二 月 2       205句

切株に鴬とまる二月かな   原 石鼎

如月  きさらぎ  二月  三月  二月尽  二ン月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
錠剤を数へ二月の日をかぞへ 遠藤実 あを 200802
均されし土美しき二月かな 高倉和子 200803
福寿草明りあちこち庭二月 阿部ひろし 酸漿 200803
二の杉の根なり二月の大夕日 阿部ひろし 酸漿 200803
パテシェのチョコに行列二月来る 森下康子 200804
表札の少し傾き二月来る 松嶋一洋 200804
椿油しぼる二月大名四代目 神蔵器 風土 200804
凛として梅の二月となりにけり 川崎良平 雨月 200804
この苑に乳の出る草まだ二月 丸山佳子 京鹿子 200804
しつとりと雪降る二月三日かな 中島静子 酸漿 200804
王の如大型テレビ二月かな 安部里子 あを 200804
阿蘇下る二月の闇を胸で押し 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804
肩口に二月のひかり阿修羅像 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804
二月来て俄に用の増えにけり 竹下昌子 200805
息吸ふて医師に二月の胸ひらく 竹下昌子 200805
対岸の富士洗ひたて風二月 長谷川千枝子 200805
二月かの「兵に告ぐ」てふ語り草 徳永辰雄 春燈 200805
絵蝋燭灯し二月の誕生日 木暮剛平 万象 200805
本棚に本積み上げて二月かな 中道愛子 200805
猿山の猿かたまりし二月かな 前田美恵子 200805
七福神お休み二月の逃げたがる 川崎光一郎 京鹿子 200805
先立ちし娘を忘れたき二月 市橋香 ぐろっけ 200805
からつぽのでで虫ころり二月逝く 鈴木多枝子 あを 200806
染五郎口跡清か春二月 浅野恵美子 酸漿 200806
八年の二月命日の墓参り 小平恒子 酸漿 200806
どか雪を卸す二月も末てふに 安原葉 ホトトギス 200807
空濡れて二月の富士の明らかに 今井千鶴子 ホトトギス 200807
歩みつつ僧と話をして二月 伊藤白潮 200810
襟足に二月の風の刃ものめく 上原榮子 京鹿子 200901
早や旅の予定ぎつしり二月かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
猫の顔二月の闘志秘めてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
二月二十六日軍靴響きし夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
風二月荒れて列島縦断す 稲畑汀子 ホトトギス 200902
健康を取り戻されし二月かな 稲畑汀子 ホトトギス 200902
魂を揺さぶり二月来たりけり ことり 六花 200902
椅子に膝抱きて過ごす二月の夜 ことり 六花 200902
二月消え浮いたお話誰からも 丸山佳子 京鹿子 200905
音もなく影の追ひ越す二月かな 三上程子 春燈 200905
画廊出て熱き珈琲街二月 布村松景 春燈 200905
ひとり居の廊下二月の光かな 藤井美晴 やぶれ傘 200905
洗ひ場の水嵩のます二月かな 白石正躬 やぶれ傘 200905
鯉跳ねて二月の果つる日なりけり 國保八江 やぶれ傘 200905
曖昧な二月の過ぎて何と言ふ 西村純太 200906
歩かねば二月を陰画にしてしまふ 井上菜摘子 京鹿子 200906
せきれいの道小走りに二月ゆく 井口初江 酸漿 200906
春二月英訳なりし虚子百句 宮崎正 ホトトギス 200908
子規も来よ二月二十二日の館 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
切通し抜けて二月の空に会ふ 能村 研三 201003
木々の瑞わが誕生の二月来る 大畑善昭 201003

