ひのケアハウス 工藤ミネ子 風土 201905
二ン月の樹々ふところに施設の灯 工藤ミネ子 風土 201905
二ン月の鳥の来てゐる水たまり 森睡花 201905
二ン月の藁灰を取る煙かな 岩佐梢 201905
二ン月や片目をあけた眠り猫 直江裕子 京鹿子 201906
二ン月の光をちぎり門波立つ 川内谷育代 馬醉木 201907
二ン月の雨や石塚友二の忌 田中臥石 末黒野 202005
二ン月の十二神将風に立つ 竹中一花 202005
二ン月は余慶のひと日土を練る 近藤悦子 馬醉木 202005
二ン月の満月美しと告ぐ電話 田中藤穂 202006
二ン月やはや尽日になりしとは 高濱朋子 ホトトギス 202007
二ン月に入りて漸く雪国に 安原葉 ホトトギス 202007
二ン月の庭園紅と白が占め 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
二ン月や人魚そろそろ目を醒ます 久保夢女 202106
二ン月の風に抗ふ結び絵馬 三好千衣子 202204
二ン月や海キラキラとタップ踏む 久保夢女 202205