 悼山下一海先生

先生逝く二月大名ともなり手

神蔵器 風土 201004
目つむりて風聞いてゐる二月の夜 舩越美喜 京鹿子 201004
履歴書を送り返され二月かな 斉藤裕子 あを 201004
食卓に二月の卵朝日さし 中村恭子 201005
砂時計砂ひと粒の二月かな 雨村敏子 201005
傍に犂置き二月の牛眠る 久津見風牛 201005
エネルギー振り絞る二月の夕日 岩月優美子 201005
二月はや乾坤に色兆しけり 石井玲子 遠嶺 201005
うどんの香すなる二月のコンコース 廣畑忠明 火星 201005
二月やくやみの手紙ともう一通 服部郁史 京鹿子 201005
足掻くほど踏めぬ逃げ足二月かな 鈴鹿均 京鹿子 201005
玻璃越しの日差しに浸る二月かな 藤村達江 春燈 201005
夫も子も父も二月の仏なり 鶴岡紀代 春燈 201005
黒土のいよいよ黒き二月富士 後藤那生 ろんど 201005
二月の日強し欅の高枝に 藤井美晴 やぶれ傘 201006
枇杷の葉に二月の雨のひかるかな 藤井美晴 やぶれ傘 201006
芝二月鶴の別れとも思ふ 倭文ヒサ子 酸漿 201006
白粉のやうな二月の日を纏ふ ことり 六花 201102
瞬くや睫毛に差せる二月の日 ことり 六花 201102
二の杉をめざす二月の夕日かな 阿部ひろし 酸漿 201103
夕映や二月の夕日落ちし丘 阿部ひろし 酸漿 201103
アップルパイ二月生れの友がきに 安部里子 あを 201103
空の色日ごとに青き二月かな 阿部泰子 春燈 201104
能面の柱にかかる二月かな 神蔵器 風土 201104
二月はや半ばを過ぎし雪月夜 阿部ひろし 酸漿 201104
海に向くベンチ二月の日を集め 外山節子 末黒野 201105
唇もまなこも乾く二月かな 荻野加壽子 万象 201105
二月来る植付予定決めねばと 猿橋二三雄 ぐろっけ 201105
二月来る富士は暮しの生き仏 佐藤みらい ろんど 201105
くれなゐの梢張り二月の大けやき 中島讃良 ろんど 201105
はからずも駈けだしてゐる二月かな 園部早智子 ろんど 201105
二月の空改革を叫びをり 倉持梨恵 201106
飛び道具持たず二月の山へ入る 丸井巴水 京鹿子 201106
藪蘭や二月の庭を彩りて 赤座典子 あを 201110
梅二月仮の世なれば荷は軽く 鷹崎由未子 花野 201112
すぐ尽きることわかつてはゐる二月 布川直幸 201202
耳たぶに夜気突き刺さる梅二月 布川直幸 201202
誕生日玉のごとくに二月来る 神蔵器 風土 201203
寺に拝す沈金文箱梅二月 嘉住きよ美 末黒野句集 201203
神殿に孫の婚礼梅二月 小池正子 末黒野句集 201203
境内に神鶏遊ぶ梅二月 川崎利子 201204
ワイン充たし玻璃のかがやく二月かな 吉田啓悟 かさね 201204
どの石も無冠のひかり二月来る 掛井広通 201204
薄紙をはがすごと癒え梅二月 コ田千鶴子 馬醉木 201204
斧谺はじく二月の杉襖 西村博子 馬醉木 201204
津の国の葦に火のつく二月かな 浅田光代 風土 201204
仁王門抜ければほのと梅二月 鈴木セツ 201204
摺り足の百間廊下二月かな 鈴木セツ 201204
ミユシヤの絵の塗絵に凝つて二月果つ 丹生をだまき 京鹿子 201204
天皇にメス入れる日や梅二月 堀内一郎 あを 201204
夢探すルーペが一つ二月雪 堀内一郎 あを 201204
そこはかと動き始めし二月かな 粟倉昌子 201205
風呼んで乾く匂ひの梅二月 鴨下昭 201205
父逝きし二月の山河茫々と 水野恒彦 201205
のぼるでなくふもとのみちや梅二月 豊田都峰 京鹿子 201205
光琳の金銀溢る二月かな 河内桜人 京鹿子 201205
日本にも反乱ありし二月かな 笠井敦子 201205
常無しとすぐ会ひにゆく街二月 山口ひろよ 201205
チョコレート売場広げて二月来る 中田寿子 ぐろっけ 201205
子育ての助っ人祖母の二月かな 永塚尚代 ぐろっけ 201205
里坊の築地越しなる梅二月 石垣幸子 雨月 201205
球根のめざむ二月の紙ぶくろ 相澤和子 ろんど 201205
水色を空に広げて二月来る 水野加代 万象選集 201205
ひつそりと二月に入りし合羽橋 森田尚宏 201205
消火器に埃二月の台所 きくちきみえ やぶれ傘 201205
空白のごとき満月にて二月 きくちきみえ やぶれ傘 201205
奥山の二月のひかり童子仏 太田昌子 馬醉木 201206
篁のはらむひかりや風二月 市川玲子 馬醉木 201206
ぎくぎくと秒針刻み二月逝く 小林和子 風土 201206
新天地へあまた振切る梅二月 水谷直子 京鹿子 201206
ひとふとの竹踏み二月渇きゐる 安田優歌 京鹿子 201301
閏日のおまけの日向二月果つ 布川直幸 201301
梅二月大きな行事乗り越えし 稲畑汀子 ホトトギス 201302
天秤の揺れて二月の日の密度 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
筆の穂を噛めば筆の香二月来る 能村研三 201303
二月二日猫記念日と乾杯す 大日向幸江 あを 201303
頬を刺す風も新生二月光 北川英子 201303
影よりもひかりの濃ゆき二月かな 高橋あさの 201303
梅二月彩鮮やかに朱雀門 田下宮子 201304
母の声聞きたき日なり二月寒 新海英二 春燈 201304
話するように二月の靴磨く 陽山道子 おーい雲 201304
指ほどの細さのイエス梅二月 田中珠生 馬醉木 201304
日溜りのカーテンの裾二月入 中山純子 万象 201304
一歩二歩二月の月日歩み出す 山内四郎 春燈 201305
梅二月彩なき花に香の気品 藤岡紫水 京鹿子 201305
母方の姓は白鳥二月かな 荒井和昭 201305
梅二月子の名書きたりランドセル 門伝史会 風土 201305
咲きはじむ合縁奇縁梅二月 鈴木初音 201305
悪戯や逃げ足速き風二月 石倉千賀子 ろんど 201305
二月早や木馬が旅に出たがりぬ すずき巴里 ろんど 201305
晴れ渡り鉄路の先の二月富士 辻井ミナミ 末黒野 201305
滝壺に落つる二月の水の音 一色奈和美 末黒野 201305
手入れ良き旧家の庭や梅二月 上田亮 末黒野 201306
はなやぎて二月の雨の枯柏 瀧春一 花石榴 201312
借景をついばむ雀二月入り 中山純子 万象 201401
風二月全き富士にある名残 稲畑汀子 ホトトギス 201402
診療に向かふ明るさある二月 稲畑汀子 ホトトギス 201402
計画は現実として梅二月 稲畑汀子 ホトトギス 201402
気紛れな空気紛れな人二月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
二月五日むさし野吟行会 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
様付けにお客のここち医科二月 布川直幸 201402
けんけんに踊るスカート梅二月 コ田千鶴子 馬醉木 201403
竹林の奥に風棲む梅二月 川崎良平 雨月 201404
枯草の雨に色ます二月かな 安立公彦 春燈 201404
世界中のチョコ顔合はす二月かな 横田矩子 201404
帰り来て己れに塩を振る二月 竹内弘子 あを 201404
背より合図の指春二月 吉弘恭子 あを 201404
ソチ五輪輝け熱き梅二月 井口淳子 201404
爪ばかり延びて気楽にはや二月 上野紫泉 京鹿子 201405
辻々に朝日の斜光鋭き二月 浅井青二 雨月 201405
大欅風にきらめく二月かな 浅井青二 雨月 201405
対岸のものみな光り二月来る 高倉和子 201405
束帯の貫之の切手梅二月 仙田孝子 風土 201405
洗濯機ゆつくりまはる二月かな きくちきみえ やぶれ傘 201405
空家増え里の消えゆく二月かな 上野進 春燈 201405
狂ひなく薪割れにけり梅二月 原友子 201405
学問の神いそがしき梅二月 齊藤いさを 馬醉木 201405
風二月灯台の辺のしらじらし 齊藤眉山 末黒野 201405
音のなき二月の雨の光りをり 栗原公子 201405
二月来る乾坤さらに引締めて 窪田佳津子 雨月 201405
二月末締めあり暦確かむる 北尾章郎 201405
二月はや木椅子に忘る花鋏 齊藤眉山 末黒野 201405
引き剥がす二月の暦春遅し 塩田博久 風土 201405
樹名板たしかめ仰ぐ二月かな 土谷倫 船団 201406
しばれるてふ言葉しみじみ二月かな 赤川誓城 ホトトギス 201406
病みし身は骨の重さに二月来る 白水良子 201406
梅二月足音を消す軍靴かな 鴨下昭 201406
二月果つ師の死だんだん遠くなり 中島知恵子 雨月 201406
さりげなくはげます書信梅二月 山田閏子 ホトトギス 201407
跫音のひびけば二月遠ざかる 鴨下昭 201405
車よりまづ杖降りて二月の野 深川淑枝 201504
竹林を抜け来る風も二月かな 塩千恵子 201504
惨きこと哀しきことの二月かな 鈴木阿久 201504
二月はや木々の匂ひをはこぶ風 塩路五郎 201504
頬杖の杖頼りなき二月かな 佐藤淑子 雨月 201504
サボテンの花つぎつぎと二月過ぐ 森理和 あを 201504
出産日早まり二月に子の生まる 森理和 あを 201504
誕生の二月神蔵器選 田村すゝむ 風土 201505
日に当てて骨ぬくめゐる二月かな 生田作 風土 201505
連山を抑へ二月の松本城 鈴木庸子 風土 201505
流行風邪そのまま二月に入りにけり 井口ふみ緒 風土 201505
自らへ浄め塩ふり梅二月 藤原照子 201505
参道の真中神ゆく二月 荒井千瑳子 201505
一人の世夫の年越え二月逝く 頼田幸子 201505
二月満月空に瑕瑾のなかりけり 犬塚芳子 201505
吹き晴れの遠嶺二月の光かな 寺田すず江 201505
かぐや姫まだましまさず竹二月 佐渡谷秀一 対座 201505
玻璃越しの二月の光芭蕉の実 田伏博子 ろんど 201505
門葉の追慕ひとしほ梅二月 尾崎みつ子 雨月 201505
観音を湖北に訪ふも梅二月 多方清子 雨月 201505
アドレスの削除躊躇ふ梅二月 高野春子 京鹿子 201505
二月果つ曖昧模糊の神の御代 野村鞆枝 京鹿子 201506
泣かないよ二月の空は澄みきつて 辻響子 201506
雨上がり深く息する二月かな 松村光典 やぶれ傘 201506
わが声の二月の谺まぎれなく 木下夕爾 春燈 201508
芭蕉庵二月の十賊伸び放題 大山夏子 201508
消火器に埃二月の台所 きくちえみこ 港の鴉 201510
空白のごとき満月にて二月 きくちえみこ 港の鴉 201510
まだ風のとんがつてゐる二月かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
過ぐ時間追うて二月を励まねば 稲畑汀子 ホトトギス 201602
紅白の遅速を問ふも梅二月 稲畑汀子 ホトトギス 201602
仏壇の奥の金色二月かな 神蔵器 風土 201602
飛天女の足の指反る二月かな 橋添やよひ 風土 201602
二月 →3      

 

2021年2月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。